スーパーバイク世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。
Rd.10 9月26-28日 アラゴン
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権 第10戦アラゴン
■開催地:スペイン/アラゴン(5.077 km)
WorldSBK レース1
■開催日:2025年9月27日(土)
■周回数:18周 (91,386 Km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:24度
■路面温度:37度
■PP:N・ブレガ(Ducati/1分47秒332)
■FL:N・ブレガ(Ducati/1分49秒040)
WorldSBK スーパーポールレース
■開催日:2025年9月28日(日)
■周回数:10周(50,770 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度
■路面温度:27度
■PP:N・ブレガ(Ducati/1分47秒332)
■FL:N・ブレガ(Ducati/1分48秒165)
WorldSBK レース2
■開催日:2025年9月28日(日)
■周回数:18周 (91,386Km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度
■路面温度:31度
■PP:N・ブレガ(Ducati/1分47秒332)
■FL:T・ラズガットリオグル(BMW/1分48秒427)
REPORT
WorldSBK 9月27日(土)
ロカテッリ選手7位、レイ選手13位
第10戦アラゴン大会のレース1でPata Maxus Yamaha WorldSBK Official TeamのA・ロカテッリ選手とJ・レイ選手がそれぞれ7位と13位を獲得した。
スーパーポールではレイ選手が8番手、ロカテッリ選手が9番手となり、ともにグリッド3列目に並んで好スタートを切った。しかしオープニングラップの混戦のなかで思うような順位を確保できず、その後の展開は厳しいものとなった。
周回が進むにつれ、ロカテッリ選手はペースをつかんで6台からなるトップグループとの差を縮めていく。9ラップ目には背後まで迫りオーバーテイクを目指していたが、終盤はリアタイヤのグリップ低下もあり順位を上げることはできなかった。
レイ選手は序盤で8番手をキープしていたが、ロカテッリ選手と同様の問題で後半は大きく後退。最終的に13位でチェッカーを受けた。
エガター選手が11位、ガードナー選手はリタイア
GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのD・エガター選手がレース1で11位を獲得。チームメイトのR・ガードナー選手は残り2ラップでマシントラブルによりリタイアとなった。
午前中に行われたフリープラクティス第3セッションでは、エガター選手が1分48秒584を記録して5番手と好調ぶりをアピール。ガードナー選手は1分48秒983の11番手で終えた。
15分間のスーパーポールではガードナー選手が1分48秒178、エガター選手が1分48秒317と昨年の予選タイムを大幅に更新したが、順位は思うように上がらずそれぞれ10番手と11番手につけた。
レース1ではともにグリッド4列目から好スタートを切り、着実にレースを進めていく。エガター選手は終始ハイペースを維持し、終盤は力強いチャージを見せて11位でゴール。ガードナー選手も順調に走行を続けて多くの時間帯で10番手をキープしていたが、電子系統の問題により残り2ラップでリタイアとなった。
WorldSBK 9月28日(日)
レイ選手が5位獲得、ロカテッリ選手は7位
Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official TeamのJ・レイ選手とA・ロカテッリ選手がレース2でそれぞれ5位と7位を獲得した。
レイ選手は午前中に行われたスーパーポール・レースで8位を獲得し、レース2をグリッド3列目の好位置からスタートするチャンスを手にした。YZF-R1のセッティング向上によりグリップとタイヤの消耗をコントロールできるようになり、ライダーの自信が増したことで、レイ選手はスタート早々に4番手へ浮上。その後も力強い走りを維持し、A・バウティスタ選手(ドゥカティ)やA・イアンノーネ選手(ドゥカティ)に最後まで食らいつき、4位からわずか0.6秒差の5位でチェッカーを受けた。
ロカテッリ選手はレイ選手ほど自信を持てる状況ではなく、前後タイヤのグリップに苦戦したが、懸命の走りで7位を獲得し、ランキング3位への望みをつないだ。第11戦ポルトガル大会は10月10~12日、エストリル・サーキットで開催される。ライダー、チーム、そしてYZF-R1も得意とするコースで好成績を目指す。
ガードナー選手12位、エガター選手13位
GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのR・ガードナー選手とD・エガター選手がそれぞれ12位と13位を獲得し、ともにポイントを加算した。
ウォームアップ・セッションを好調に終え、自信を持ってスーパーポール・レースのグリッドに並んだガードナー選手とエガター選手。ガードナー選手は着実なスタートで9位争いを展開したが、終盤でグリップに苦戦して16位へ後退。エガター選手はオープニングラップで多重クラッシュに巻き込まれ、再スタートしたものの20位にとどまった。
レース2ではガードナー選手が11番グリッド、エガター選手が14番グリッドからスタートし、終始安定したペースで走り切って、それぞれ12位と13位でチェッカーを受けた。
WSBK RESULT Race.1
WSBK RESULT Superpole Race
WSBK RESULT Race.2
RIDERS RANKING WSBK
CONSTRUCTORS RANKING WSBK
COMMENT
WorldSBK 9月27日(土)
Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official Team
A・ロカテッリ選手(8位)
「終わってみればポジティブな面もいくつかありました。終盤はリアグリップの低下で苦しい状態になってしまいましたが、レースの3分の2まではハイペースを維持できました。アレックス(ローズ)との5位争いはかないませんでしたが、トップグループとの差を詰め、オーバーテイクも何度かあり、最終的に7位でゴールすることができました。終盤でグリップ低下に悩まされたのは残念ですが、最初の10ラップはとても速く力もあったので、良かったところを評価したいと思います。ミスがひとつも出なかったこともレースにおいては重要です。明日に向けてさらにマシンを改良し、上位を目指してプッシュしていきます」
J・レイ選手(13位)
「スーパーポールで好タイムが出て、グリッド3列目を獲得してレースへのチャンスをつかむことができました。第1コーナーでやや抑え込まれてしまいましたが、1ラップ目と2ラップ目で何台かパスしてポジションを確保しました。しかし今朝や昨日と比べるとリアグリップが落ちていた上、5~6ラップにはフロントタイヤにも問題が出てマシンの向き替えが難しい状況になってしまいました。フロント・トラクションの影響でうまく旋回できず、何度も危ない場面があり、自信が持てなくなりました。初めての18ラップ連続走行なので何らかのデータが得られたはずですが、明日はベース・セッティングを変更してグリップレベルを調整する必要があると思っています。またフロントタイヤに硬めのコンパウンドを選択する可能性もあります。これからデータを分析し、明日に向けて改善策を探ります。もっと上を目指すためハードワークに取り組みます」
GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
D・エガター選手(11位)
「いいレースができました。でも残念ながら目標の順位には届きませんでした。序盤でかなり苦戦し、貴重な時間を費やしてしまいました。周回が進むにつれてペースが上がり、上位と同等の走りができましたが挽回には至りませんでした。良かったところは明らかにスピードが上がっていることです。あとはレース全体を通してトップグループについて行くため、あらゆる要件をそろえることが重要です。明日も改善のチャンスがあります。自信を維持してプッシュを続けていきます」
R・ガードナー選手(DNF)
「今日は運に恵まれませんでした。スーパーポールは悪くありませんでしたが、昨年より1秒以上縮めたにもかかわらず3列目に届きませんでした。レース1では序盤でトップグループに近づくことができましたが、後半で苦戦し、最後はトラブルでリタイアを余儀なくされました。問題を確認して明日に備えたいと思います。リベンジに自信を持っています」
WorldSBK 9月28日(日)
Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official Team
J・レイ選手(8位/5位)
「今日の走りにとても満足しています。チームとクルー全員に感謝しています。先月ここでテストをしていなかったら、これだけのデータを準備することはできなかったでしょう。R1ははじめ、前回のマニクールと同じ状態でしたが、あらゆるものを詰め込んでまったく別のマシンに仕上がりました。そしてそれが、これまでアラゴンで走らせたなかで最高に素晴らしいバージョンだったのです。スーパーポール・レースで8位を獲得し、レース2を好位置からスタートできました。1ラップ目で4番手につけたときは"やった!"と思いました。うまくパス出来て、とてもいいポジションを確保することができたのです。そのあとは着実にリズムを刻むことを心掛けましたが、アルバロ(バウティスタ)に抜かれ、ついて行くのは非常に困難でした。コースのいくつかの部分では私が強かったのですが、最終セクターは彼のほうがずっと力があったので、第15コーナーを全力で立ち上がってスリップストリームにつくことで後続グループを引き離そうとしました。終盤でイアンノーネ選手に抜かれたあとは、ただ懸命に走り続けて前方のミスを待つことしかできませんでした。最後の数周は彼のほうがペースが速く追いつくことはできませんでしたが、チームとして5位は満足できる結果だと思います。求めていたものではありませんし、トップから数秒離されてしまいましたが、私たちの'ベスト・バージョン'を久しぶりにお見せできたと思っています。気持ちよく、残り2ラウンドを迎えることができます」
A・ロカテッリ選手(12位/7位)
「私にとっては苦しい一日でした。昨日のレース1のあとは非常にポジティブで、マシンを改良して一歩前進できると考えていたのですが、終わってみれば今日が最も難しい展開になっていました。それでも前を向いていかなければなりませんし、今日のことは少し忘れるべきでしょう。ライバルたちがテストを行っているのに自分にとっては初めてのコースだという場合は、決して楽ではありません。しかしそのなかで初日から全力で頑張ってきました。昨日はフロントタイヤのグリップがなくなり、トップグループについていけませんでした。そして今日は前後とも問題が出てしまいましたがなんとか乗り切りました。次のエストリルは好きなコースで、過去に速く走れた経験もあります。またベストを尽くします!」
P・デニング(チーム代表)
「アラゴンでは毎年、さまざまな理由で苦戦を強いられています。そして今年も例外ではありませんでした。しかしメカニックたちの努力でセッティングやタイヤの耐久性が向上し、ライダーに自信を与えられたことで、JR(レイ)の5位、しかも4位にコンマ数秒差という見事な成績を実現することができました。チーム内にあきらめる気持ちがまったくありませんでしたし、いつでも大幅な前進が可能だということを証明できました。その結果として、ジョナサンのレース全体のタイムが昨日より18秒も短縮され、1ラップにつき1秒も速くなっていたのです。
ロカ(ロカテッリ)については同様の答えを提示することができず、彼が最大限を発揮するには前後タイヤのグリップが不十分でした。そのなかでの7位は評価に値するもので、それによってランキング4位をキープできました。このあとのエストリルとヘレスは彼もヤマハも得意とするコースなので、ランキング3位獲得を目指して全力で挑みます」
GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
R・ガードナー選手(16位/12位)
「楽な一日ではありませんでしたが、数ポイントを獲得して前に進むことができました。私たちの強みを発揮できるコースではないことはわかっていました。もっとポテンシャルはあったはずですが、すべてを出し切ることはできませんでした。スーパーポール・レースは残念な結果になり、レース2では安定したリズムをキープするだけにとどまりました。望んでいた結果ではありませんが、良かったところを評価して残り2戦に集中したいと思います。次はもっといい走りができると期待しています」
D・エガター選手(20位/13位)
「スーパーポール・レースは始まる前に終わってしまったのも同然でした。オープニングラップのアクシデントに巻き込まれてしまったのです。残念ですが、これがレースというものです。なんとか最後まで走り切りましたが、レース2をグリッド14番からスタートすることになってしまいました。ペースは悪くなかったのですが、オーバーテイクが非常に難しく、前のライダーに阻まれて自分の本来のリズムを発揮できなかったのが残念です。それでも学べたことがあるので、それを糧に残りの2戦を好成績で締めくくりたいと思います」