スーパーバイク世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。
Rd.09 9月5-7日 フランス
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権 第9戦フランス
■開催地:フランス/マニクール(4.411 km)
WorldSBK レース1
■開催日:2025年9月6日(土)
■周回数:21周 (92,631Km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度
■路面温度:33度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分34秒930)
■FL:T・ラズガットリオグル(BMW/1分35秒642)
WorldSBK スーパーポールレース
■開催日:2025年9月7日(日)
■周回数:10周(44,110km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:23度
■路面温度:29度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分34秒930)
■FL:T・ラズガットリオグル(BMW/1分35秒500)
WorldSBK レース2
■開催日:2025年9月7日(日)
■周回数:21周 (92,631Km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:29度
■路面温度:38度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分34秒930)
■FL:T・ラズガットリオグル(BMW/1分36秒102)
REPORT
WorldSBK 9月6日(土)
ロカテッリ選手5位獲得 レイ選手はリタイア
マニクール・サーキットで行われた第9戦フランス大会のレース1で、Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official TeamのA・ロカテッリ選手はスーパーポールで転倒があり23番グリッドにとどまった。レース1では不利をものともせず、ハイペースで挽回して5位でチェッカー受けた。
ハイスピードからの転倒ながら幸い大きな怪我はなく、最後列から絶好のスタートを切ったロカテッリ選手。オープニングラップで早くも16台をとらえ、終盤でS・ロウズ選手(ドゥカティ)の転倒により5位に浮上してゴールした。
チームメイトのJ・レイ選手は午前中に行われたフリープラクティス第3セッションで6番手と好調。しかしスーパーポールはチームの判断ミスによりセッション終盤でタイムを短縮できず、グリッド13番手にとどまった。レースでは好スタートを切ったもののオープニングラップでY・モンテッラ選手(ドゥカティ)の転倒に巻き込まれて大きく後退。再スタートして挽回を目指していたが、11ラップでリタイアした。
ガードナー選手6位、エガター選手8位
GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのR・ガードナー選手とD・エガター選手がレース1でそれぞれ6位と8位を獲得し、チームに貴重なポイントをもたらした。
午前中に行われたフリープラクティス第3セッションでは予選に向けてマシン・セッティングに取り組み、ガードナー選手が1分36秒013を記録して4番手、エガター選手は1分36秒797で15番手につけた。
自信を持って臨んだスーパーポールでガードナー選手は1分35秒793に更新して9番グリッド、エガター選手も1分35秒981と健闘し、1列後ろの12番グリッドを確保した。
レース1ではともに好スタートを切り、オープニングラップでポジションアップ。全21ラップにわたりハイペースをキープし、ガードナー選手が6位、エガター選手も8位でチェッカーを受けて貴重なポイントを手中にした。
WorldSBK 9月7日(日)
レイ選手、表彰台争いを展開、ロカテッリ選手は追い上げて9位
Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official TeamのJ・レイ選手が表彰台争いを展開し、最終的に6位を獲得する大健闘。チームメイトのA・ロカテッリ選手は後方グリッドから挽回し、9位を獲得して貴重なポイントを手にした。
レイ選手は午前中に行われたスーパーポール・レースで13番グリッドから挽回して7位を獲得、レース2のグリッドを押し上げることに成功した。レース2では絶好のスタートを決めてオープニングラップで5位に浮上。8ラップ目にはA・ロウズ選手(ビモータ)をとらえて4位に上がり、続く9ラップ目の第5ヘアピンでD・ペトルッチ選手(ドゥカティ)をパスして3位に浮上した。
10~11ラップではロウズ選手と何度も順位を入れ替えるバトルを展開。しかしこの間に後続集団に差を詰められ、M・ファンデル・マルク選手(BMW)、A・バウティスタ選手(ドゥカティ)に先行を許してしまう。15ラップ目以降は6位をキープして走り切り、チームスタッフにも笑顔をもたらした。
一方、前日のレース1で17ポジションを挽回し、同コースの記録を塗り替えたロカテッリ選手。スーパーポール・レースでは12位にとどまり、再びグリッド最後列からのスタートとなってしまった。レース1に続いてもう一度、好スタートを切り、力強いリズムで順調に挽回。中盤までに10位に浮上し、終盤では5位集団に加わりさらにポジションアップを目指し、最終的には9位でチェッカーを受けた。
レース2はエガター選手10位、ガードナー選手13位
GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのD・エガター選手とR・ガードナー選手は、レース2でそれぞれ10位と13位。ともに貴重なポイントを獲得した。
午前中のウォームアップ・セッションを順調に終え、スーパーポール・レースではガードナー選手がグリッド9番手、エガター選手がグリッド12番手からスタートした。前の3列を獲得するため懸命にプッシュしていったがわずかに届かず、エガター選手が10位、ガードナー選手が11位でフィニッシュした。
これによりレース2のグリッドはガードナー選手が4列目、エガター選手が5列目となり、ともに好スタートを切って序盤の数ラップで順位を上げた。その後も終始ハイペースをキープし、エガター選手はロカテッリ選手に続く10位、ガードナー選手は13位でチェッカーを受けた。
WSBK RESULT Race.1
WSBK RESULT Superpole Race
WSBK RESULT Race.2
RIDERS RANKING WSBK
CONSTRUCTORS RANKING WSBK
COMMENT
WorldSBK 9月6日(土)
Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official Team
A・ロカテッリ選手(5位)
「レース1で5位を獲得できるとは思っていませんでした! スーパーポールの最初のアタック中に第3コーナーで転倒しました。大きなクラッシュだったにもかかわらず身体が無事だったのは幸いですが、マシンを壊してしまいました。ヤマハとチームに謝らなければなりません。決勝では最善を尽くしました。前方で数台の転倒がありましたが、リズムを崩すことなくどんどん順位を挽回していきました。予選で転倒したあとフィーリングを取り戻すのは簡単なことではありません。その意味で今は本当にハッピーです! もう一度言いますが、5位は本当に素晴らしい成績です! スーパーポール・レースは10ラップしかありませんが、そのなかで何とかトップ9を獲得し、レース2のグリッドを押し上げたいと思っています。簡単ではありませんが、頑張ります!」
J・レイ選手(DNF)
「昨日から今日の午前中までずっとR1のフィーリングがとても素晴らしく、正直なところ、結果に現れている以上に好調でした。それだけにレース1は本当に気合が入っていました。スーパーポールではチームにちょっとしたミスがあってタイミングを間違えてしまったため13番グリッドになりました。それでもスタートがとてもうまくいって、第1コーナーから第2コーナーで良い位置につけることができました。イアンノーネ選手の後ろについて7~8位で第13コーナーに進入しようとしたところ、モンテッラ選手がインに入って来て私たち2台にぶつかりました。そこで私のレースは終わってしまいました。転倒した3台のマシンが重なり、私のマシンはその一番上に乗っていたので引き出すのに時間がかかってしまいました。そのあとすぐにピットに戻って状態を確認してから再スタートしましたが、私にとって今日のレースはもう終わっていたので、明日に向けてリズムをつかむため数ラップだけ走りました。最大限挽回しましたが、ポイントには届かないので、明日もう一度、好スタートを切るため体力を温存することにしました。仲間たちのおかげで昨日から走りが非常に安定しており、以前のフルポテンシャルに近づいていて、とてもエキサイティングでした! 明日も勢いを維持し、トップ9に入ってグリッドを前に進めることが目標です」
P・デニング(チーム代表)
「仮に最高ではないとしても、今季中最も素晴らしい金曜になったと思っています。ロカ(ロカテッリ)が安定的にトップ3をキープし、ジョナサン(レイ)も長い休みのあとすぐにペースをつかみ、フリープラクティス第3セッションで6番手を獲得しました。しかし予選はかなり厳しい展開となり、それまでの好調が台無しになってしまいました。スーパーポールでは誰もが限界までプッシュし、ロカは超高速の第3コーナーで転倒。幸い大きな怪我はありませんでしたが、決勝用マシンは修理不可能な状態になりました。JR(レイ)のほうは最後のタイムアタックでチームクルーの計算ミスがあり、グリッドの2~3列目を逃してしまいました。多くの場合、予選が決勝結果を左右しますが、今日は違っていました。ロカは1周目に巧みなパスを繰り返し、さらにちょっとした幸運もあって6番手まで順位を上げました。そのあとサム・ロウズ選手が転倒し、5位でチェッカーを受けることができました。スーパーポールを終えた時点では、このような成績は予想できませんでしたが、今は喜んで受け入れます。スーパーポール・レースでトップ9を目指すため、R1と彼自身のフィーリングをあとちょっと改善することが重要です。JRは不運にもモンテッラ選手に押し出され、マシンが壊れてしまいました。素早く確認したあと、明日の参考のためだけに数ラップ走りました。このところのバッドラックが良い方向へ転換することを期待しています」
GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
R・ガードナー選手(6位)
「バラトンパークでの怪我でまだ少し痛みが残っているので、マシンの向き替えが多く体力的に負担が大きいこのコースを全ラップ走り切るのは簡単ではありませんでした。そのなかでも全力でレースをコントロールし、いいペースをキープして最終的に6位を獲得することができました。もちろん、もう少し速く走りたかったですが、状況を考えれば満足できる結果だと思います。明日はさらに前進を目指し、すべてのラップで気持ちよく走ることを目標に戦います」
D・エガター選手(8位)
「8位という結果は悪くないと思います。でも期待したほどはペースが上がりませんでした。決勝ではもっと速く走れると思っていたので、データを確認し、より速く、より安定して走れるように明日に向けて改善を目指していきます。前進し、上位に近づけると確信しています。まずスーパーポール・レースでポジションを上げ、レース2の前方グリッドを確保したいと思っています」
WorldSBK 9月7日(日)
Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official Team
J・レイ選手(7位/6位)
「最高の日曜日を過ごすことができました。スーパーポール・レースでは13番グリッドから好スタートを切り、グリッド3列目までを目指す集団に加わることができました。レース2を良い位置からスタートすることが、私にとっては非常に重要でした。7位でフィニッシュし、グリッド好位置を獲得したことで、自分の本来の走りを確認するチャンスが巡ってきました。レース2でも好スタートを決めてアレックス(ロウズ)やダニロ(ペトルッチ)とバトルしました。ペースもとても良かったのですが、アレックスと表彰台争いを展開したことで少し興奮していたのかもしれません。ミスはありませんでしたがペースではかないませんでした。そしてその間に後方集団に差を詰められ、マイキー(ファンデル・マルク)とアルバロ(バウティスタ)に追いつかれまたバトルになりました。多くの強力なライバルたちを抑えて6位を獲得できたことは非常にうれしいです。シーズン序盤で負傷し、その後も厳しいレースが続いていましたが、ようやくマシンを思い通りに扱えるようになった気がします。今回は初日はあまり良くありませんでしたが、素晴らしいレースで締めくくることができて大きな励みになりました。次のアラゴン、さらにシーズン最終戦まで自信を持って戦って行けそうです。チームのみんなに感謝しています」
A・ロカテッリ選手(12位/9位)
「レース2の3列獲得を目指し、スーパーポール・レースでは懸命にポジションアップを狙っていきました。でも実際には非常に困難な状況でした。最後列から、わずか10ラップでたくさんのライダーを抜くのは簡単ではありません。結局レース2も後方から追い上げる展開になり、序盤からハードにプッシュしていきましたが大勢が接近していてオーバーテイクは難しく、逆に少し遅れてしまいました。中盤はほぼ単独走行になり、自分のリズムで走りながら少しずつ差を詰めて5位争いに加わりました。でもその頃にはすでに遅かったというわけです。それでも私たちは前を向いていくべきでしょう。レース1とレース2では最後列からポイントを獲得することができたのは良かったと思います。でもウイーク初日の好調を考えれば、スーパーポールでの転倒さえなければまったく違う展開になっていたかもしれません。今回は少しアンラッキーでした。次回まで少し時間があるので、いろいろなことを分析し、自信を取り戻して臨みたいと思います。ハードプッシュとさらなる前進を目指します」
P・デニング(チーム代表)
「ジョナサン(レイ)が今シーズン限りでWorldSBKを引退することとなりました。その発表のあとでもモチベーションが今まで通り高く保たれていることをうれしく思います。10ラップで競うスーパーポール・レースでグリッド13番から7位まで上がり、レース2でも絶好のスタートのあとアレックスやダニロ、マイケル(ファン・デル・ベルク)など手強いライバルたちとバトルし、最終的に6位を獲得しました。しかも一時はもっと上を狙えるような勢いも見せていました。ここまで厳しい状況が続いていただけに、こうして本来の強さを取り戻し、彼やそのクルーたちの笑顔を見ることができて良かったです。アンドレア(ロカテッリ)については、わずか10ラップで最後尾からトップ9まで追い上げるのはもともと簡単ではありません。マシンのフィーリングも完璧ではなく、目標に届かなかったためレース2もまた最後列に並ぶこととなりました。そのなかでペトルッチ選手にコンマ5秒差と迫る9位を獲得し、もう少し周回が残っていたらもっと上を目指せたかもしれません。フリープラクティスのペースがあまりにも良かっただけに少し残念な気持ちもありますが、WorldSBKにおいて予選で大きな転倒を経験し、最後尾からのスタートでここまで挽回するのは本当に大変なことです。ですからポジティブに受けとめ、次のアラゴンでまた上位を狙っていきます」
GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
D・エガター選手(10位/10位)
「スーパーポール・レースであと一歩のところでトップ9を逃してしまったのは残念です。もしもうまくいっていたら、レース2がより楽になっていたでしょう。ペースは安定していましたが、さらに上位を狙うには何かが少し足りません。応援してくれたみなさんに感謝しています。スタンドやパドックで大勢の人からエネルギーをもらいました。このあとは短い休暇をエンジョイし、ハードなトレーニングを続けながら残りの3戦でもっとトップに近づけるよう頑張ります」
R・ガードナー選手(11位/13位)
「スーパーポール・レースでは、終盤のペースは良かったのですが、序盤でポジションを維持することができませんでした。それによりレース2はひとつ後ろの列からスタートすることになり、より一層厳しい展開を強いられました。ペースをキープしながら前のライダーたちをすり抜けていきたかったのですが、まだまだ足りませんでした。少し休息をとり、次のアラゴンに集中していきます」