スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.11 9月7日 イギリス
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第11戦ヨーロッパ大会
■開催日:2008年9月7日(日)
■開催地:ドニントンパーク(1周4.023km)
■天候:曇りのち雨
■周回数:第1レース19周(76.437km)、第2レース23周(92.529km)
■PP:T・ベイリス(Ducati/1分42秒013)
■FL:T・ベイリス(1分31秒814)
REPORT
コルサーが第2レースで3位表彰台獲得!
ヤマハ・モーター・イタリアWSBチームのT・コルサーが、ウエットとドライが入り交じる難しいコンディションのなか、第2レースで3位表彰台を獲得。チームメイトの芳賀紀行は、第1レースはマシントラブルでリタイヤ。第2レースは、他車に接触されて問題が発生したあと、オフィシャルの要求通りの時間にピットに戻らなかったためにペナルティを課せられ、その後の走行ができなくなった。
第1レース。コピース・コーナーにオイルが漏れたためにレースは中断。しかしコルサーと芳賀はともに、再スタートが許可されなかった。コルサーは転倒していたため再スタートのグリッドに並ぶことができず、芳賀は序盤でトラブルが発生しており、既にリタイヤとみなされていたからだ。一度はグリッドにマシンを並べた芳賀だが、すぐに戻されてしまった。
第2レースで芳賀は、ピットロードを通過するペナルティを課せられたが、そのタイミングが早かったためブラックフラッグを受けている。対照的にコルサーは、ここまでの度重なる転倒による痛みや身体の硬さをものともせずに懸命にプッシュし続け、今季9度目となる表彰台を獲得した。勇敢さと卓越した技術によってランキングをひとつ上げて2位。一方の芳賀は今回ノーポイントでランキング5位。
芳賀とコルサーは今回、ヤマハ・デザイン・コンテストの優勝者、ベン・リーブズがデザインしたカラーリングをレザースーツとフェアリングに施して出場していた。またヤマハGMT94のD・チェカは第1レースで11位。第2レースは転倒リタイヤとなった。チームメイトのS・ジンバートは両レースノーポイント。チームYZFヤマハの中冨伸一は第1レース13位、第2レース18位だった。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 29'55.384 |
2 | T・サイク | GBR | Suzuki | +0'1.266 |
3 | M・ビアッジ | ITA | Ducati | +0'28.636 |
4 | G・ラビッラ | ESP | Honda | +0'33.566 |
5 | 加賀山就臣 | JPN | Suzuki | +0'35.966 |
6 | J・スメルツ | CZE | Ducati | +0'36.034 |
7 | F・ニエト | ESP | Suzuki | +0'36.442 |
8 | L・ハスラム | GBR | Honda | +0'41.633 |
9 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | +0'42.075 |
10 | J・エリソン | GBR | Honda | +0'43.476 |
11 | D・チェカ | ESP | Yamaha | +1'12.578 |
12 | A・バドビニ | ITA | Kawasaki | +1'13.147 |
13 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | +1'34.664 |
14 | 青山修平 | JPN | Honda | +1'56.726 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 清成龍一 | JPN | Honda | 40'26.508 |
2 | C・クラックロー | GBR | Honda | +0'2.261 |
3 | T・コルサー | AUS | Yamaha | +0'9.727 |
4 | J・エリソン | GBR | Honda | +0'20.227 |
5 | M・ファブリツィオ | ITA | Ducati | +0'27.475 |
6 | M・ビアッジ | ITA | Ducati | +0'28.051 |
7 | G・ラビッラ | ESP | Honda | +0'30.922 |
8 | R・チャウス | ESP | Ducati | +0'38.353 |
9 | C・チェカ | ESP | Honda | +0'50.196 |
10 | T・サイク | GBR | Suzuki | +0'57.346 |
11 | L・ランジー | ITA | Ducati | +1'3.093 |
12 | J・スメルツ | CZE | Ducati | +1'6.697 |
13 | R・ロルフォ | ITA | Honda | +1'8.057 |
14 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | +1'15.276 |
15 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | +1'38.848 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | Ducati | 359 |
2 | T・コルサー | Yamaha | 258 |
3 | M・ネオキルシュナー | Suzuki | 254 |
4 | C・チェカ | Honda | 240 |
5 | 芳賀紀行 | Yamaha | 230 |
6 | F・ニエト | Suzuki | 192 |
21 | 中冨伸一 | Yamaha | 32 |
26 | D・チェカ | Yamaha | 12 |
28 | S・ジンバート | Yamaha | 7 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati | 439 |
2 | Yamaha | 366 |
3 | Honda | 335 |
4 | Suzuki | 329 |
5 | Kawasaki | 69 |
COMMENT
T・コルサー選手談(リタイヤ/3位)
「最もタフなレースのひとつと言ってもいいだろう。予選では路面のコンディションが非常に滑りやすくて何度も転倒してしまったので、身体中が痛かった。でもチームのみんなが頑張ってくれたおかげで、その度にマシンは修復され、僕はまたコースへ戻ることができた。レースを終えて、どれだけたくさんのパーツが残されたことだろう...」
芳賀紀行選手談(リタイヤ/リタイヤ)
「第2レースでは、ペナルティのためにピットロードへ入らなければならないことはわかっていたが、水しぶきが多すぎてボードが出ているかさえ見えなかったんだ。だから自分の判断で入ってきて、自分の走りを続けた。そしてピットレーンを出ようとした所でブラックフラッグが出されてしまった。もうピットに入ったのに何でそんなことになるのか理解できなかった。でもどうやら、そのタイミングが良くなかったようなんだ。残念な結果になったが、今週も僕を支えてくれたチームスタッフに、そしてファンのみんなには感謝している」
M・メレガリ、ヤマハ・モーター・イタリアWSBチーム監督談
「ある意味で、これほどひどいレースもこれまでになかっただろう。だが、我々はウイークを通じでベストを尽くしてきたんだ。とくに紀行にとっては本当に厳しい結果で、2レースともノーポイントということになってしまった。トロイのほうは第2レースで素晴らしい走りを見せてくれた。今回は何度も転倒して痛みもあった。ライダーというものは、1度でも転倒すれば多かれ少なかれフィーリングと自信を失ってしまうものだが、トロイは何度転倒しても変わらなかった。ランキングでは2位につけることができたので、厳しい戦いの後ではあるがポジティブな気持ちをキープすることができる。
また今回は、オーリンスの新型電子制御サスペンションのテストも続けてきたが、これまではドライでのテストが多かったので、ウエットでのデータも組み合わせて分析することは重要。限られた時間のなかでも一定の成果が出てきており、6週間前に初めてこれを試したバレルンガで使用予定」
中冨伸一選手談(13位/18位)
「第1レースはコンディションが最悪。他のライダーがスリックを選んだのに対し、僕らはインターミディに決めたのが間違っていたようだ。10周くらい走ってからようやく調子が上がってきたのだから。第2レースではマシンのセッティングを少し変更。ひどく濡れた路面状況のなかで、何とかベストを尽くすことができたと思う」