スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.01 3月1日 オーストラリア
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第1戦オーストラリア大会
■開催日:2009年3月1日(日)
■開催地:オーストラリア/フィリップアイランド(1周4.445km)
■レース距離:22周(97.79km)×2
■PP:B・スピース(ヤマハ/1分31秒069)
レース1コンディション
■気温:16度
■路面:ウエット
■路面温度:20度
■FL:T・コルサー(BMW/1分32秒726)
レース2コンディション
■気温:19度
■路面:ドライ
■路面温度:33度
■FL:芳賀紀行(ドゥカティ/1分32秒406)
REPORT
第2レースでWSB初参戦のB・スピース&YZF-R1が優勝
今シーズンからWSBに参戦するヤマハ・ワールド・スーパーバイク・チームのB・スピース(#19)が、昨日の予選でポールポジションを獲得。決勝でも2009年型YZF-R1とのコンビネーションの良さを見せ、第2レースで見事、優勝を果たした。
第2レースで好スタートを切ったスピースは、序盤から好位置をキープ。そのまま終盤まで芳賀紀行(ドゥカティ)とトップ争いを展開し、最終的には芳賀に1.2秒差をつけて真っ先にチェッカーを受けた。ランキングでは4位につけ(3位にわずか1ポイント差)、第2戦カタールを迎える。またアメリカ人ライダーのWSB優勝は、2002年のC・エドワーズ以来、7年ぶり。
第1レースは劇的なスタート。第2コーナー進入でL・ハスラムがブレーキングを遅らせたことでM・ビアッジが行き場を失い、これがスピースに影響してコースアウトしてしまう。いくつかポジションを下げて復帰したスピースだが、その後もう一度、ふたりのライダーを避けようとする間に、またしてもコースを外れて順位を下げてしまうこととなった。この時点でスピースは26位。挽回を図るために上体を伏せ、懸命にラップを重ね、16位までポジションを上げたところでチェッカー。終盤のペースは、トップ争いの芳賀やネオキルシュナーとほぼ同等だった。
スピースのチームメイト、T・サイクス(#66)は第1レース、第1コーナー進入の混乱で14位まで順位を下げたが、その後、10位まで挽回。ゴール直前では9位に迫ったが、わずかに届かなかった。第2レースも一時19位まで後退したが、その後、挽回して第1レース同様の10位を獲得した。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 芳賀紀行 | JPN | Ducati | 34'22.631 |
2 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'00.032 |
3 | 加賀山就臣 | JPN | Suzuki | 0'05.347 |
4 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | 0'06.587 |
5 | J・レイ | GBR | Honda | 0'08.491 |
6 | L・ハスラム | GBR | Honda | 0'08.523 |
7 | R・ラコーニ | FRA | Ducati | 0'08.766 |
8 | T・コルサー | AUS | BMW | 0'11.589 |
9 | J・シュムルツ | CZE | Ducati | 0'11.721 |
10 | T・サイクス | GBR | Yamaha | 0'11.761 |
11 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 0'12.609 |
12 | C・チェカ | ESP | Honda | 0'19.096 |
13 | R・ロルフォ | ITA | Honda | 0'24.149 |
14 | T・ヒル | GBR | Honda | 0'27.416 |
15 | 中野真矢 | JPN | Aprilia | 0'28.173 |
16 | B・スピース | USA | Yamaha | 0'28.235 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | B・スピース | USA | Yamaha | 34'20.457 |
2 | 芳賀紀行 | JPN | Ducati | 0'01.286 |
3 | L・ハスラム | GBR | Honda | 0'04.213 |
4 | R・ラコーニ | FRA | Ducati | 0'04.490 |
5 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | 0'06.045 |
6 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'09.947 |
7 | J・シュムルツ | CZE | Ducati | 0'10.174 |
8 | 加賀山就臣 | JPN | Suzuki | 0'12.100 |
9 | J・レイ | GBR | Haonda | 0'12.742 |
10 | T・サイクス | GBR | Yamaha | 0'20.061 |
11 | R・チャウス | ESP | BMW | 0'24.854 |
12 | 中野真矢 | JPN | Aprilia | 0'25.192 |
13 | C・チェカ | ESP | Honda | 0'27.162 |
14 | T・ヒル | GBR | Hond | 0'29.737 |
15 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 0'30.036 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 芳賀紀行 | Ducati | 45 |
2 | M・ネオキルシュナー | Suzuki | 30 |
3 | L・ハスラム | Honda | 26 |
4 | B・スピース | Yamaha | 25 |
5 | 加賀山就臣 | Suzuki | 24 |
6 | M・ファブリツィオ | Ducati | 24 |
10 | T・サイクス | Yamaha | 12 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati | 45 |
2 | Yamaha | 31 |
3 | Suzuki | 30 |
4 | Honda | 27 |
5 | BMW | 13 |
6 | Aprilia | 9 |
COMMENT
B・スピース選手談(16位/優勝)
「第1レースは最悪! でも第2レースでは、必ずいいレースができると確信していたんだ。ビアッジとハスラムの競り合いを避けるためにはコースアウトしか方法がなくて、またすぐそのあとにはチャウスらに遮られる格好になって再び遅れてしまった。僕自身の調子はとても良かったので、ポイント圏内まで復帰できると思っていたのだが…。第1レースはノリが素晴らしい走りで優勝した。第2レースは彼と激しいバトルになって、何とか彼を突き放したいと思って注意深くチャンスをうかがっていたが、ふたりともずっとハイペースをキープしてなかなか譲らなかった。
それで、できる限り近くにいることにして、彼のマシンのグリップが落ちてくるのを待つことにしたんだ。残り4周になったときに、ついにチャンスを確信したので、身体を伏せて全力でペースを上げたんだ! ピレリ製タイヤはとても素晴らしかった。また新型R1の初レースで、このような成績を残すことができて良かったと思う。ノリとはクリーンなレースができた。次戦、カタールでもこんなバトルができることを楽しみにしている」
T・サイクス選手談(10位/10位)
「第1コーナーは全員が一斉に飛び込んでいくので、とても難しい。僕は第1レースの第1コーナー進入でラインを外してしまい、はじき出されてしまった。あそこは、至る所にライダーがいるという感じで大変だよ! そのあとホンダ・ヘアピンへ入っていくんだけれど、そこではチャウスの後ろについていたが、後ろから誰かがインに飛び込んできて彼をはじき出した。その影響で僕も順位を下げてしまったんだ。これで僕は、信じられないことに3、4秒も遅れてしまったんだけれど、どうやらこれがフィリップアイランドのコースの性格なのだろう。
一方、僕にとって良かったことは、今朝のウォームアップでマシン・セッティングに変更を加え、これがとてもうまくいったこと。決勝でハイペースがキープでき、とくにメインストレートでマシンが素晴らしい走りをしてくれる。そのおかげで僕自身もとても気分が良くて、ずっとプッシュし続けることができた。8位まで上がれると思っていたが、時間切れになってしまった。第2レースも同じような展開になって、19位まで落ちてしまった時には悔しくて仕方がなかった。それでも身体を伏せて全力を振り絞り、自分の走りに集中した。そして9台をパスして10位まで挽回したんだ。序盤でタイヤを使い過ぎてしまったため、終盤は少し厳しい状態だった。大変なレースだったけれど、今回のことで、上位を走るだけのペースを持っていることがわかったことは良かったと思う」
M・メレガリ、ヤマハ・ワールド・スーパーバイク・チーム監督談
「ベンの第1レースでのバッドラックは残念だった。でも見事な挽回を見せてくれたし、それが第2レースでの素晴らしい結果につながった。信じられないようなレース展開で、ベンの走りは人々をくぎ付けにした。そして優勝という、うれしい結果を手にすることができたのだ。トムのほうは、両レースともスタートがあまりうまくいかなかったが、その後はペースが良くて、しかも安定していた。この様子ならば、スタートさえうまくできれば、いいところを走れるだろう。今日の結果を受けて、我々はとても良い状態で次のカタールを迎えることができる。ふたりとも初めて走るコースなので、いくらか不利なところもあるだろう。でも今日のふたりの走りを見て、新しいコースでも十分についていくことができることがわかったので、心配はしていない」