スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.13 10月3日 フランス
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第13戦フランス大会
■開催日:2010年10月3日(日)
■開催地:フランス/マニクール(1周4.411km)
■天候:晴れ
■PP:C・クラッチロー(Yamaha/1分37秒699)
■FL:C・クラッチロー(1分38秒781)
REPORT
クラッチローが第1レースで優勝、第2レースも2位
ヤマハ・ステリルガルダ・ワールドスーパーバイク・チームのC・クラッチローが、第1レースで優勝、第2レースも2位と健闘し、最終戦を両レース表彰台という最高の形で締めくくった。
第1レースは2位のL・ハスラムに4秒近い差をつけての圧勝。スタートで出遅れて4位に後退したものの、2ラップ目には早くもS・ギュントーリとM・ファブリツィオを一気にパスして2位に浮上。8ラップ目にはトップのM・ビアッジにしかけ、互いに何度か順位を入れ替えたあと、クラッチローが引き離して、そのままチェッカーを受けた。
第2レースではスタートで6位まで後退。しかし、またも見事な追い上げを見せて挽回を図り、14ラップ目にはギュントーリをとらえて2位に浮上した。そしてさらにトップのビアッジに近づいていき、コンマ2秒ほどの差まで追いつめてチャンスをうかがっていたが、パスできずにそのまま最終ラップに突入。最後の懸命の走りも届かず、2位でゴールラインを通過した。しかしそのときのビアッジとの差は0.087秒まで縮まっていた。
クラッチローは両レースでファステストラップを記録。これはC ・チェカを抜いて今季通算8回目の記録となり、ピレリ・ベストラップ・アウォード2010のファステストライダー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。また優勝3回、スーパーポール6回、表彰台10回の健闘で、ルーキー・オブ・ザ・イヤーも獲得。最終ランキングは5位に留まったが、3位のチェカとの差がわずか13ポイントだった。
チームメイトのJ・トーズランドは第1レース、グリッド15位から絶好のスタート。オープニングラップで6台をパスして9位に浮上した。しかしその後、エストリル・コーナーでフロントを滑らせて転倒。そのままリタイアとなった。第2レースも好スタートから8位まで上がり、さらに4ラップ目までに2台抜いて6番手に上がったが、メインストレート手前のシケインで転倒して、そのままシーズン最終戦を終えた。シリーズポイントでは合計187ポイントを獲得し、ランキング9位となった。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・クラッチロー | GBR | Yamaha | 38'15.586 |
2 | L・ハスラム | GBR | Suzuki | 0'03.779 |
3 | C・チェカ | ESP | Ducati | 0'04.261 |
4 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 0'04.416 |
5 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'07.476 |
6 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | 0'11.866 |
7 | 芳賀紀行 | JPN | Ducati | 0'16.390 |
8 | T・サイクス | GBR | Kawasaki | 0'21.669 |
9 | S・バイルン | GBR | Ducati | 0'22.065 |
10 | L・スカッサ | ITA | Ducati | 0'22.281 |
11 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'26.748 |
12 | J・リー | GBR | Honda | 0'35.608 |
13 | M・ネオキルシュナー | GER | Honda | 0'39.929 |
14 | I・ロウリー | GBR | Kawasaki | 0'54.836 |
15 | M・バイオッコ | ITA | Kawasaki | 1'07.191 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 38'11.343 |
2 | C・クラッチロー | GBR | Yamaha | 0'00.087 |
3 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | 0'03.715 |
4 | S・ギュントーリ | FRA | Suzuki | 0'04.004 |
5 | 芳賀紀行 | JPN | Ducati | 0'15.471 |
6 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'18.378 |
7 | L・スカッサ | ITA | Ducati | 0'21.180 |
8 | S・バイルン | GBR | Ducati | 0'23.055 |
9 | C・チェカ | ESP | Ducati | 0'25.657 |
10 | L・ハスラム | GBR | Suzuki | 0'27.781 |
11 | T・サイクス | GBR | Kawasaki | 0'2.206 |
12 | M・ネオキルシュナー | GER | Honda | 0'44.634 |
13 | I・ロウリー | GBR | Kawasaki | 1'04.181 |
14 | M・バイオッコ | ITA | Kawasaki | 1'16.446 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | M・ビアッジ | Aprilia | 451 |
2 | L・ハスラム | Suzuki | 376 |
3 | C・チェカ | Ducati | 297 |
4 | J・リー | Honda | 292 |
5 | C・クラッチロー | Yamaha | 284 |
6 | 芳賀紀行 | Ducati | 258 |
7 | S・ギュントーリ | Suzuki | 197 |
8 | M・ファブリツィオ | Ducati | 195 |
9 | J・トーズランド | Yamaha | 187 |
10 | S・バイルン | Ducati | 169 |
11 | T・コルサー | BMW | 165 |
12 | L・キャミア | Aprilia | 164 |
13 | J・スメルツ | Ducati | 110 |
14 | T・サイクス | Kawasaki | 106 |
15 | R・チャウス | BMW | 96 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Aprilia | 463 |
2 | Ducati | 424 |
3 | Suzuki | 412 |
4 | Yamaha | 352 |
5 | Honda | 313 |
6 | BMW | 201 |
7 | Kawasaki | 114 |
COMMENT
C・クラッチロー選手談(1位/2位)
「第1レース、第2レースともに接近した楽しいレースができた。すべてはマックスのおかげ。今日の彼は本当に素晴らしかったよ。サインボードには毎回、"+0"と書かれていて、僕にとってはこれが大きなプレッシャーになったからね。チャンピオンのマックスと最後にバトルができたことは、とてもいい経験になったよ。ランキング5位も決して悪くはない。ルーキー・オブ・ザ・イヤーでもあるしね。希望を持ってこのクラスに入ってきて、ヤマハがしっかりと僕を支えてくれて、その結果として獲得できた成績にとても満足しているよ。チームも本当に素晴らしかった。それからスポンサーをはじめ、僕をここまで導いてくれたすべての人に感謝している」
J・トーズランド選手談(リタイア/リタイア)
「理想的なフィナーレというわけにはいかなかった。大好きなコースで、このような形でレースを終えてしまうなんてね。でも、これが今シーズンの僕の姿だったのかもしれない。僕のためにここまでハードワークを続けてくれたヤマハ・ステリルガルダとチームスタッフ、そして支えてくれたファンのみんなにお礼を言いたい。僕は必ず戻ってくるよ」
M・メレガリ、ヤマハ・ステリルガルダ・ワールドスーパーバイク・チーム監督談
「ポールポジション、優勝、表彰台を獲得し、クラッチローは最良の形でこのクラス最後のレースを締めくくった。とてもハードにプッシュしながら、金曜日午前中の転倒を除いて、まったくミスをおかさなかった。これ以上の出来は考えられない。その一方で、ジェームスのほうは、彼も全力で頑張ったけれども上位には遠く、2回のミスをおかしてしまった。でも全体としては十分に評価できるウイークになったと思う」
L・K・コールカンプ、ヤマハ・モーター・ヨーロッパ・レーシングマネジャー談
「シーズン開幕戦は厳しいスタートだったが、2戦目にはもう大きな改善がみられた。正直な気持ちを話せば、今シーズンの我々はたくさんのアンラッキーに見舞われたと思っている。上位争い中に、ライダーのミスではないところで転倒したこともある。しかし最終的には、こうしてクラッチローの大活躍という形でシーズンを締めくくることができた。彼は優勝3回、ファステストラップ8回などを獲得してマシンとチームの強さを証明し、ナンバーワン・ルーキーになった。そして彼自身、来シーズンからのモトGP参戦というチャンスを手にすることができたのだ。このことで我々は、ライダーを育て、新しい才能をモトGPへ送り込むというチームとしての最大の目標を達成することもできた。
我々のマシンの強さはよく承知している。そのうえでさらに開発を進め、来シーズンは今シーズンよりも早く準備を完了したいと思っている。ふたりの新しいライダーを迎えるにあたり、すでにいくつものアイディアを持っているし、マシンテストも控えている。E・ラバティーは若く、才能があり、スーパーバイク初挑戦のライダー。もうひとりは経験豊富で才能あふれるM・メランドリだ。きっと素晴らしいチームメイトになるだろう。今シーズン、懸命に働いてくれたチームに感謝し、また両ライダーの幸運を願う」
先頭へ