全日本モトクロス選手権 IA2

RACE DATA

■大会名称：2008全日本モトクロス選手権第2戦関東大会
■カテゴリ：IA2クラス
■開催日：2008年4月27日（日）
■会場：埼玉県・オフロードヴィレッジ
■レース時間：（30分＋1周）×2ヒート
■天候：晴れ　■観客：16,000人

REPORT

渡辺が両ヒート4位で総合3位を獲得！

ウエットからドライに変化する難しいコンディションのなか、YZ250Fを駆る渡辺学が両ヒートを4位とし、総合3位を獲得。またYZ250FMを駆る小島太久摩は、第2ヒートで3位となり今シーズン3度目の表彰台に立った。

第1ヒート、ホールショットは平田優（ホンダ）。これに小島、池谷優太（スズキ）、井上眞一（カワサキ）、勝谷武史（カワサキ）が続く。序盤は小島が池谷をかわして2番手に浮上。また勝谷が井上、池谷をかわして3番手とし、トップ3が後方を引き離して先行する。
中盤に入ると平田が徐々にリードを広げてトップをキープ。一方小島は順位を上げてきた勝谷にかわされ3番手に順位を落とす。レース後半になると、勝谷と小島が平田との差を徐々に縮めていくが、小島は15周目に転倒。さらにエンジンがかからず大きく順位を落とし25位でレースを終えた。優勝は平田、2位は勝谷、3位は井上。
Team YZの渡辺は、14番手とスタートで遅れたものの、1周目で10番手まで挽回。その後も着実に順位を上げ最後は4位でチェッカーを受けた。スタートで大きく遅れた木下隼は14位。田中雅己は序盤12番手走行中にエンストで順位を落とすなど15位。尾崎友哉は決勝レース前に行われた練習走行中に肩を脱臼したため決勝は欠場した。

第2ヒートは斉木達也（ヤマハ）がホールショット。これに小島、平田、井上という順番で第1コーナーを駆け抜ける。しかし1周目は第1ヒートと同様平田が制し、これに小島、勝谷、渡辺が続く。序盤は上位3人が先行するが、平田がハイペースで後方の2人を引き離し単独トップに立つ。
2位争いは勝谷が小島の背後につけ、これを小島がしのぐ展開となるが、8周目に勝谷の先行を許す。その後小島も食らいついていくが10周目に転倒して離される。トップの平田は他を寄せ付けずに優勝。勝谷は2位となった。
3位は小島と渡辺の争いとなり、約2秒という僅差のレースを繰り広げる。追う渡辺に対して、引き離そうとする小島の攻防は最終ラップまで続けられるが、順位に変動はなく。3位小島、4位渡辺となった。
好スタートを切り序盤10番手とした田中は、一時8番手まで順位を上げるも後半ペースが落ちて11位でゴール。木下はスタートで遅れ、混戦の中で順位を上下させながらのレースとなったが最後は19位でチェッカーとなった。

COMMENT

渡辺学選手談（4位／4位／総合3位）

「昨日予選で転倒しひどい脳震とうがあったため、体調はベストではなかった。しかし、現状で最大限の力を出そうと朝から気持ちを入れ替えてレースに臨んだ。第1ヒートはスタートが遅れたので無茶をせず、ミスなく着実に前にいくことを考えて走ったことで順位を上げることができた。第2ヒートはスタートが決まり、自分のラインを使いながら慌てずに着実に走った。中盤に小島選手が転倒して近づけたので、プレッシャーをかけてミスを誘いたかったが、一発のスピードがあり近づくことができなかった。今回は体調を考えれば、目標の6位以内を達成したので満足。次のSUGOでは表彰台を狙っていきたい」

小島太久摩選手談（25位／3位／総合9位）

「第1ヒートは序盤のラインが悪くペースが上がらず勝谷選手にかわされてしまった。しかし後半は上位2人との差が詰まってきたので、いくしかないと思っていたが、周回遅れのライダーが自分の前で接触しよけることができず転倒してしまった。第2ヒートは勝谷選手を目の前にしながら、ミスで転倒し勝負できずに終わってしまった。悔しいしポイントを落としたのは大きなマイナスだが、幸いまだ第2戦が終わっただけ。調子もよいし気持ちを整理して、このマイナスを着実に取り返していきたい」

田中雅己選手談（15位／11位／総合11位）

「今回のコースは苦手なのだが、その意識を捨ててレースに臨んだ。第1ヒートはスタートは出ることができたが、アウト側だったため遅れてしまった。その後もエンストや転倒で順位を落とし悔いの残るレースとなった。第2ヒートはスタートでまずまずの位置につけて序盤はポジションをキープできたが。中盤以降は疲れがでて順位を落としてしまった。ここまで2戦を戦ったが、やはり体力的に大きく劣っており、タイムを最後まで維持できないことが悔しい。今後はこの課題を克服してもっと上位で戦いたい」

木下隼選手談（14位／19位／総合18位）

「第1ヒートはスタートで遅れたが、序盤で挽回することができた。しかし中盤以降は、体力的にきつくなり抜くことができなくなってしまった。第2ヒートは最初のレースよりはよいスタートを切ることができた。しかしこのレースも疲れて思うように走れなかった。この会場は地元なのでもっとよい成績を出したかったが、それもできず悔しい。次のレースでは公式練習、予選と気を抜かずに取り組み、よいグリッドから決勝に臨めるようにしたい」

尾崎友哉選手談（決勝欠場）

「日曜日の公式練習中に肩を脱臼。それでも出場するつもりでサイティングラップには参加したのだが、それまで入っていた肩がまた外れてしまい、危ないと思って欠場を決めた。次回のSUGO大会までは回復に全力を注ぎチームや医者と相談しながら出場を決めたい」

鈴木健二Jubilo Racing Team監督談

「第1ヒート、小島選手はバックマーカーのアクシデントに巻き込まれて25位。運がなかったが、今後も平田選手、勝谷選手と三つ巴の戦いとなるので、このノーポイントは正直痛い。ただ幸いなことに残り8戦16ヒート残っている。小島選手は調子がよく、走ればトップ3に入る実力を持っているので、この調子をキープして着実にポイント重ねていけば自ずとランキングは上がっていくことだろう。次回のSUGO大会ではそれぞれ巻き返しの第1歩となるレースを期待する」

川崎智之Team YZ監督談

「渡辺選手は体調が悪いなかどういった戦い方をすればよいのか、また悪い状態でも気を抜くのではなく、最大限力を発揮する姿があり非常に評価できる。もちろん目標を達成したことで、若い2人にもよい影響を与えると考えている。田中、木下両選手については、技術面はもちろん体力的な部分でまだまだトップライダーたちには及ばない。それを補うことも大切だが、今は自分の力を常に出し切ってレースをすることも大切だ。今回の決勝は2人も力を出し切っていたが、公式練習や予選も決勝と同じよう常に進歩の場と思い取り組んでほしい」