スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.05 5月9日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第5戦イタリア大会
■開催日:2010年5月9日(日)
■開催地:イタリア/モンツァ(1周5.777km)
■レース距離:103.986km(18周)×2
■天候:晴れ
■PP:M・ビアッジ(アプリリア/1分42秒121)
■FL:J・リー(ホンダ/1分43秒031)
REPORT
トーズランドとクラッチロー、ふたり揃って表彰台
ヤマハ・ステリルガルダ・ワールドスーパーバイク・チームのJ・トーズランドとC・クラッチローは、第1レースの最終コーナーを競り合いながら次々に駆け抜け、100分の4秒差で2位と3位を獲得。今季初めてふたり揃っての表彰台となった。
予選2位のクラッチローはスタート直後5番手につけ、トーズランドはふたつ後ろの7番手につけていた。その後はファブリツィオ(ドゥカティ)、コルサー(BMW)らをパスして揃って順位を上げ、3ラップ終了時点で3番手と4番手に。その翌周にはストレートエンドでトーズランドがクラッチローの前に出て順位が入れ替わった。この時点で前方にはビアッジ(アプリリア)とハスラム(スズキ)。まずトーズランドがハスラムに仕掛けて2番手に浮上し、さらにビアッジを追っていく。14ラップ目になってクラッチローがトーズランドをパスして一時2番手に上がったが、トーズランドはすぐに挽回し、パラボリカ・コーナーの立ち上がりで再びビアッジの後ろにつけると、そのままチェッカーを受けた。ビアッジとの差はコンマ2秒だった。
第2レースはふたりともリタイアに終わった。オープニングラップの第1コーナーで、トーズランドが他車に接触されて転倒。トーズランドは一時、意識を失い、その後とりもどしたあと病院へ運ばれ検査を受けた。一方のクラッチローは好スタートを切って、ビアッジに続く2位。そのままコンマ1秒差で追っていったが、11ラップ目、ビアッジのリアタイヤから跳ね上げられた小石がマシンやヘルメットに当たり、そのひとつがオイルクーラーを直撃。これによって12ラップ目の第1シケイン進入で転倒してしまった。怪我はなかったが、再スタートは不可能だった。
シリーズポイントでは、トーズランドが106ポイントでランキング5位をキープ。3位のJ・リーまでわずか4ポイント。一方のクラッチローは65ポイントで10位だが、8位のS・ギュントーリまで7ポイントという僅差。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 31'07.044 |
2 | J・トーズランド | GBR | Yamaha | 0'00.247 |
3 | C・クラッチロー | GBR | Yamaha | 0'00.297 |
4 | L・ハスラム | GBR | Suzuki | 0'00.958 |
5 | L・キャミア | GBR | Aprilia | 0'04.493 |
6 | R・チャウス | ESP | BMW | 0'07.343 |
7 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | 0'07.369 |
8 | T・コルサー | AUS | BMW | 0'09.344 |
9 | T・サイクス | GBR | Kawasaki | 0'15.338 |
10 | S・ギュントーリ | FRA | Suzuki | 0'16.761 |
11 | 芳賀紀行 | JPN | Ducati | 0'16.921 |
12 | M・ネオキルシュナー | GER | Honda | 0'22.231 |
13 | S・バイルン | GBR | Ducati | 0'22.602 |
14 | C・チェカ | ESP | Ducati | 0'22.742 |
15 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'26.266 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 31'07.122 |
2 | L・ハスラム | GBR | Suzuki | 0'04.547 |
3 | T・コルサー | AUS | BMW | 0'05.469 |
4 | L・キャミア | GBR | Aprilia | 0'10.267 |
5 | T・サイクス | GBR | Kawasaki | 0'15.561 |
6 | 芳賀紀行 | JPN | Ducati | 0'15.816 |
7 | S・ギュントーリ | FRA | Suzuki | 0'15.861 |
8 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'20.977 |
9 | S・バイルン | GBR | Ducati | 0'21.920 |
10 | L・スカッサ | ITA | Ducati | 0'21.974 |
11 | C・チェカ | ESP | Ducati | 0'27.152 |
12 | M・ネオキルシュナー | GER | Honda | 0'29.315 |
13 | C・バーミューレン | AUS | Kawasaki | 0'30.858 |
14 | R・L・ヘイデン | USA | Kawasaki | 0'47.160 |
15 | B・パークス | AUS | Kawasaki | 0'48.824 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | L・ハスラム | Suzuki | 181 |
2 | M・ビアッジ | Aprilia | 178 |
3 | J ・リー | Honda | 110 |
4 | C・チェカ | Ducati | 110 |
5 | J・トーズランド | Yamaha | 106 |
6 | 芳賀紀行 | Ducati | 100 |
10 | C・クラッチロー | Yamaha | 65 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Aprilia | 184 |
2 | Suzuki | 181 |
3 | Ducati | 149 |
4 | Honda | 119 |
5 | Yamaha | 113 |
6 | BMW | 95 |
7 | Kawasaki | 37 |
COMMENT
J・トーズランド選手談(2位/リタイア)
「第1レースはとてもいい戦いだった。チームのホームレースでふたりが表彰台に上ることができて本当にうれしかったよ。でもビアッジは今回、マシンも彼自身もとても速くて、初めから予想はしていたけれど、決勝でもそのとおりの素晴らしい走りだった。最終ラップには彼がちょっとでもミスをして、僕が並んでいけるようなチャンスがめぐってこないかと期待していたんだけれど、結局そのようなことにもならなかったんだ。ここまでの5戦で、僕らは着実に良い方向へと進んできていて、そろそろ2位や3位では満足できなくなってきているんだ!」
C・クラッチロー選手談(3位/リタイア)
「第1レースはとてもうまくできたと思う。スタートはあまり良くなかったんだけれど、すぐに取り戻してトップを狙っていくことができたからね。ヤマハが素晴らしい仕事をしてくれたおかげでジェームスと僕にこのような強いマシンが与えられ、その結果として、チームのホームレースでふたりが揃って表彰台に上ることができた。
それで第2レースもとても期待していたんだ。しかも今度はスタートがうまくいってすぐにマックス(ビアッジ)の後ろにつくことができた。自分の走りの状態もよくわかっていたので、最終ラップで彼を捉えようと作戦を立てていたんだ。ところが彼のリアホイールから石がいくつも飛んできて、彼に近づいていた分、それが僕のヘルメットやマシンに当たってきた。そして運の悪いことに、大きなひとつがオイルクーラーに穴をあけてしまったんだ。そのあと1ラップは何とか走れたんだけれど、第1シケインに入るところでオイルがリアタイヤまで届いたらしく、そのまま転倒してしまったというわけ...」
M・メレガリ、ヤマハ・ステリルガルダ・ワールドスーパーバイク・チーム監督談
「明暗の激しい一日。バレンシア後、着実に調子が上がってきていることは、ふたりの走りのペースを見てもわかるし、表彰台獲得という結果からも明らかだ。とくにアッセンと今回は、かなり競争力の高いマシンになっていたと思う。第1レースは最高の出来。チームにとってのホームコースで、大接戦の末にふたつの表彰台を獲得したのだから感慨もひとしおだ。
しかしその一方で、第2レースは非常に残念な結果になってしまった。せっかくここまで調子を上げてきていたのに、ふたりともが、自分たちとはまったく関係のない原因でリタイアになってしまったのだからね。ジェームスは転倒後、一時意識を失い、そのあと首に痛みを訴えたため病院で検査を受けさせることにした。最初の検査では異常なしとのことだったが、今は次の報告を待っているところだ。南アフリカでも表彰台を狙っていきたい」
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