スーパーバイク世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。
Rd.11 10月10-12日 エストリル
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権 第11戦エストリル
■開催地:ポルトガル/エストリル(4.182 km)
WorldSBK レース1
■開催日:2025年10月11日(土)
■周回数:20周 (83,640 Km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度
■路面温度:38度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分34秒203)
■FL:T・ラズガットリオグル(BMW/1分35秒696)
WorldSBK スーパーポールレース
■開催日:2025年10月12日(日)
■周回数:10周(41,820 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:23度
■路面温度:29度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分34秒203)
■FL:N・ブレガ(Ducati/1分34秒973)
WorldSBK レース2
■開催日:2025年10月12日(日)
■周回数:21周 (87,822 Km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度
■路面温度:38度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分34秒203)
■FL:N・ブレガ(Ducati/1分35秒406)
REPORT
WorldSBK 10月11日(土)
ロカテッリ選手4位、レイ選手6位
第11戦ポルトガル大会がエストリル・サーキットで開催され、Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official TeamのA・ロカテッリ選手とJ・レイ選手が、レース1でそれぞれ4位と6位を獲得した。
先立って行われたスーパーポールではレイ選手が6番手、ロカテッリ選手が8番手と健闘し、それぞれグリッド2列目と3列目からレース1をスタート。直後の第1コーナーで多重クラッシュが発生して赤旗中断となり、再スタートが行われた。
2度目のスタートではロカテッリ選手が先に第1コーナーに進入したあと、レイ選手がすぐさま前に出て4番手を確保。ロカテッリ選手が5番手で続く展開となった。
レイ選手は3位のA・バウティスタ選手(ドゥカティ)に迫り、表彰台獲得を目指して激しくプッシュ。しかし13ラップ目の第1コーナー進入のブレーキングで手間取り、さらに終盤はリアグリップの低下もあり徐々に後退した。その一方でロカテッリ選手は着実にペースを上げて15ラップ目にレイ選手をパス。さらにバウティスタ選手を追って行ったが届かず4位でゴールした。レイ選手も6位獲得と健闘した。
ガードナー選手9位、エガター選手は怪我で欠場
GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのR・ガードナー選手が9位を獲得。チームメイトのD・エガター選手はトレーニング中の怪我により欠場した。
午前中に行われたフリープラクティス第3セッションは1分35秒570の好タイムで3番手。勢いをそのままにスーパーポールに臨み、1分35秒319に更新して7番グリッドを獲得した。
赤旗中断後の再スタートで好ダッシュを決めたガードナー選手は序盤で8番手をキープ。6ラップ目にA・イアンノーネ選手(ドゥカティ)に先行を許したあともハイペースを維持して走り切り、9位でチェッカーを受けた。
WorldSBK 10月12日(日)
ロカテッリ選手5位、レイ選手9位
Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official TeamのA・ロカテッリ選手とJ・レイ選手が、レース2でそれぞれ5位と9位を獲得した。ロカテッリ選手はこの活躍によりランキング3位の可能性を残した。
午前中に行われたスーパーポール・レースでは、レイ選手が幸先よく飛び出して2ラップ目に3位へ浮上。その後A・バウティスタ選手(ドゥカティ)に抜かれて4位となり、ロカテッリ選手が5位で続く展開となった。3位争いが大集団へと膨れ上がるなか、何とか前へ出ようとハードプッシュを続けていたレイ選手が7ラップ目に転倒。ロカテッリ選手が4位に上がり、そのまま後続のA・ローズ選手(ビモータ)とA・イアンノーネ選手を抑えきってチェッカーを受けた。
この結果を受けて、レース2はロカテッリ選手が4番グリッド、レイ選手が11番グリッドからスタート。ロカテッリ選手は絶好の飛び出しで2位につけ、レイ選手も3ラップ目までに6位に浮上した。しかし周回が進むにつれ、ふたりは前日のレース1以上にタイヤの消耗に苦戦するようになり徐々に後退。最終的にロカテッリ選手が5位、レイ選手が9位でゴールした。
次回スペイン大会でロカテッリ選手はランキング3位獲得を目指し、レイ選手はスーパーバイク世界選手権ライダーとして現役最後の戦いに臨む。
ガードナー選手が7位獲得
GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのR・ガードナー選手はスーパーポール・レース6位、レース2で7位と健闘した。
フリープラクティス第3セッションを好調のうちに終えたガードナー選手は自信を持ってスーパーポール・レースに臨み、終始、素晴らしい走りを見せた。トップグループに加わり、終盤では何度かオーバーテイクを成功させて6位を獲得。これによりレース2のグリッド2列目を確保した。レース2でも安定したリズムとペースを最後までキープし、7位でゴールして貴重なポイントを獲得した。
WSBK RESULT Race.1
WSBK RESULT Superpole Race
WSBK RESULT Race.2
RIDERS RANKING WSBK
CONSTRUCTORS RANKING WSBK
COMMENT
WorldSBK 10月11日(土)
Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official Team
A・ロカテッリ選手(4位)
「ビッグファイトを展開して4位を獲得できたのは良かったと思いますが、トップとの差が依然として大きく、さらなる改善が必要です。初めはスタートでやや出遅れて上位についていくのが大変でした。スーパーポールの状況と同様、大勢のタイムが接近しているため8番グリッドから前に出るのは簡単ではありませんが、2度目のスタートはかなりうまくいきました。明日に向けてリアグリップを改善することと、ジョナサン(レイ)が見せたような序盤の素晴らしいパフォーマンスを目指して作業に取り組みます。今日は好ポイントを獲得でき、明日また2回のチャンスがあります。データをより詳細に確認して改良できる部分を探し出し、明日は表彰台争いのチャンスをつかめるかもしれません」
J・レイ選手(6位)
「序盤は非常に好調でした!アルバロ(バウティスタ)は何度かミスをしていて、私はほとんどのコーナーで完璧な走りができていました。唯一、最終コーナー出口から第1コーナーに向かうところで離される状態でした。第2セクターと第3セクターで取り戻し、そのあとスリップストリームにつくこともできました。しかしレース中盤の第1コーナー進入のブレーキングで手間取り、アレックス(ローズ)とロカ(ロカテッリ)に追いつかれてしまいました。そして次のストレートで抜かれてしまったのです。でもマシンは全体的に非常に調子が良く、20ラップをしっかり走り切りました。6番グリッドからのスタートが、今日を最高の一日にしてくれたと思います。好スタートを切り、R1が素早くダッシュしてくれたので、その時点ですでに好ポジションにつくことができました。2度目のスタートではロカが先に行きましたが、そのあとはアルバロの背後につけて中盤までハイペースを維持できました。明日はさらに改善を目指します。グリップが低下してからは最終コーナーの旋回がうまくいかなったので改良の余地があります。その他はすべて非常に好調でした。ライディングをエンジョイし、トップ5争いに加わり素晴らしいレースができました」
GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
R・ガードナー選手(9位)
「順位的にはもっと上を目指していましたが、一日を通してとても順調でした。午前中のフリープラクティス第3セッションが非常に好調だったので自信を持ってスーパーポールに臨み、トップ5に千分の数秒差の好タイムを記録することができました。レース1はスピードではややかないませんでしたが、ペースは終始安定していました。これから明日に向けてハードワークに取り組み、もっと力をつけて前との差を縮めたいと思っています」
WorldSBK 10月12日(日)
Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official Team
A・ロカテッリ選手(4位/5位)
「最終的にレース2はまた5位となりました。その前のスーパーポール・レースでは好調を維持して4位を獲得できましたが、3位争いが大集団の接近戦となり決して簡単ではありませんでした。レース2は正直なところ少し残念な結果です。5位は悪くないかもしれませんが、中盤以降はずっとフロントタイヤに苦戦しました。これはレース1では起こらなかったことなのですが、タイヤの右側が劣化してしまいました。ライバルと激しく競り合うときによくあることですが、通常は最後まで戦い続けることができるのです。すべてのセッションで全力を尽くしており、今日はこれが最大限の結果でした...でもとにかく努力を続けるのみです。来週はヘレスで最終戦が行われます。R1の良いフィーリングを維持し、もう一度頑張ります。今回も多くのポイントを獲得できたことはとても良かったと思います。ここ数戦は苦しい戦いが続いていましたが、ハードワークを続けてヘレスに臨みます」
J・レイ選手(DNF/9位)
「正直なところ、スーパーポール・レースは非常に残念な結果でした。序盤で3位に上がりましたが、ロカ(ロカテッリ)に抜かれたときは彼のランキング3位のことも念頭にありましたし、彼は実際、アルバロ(バウティスタ)と同等あるいはそれ以上のペースがあるように見えました。しかし数ラップ後もなかなか抜けない様子だったので"よし!攻めていこう!"と本気で考えたのです。R1は絶好調で、とくに第2セクターと第3セクターは素晴らしかったので、もしも最終ラップでいい位置につけられれば表彰台のチャンスがあると思いました。ところが第7コーナーで転倒してしまいました。前のラップよりもほんのわずかに限界を超えただけですが、それが私たちの戦いなのです。自分自身、非常に悔しく、ともに頑張ってくれているチームのみんなに申し訳なく思いました。そのあとのレース2はグリップ向上のため少しセッティング変更を行いましたが、全体を通してリアトラクションに苦戦し、タイヤを消耗して昨日以上に大きく遅れてしまいました。あとはとにかく完走することが重要でした。セッティング変更が間違っていたのかもしれませんが、ここから学び、次への改善につなげなければなりません。トップ5で戦う力があるとわかったので、シーズンを力強く締めくくる可能性を信じて次のヘレスに臨みます。全力を捧げてくれるチームに感謝しています。とくにクルーチーフのウリは私のライディング・スタイルに合ったマシンを作るため本当に頑張ってくれました。支え続けてくれたヤマハとチームのひとりひとりに感謝の気持ちを伝えたいです」
P・デニング(チーム代表)
「ふたりのライダーの素晴らしいパフォーマンスを見ることができました。ふたり揃って表彰台争いに絡んでいったのです。昨日のレース1と今日の午前中のスーパーポール・レースは、JR(レイ)の転倒はあったものの、いずれも本当に見事な戦いぶりでした。レース2はさらに上を目指していったわけですが、残念ながらそれはかないませんでした。ふたりともフロントタイヤの劣化で終始グリップに苦戦しました。これは昨日の私たちの強みだったところなのです。予想外のことであり、とても残念です。それでもロカは4位、4位、5位と健闘し、ランキング4位で最終戦を迎えることになりました。わずか8ポイント差なので、ランキング3位の可能性を十分に残しています。JRのほうは、ようやく体調が回復し、引退決意後も勝負への意欲を少しも失っていないことを改めて証明しました。ヘレスはR1との相性がいいので、チーム全体のパフォーマンスを最大限まで高めていきたいと思っています」
GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
R・ガードナー選手(6位/7位)
「ふたつのレースをしっかり走り切り、自信を持って最終戦に臨むことができます。スーパーポール・レースではトップグループに加わって6位を獲得し、グリッド2列目を確保することができました。レース2も全力を尽くして上位陣に近づいていきました。まだ少し足りないところがありますが、7位は満足できる結果ですし、最終戦に向けて良い弾みになりました。力強くシーズンを締めくくりたいと思っています」