スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.13 10月7日 フランス
RACE DATA
■大会名称:2007スーパーバイク世界選手権第13戦フランス大会
■開催日:2007年10月7日(日)
■開催地:フランス/マニクール(1周4.411km)
■観客数:75,000人
■周回数:23周(101.453km)×2
■天候:晴れ ■気温:15度
■PP:J・トーズランド(ホンダ/1分38秒501)
■FL:M・ネオキルシュナー(スズキ/1分39秒844)
REPORT
芳賀が両レースで優勝。ヤマハがメーカータイトル獲得!
フランスはマニクール・サーキットで最終戦が行われ、ヤマハは28ポイントのマージンをもってメーカー・チャンピオンを獲得。ヤマハ・モーター・イタリア・WSB・チームのふたりのライダーは、ともに100%の力を出し切ってこれに貢献した。芳賀紀行が両レース優勝、T・コルサーも3位/4位という健闘で、ふたりのチームワークがこの快挙に繋がった。
芳賀はモンツァでの大会に続き今季2度目のダブルウイン達成。芳賀は、両レースともにスタートからフィニッシュまでレースをリードしての優勝。またコルサーも両レースともに見事な走りを見せ、第1レースではM・ネオキルシュナー(スズキ)、T・ベイリス(ドゥカティ)、第2レースではM・ビアッジ(スズキ)、F・ニエト(カワサキ)とバトルを展開してそれぞれ3位、4位を獲得した。
芳賀はしかし、ライダー・ランキングではわずかに2ポイント届かずチャンピオンを逃した。ランキング2位は3度目となる。一方のコルサーはランキング5位が決定したほか、スーパーバイク世界選手権の出場レース回数でP・キリの記録をひとつ上回る276回でトップに立った。これまでにポールポジション16回、表彰台177回、優勝44回という記録を積み重ねてきたヤマハが今シーズン、初めてメーカータイトルを獲得した。なお、中冨伸一は第1レース11位、第2レースはリタイヤしてランキング15位となった。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 38'33.762 |
2 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 0'2.770 |
3 | T・コルサー | AUS | Yamaha | 0'3.735 |
4 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'8.570 |
5 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 0'12.925 |
6 | M・ビアッジ | ITA | Suzuk | 0'13.283 |
7 | J・トーズランド | GBR | Honda | 0'16.395 |
8 | R・チャウス | ESP | Ducati | 0'22.581 |
9 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 0'22.828 |
10 | R・ロルフォ | ITA | Honda | 0'32.729 |
11 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | 0'38.305 |
12 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 0'53.685 |
13 | Y・ティベリオ | FRA | Honda | 0'53.799 |
14 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'53.915 |
15 | G・ディートリッヒ | FRA | Suzuki | 0'56.474 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 38'35.353 |
2 | M・ビアッジ | ITA | Suzuki | 0'3.518 |
3 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 0'9.142 |
4 | T・コルサー | AUS | Yamaha | 0'9.257 |
5 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 0'12.825 |
6 | J・トーズランド | GBR | Honda | 0'19.316 |
7 | R・ロルフォ | ITA | Honda | 0'20.994 |
8 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 0'22.452 |
9 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'22.505 |
10 | R・チャウス | ESP | Ducati | 0'28.352 |
11 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 0'44.333 |
12 | Y・ティベリオ | FRA | Honda | 0'48.077 |
13 | G・ディートリッヒ | FRA | Suzuki | 1'23.307 |
14 | L・モレリ | ITA | Ducati | 1'23.826 |
15 | D・エリソン | GBR | Ducati | 1'37.631 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J・トーズランド | Honda | 415 |
2 | 芳賀紀行 | Yamaha | 413 |
3 | M・ビアッジ | Suzuki | 397 |
4 | T・ベイリス | Ducati | 372 |
5 | T・コルサー | Yamaha | 296 |
6 | R・チャウス | Ducati | 201 |
15 | 中冨伸一 | Yamaha | 66 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 467 |
2 | Ducati | 439 |
3 | Honda | 439 |
4 | Suzuki | 419 |
5 | Kawasaki | 192 |
6 | MV Agusta | 1 |
COMMENT
芳賀紀行選手談(1位/1位)
「第1レース。後ろがどうなっているかは見えなかったけれど、ピットボードで伝えてくれていたから、できるかぎりリードを広げておきたかったんだ。でもドキドキして、心臓がものすごい速さで鼓動していた! 第2レースもマシンは何も変更せずに、とにかくベストを尽くした。
ランキング2位に終わったことは残念。わずか2ポイントが詰められなかったんだからね!でも心は晴れ晴れしてるんだ。だってこの1シーズン、みんなとバトルをエンジョイすることができたからね。とくに終盤の何戦かは良かったと思う。来シーズンはもっともっと頑張らなければならない。今シーズンは、トロイと協力して良い仕事ができた。僕らふたりの関係もとても良かったから、来年もまた一緒にマシン開発に取り組んでいくのを楽しみにしている。チームのみんなの努力に感謝したい。そしてトーズランド、チャンピオン獲得おめでとう」
T・コルサー選手談(3位/4位)
「第1レースは絶好のスタート。そのままトップに出て優勝を狙いたかったところだが、決意満々の芳賀選手が前に入ってきたんだ! ここでリスクをおかしてふたりとも転倒なんていうのはいやだったから、無理はしなかった。全力を出し切って戦ったが、フロントタイヤを消耗してしまい、ベイリスを抑えきれなかった。第2レースもスタートはうまくいって、第1レースと同様にとにかくベストを尽くして頑張った。総合的に、今はとてもハッピーな気持ち。自分にできることはすべてやったし、ヤマハのメーカータイトル獲得に貢献できたことが何より嬉しい」
M・メレガリ、ヤマハ・モーター・イタリア・WSB・チーム監督談
「素晴らしい一日だった!やれることは全てやって、そして優勝を勝ち取った。トロイもチームのためにとてもよく頑張ってくれた。シーズンを通してチームに貢献してくれた芳賀選手とコルサー選手に心から感謝している。またチームのみんなにもお礼を言いたい。彼らは非常に重要な役割を担ってくれた。来シーズンは開幕戦から準備万端で戦えるだろう。今年は6回の優勝と18回の表彰台獲得で、チーム史上最高の記録だ。正直なところ、わずか2ポイント差でチャンピオンを逃したことは非常に残念。でも芳賀選手はこの1年間、本当にいい仕事をしたと思う」
L・クライン・コールカンプ、ヤマハモーターヨーロッパ・レーシングマネージャー談
「メーカータイトルを獲得できたことは素晴らしかった。マシンの性能と、ふたりのライダーを含めたチーム全体の力を証明することができたのだから。戦いは厳しく色々なことがあったが、チームは最後まで決して諦めなかった。こうしてシーズンを終えてみれば、“もしもあのとき?”という気持ちが湧いてくるのは誰もが同じだと思う。でもレースとはこういうものなのだ。そういうなかで我々は、脈々と受け継がれてきた‘チャレンジ精神’とレースへの情熱を見せることができた。新型のYZF-R1も、その実力を証明することができた。来年はライダーチャンピオンも狙っていく」
中冨伸一選手談(11位/リタイヤ)
「第1レースはセッティングを少し変更して臨み、ウイーク中最高のフィーリングを得ることができた。しかしラスト5周でフロントタイヤに問題が発生しコントロールが難しくなってしまった。第2レースはふたつポジションを上げたところでフロントから転倒してしまった」
M・ガルシア、チーム・YZF・ヤマハ監督談
「第1レースで中冨選手は、ロルフォといいバトルを展開して11位。優勝タイムとの差は僅か30秒だった。第2レースではスタートは普通だったが、そのあとふたつポジションアップ。ところが不運にも転倒して再スタートは不可能だった。今年は、ヤマハのレースキットを装着した我々のマシンがとても競争力のあるものであることを証明することができた。チームのプロフェッショナル精神に感謝したい。来年はもっと強いチームになって帰ってくる」