スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.12 9月21日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第12戦イタリア大会
■開催日:2008年9月21日(日)
■開催地:イタリア/バレルンガ(1周3.200km)
■天候:晴れ■観客:82,000人
■周回数:第1レース24周(76.8km)、第2レース24周(76.8km)
■PP:T・ベイリス(Ducati/1分36秒606)
■FL:C・チェカ(Honda/1分37秒537)
REPORT
芳賀が両レース優勝でランキング3位に浮上
ヤマハ・モーター・イタリアWSBチームの芳賀紀行が、両レースで優勝を果たしてランキング3位に浮上した。チームメイトのT・コルサーも両レース3位表彰台と健闘し、ランキングトップのT・ベイリスとの差を縮めた。ベイリスは第2レースで転倒、再スタートしたがノーポイントに終わった。
コルサーはこれで合計290ポイントとなり、ランキング2位。トップのベイリスは369ポイント。芳賀は280ポイントでM・ネオキルシュナーと並んで3位タイ。シーズンはあと4戦、合計100ポイント獲得の可能性が残っているため依然としてふたりともチャンピオン獲得の可能性を維持していることになる。
第1レース。芳賀とコルサーはともに終始、表彰台圏内でレースを展開。そしてレースのほとんどをリードした芳賀が、M・ビアッジを0.129秒差で振り切りトップでチェッカーを受けた。コルサーはレース終盤、遅れを挽回して優勝も視野に入れたが、ビアッジを追い抜くに至らず3位でゴールした。
第2レースは芳賀、コルサー、ベイリスの3台がトップ争いを展開。終盤になって芳賀とベイリスが、互いに何度も順位を入れ替えるバトルとなったが、ベイリスは最終ラップで転倒。芳賀は後続を1.5秒引き離して優勝。2位にM・ファブリツィオが入り、コルサーが3位で続いた。芳賀は今回もオーリンズ製電子制御式リアショックを使用。スタンダードのものよりもフィーリングが良く、芳賀の優勝に貢献した。
チームYZFヤマハの中冨伸一は、第1レースで10位、第2レースで今季自己最高の8位を獲得。ヤマハGMT94のD・チェカは17位/20位。チームメイトのS・ジンバートは第1レースではリタイヤに終わったが、第2レースは14位に入り2ポイントを獲得した。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 39'25.030 |
2 | M・ビアッジ | ITA | Ducati | +0'0.129 |
3 | T・コルサー | AUS | Yamaha | +0'0.535 |
4 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | +0'5.188 |
5 | C・チェカ | ESP | Honda | +0'6.693 |
6 | T・ベイリス | AUS | Ducati | +0'7.993 |
7 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | +0'16.976 |
8 | R・ロルフォ | ITA | Honda | +0'18.359 |
9 | 加賀山就臣 | JPN | Suzuki | +0'19.214 |
10 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | +0'19.386 |
11 | L・ランジー | ITA | Ducati | +0'21.230 |
12 | F・ニエト | ESP | Suzuki | +0'24.956 |
13 | M・スメルツ | CZE | Honda | +0'25.186 |
14 | G・ラビッラ | ESP | Honda | +0'31.799 |
15 | A・バドビニ | ITA | Kawasaki | +0'33.949 |
17 | D・チェカ | ESP | Yamaha | +0'34.665 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 39'10.265 |
2 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | +0'1.507 |
3 | T・コルサー | AUS | Yamaha | +0'2.268 |
4 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | +0'11.813 |
5 | C・チェカ | ESP | Honda | +0'17.922 |
6 | F・ニエト | ESP | Suzuki | +0'18.281 |
7 | 加賀山就臣 | JPN | Suzuki | +0'19.368 |
8 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | +0'19.717 |
9 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | +0'23.868 |
10 | R・ロルフォ | ITA | Honda | +0'24.198 |
11 | J・スメルツ | CZE | Ducati | +0'25.426 |
12 | R・チャウス | ESP | Ducati | +0'28.384 |
13 | 清成龍一 | JPN | Honda | +0'30.436 |
14 | S・ジンバート | FRA | Yamaha | +0'36.490 |
15 | C・ウォーカー | GBR | Honda | +0'42.903 |
20 | D・チェカ | ESP | Yamaha | +1'18.547 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | Ducati | 369 |
2 | T・コルサー | Yamaha | 290 |
3 | M・ネオキルシュナー | Suzuki | 280 |
3 | 芳賀紀行 | Yamaha | 280 |
5 | C・チェカ | Honda | 262 |
6 | M・ビアッジ | Ducati | 212 |
18 | 中冨伸一 | Yamaha | 46 |
26 | D・チェカ | Yamaha | 12 |
27 | S・ジンバート | Yamaha | 9 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati | 479 |
2 | Yamaha | 416 |
3 | Honda | 357 |
4 | Suzuki | 355 |
5 | Kawasaki | 77 |
COMMENT
芳賀紀行選手談(優勝/優勝)
「ビアッジのマシンの音がずっと聞こえていた。でも僕のマシンは絶好調だったのでこの結果が得られた。今はとてもハッピーだ。第2レースではトロイ・ベイリスといいバトルができたが、最後に彼が転んでしまったのは残念なことだった。チームにとっても今日は素晴らしい一日になったと思う。みんなの努力と、ファンのみなさんの歓迎ぶりに感謝している。次回ももちろん、一生懸命にプッシュしていくのみ!」
T・コルサー選手談(3位/3位)
「第1レースは好スタートができて、そのままハードに攻めていった。タイヤの調子が良かったので気持ちよく走ることができた。でもその後、レース中盤でちょっとしたミスがあってチェカに抜かれてしまった。2速に入れようとしたがニュートラルに入ってしまったために、少し遅れてしまったからだ。転倒しなかったのはラッキーだったが、これでトップからは離されてしまった。その後、チェカを抜き返してトップ2台に追いついたが、パスするには至らなかった。第2レースはセッティングを少し変更して臨んだが、S字コーナーがうまく回れず遅れてしまうこととなった。トロイの転倒は残念なことだったが、これで、僕らにもまだチャンピオンの可能性が残された」
M・メレガリ、ヤマハ・モーター・イタリアWSBチーム監督談
「前回に続き、今回も素晴らしい1日になった。これで我々の好調を、確かに証明することができたはずだ。紀行は見事、両レース優勝という快挙を成し遂げ、フルポイントを獲得。トロイの両レース3位も十分に良い成績だ。これでトロイがランキング2位、芳賀が3位に上がり、しかもふたりとも依然としてチャンピオン獲得の可能性を残している。トロイ・ベイリスの転倒は気の毒だった。彼も決してあきらめようとはしなかったところは素晴らしいと思う。でもまだシーズンは終わっていないのだ!」
中冨伸一選手談(10位/8位)
「昨日はセッティングに問題があったが、今朝のウォームアップではセッティング変更が功を奏してフィーリングが良くなっていた。第1レースは好調。第2レースは、ビアッジの転倒の影響により、序盤で大きく遅れてしまったがその後挽回した。総合的に見れば悪くなかったと思う。7月にここでテストを行ったが、その経験が役に立ったようだ。次のマニクールはチームにとってのホームコースとなるので、好成績を目指したい」