スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.10 8月1日 イギリス
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第10戦イギリス大会
■開催日:2010年8月1日(日)
■開催地:イギリス/シルバーストーン(1周5,902km)
■観客:65,000人
■レース距離:18周(5,902km)×2
■PP:C・クラッチロー (ヤマハ/2分04秒091)
■FL:C・クラッチロー (2分05秒259)
REPORT
YZF-R1のクラッチローがダブルウィン
ヤマハ・ステリルガルダ・ワールドスーパーバイク・チームのC・クラッチローが、ホームレースでウイークを通じて好調をキープし、ダブルウインを飾った。
第1レースはポールポジションから好スタートを切り、J・リー(ホンダ)に続く2番手。その後は無理せず、コンマ1秒ほどの差を保ったままついて行き、中盤を迎えてからトップに立った。一度は抜き返されたが、再びとらえるとペースを上げ、アドバンテージを1.6秒まで広げてチェッカー。シリーズ初の優勝を成し遂げた。続く第2レースも同じような展開。リーの後方、コンマ1、2秒のところにつけ、今回はそのまま終盤を迎えることとなった。そして残り3ラップでトップに立ち、その次の周にはファステストラップを記録し、アドバンテージを2秒に拡大してゴールした。ヤマハにとっては長い間、待ち望んでいたダブルウインが達成された。
チームメイトのJ・トーズランドは、予選で実力を発揮しきれず後方からのスタートとなったが、そのなかで最大限の頑張りを見せた。第1レースではM・ビアッジ、L・キャミアのアプリリア勢を追って一時は6位まで浮上。その後ふたつ下げて8位でチェッカーを受けた。第2レースはさらに激しい気迫を見せ、着実にポジションを上げると中盤でビアッジをパスして5位に浮上。さらにL・ハスラム(スズキ)と4位争いを展開した。このバトルは最終ラップまで続いたが、わずかに届かず5位となった。
シリーズポイントでは、ダブルウインを飾ったクラッチローが合計188ポイントに伸ばし、ランキング10位から5位へジャンプアップ。ランキング3位のC・チェカに55ポイント差。一方のトーズランドは合計179ポイントでランキング6位をキープしている。このあと夏休みをはさみ、次回は9月初旬のニュルブルクリンクとなる。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・クラッチロー | GBR | Yamaha | 37'47.851 |
2 | J・リー | GBR | Honda | 0'01.621 |
3 | L・ハスラム | GBR | Suzuki | 0'11.433 |
4 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | 0'15.874 |
5 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 0'17.085 |
6 | L・キャミア | GBR | Aprilia | 0'17.532 |
7 | C・チェカ | ESP | Ducati | 0'18.250 |
8 | J・トーズランド | GBR | Yamaha | 0'18.938 |
9 | S・バイルン | GBR | Ducati | 0'22.997 |
10 | T・コルサー | AUS | BMW | 0'25.830 |
11 | M・ネオキルシュナー | GER | Honda | 0'30.972 |
12 | S・ギュントーリ | FRA | Suzuki | 0'31.808 |
13 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'32.193 |
14 | 芳賀紀行 | JPN | Ducati | 0'33.206 |
15 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'34.207 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・クラッチロー | GBR | Yamaha | 37'48.348 |
2 | J・リー | GBR | Honda | 0'02.070 |
3 | L・キャミア | GBR | Aprilia | 0'08.834 |
4 | L・ハスラム | GBR | Suzuki | 0'13.232 |
5 | J・トーズランド | GBR | Yamaha | 0'13.258 |
6 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 0'13.568 |
7 | S・ギュントーリ | FRA | Suzuki | 0'13.963 |
8 | S・バイルン | GBR | Ducati | 0'14.432 |
9 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'16.399 |
10 | C・チェカ | ESP | Ducati | 0'19.874 |
11 | R・チャウス | ESP | BMW | 0'26.268 |
12 | J・ブルックス | AUS | Honda | 0'28.003 |
13 | 芳賀紀行 | JPN | Ducati | 0'28.550 |
14 | T・サイクス | GBR | Kawasaki | 0'30.117 |
15 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'30.415 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | M・ビアッジ | Aprilia | 373 |
2 | L・ハスラム | Suzuki | 313 |
3 | J・リー | Honda | 243 |
4 | C・チェカ | Ducati | 204 |
5 | C・クラッチロー | Yamaha | 188 |
6 | J・トーズランド | Yamaha | 179 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Aprilia | 385 |
2 | Suzuki | 334 |
3 | Ducati | 297 |
4 | Yamaha | 256 |
5 | Honda | 254 |
6 | BMW | 174 |
7 | Kawasaki | 58 |
COMMENT
C・クラッチロー選手談(優勝/優勝)
「僕らは常に、優勝を目指して頑張っている。それが、このホームレースで実現したのだから、今はまるで夢のような気分。イギリスのライダーがみな必死で頑張ったから、それだけ厳しい戦いになったけれど、僕らは今回とても調子が良かったから、きっとやれると確信していたんだ。タイヤの消耗は心配していたが、それも思ったほどひどくはなかった。
第1レースは少し涼しかったので、マシンへの負担を少し減らしてくれたようだった。両レースでイギリス人ライダーが表彰台を占拠したことも素晴らしかった。地元のファンのみんなはとても温かく、今日もサーキットに来てくれた人達はコースのあちこちで僕らを支えてくれた。僕にとって、ヤマハにとって、そしてステリルガルダをはじめすべてのスポンサーにとって、本当に素晴らしい一日になった。ジョナサン・リーの走りも素晴らしかったが、僕は2回ともそれを抜き去ることができた」
J・トーズランド選手談(8位/5位)
「第1レースも悪くなかったんだ。セッティングは完璧ではなかったけれど、そのなかで最大限の力を出し切ることができたからね。でも第2レースの前に大幅な変更をして、クラッチローのセッティングに近付けた。僕にとっては初めてのセッティングだったけれども、それがとても良かったんだ。今後のレースのためにも良い方向性を見つけることができたと思う。ここまで仕上げてくれたチームにみんなに感謝している。おかげで第2レースでは表彰台にかなり近づくことができた。レオン・ハスラムは好調で、しっかりラインを守っていた。僕ももっと激しく攻めていくこともできたはずだけれど、タイトル争いの邪魔はしたくないからね」
M・メレガリ、ヤマハ・ステリルガルダ・ワールドスーパーバイク・チーム監督談
「この感覚を長い間待ち望んでいたんだ。ついに今日、またこのような喜びを味わうことができた。カルはウイークを通じて好調で、全てのセッションで最速をアピールすることができた。そして決勝も、両レースとも非常に素晴らしかった。走りは完璧。心から賞賛する。チームのみんなが数ヵ月にわたり懸命に努力を続けたおかげで、この快挙を実現させることができたと思っている。
ジェームスのほうも速さと好調を証明した。昨日の転倒でスーパーポールに参加できなかったためグリッドはあまり良くなかった。そして第1レースはマシンのバランスに問題があり苦労したが、第2レースは見違えるように良くなった。今回我々は、大きな希望を持って臨んだ。そしてついに、こうして素晴らしい成績を実現することができたのだ」
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