スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.05 5月10日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:2009スーパーバイク世界選手権第5戦イタリア大会
■開催日:2009年5月10日(日)
■開催地:モンツァ(1周5,792km)
■天候:晴れ
■PP:B・スピース(ヤマハ/1分44秒073)
■FL:M・ファブリツィオ(ドゥカティ/1分45秒336)
REPORT
B・スピースが、第2レースで優勝
ポールポジションを獲得していたヤマハ・ワールドスーパーバイク・チームのB・スピースが、第2レースで優勝。第1レースは最終ラップまで首位争いを展開していたが、ガス欠のため順位を下げて15位となった。
第1レースは1周目の第1シケイン入り口で玉田誠(カワサキ)が転倒。マシンが滑りながらコースを横切る形となり、T・コルサー(BMW)、T・ヒル(ホンダ)、B・ロバーツ(ドゥカティ)、M・ネオキルシュナー(スズキ)らと接触するアクシデント。これで赤旗が提示されて一時中断された後、レースは再スタートとなった。
再スタート後は芳賀紀行(ドゥカティ)、M・ファブリツィオ(ドゥカティ)、スピースの3台がトップを争う展開。9ラップ目にはスピースがトップに立ち、2位争いのドゥカティ勢に1秒ほどの差をつけていた。残り3周となったところで、ファブリツィオがメインストレートでスピースを捉えてトップに浮上。スピースはすぐに次のラップで抜き返し、そのまま優勝を目指して快調に走行を続けていたが、最終ラップのパラボリカ・コーナーを抜けてゴールラインに向かうところでガス欠となり順位を下げた。一方、チームメイトのT・サイクスはグリッド10位から好スタート。1周目を8位で終了したあと安定した走行を続け、さらにふたつ順位を上げて6位でチェッカーを受けた。
続く第2レース。第1レースの雪辱を果たしたいスピースは、スタート直後は芳賀に続く2位につけていたが、第1コーナーで芳賀に鳥がぶつかるアクシデントの間にトップに浮上。その後は身体を伏せてハイペースをキープ。完璧なライン取りで、後続のファブリツィオに1周ごとに1秒ずつ差を広げていった。レース後半に入るとスピースは、第1レースの失敗を繰り返すまいとペースを緩め、最終的には2位に2.6秒差をつけて優勝を果たした。サイクスは第2レースも安定した走りを見せ、第1レース同様に6位まで上がった。終盤でビアッジと5位争いを展開したがパスすることはできなかった。
シリーズポイントでは、スピースが合計146ポイントを獲得、ランキングトップの芳賀との差を54ポイントに縮めた。サイクスは合計90ポイント獲得でランキング5位に浮上。4位のハスラムとの差はわずか13ポイント。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | 31'50.758 |
2 | 芳賀紀行 | JPN | Ducati | 0'00.239 |
3 | 清成龍一 | JPN | Honda | 0'08.175 |
4 | 加賀山就臣 | JPN | Suzuki | 0'11.001 |
5 | J・リー | GBR | Honda | 0'12.447 |
6 | T・サイクス | GBR | Yamaha | 0'13.693 |
7 | R・チャウス | ESP | BMW | 0'19.172 |
8 | R・ラコーニ | FRA | Ducati | 0'24.989 |
9 | C・チェカ | ESP | Honda | 0'26.930 |
10 | B・パークス | AUS | Kawasaki | 0'27.418 |
11 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 0'27.752 |
12 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'29.545 |
13 | 中野真矢 | JPN | Aprilia | 0'30.952 |
14 | S・バイルン | GBR | Ducati | 0'31.414 |
15 | B・スピース | USA | Yamaha | 0'36.998 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | B・スピース | USA | Yamaha | 31'49.252 |
2 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | 0'02.665 |
3 | 清成龍一 | JPN | Honda | 0'02.810 |
4 | J・リー | GBR | Honda | 0'07.706 |
5 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 0'07.863 |
6 | T・サイクス | GBR | Yamaha | 0'10.383 |
7 | L・ハスラム | GBR | Honda | 0'11.586 |
8 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'21.112 |
9 | R・チャウス | ESP | BMW | 0'22.112 |
10 | C・チェカ | ESP | Honda | 0'22.261 |
11 | R・ラコーニ | FRA | Ducati | 0'23.453 |
12 | 中野真矢 | JPN | Aprilia | 0'32.956 |
13 | B・パークス | AUS | Kawasaki | 0'37.166 |
14 | L・スカッサ | ITA | Kawasaki | 0'43.085 |
15 | M・バイオッコ | ITA | Kawasaki | 0'43.088 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 芳賀紀行 | Ducati | 200 |
2 | B・スピース | Yamaha | 146 |
3 | M・ファブリツィオ | Ducati | 125 |
4 | L・ハスラム | Honda | 103 |
5 | T・サイクス | Yamaha | 90 |
6 | M・ビアッジ | Aprilia | 81 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati | 225 |
2 | Yamaha | 180 |
3 | Honda | 141 |
4 | Suzuki | 89 |
5 | Aprilia | 84 |
6 | BMW | 59 |
7 | Kawasaki | 19 |
COMMENT
B・スピース選手談(15位/優勝)
「第1レースは非常に厳しい試練となってしまった。本当に悔しかったけれど、やはりこれがレースだと思うよ。そしてその分、第2レースの戦略ははっきりしていたんだ。序盤から良いリズムをつかんで、12周目から14周目くらいまでには十分なリードを築いた。第1レースの失敗は何があっても繰り返したくなかったから、そのあとは少しペースを落とし、こまめにシフトチェンジをして万全を期した。マシンはとても好調だったので、最後までハイペースで走りきることもできたが、今回ばかりはどうしても確かな形が欲しかったんだ。第1レースはあんなことになったが、チームも僕もすぐに気持ちを切り替えて第2レースに臨むことができたのが良かったと思う。これから先も、この調子でいきたい。第1レースのミシェルの優勝を祝福するよ。でも、第2レースもそうさせるわけにはいかなかったんだ」
T・サイクス選手談(6位/6位)
「第1レースは、スタート自体は悪くなかったけれど、3列目からだったからシケインの混乱に巻き込まれてしまった。そして気がつくとトップグループは遠く離れてしまっていたんだ。それでも遅れを取り戻して抜き返していこうとしていたが、レース後半からブレーキにフェード現象が出るようになり、ペースを上げることができなかったのは不運だった。第2レースでは絶好のスタートを切って、その後のペースも良かったんだけれど、あともう少しというところが伸びなかったようだ。ペースは速いし安定しているのに、結局、グリッド位置が悪かったことが最後まで影響してしまったんだと思う。マシンとチームには絶大な信頼をおいているので、次のキャラミでは、テストのときを上回るいい走りをして良い思い出を残したい。でも今回も、両レースでポイントを獲得してランキング5位に上がることができたのだから、全体的には悪くなかったんだと思うよ」
M・メレガリ、ヤマハ・ワールドスーパーバイク・チーム監督談
「第1レースは非常に残念なことになった。でもあのときにベンは、自分の力を確信できたのだと思う。そして第2レースではしっかりと教訓を生かして、最高の形で第1レースの失敗を埋め合わせてくれたのだ。このあとは南アフリカだが、ベンはあのコースで、ほとんどスタンダードのマシンで好タイムを出しているし、YZF-R1の性能も上がってきているので、きっといいレースができると思う。それにベンにとってのホームコースでもあるからね。また今回、芳賀とのポイント差を縮めることができたことも良かった。
一方トムのほうは、今日は非常に落ち着いていた。レースの度に調子を上げてきていて、ミスをすることもなくなった。シーズン後半戦を迎える頃にはもっともっと強くなっていくに違いない。チームのみんなに、そして新しいカラーリングが間に合うように我々をサポートしてくださった各メーカーの方々に感謝の気持ちを伝えたい」