全日本モトクロス選手権 IA2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどIA2に関する情報をお届けします。
Rd.01 04月13日 近畿
RACE DATA
■大会名称:2008全日本モトクロス選手権第1戦近畿大会
■カテゴリ:IA2クラス
■開催日:2008年4月13日(日)
■会場:奈良県・名阪スポーツランド
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート
■天候:晴れのち曇り時々雨 ■観客:14,157人
REPORT
小島が両ヒートで優勝!
チャンピオン獲得に最高のスタート
Jubilo Racing Teamの小島太久摩が最高のスタートを切った。昨年このクラスで一度もヒート優勝に手が届かなかった小島が、ヒート1、ヒート2ともに優勝する完全勝利で開幕戦を制し、チャンピオンに向けての第一歩を踏み出した。またTeam YZの渡辺学がヒート2で3位表彰台を獲得した。
ヒート1、ホールショットは勝谷武史(K)が奪い、小島太久摩は2番手でレースを開始。IA2ルーキーの田中雅己も5番手と好スタートを切りトップライダー達に挑む。レースはこのスタートでワン・ツーを決めた2人による争いとなる。
1周目は勝谷がトップで帰ってくるが、2周目には小島がトップに浮上する。その後は小島のペースが勝谷を上回り、周回ごとに約1秒ずつ離してく。中盤に入るとペースをキープした小島に対して、ペースアップした勝谷、そして平田優(H)が小島追い上げ、一時は3人が約5秒差というなかでレースを展開する。
終盤に入ると平田が遅れ、小島と勝谷の一騎打ちとなるが、余力を残していた小島が勝谷の追撃を抑え、今季初レースを優勝で飾った。2位は勝谷、3位は平田となった。
ルーキーの田中は、序盤から積極的なレースで4番手をキープ。トップグループからは遅れをとるが、11周目にチームメイトの渡辺にかわされるまで5番手を守る。田中をかわし5番手とした渡辺は、さらに4番手の稲垣佳樹(S)を捉えるが最終ラップで2人が接触。これを井上眞一(K)、田中がかわし、井上が4位、田中は初のIA2のレースで5位入賞を果たした。接触後すぐに再スタートした渡辺は6位。スタートで出遅れた尾崎友哉は、一時6番手まで追い上げるも転倒があり10位。田中と同様今年A級に昇格したルーキーの木下隼はスタートで出遅れながら追い上げて16位となった。
ヒート2でホールショットを奪ったのは小島、その後方には尾崎、勝谷、渡辺が続き、ヤマハライダー3人が好スタートでレースを開始する。
しかし2周目、2番手の尾崎が転倒し順位を下げると、ヒート1と同様、小島、勝谷がトップ争いを展開。序盤は小島がリードしたが、レース中間の9周目に勝谷が先行。しかし順位が変わっただけで、小島は勝谷の後方にピタリと張り付きレースを継続する。そして12周目、今度は小島が逆転してトップに立つが、勝谷も食らいつきバトルは続き2人は徐々に消耗していく。その間に後方の深谷広一(H)渡辺、星野裕(S)、平田が追い上げ、1~6番手が約2秒間隔でそれぞれを追い上げる白熱した展開になる。
レースはその後勝谷が転倒して順位を落としたことにより小島のリードが広がったが、ホッとするもの束の間、深谷が追い上げて小島の背後に迫りバトルを展開。ともに消耗しきって迎えたラストラップでの2人の差は約2秒。小島はその差を最後まで守りきって優勝し、完全勝利で総合優勝を獲得した。
序盤を4番手とした渡辺は終始深谷の後方につきポジションをキープ。終盤勝谷の転倒で順位を上げると、2ヒート目にして3位表彰台を獲得した。木下はこのレースでも1周目を23番手と出遅れたが、今回も挽回して13位でゴール。ヒート2に続き6番手と好スタートを切った田中は、序盤こそポジションを守ったが徐々にトップグループから離され中盤以降もバトルのなかで順位を落とすこととなり14位となった。転倒した尾崎はほぼ最後尾からの再スタートとなったが10人以上のライダーをかわして15位でチェッカーとなった。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 小島 太久摩 | Jubilo RT | Yamaha | 31'55.336(19Laps) |
2 | 勝谷 武史 | グリーンクラブ&ジュニアライダーズ | Kawasaki | 31'56.348 |
3 | 平田 優 | TEAM HRC | Honda | 32'06.750 |
4 | 井上 眞一 | K.R.T. | Kawasaki | 32'34.909 |
5 | 田中 雅己 | TEAM YZ | Yamaha | 32'40.113 |
6 | 渡辺 学 | TEAM YZ | Yamaha | 32'43.627 |
7 | 稲塩 佳樹 | SRFTeamブルーイーグルス | Suzuki | 32'50.200 |
8 | 深谷 広一 | セキレーシング モトロマン | Honda | 32'51.062 |
9 | 富田 俊樹 | Team BAS | Honda | 32'51.822 |
10 | 尾崎 友哉 | MPDY | Yamaha | 32'53.033 |
11 | 加藤 吏一 | TEAM GREEN | Kawasaki | 32'57.065 |
12 | 須田 純 | グリーンクラブ&ジュニアライダーズ | Kawasaki | 32'59.543 |
13 | 三原 拓也 | TEAM GREEN | Kawasaki | 33'05.961 |
14 | 平塚 雅樹 | グリーンクラブパーク神戸RT | Kawasaki | 33'06.485 |
15 | 中島 敬則 | クラブヤマハレーシングチーム鷹 | Yamaha | 33'08.224 |
16 | 木下 隼 | TEAM YZ | Yamaha | 33'09.222 |
17 | 種子 善之 | SRF Team ブルーイーグルス | Suzuki | 33'13.511 |
18 | 吉田 勝 | グリーンクラブパーク神戸RT | Kawasaki | 33'23.207 |
19 | 星野 裕 | Team SRM | Suzuki | 33'23.951 |
20 | 井上 洋昭 | クラブヤマハTEAMKOHーZ | Yamaha | 33'34.541 |
23 | 斉木 達也 | クラブヤマハ大磯ムスタング | Yamaha | 32'24.239(-1Lap) |
29 | 今野 陽平 | クラブヤマハRCK&NRT | Yamaha | 33'14.097(-1Lap) |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 小島 太久摩 | Jubilo RT | Yamaha | 33'25.682(20Laps) |
2 | 深谷 広一 | セキレーシング モトロマン | Honda | 33'27.419 |
3 | 渡辺 学 | TEAM YZ | Yamaha | 33'33.261 |
4 | 平田 優 | TEAM HRC | Honda | 33'38.156 |
5 | 勝谷 武史 | グリーンクラブ&ジュニアライダーズ | Kawasaki | 33'59.058 |
6 | 吉田 勝 | グリーンクラブパーク神戸RT | Kawasaki | 34'06.607 |
7 | 井上 眞一 | K.R.T. | Kawasaki | 34'12.215 |
8 | 平塚 雅樹 | グリーンクラブパーク神戸RT | Kawasaki | 34'16.883 |
9 | 種子 善之 | SRF Team ブルーイーグルス | Suzuki | 34'22.500 |
10 | 須田 純 | グリーンクラブ&ジュニアライダーズ | Kawasaki | 34'23.804 |
11 | 矢野 和都 | グリーンクラブTEAMKTAKASE | Kawasaki | 34'25.473 |
12 | 星野 優位 | SEKI Racing MotoRoman | Honda | 34'26.231 |
13 | 木下 隼 | TEAM YZ | Yamaha | 34'26.831 |
14 | 田中 雅己 | TEAM YZ | Yamaha | 34'29.270 |
15 | 尾崎 友哉 | MPDY | Yamaha | 34'36.052 |
16 | 加藤 吏一 | TEAM GREEN | Kawasaki | 34'38.833 |
17 | 富田 俊樹 | Team BAS | Honda | 34'39.514 |
18 | 井上 洋昭 | クラブヤマハTEAMKOHーZ | Yamaha | 34'40.682 |
19 | 富田 健二 | マウンテンライダーズ | Suzuki | 34'51.686 |
20 | 三原 拓也 | TEAM GREEN | Kawasaki | 34'59.545 |
22 | 今野 陽平 | クラブヤマハRCK&NRT | Yamaha | 33'54.509(-1Lap) |
24 | 斉木 達也 | クラブヤマハ大磯ムスタング | Yamaha | 34'17.283(-1Lap) |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 小島 太久摩 | Yamaha | 50 |
2 | 平田 優 | Honda | 38 |
2 | 勝谷 武史 | Kawasaki | 38 |
4 | 深谷 広一 | Honda | 35 |
5 | 渡辺 学 | Yamaha | 35 |
6 | 井上 眞一 | Kawasaki | 32 |
7 | 田中 雅己 | Yamaha | 23 |
11 | 尾崎 友哉 | Yamaha | 17 |
16 | 木下 隼 | Yamaha | 13 |
20 | 中島 敬則 | Yamaha | 6 |
21 | 井上 洋昭 | Yamaha | 4 |
COMMENT
小島太久摩選手談(1位/1位/総合1位)
「ヒート1はトップに立ってすぐはペースを上げたが、中盤以降はペースキープして走った。しかしラインが悪く勝谷選手に追いつかれ、再びよくなったかと思うとまたラインが乱れて追いつかれるという繰り返しだった。終盤は再度勝谷選手と激しいバトルとなったが最後まで守ることができた。ホールショットだったヒート2は序盤から逃げようと思った。ただ勝谷選手も速くまたバトルとなってしまった。その後勝谷選手にかわされたが、落ち着いてついていき勝負どころを見極めてかわした。最後の深谷選手とのバトルは、疲れて非常に苦しかったが、最後までミスをなく走りことを考えて走った。Jubilo Racing Teamでの開幕戦で勝つことができてホッとした。次はもっとリラックスして臨めそうだ」
渡辺学選手談(6位/3位/総合5位)
「小指を怪我していたこともあり、開幕は無理をせずに一桁台を狙っていたが、調子がよく決勝では入賞圏内を目標とした。ヒート1は着実に順位を上げ最終的に入賞という気持ちで走った。後半に入って4番手が見えてきたので終盤で勝負できるペース配分で追い上げたが、その4番手の選手と接触して順位を落として6位。ヒート2は序盤4番手だったが怪我あったので無理をせずミスの少ない走りを心掛け、一方で後方のプレッシャーを抑えながらポジションキープする難しいレースだった。今日は自分が考えていた以上の成績を残せてよいシーズンのスタートが切れた。今後はもっと貪欲に上を狙っていくスタイルに変えていくつもりだ」
田中雅己選手談(5位/14位/総合7位)
「開幕戦はA級昇格後初めてのレースなので、スタートだけでも目立ってやろうとうい気持ちで臨んだ。ヒート1はスタートが決まりトップ集団についていこうと頑張ったが、さすがにそれはできず離されてしまった。しかしその後は安定して走れたし、後半は渡辺さんに引っ張ってもらう形で上位をキープし5位となった。これで満足してはいけないが、初のレースだと考えれば非常にうれしい。ヒート2もスタートはよかったが、終始ラインが定まらずペースを落として順位を下げてしまった。今回は今後IA2で戦っていくうえで大きな自信となった」
尾崎友哉選手談(10位/15位/総合11位)
「練習から予選まで非常によい状態で決勝を迎えることができた。ヒート1ではスタートが遅れたので、自分のラインではなく順位を上げるためラインを積極的に変えた。またオーバーペースで走ったこともあり順位を上げることはできたが、無理が祟って転倒を繰り返してしまった。ヒート2は2番手スタートで自分の勝ちパターンだった。しかしここでも転倒し順位を落としてしまった。まだ無理をする時間帯ではなかったので悔いが残るミスだった。次戦は今回の反省を生かし自分の気持ちをコントロールしながらレースを組み立てていきたい」
木下隼選手談(16位/13位/総合16位)
「グリッドに立ったときは正直怖さを感じていた。そのためかスタートは決まらず後方からの追い上げとなった。途中まではなんとか順位を上げることができたが、中間あたりまでくると順位を上げることができなくなった。スピードもテクニックも全て自分のレベルが低いことを痛感した。ヒート2は1回目のレースと比べ気持ちにも余裕があった。しかしスタートは思うようにはいかなかったし順位も特別よかった訳ではないが、挑戦していく気持ちが作れたことはよかった。今回はチームメイトの田中選手の成績がよく正直悔しい。次のレースでは先にフィニッシュできるように、また今回以上の成績が残せるように頑張りたい」
鈴木健二Jubilo Racing Team監督談
「小島選手は昨年の課題を把握し、それを克服すべくこのオフに練習を積んで、自信を取り戻して臨んだレースだった。そこで総合優勝し、我々チームやファンの期待に応え、さらに自分の努力が報われることなり本当に大きな一勝になったと思う。これで勢いをつけてほしい。しかしまだ9戦18ヒートが残っているので、気を抜けない状況が続いていく。今後はそれを軽減できるようにチームが一丸となれるよう我々も気を引き締め、小島選手もシーズンの厳しさを再度肝に命じ今後のレースに向かっていってほしい」
川崎智之Team YZ監督談
「今年はチームが新しくなり3人が揃ってからわずか1カ月というなか、予想以上の成績を挙げることができた。我々のチームは成績だけでなく常に全力を発揮して成長を遂げてくことも目標であるが、各ライダーが目標達成に向けた走りを披露してくれたことも評価できる。渡辺選手は怪我があるなか、若手2人のお手本として表彰台に立ちレースでも成績でも2人を引っ張ってくれた。田中選手は自分の持っている力を最大限に発揮した。今後はこれを継続することが大事になってくる。木下選手は今回はグリッドが悪くスタートがきつかったが、厳しい条件のなかで順位を上げていくことができた。チームとしても未熟なところがあるので、今後は我々も3人が存分に力を発揮できる環境を作れるように頑張らなければと感じた」