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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.08 7月25-27日 ハンガリー

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク世界選手権 第8戦ハンガリー
■開催地:ハンガリー/バラトンパーク(4.075 km)

WorldSBK レース1
■開催日:2025年7月26日(土)
■周回数:20周 (81,500Km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:32度
■路面温度:41度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分38秒357)
■FL:T・ラズガットリオグル(BMW/1分39秒732)

WorldSBK スーパーポールレース
■開催日:2025年7月27日(日)
■周回数:10周( 40,750km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:21度
■路面温度:27度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分38秒357)
■FL:T・ラズガットリオグル(BMW/1分40秒649)

WorldSBK レース2
■周回数:21周 (85,575Km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度
■路面温度:30度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分38秒357)
■FL:T・ラズガットリオグル(BMW/1分39秒384)

REPORT

WorldSBK 7月26日(土)
ロカテッリ選手、フロントローから4位獲得 レイ選手は転倒リタイア

第8戦ハンガリー大会のレース1がバラトンパーク・サーキットで行われ、Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official TeamのA・ロカテッリ選手が4位獲得と健闘した。チームメイトのJ・レイ選手は転倒リタイアに終わっている。

ロカテッリ選手はスーパーポールで3番手を獲得。レース1をフロントローからスタートし、絶好の飛び出しでポールポジションのT・ラズガットリオグル選手(BMW)を抑えて順調にペースを上げていった。しかしその後方では第2コーナーで多重クラッシュが発生しており、赤旗が提示されてレースは中断。周回数を20ラップに減算して再スタートすることとなった。

2度目のスタートではラズガットリオグル選手に続く2番手でオープニングラップを終了。序盤の接近戦のなかでS・ロウズ選手(ドゥカティ)とN・ブレガ選手(ドゥカティ)に抜かれて一時4位に後退したが、6ラップ目にロウズ選手が転倒したため自動的に3位に浮上した。レース中盤は後方から追い上げたA・バウティスタ選手(ドゥカティ)とバトルを展開。表彰台獲得を目指して奮闘するも、抑えきれずに4位でゴールした。

レイ選手は10番グリッド、4列目と厳しい状況ながら、絶好のスタートで番5手まで浮上。その後も果敢な走りでD・ペトルッチ選手(ドゥカティ)やY・モンテッラ選手(ドゥカティ)とバトルを展開していたが、15ラップ目の第1コーナーで転倒して後退。再スタートしたものの第4コーナーで再び転倒してリタイアとなった。

ガードナー選手、1周目で不運なリタイア エガター選手は12位

GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのR・ガードナー選手はオープニングラップに発生した多重クラッシュに巻き込まれて転倒。2度目のスターティング・グリッドには並ぶことができなかった。チームメイトのD・エガター選手は12位で走り切った。

ガードナー選手とエガター選手は午前中のフリープラクティス第3セッションでそれぞれ7番手(1分39秒663)と9番手(1分39秒748)。自信を持って臨んだスーパーポールでは2度目の走行中に赤旗が提示されてアタックが中断され、セッションの残り2分でユーズド・タイヤのままコースに戻ることとなった。この結果、ガードナー選手は1分39秒437で11番手、エガター選手は1分39秒509で13番手にとどまった。
レース1ではともに好ダッシュ。しかし直後の第2コーナーで多重クラッシュが発生し、ガードナー選手が巻き込まれてしまう。レースは赤旗中断となり、ガードナー選手はメディカルセンターで診察を受けたあと、背中の打撲と脳震盪の疑いで近くの病院に搬送された。初期検査の結果は良好だったが経過観察のため入院し、その後の出場を取りやめ、日曜日の2レースも欠場することとなった。

エガター選手は2度目のスタートで出遅れてポジションを下げたが、その後、着実に追い上げ、後半はラップライムを更新する健闘を見せた。最後までハイペースをキープし、12位まで挽回してチェッカーを受けた。

WorldSBK 7月27日(日)
ロカテッリ選手、最終日も好調をキープ

Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official TeamのA・ロカテッリ選手はウイーク最終日も活躍。スーパーポール・レースで4位、レース2で5位を獲得し、第6戦ミサノ以来、連続9レースでトップ5をキープした。

午前中のスーパーポール・レースは路面が濡れた状態から少しずつ乾いていくコンディション。ロカテッリ選手は表彰台を狙える位置にいたが、D・ペトルッチ選手(ドゥカティ)に仕掛けた際に小さなミスがありチャンスを逃して4位。レース2では絶好のスタートから2番手につけ、後続集団の激しいアタックを抑えようと奮闘するも少しずつ後退した。後半は5番手をキープしながら集中力を保ってラップごとにペースアップ。前を走るペトルッチ選手との差を3秒から0.4秒まで縮めたが、わずかに届かなかった。

レイ選手は午前中のコンディションを味方につけてスーパーポール・レースで9位を獲得。レース2をグリッド3列目からスタートし、オープニングラップで6位に浮上したが、その後、少しずつ後退して12位でゴールした。

ロカテッリ選手はこのあと日本へ向かい、J・ミラー選手、中須賀克行選手とともにYamaha Racing Teamから鈴鹿8時間耐久ロードレースに出場する。他のチームメンバーは夏季休暇を利用して十分に力を蓄え、9月5~7日の第9戦フランス大会から始まるシーズン後半戦に備える。

エガター選手が8位獲得、ガードナー選手は欠場

GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのD・エガター選手がレース2で8位獲得と健闘。R・ガードナー選手は前日の転倒の影響により欠場した。

路面が徐々に乾き始める難しいコンディションのなかで行われたスーパーポール・レースで、エガター選手はスリック・タイヤを選択。序盤で好位置につけたものの、目の前で転倒があり大きくポジションを下げてしまった。その後懸命に挽回するも11番手にとどまり、レース2のグリッドを上げることはできなかった。

レース2は13番グリッドから好スタートを切り、着実にポジションを上げていく。終盤は6位争いの集団に近づく健闘ぶりを見せ、最終的に9番手でチェッカーを受けた。しかしレース終了後、前方のライダーが最終ラップでコースをショートカットしたことによるペナルティーを受けたため、エガター選手は8位に繰り上がった。

チームメイトのR・ガードナー選手は前日の怪我の影響で欠場。この日の午後、退院し、夜にはスペイン・バルセロナへ戻ることになっている。

WSBK RESULT Race.1

WSBK RESULT Superpole Race

WSBK RESULT Race.2

RIDERS RANKING WSBK

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

COMMENT

WorldSBK 7月26日(土)
Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official Team

A・ロカテッリ選手(4位)

「ウイーク初日から大幅に前進できたと思います。初めてのコースなので、あらゆる条件を揃えるのは簡単ではありません。昨晩の懸命の作業を通じてR1が改善されたので、今朝のフリープラクティス第3セッションでラップタイムが向上しました。スーパーポールも好調で3番手を獲得してフロントローに並ぶことができました。難しいコースなので、できるだけ前の方からスタートすることが重要です。全体的はいいレースでしたが、最後は表彰台から大きく離されてしまったので、もっと頑張りたかったというのが正直な気持ちです。とくに路面温度が高い状況でトップ近くをキープするためには、リア・グリップの改善が必要です。明日の展開に期待していますが、今日はいいレースだったので、もう少し表彰台を目指して頑張ります」

J・レイ選手(DNF)

「スタートはとてもうまくいったのですが、ストレートエンドで力が足りず、何度も横に並ばれたり、またブロックされたりしてリズムが狂わされてしまいました。そのため最初の5~6ラップはそれほど良くなかったのですが、そのあとリズムがつかめるようになるとラップタイムが上がり、終盤は自己ベストを記録できました。しかし第1コーナー進入でチャタリングがあり、はっきりはわかりませんが、おそらくバンク角が大きくなり過ぎて転倒してしまいました。すぐ再スタートしましたが、第4コーナーでまた転びました。データからは状況がわからず、不可解な転倒でした。バトルをエンジョイし始めていたところだったので非常に残念です。体調は問題ないので、明日に向けて気持ちを切り替えていきます。明日は天候が変わるらしく、フルウエットになる可能性もあります。R1でウエットの経験は少ないですが、そのときは速く走れていたので頑張っていきます」

P・デニング(チーム代表)

「アンドレア(ロカテッリ)は予選でR1のポテンシャルを最大限に引き出し、今季最高の3位を獲得して万全の準備を整えました。決勝も4位と素晴らしい結果でしたが、その一方で、またしてもトプラック(ラズガットリオグル)とドゥカティ2台に続くポジションにとどまったことには満足していません。気温が低かった午前中のセッションは好調で、表彰台にかなり近づけたのですが、午後になって気温が上がると、もちろん誰にとっても状況は同じですが、グリップ低下の影響がトップ3台より大きかったように思います。そのなかでアンドレアとチームが本当によく頑張りました。JR(レイ)は午前中のセッションでまた一歩前進しましたが、その成果をラップタイムやレース結果にはっきり表すことができませんでした。熾烈な7位争いを展開し、そのまま最後まで走り切れれば良かったのですが、そうはなりませんでした。それでも怪我がなかったのは幸いでしたし、ジョナサン・レイの真の姿がコース上で見られるようになってきたことをポジティブに受けとめています」

GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
D・エガター選手(12位)

「何よりもまず、レミー(ガードナー)の早い回復を祈りします。すぐに戻ってきてくれることを心から願っています。今日のレースに関しては、もっと上を目指していましたが、簡単ではありませんでした。5番手から15番手が非常に接近していて、そのなかで予選13位というのはかなりタフな状況でした。グリップにもやや苦戦しましたが、最終的に12位まで挽回することができました。明日はもう一歩、前進を目指します」

WorldSBK 7月13日(日)
Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official Team

A・ロカテッリ選手(4位/5位)

「全体的に好調だったと思います。午前中のスーパーポール・レースでは、もしもペトルッチに仕掛けたときにコースアウトしていなかったとしたら最後までバウティスタと表彰台争いができたでしょう。ミサノ大会以来、作業が順調で結果も出ています。今はそのことが最も重要です。これからはさらに上を目指し、もっと改善していく必要がありますが、誰もがそれを望み、そしてきっとできると考えています。毎回、表彰台争いに加われるようになるまで、あともう少しというところなのです。その点で非常に満足していますが、一方で、今回は初めてのサーキットで新しい挑戦だったので、ここで表彰台に上れたら本当に素晴らしかっただろうと少し残念な気持ちもあります。ベストを尽くしました。マシンの上では100%を投入し、ピットではチームスタッフと一緒にいい仕事ができました。だから次のマニクールがとても楽しみです。私は明日、鈴鹿サーキットで8時間耐久レースに出場するため日本へ向かいます。休暇はそのあとになります」

J・レイ選手(9位/12位)

「午前中のウォームアップ・セッションはウエットで、リア・トラクションが足りずフィーリングがあまり良くありませんでした。スーパーポール・レースも似たような状況で、ラインが乾き始めるなかで必要なときにはリスクをおかす覚悟ができていました。でも第4コーナーでビエルゲが寄って来てウエットのほうに押し出されてしまい、大きくポジションを下げてしまいました。コースに戻ったときにはブレガが前にいたのですが、彼はインターミディエートのタイヤを履いていて集団全員のペースを抑え込んでいました。あの時はなかなか前に出られずイライラしました。それでも最終的に9位でゴールし、グリッド3列目を獲得することができました。しかしレース2では残念ながら、初めからグリップ不足に苦戦しました。好スタートを決めて6番手で第1コーナーに入りましたが、グリップがなく、どうすることもできない状態でした。立ち上がりがうまくいかなかったためオーバーテイク・ゾーンで力が出ませんでした。私のライディングもあまり良くなかったですし、セッティングが詰め切れていなかったためマシンの感触も良くありませんでした。正直なところ、最も残念な大会のひとつになってしまいました」

P・デニング(チーム代表)

「今日は激しい嵐が予想されていましたが、そうはならず、最終的には両レースがほぼ完璧なドライで行われました。チーム代表として公平な立場で唯一言えることは、昨日のレースの完全な'コピー&ペースト'だったということです。ロカ(ロカテッリ)は全力を尽くし、技術面も安定性も素晴らしく、レース2ではダニロ・ペトルッチに0.4秒差まで迫り、あと一歩で3度目の4位を獲得できるところでした。活躍の日は必ずやって来ます。今日はここまでしかできませんでしたが、他のサーキットや他の状況で、もしも同レベルの自信と強さを維持できれば、今年中にまた表彰台のトップに挑むチャンスが巡ってくるでしょう。JR(レイ)はスーパーポール・レースで活躍し、グリッド3列目を獲得しました。しかしレース2では彼が望むようなマシンのフィーリングが得られませんでした。次のマニクールは彼が最も成功したコースのひとつで、R1にもとても合っているので期待しています。サマーブレイクのあとフランスへ向かいますが、その前に鈴鹿8時間耐久レースに出場するロカの活躍を心から祈っています」

GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
D・エガター選手(11位/8位)

「スーパーポール・レースで起きたことは不運でした。とても残念です。ペースは非常に好調でタイヤチョイスもうまくいっていたので、マシンのフィーリングがとても良く、4位争い、少なくとも5位争いは可能だと考えていました。そうなればレース2に良い条件が得られたはずです。運悪く目の前で転倒があり、大きく順位を下げてしまいました。懸命に取り戻そうとしましたが、残念ながらトップ9には届きませんでした。レース2もいいペースで走れましたが、集団を抜いて行くのは簡単ではありませんでした。リズムがとても良かったのでもう少しで6位争いのグループに追いつけそうでしたし、そこに加わることも可能だと感じていましたが、やはり後方からのスタートでは難しかったです。このあとはサマーブレイクをエンジョイし、後半戦に向けてもっと強くなって戻ってきます」

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