スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.11 9月6日 ドイツ
RACE DATA
■大会名称:2009スーパーバイク世界選手権第11戦ドイツ大会
■開催日:2009年9月6日(日)
■開催地:ニュルブルクリンク(1周4.556km)
■PP:芳賀紀行(ドゥカティ/1分56秒394)
■FL:芳賀紀行(ドゥカティ/1分56秒539)
REPORT
B・スピースがランキングトップに浮上!
ヤマハ・ワールドスーパーバイク・チームのB・スピースが第1レース優勝、第2レース2位と大健闘し、シリーズポイントではライバルの芳賀紀行(ドゥカティ)を抑えてトップに立った。
第1レースはスタート後まもなく玉田誠(カワサキ)、J・ホプキンス(ホンダ)、B・パークス(カワサキ)が転倒して赤旗中断。再スタート後にスピースはJ・リー(ホンダ)、芳賀に続く3位につけ、3周目にはコーナー進入時のブレーキングでリーを捉えて2位に上がった。その後、一度はリーに逆転されたが、すぐに抜き返して2位をキープ。続いてトップの芳賀に照準を合わせて徐々に差を詰め、10周目までにコンマ3秒差まで近づくと、最終シケインの進入でしかけてトップに浮上。その後もコーナースピードの優勢を生かしてリードを広げてトップでチェッカーを受けた。
第2レースでは、スタートで出遅れて6位まで後退したスピース。集団のなかでまず5位に上がり、さらに少しずつペースを上げて3位まで上がると、リー、芳賀の後ろにつけた。リーと芳賀は4周目、並んで第1コーナーに進入して芳賀が戦線離脱。スピースはリーの後につけてゴールラインを通過し、2位を獲得した。
スピースのチームメイトのT・サイクスは第1コーナーで好スタート。予選の11位から7位まで浮上していた。しかしレースは一時中断され、再スタート後は10位に下げ、A・ニエト(ドゥカティ)を追う展開。6周目にニエトをパスしたあとは前方のT・コルサー(BMW)、M・ファブリツィオ(ドゥカティ)を追いかけたが届かず、そのまま9位でチェッカーとなった。続く第2レースはスタートで9位。2ラップ目までに1台抜いて8位に上がり、チームメイトのスピースについて行くかたちとなった。そして14ラップ目には第1コーナー進入のブレーキングでファブリツィオを捉えて7位。その後ひとつ下げて8位でゴールした。
スピースは、芳賀に18ポイントをリードしてランキングトップに浮上。サイクスはランキング8位につけており、7位のC・チェカとの差はわずか12ポイント。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | B・スピース | USA | Yamaha | 39'04.818 |
2 | 芳賀 紀行 | JPN | Ducati | 0'03.850 |
3 | C・チェカ | ESP | Honda | 0'06.990 |
4 | J・リー | GBR | Honda | 0'07.109 |
5 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 0'12.825 |
6 | L・ハスラム | GBR | Honda | 0'13.243 |
7 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | 0'14.223 |
8 | T・コルサー | AUS | BMW | 0'14.382 |
9 | T・サイクス | GBR | Yamaha | 0'17.206 |
10 | S・バイルン | GBR | Ducati | 0'26.547 |
11 | M・ラグリヴ | FRA | Honda | 0'27.388 |
12 | K・ムゲリッチ | AUS | Suzuki | 0'30.968 |
13 | J・シュムルツ | CZE | Ducati | 0'31.069 |
14 | 清成 龍一 | JPN | Honda | 0'31.188 |
15 | 加賀山 就臣 | JPN | Suzuki | 0'40.165 |
16 | L・スカッサ | ITA | Kawasaki | 0'54.897 |
17 | D・サロム | ESP | Kawasaki | 1'01.958 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・リー | GBR | Honda | 39'01.561 |
2 | B・スピース | USA | Yamaha | 0'00.786 |
3 | C・チェカ | ESP | Honda | 0'04.993 |
4 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 0'08.191 |
5 | L・ハスラム | GBR | Honda | 0'10.907 |
6 | T・コルサー | AUS | BMW | 0'17.152 |
7 | 清成 龍一 | JPN | Honda | 0'19.473 |
8 | T・サイクス | GBR | Yamaha | 0'19.721 |
9 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | 0'22.981 |
10 | 加賀山 就臣 | JPN | Suzuki | 0'24.161 |
11 | J・シュムルツ | CZE | Ducati | 0'29.367 |
12 | F・ニエト | ESP | Ducati | 0'30.007 |
13 | B・パークス | AUS | Kawasaki | 0'37.281 |
14 | L・スカッサ | ITA | Kawasaki | 0'47.883 |
15 | V・イアンツォ | ITA | Honda | 0'49.549 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | B・スピース | Yamaha | 364 |
2 | 芳賀紀行 | Ducati | 346 |
3 | M・ファブリツィオ | Ducati | 289 |
4 | J・リー | Honda | 244 |
5 | M・ビアッジ | Aprilia | 224 |
6 | L・ハスラム | Honda | 201 |
8 | T・サイクス | Yamaha | 165 |
22 | L・カミール | Yamaha | 13 |
26 | J・エリソン | Yamaha | 8 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati | 439 |
2 | Yamaha | 407 |
3 | Honda | 347 |
4 | Aprilia | 231 |
5 | Suzuki | 143 |
6 | BMW | 105 |
7 | Kawasaki | 56 |
COMMENT
B・スピース選手談(優勝/2位)
「第1レースは厳しかったよ。リーとバトルしている間に芳賀が逃げてしまったので、その差を詰めるためにタイヤをかなり消耗してしまった。彼に追いついて後ろで見ていたら、最初の2、3コーナーがとても速いということがわかったので、一度少しペースを落とし、様子を見ることにしたんだ。残り3ラップになってアタックを開始し、ラップタイムも向上したよ。第2レースもやっぱりきつくて、スタートで出遅れてしまったためにそこからの挽回が大変だったんだ。やっとリーに追いついたとき、彼は絶好調をキープしていたので、後ろにつけて彼のミスを待った。でも残念ながらそうはならなかったね。集団を抜けていくのにタイヤを使い切ってしまっていて、終盤はスライドが激しくどうすることもできなかった。だから無理をせず後ろにつけて、そして着実にポイントを獲得したんだ。そのことで結果的にはチャンピオンシップをリードすることもでき、今回の目標を達成することもできた。次のイモラではこのリードをさらに拡大することが新しい目標になる。チームはみんな素晴らしい仕事をしてくれた」
T・サイクス選手談
「正直に言えば、非常に悔しいよ。今朝のウォームアップはいいペースで走れていたので、決勝でもその走りを再現できれば上位を走れると思っていたからね。ところが再現ができなかった。グリップに問題があったので、これについては後でデータを分析してみなければならない。ブレーキングや、コーナー進入は朝のウォームアップと同じように走れたんだけれど、立ち上がりの加速では同じようにスロットルを開けることができなかった。第2レースはマシンに変更を加えて臨んだが、効果はあまりなかったようだ。今日のことは過去のことにして、次のレースを目標に前に進んでいきたい。残りのシーズンでいいレースをできるようベストを尽くしたい」
M・メレガリ、チーム監督談
「今回はノリ(芳賀)をつかまえるためにここにやって来た。その目標を達成し、チャンピオンシップのトップに立つことができたのだから、これ以上、望むことはない。第2レースでベンは頭を使い、リーを捉えるのは難しいと判断して2位のポイント獲得に狙いを切り替えた。これで今季初めてランキングトップに立つことができ、今はとても満足している。そしてこれをキープするために、ますますモチベーションを高めているという状況だ。一方でトムにとっては厳しい戦いだった。プラクティスでは好調だったのに、それを決勝で活かすことができなかった。もっと上の成績を期待していただけに残念な気持ちでいっぱいだ。次のイモラで挽回できるよう願っている」