スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.12 9月27日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:2009スーパーバイク世界選手権第12戦イタリア大会
■開催日:2009年9月27日(日)
■開催地:イモラ(1周4.959km)
■観客数:67,000人
■天候:晴れ
■PP:M・ファブリツィオ(ドゥカティ/1分47秒735)
■FL:M・ファブリツィオ(ドゥカティ/1分49秒282)
REPORT
B・スピースがランキング2位に
ヤマハ・ワールドスーパーバイク・チームのB・スピースは、第1レースを5位でスタートし、芳賀紀行(ドゥカティ)、M・ファブリツィオ(ドゥカティ)、J・リー(ホンダ)、M・ビアッジ(アプリリア)を追っていく展開。2周目には、リーがコーナーではらんで後退し、芳賀もコースを外れて危うく転倒というアクシデント。その後はイタリアン・マシン勢が首位争いを続け、その一方でスピースは2秒ほど離されてしまう。この差をその後、1.4秒まで縮めたが、やはりトップ争いに加わることはできず、そのまま4位でチェッカーを受けた。
セッティングを変更して臨んだ第2レースはペースが上がり、安定した速さでトップ争いに挑んでいった。リーがまたも何度かコーナーではらんだため、スピースは慎重に走行したが、すぐに自分のペースを取り戻し、10周目にはS・バイルン(ドゥカティ)をとらえて5位に浮上。さらにM・シモンセリ(アプリリア)とビアッジを追っていき、最終シケインでふたりに追いついた。しかし同時にシモンセリがビアッジにしかけ、その間にビアッジがはらんでスピースの行く手を阻む形となったため、スピースはコースアウトを余儀なくされてしまった。すぐにレースに復帰したものの、今度はバイルンを避けるためにまたもコースの外側を走ることとなり、5位のままチェッカーを受けることとなった。
一方のT・サイクスは、第1レースで好スタートを切ったがグリップの問題に悩まされていた。それでも予選16位の位置から懸命の挽回を図り、B・パークス(カワサキ)、T・コルサー(BMW)を抑えて9位に上がりチェッカーを受けた。第2レースはセッティングを変更したことでグリップ性が上がり、安定性が増して順調に走行。しかし最終シケインを多くのライダーがカットし、サイクスは押し出される恰好となって遅れてしまった。これでサイクスは再度、挽回を強いられ、レース終了までに4つ上げて12位でゴールした。
スピースはランキング2位で、トップの芳賀との差はわずかに3ポイント。サイクスは8位で、7位のチェカに7ポイント差で迫っている。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 芳賀紀行 | JPN | Ducati | 38'32.199 |
2 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 0'02.074 |
3 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | 0'02.190 |
4 | B・スピース | USA | Yamaha | 0'05.438 |
5 | 清成龍一 | JPN | Honda | 0'14.470 |
6 | L・ハスラム | GBR | Honda | 0'14.685 |
7 | J・リー | GBR | Honda | 0'26.822 |
8 | J・シュムルツ | CZE | Ducati | 0'32.694 |
9 | T・サイクス | GBR | Yamaha | 0'33.817 |
10 | B・パークス | AUS | Kawasaki | 0'34.801 |
11 | T・コルサー | AUS | BMW | 0'35.286 |
12 | R・チャウス | ESP | BMW | 0'36.442 |
13 | K・ムゲリッチ | AUS | Suzuki | 0'38.698 |
14 | M・バイオッコ | ITA | Kawasaki | 0'42.147 |
15 | 加賀山 就臣 | JPN | Suzuki | 0'46.510 |
17 | D・チェカ | ESP | Yamaha | 1'16.121 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | 38'23.143 |
2 | 芳賀紀行 | JPN | Ducati | 0'03.592 |
3 | M・シモンセリ | ITA | Aprilia | 0'06.510 |
4 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 0'07.445 |
5 | B・スピース | USA | Yamaha | 0'14.678 |
6 | J・リー | GBR | Honda | 0'16.396 |
7 | S・バイルン | GBR | Ducati | 0'17.110 |
8 | L・ハスラム | GBR | Honda | 0'22.502 |
9 | J・シュムルツ | CZE | Ducati | 0'25.268 |
10 | C・チェカ | ESP | Honda | 0'30.203 |
11 | L・ランシ | ITA | Ducati | 0'32.589 |
12 | T・サイクス | GBR | Yamaha | 0'36.243 |
13 | R・チャウス | ESP | BMW | 0'36.368 |
14 | K・ムゲリッチ | AUS | Suzuki | 0'38.809 |
15 | B・パークス | AUS | Kawasaki | 0'42.435 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 芳賀紀行 | Ducati | 391 |
2 | B・スピース | Yamaha | 388 |
3 | M・ファブリツィオ | Ducati | 330 |
4 | J・リー | Honda | 263 |
5 | M・ビアッジ | Aprilia | 257 |
6 | L・ハスラム | Honda | 219 |
8 | T・サイクス | Yamaha | 176 |
25 | L・カミール | Yamaha | 13 |
30 | J・エリソン | Yamaha | 8 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati | 489 |
2 | Yamaha | 431 |
3 | Honda | 368 |
4 | Aprilia | 267 |
5 | Suzuki | 148 |
6 | BMW | 113 |
7 | Kawasaki | 63 |
COMMENT
B・スピース選手談(4位/5位)
「第1レースは、マシンの電子制御部分の不具合で十分なパワーが出なかったし、グリップの方でも少し苦労したので厳しい展開になってしまった。第2レースになると上位陣にからんでいくだけのペースが出ていたが、いろいろな条件が噛み合なかったようで、やはりあまりうまくいかなかったんだ。リーは序盤から必死な感じになっていて、3回もグラベルに追い込まれそうになった。彼はトップを走るだけのペースを持っていたのに、コーナーのたびに激しくプッシュしてくる。冷静になるべきところはどこか、しばらく落ち着いて走るべきところはどこか、というようなことが何もわかっていないんだ。僕はまったくうまく走れない周回が何周かあったが、何とかやり過ごし、調子を取り戻してからシモンセリとビアッジを追っていった。2人は接触してビアッジはコースアウト。彼がコースに戻ってきたときには、僕は彼にぶつかるか、あるいはグラベルへ出るかしかないような状態だったんだ。またバイルンに追いついたときも、もう少しで彼のテールに追突してしまいそうになり、またコースをはずれることになった。ミスがたくさんあって、散々なレースだったよ。僕のミスも、他のライダーのミスもね。第1レースのあとで、もしも誰かに"わずか3ポイントでトップの座を失うよ"と言われていたら、むしろハッピーだっただろうね。だって今日はもっと多くのライダーに負けてもおかしくなかったから」
T・サイクス選手談(9位/12位)
「第1レースでは、スタートはうまくいったけれど、ウイーク中ずっと続いていたリアのグリップの問題が依然として残っていたんだ。今朝のウォームアップでいくらか良くなっていたはずなのに、レースになるとやっぱりだめだった。第2レースの前に変更を行ったが、今度はスタートをミスしてしまった。マシンは速くなっていたし安定していたのに、シケインをカットした何人かのライダーにつかまってしまったんだ。そしてそのせいで、あちこちで1秒ずつ遅れてしまった。終盤になって一度、大きくスライドしたため、タイヤに何かあったんじゃないかと思って後ろを振り返った。これでまた2.5秒くらい遅れてしまったと思う」
M・メレガリ、ヤマハ・ワールドスーパーバイクチーム監督談
「チームにとっては非常に厳しい1日だった。今回はもっと別の目標を持って臨んでいたのに、レースというものはいつも、計画通りにはいかないものだ。第2レースでは、ベンがスタートで遅れたにもかかわらず、よく頑張ってプッシュした。しかし不運だったのは、どうも時と場所がうまく噛み合わず、上位を目指すことができなかったことだ。チャンピオンシップのポイント差が88あったときにも、我々は決してあきらめなかった。今日失った3ポイントを取り戻すために、今はただひたすら懸命に頑張るだけ。マニクールではいつもマシンが好調に走ってくれるので、自信を持って乗り込みたい。トムのほうは、金曜日にビッグクラッシュをやって、その日は1日無駄にしてしまったためマシンは完璧な状態ではなかった。予選16位からのスタートで、とくにここのようにパスが難しいコースで9位まで挽回したことは、とても良かったと思う」