スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.13 10月4日 フランス
RACE DATA
■大会名称:2009スーパーバイク世界選手権第13戦フランス大会
■開催日:2009年10月4日(日)
■開催地:イモラ(1周4.411km)
■観客数:81,000人
■天候:曇り
■PP:B・スピース(ヤマハ/1分37秒709)
■FL:L・リー(ホンダ/1分38秒662)
REPORT
B・スピースが第1レースで優勝
ヤマハ・ワールドスーパーバイク・チームのB・スピースは、第1レースで優勝、第2レースはフロントタイヤに問題を抱えて4位となった。
スピースは好スタートからレースをリード。タイトル争いのライバル、芳賀紀行(ドゥカティ)が2位で続き、そのままふたりの一騎討ちが最終ラップまで続いた。芳賀は最終ラップで逆転を狙って一度はトップに立ったが、すぐにスピースが追い抜き、その数秒後にチェッカーを受けて今季13回目の優勝を飾った。
第2レースではスタートで3番手。M・ビアッジ(アプリリア)、芳賀を追って第1コーナーに進入した。しかしスピースは明らかに問題を抱えていて、コーナーでパワーを路面に伝えることができない。そして1周目の終わりにはJ・リー(ホンダ)に抜かれて4位に後退することとなった。レース終盤になると状況はさらに厳しくなり、トップグループから1周近い差をつけられたが、4位を守りきってゴールした。
一方、チームメイトのT・サイクスにとっては、両レースでノーポイントに終わり、まさに散々な一日となった。第1レースは2周目で転倒。マシンがコース上を猛スピードで滑り、これに危うく激突されるところだったが、幸い小指をわずかに骨折しただけで大きな怪我はなかった。第2レースでは、またも2ラップ目、イエローフラッグにすぐに反応できなかったC・チェカ(ホンダ)がヘアピンでサイクスに追突。サイクスは転倒して肩を打撲した。
シリーズポイントでは、スピースが426ポイントでランキング2位につけ、トップの芳賀を10ポイント差で追っている。一方のサイクスは176ポイントで8位をキープ。7位のチェカとの差は24ポイント。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | B・スピース | USA | Yamaha | 37'57.110 |
2 | 芳賀紀行 | JPN | Ducati | 0'00.181 |
3 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 0'05.009 |
4 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | 0'16.347 |
5 | L・ハスラム | GBR | Honda | 0'22.622 |
6 | C・チェカ | ESP | Honda | 0'24.948 |
7 | 加賀山 就臣 | JPN | Suzuki | 0'27.114 |
8 | S・バイルン | GBR | Ducati | 0'27.578 |
9 | T・コルサー | AUS | BMW | 0'28.486 |
10 | J・シュムルツ | CZE | Ducati | 0'28.716 |
11 | R・チャウス | ESP | BMW | 0'52.680 |
12 | M・バイオッコ | ITA | Kawasaki | 1'01.372 |
13 | L・スカッサ | ITA | Kawasaki | 1'05.123 |
14 | D・サロム | ESP | Kawasaki | 1'05.483 |
15 | D・チェカ | ESP | Yamaha | 1'05.672 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 芳賀紀行 | JPN | Ducati | 38'00.282 |
2 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 0'01.480 |
3 | J・リー | GBR | Honda | 0'06.024 |
4 | B・スピース | USA | Yamaha | 0'18.135 |
5 | L・ハスラム | GBR | Honda | 0'21.236 |
6 | 加賀山 就臣 | JPN | Suzuki | 0'23.647 |
7 | S・バイルン | GBR | Ducati | 0'23.701 |
8 | K・ムゲリッチ | AUS | Suzuki | 0'24.838 |
9 | C・チェカ | ESP | Honda | 0'31.455 |
10 | T・コルサー | BMW | AUS | 0'32.507 |
11 | F・ニエト | ESP | Ducati | 0'37.594 |
12 | R・チャウス | ESP | BMW | 0'44.727 |
13 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | 0'49.782 |
14 | M・バイオッコ | ITA | Kawasaki | 0'50.345 |
15 | B・パークス | AUS | Kawasaki | 0'56.209 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 芳賀紀行 | Ducati | 436 |
2 | B・スピース | Yamaha | 426 |
3 | M・ファブリツィオ | Ducati | 346 |
4 | M・ビアッジ | Aprilia | 293 |
5 | J・リー | Honda | 279 |
6 | L・ハスラム | Honda | 241 |
8 | T・サイクス | Yamaha | 176 |
25 | L・カミール | Yamaha | 13 |
29 | J・エリソン | Yamaha | 8 |
39 | D・チェカ | Yamaha | 1 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati | 534 |
2 | Yamaha | 469 |
3 | Honda | 395 |
4 | Aprilia | 303 |
5 | Suzuki | 167 |
6 | BMW | 126 |
7 | Kawasaki | 69 |
COMMENT
B・スピース選手談
「第1レースはいいところと悪いところがあった。というのも、最終的に優勝はしたけれど、何回か小さなミスがあって、ここでコンマ1秒、あそこでコンマ1秒という具合に少しずつ追いつかれてリードを確実にすることができなかったんだ。最終ラップでもミスをしてとうとう芳賀に抜かれてしまったので、アウトから行って取り戻すしかなかった。そして第2レースは、正直に言って本当に悔しいよ。リアタイヤのチョイスはよくも悪くもなかったが、フロントのほうはあのペースについて行くにはちょっと不十分だったんだ。それでプラクティスのときよりもコンスタントにコンマ5秒遅れてしまっていた。4位でゴールできたのが嘘みたいだよ。今回はひとつ勝てたけれど、次のポルトガルもまた優勝を狙うしかない。もう一度同じ気持ちで臨むだけ」
T・サイクス選手談
「第1レースは自分のミスで、ブレーキレバーをいつもよりも少し外側を握ったために初期制動がかなり強くなってしまったんだ。そのことはわかっていたんだけれど、一瞬のうちにフロントが切れ込んで立て直すことができなかった。かなり激しいクラッシュだったので、怪我をせずにすんだのはラッキーだったよ。第2レースはリアタイヤを替えて臨んだ。それが合っているのかどうか確信はなかったんだけれど、とにかく行ったんだ。そうしたら案の定あまり良くなくて、そうしているうちにカルロス・チェカがミスをして、僕はそれに巻き込まれてしまった。路面に激しく打ち付けられて肩の筋肉を伸ばしてしまった。骨折がなかったのは幸いだったけれど、今日のことは早く忘れたい。そして次のポルトガルで、もっといいレースをしたいよ」
M・メレガリ、チーム監督談
「第1レースで優勝して、第2レースではさらにノリとのポイント差を詰めて行こうと考えていた。ところが何かが噛み合わず、我々も、そしてベンもどうすることもできないままレースが終わってしまった。最終戦の目標はただひとつ。両レースで優勝することだ。そしてもちろん、それは可能だと思っている。トムのほうは、今回は合計3回もクラッシュしてしまった。今日は何とか結果を残そうと懸命に頑張っていただけに、本当に残念だ。すべてが彼にとって良くない方向へと進んでしまったようだ。次のポルトガルには期待したい」