スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.12 9月30日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第12戦イタリア大会
■開催日:2007年9月30日(日)
■開催地:イタリア/バレルンガ(1周4.110km)
■観客数:80,000人
■周回数:第1レース24周、第2レース24周
■レース距離:98.64km×2
■天候:晴れ ■気温:21度
■PP: T・ベイリス(ドゥカティ/1分35秒890)
■FL:芳賀紀行(ヤマハ/1分37秒419)
REPORT
芳賀が第2レースで3位表彰台獲得!
ヤマハ・モーター・イタリア・WSB・チームの芳賀紀行は、第1レース4位、第2レース3位の健闘。チームメイトのT・コルサーは第1レースでリタイヤしたが第2レースは4位を獲得した。この結果、最終戦を前にライダー、メーカー両タイトルの可能性を残した。
第1レースはスタートから波瀾の展開。コルサーが1周目で転倒リタイヤとなり、芳賀も危うく転倒しそうになったが何とかJ・トーズランド(ホンダ)の前の3番手に浮上した。芳賀はそのあとトップ争いを展開するT・ベイリス(ドゥカティ)、M・ビアッジ(スズキ)を追いながら3ラップにわたりファステストラップを記録する絶好調ぶり。ついにはベイリスに追いつくと、激しいバトルを展開して何度も互いに順位を入れ替える。ところが、こうしてふたりが競り合う間にトーズランドが着々と追い上げてきており、最終的には芳賀をパスして3位。芳賀は4位でチェッカーを受けた。
第2レースはベイリス、ビアッジ、芳賀、トーズランド、コルサーといういつもの顔ぶれがトップを争う展開。序盤をリードしたのはベイリスだったが、これに芳賀とビアッジがぴたりとつけ、さらにトーズランドとコルサーが続く。その後トーズランドが転倒したためコルサーが4番手に浮上した。トップ争いはベイリス、芳賀、ビアッジの3台。13周目にビアッジが芳賀をパスして2番手に上がったあとは順位に変動がなく、そのままベイリス、ビアッジ、芳賀の順でチェッカーを受けた。
チーム・YZF・ヤマハの中富伸一は両レース9位と健闘して今季最高の成績。第1レースは好スタートから9番手に上がり、そのままポジションをキープして9位獲得。第2レースはスタートでやや出遅れて15位に下げてしまったが、ひたすら走りに集中するうちに少しずつ順位を上げて再び9位でゴールした。
芳賀はビアッジに4ポイント先行されてランキング3位に下がったが、トーズランドとの差は33ポイントに短縮。来週の最終戦でまだ50ポイントの可能性を残しているため、トップの3台は全力で優勝を狙っていくことになる。メーカーポイントでは、ヤマハはわずか3ポイント差でトップのホンダを追っている状況。ライダー、メーカー両タイトルが、最終戦のマニクールで決定する。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ビアッジ | TA | Suzuki | 39'24.967 |
2 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 0'5.638 |
3 | J・トーズランド | GBR | Honda | 0'7.452 |
4 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 0'10.079 |
5 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'22.257 |
6 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'25.662 |
7 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 0'34.811 |
8 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 0'38.075 |
9 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | 0'39.070 |
10 | V・イアヌッツォ | ITA | Kawasaki | 0'47.702 |
11 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'47.806 |
12 | M・ボルチアーニ | ITA | Ducati | 0'53.488 |
13 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 0'54.509 |
14 | S・マーティン | AUS | Yamaha | 1'1.967 |
15 | Y・ティベリオ | FRA | Honda | 1'8.291 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 39'30.861 |
2 | M・ビアッジ | ITA | Suzuki | 0'1.431 |
3 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 0'4.466 |
4 | T・コルサー | AUS | Yamaha | 0'13.766 |
5 | R・ロルフォ | ITA | Honda | 0'20.848 |
6 | R・チャウス | ESP | Ducati | 0'21.930 |
7 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'29.847 |
8 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 0'29.986 |
9 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | 0'40.126 |
10 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'40.733 |
11 | J・トーズランド | GBR | Honda | 0'42.544 |
12 | V・イアヌッツォ | ITA | Kawasaki | 0'54.504 |
13 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 0'55.024 |
14 | S・マーティン | AUS | Yamaha | 0'55.304 |
15 | Y・ティベリオ | FRA | Honda | 0'59.781 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J・トーズランド | Honda | 396 |
2 | M・ビアッジ | Suzuki | 367 |
3 | 芳賀紀行 | Yamaha | 363 |
4 | T・ベイリス | Ducati | 341 |
5 | T・コルサー | Yamaha | 267 |
6 | L・ランジー | Ducati | 192 |
15 | 中冨伸一 | Yamaha | 61 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 420 |
2 | Yamaha | 417 |
3 | Ducati | 408 |
4 | Suzuki | 386 |
5 | Kawasaki | 165 |
6 | MV Agusta | 1 |
COMMENT
芳賀紀行選手談(4位/3位)
「今日はタイヤのことがあって、ちょっと残念。第1レースはウォームアップのときと同じものを使ったけれど、それが思うように走ってくれなかった。最後はグリップがなくなってしまったので、優勝を狙うよりもポジションのほうに集中した。第2レースでは、フィーリングがまったく違うスペアマシンのほうを使った。フィーリングもトラクションの感じも、こちらのほうが良くて、レース中盤ではベイリスを捉えようとしたけど、結局届かず3位。来週のマニクールはみんなが優勝を狙ってくるのですごい戦いになるだろう。でも僕は依然として自信をもっているし決意は固い。トーズランドとのポイント差は縮まったので、決してあきらめない!」
T・コルサー選手談(リタイヤ/4位)
「第1レースは僕のミスだ。スタートときに電子制御システムをオフにしていて、それを元に戻さなかったんだ。本当に単純なミス。第2レースのほうはスタートがあまり上手くいかなくて、さらにチャウスと2度接触した。でもそれを過ぎて落ち着いてからは調子は悪くなかった。トーズランドに追いつくと、彼は
何かしらトラブルを抱えているようだった。彼をパスできずにいると、そのうちに彼のほうが順位を下げていった。同時に僕のタイムも少しずつ良くなっていったんだ。そこからは最後までペースを保って走りきるだけだった」
M・メレガリ、ヤマハ・モーター・イタリア・WSB・チーム監督談
「今大会を前に、トップとの差は41ポイント。レースを終えて33ポイントに縮まった。今回、我々はタイヤのセットアップがあまりうまくいかなかった。消耗する前のレース前半は問題なかったのだが。これからは来週の最終戦に集中していかなければならない。我々はもちろんまだ諦めてはいない。チャンスはまだ残っている」
中冨伸一選手談(9位/9位)
「これまでのキャリアのなかで最高のレースの一つ。少なくとも今シーズンのなかでは一番上手くいった。両レースで9位を獲得できたことは本当に嬉しい。マシンはとても好調だったし、そのためにチームが一生懸命に頑張ってくれた。彼らひとりひとりに感謝したい。次のマニクールも楽しみだ!」
M・ガルシア、チーム・YZF・ヤマハ監督談
「今日の中冨は絶好調だった。第1レースではほとんどずっと8位を走っていたんだ。ただ最終ラップになってタイヤが一瞬切れ込んで、その間にニエトに抜かれてしまった。第2レースも本当によく頑張った。チーム全体で成し遂げた今日の成果を誇りに思う」