スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.11 9月9日 ドイツ
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第11戦ドイツ大会
■開催日:2007年9月9日(日)
■開催地:ドイツ/ユーロスピードウェイ(1周4.265km)
■観客数:49,500人
■周回数:第1レース24周、第2レース24周
■天候:晴れ ■気温:17度
■PP:F・ニエト(カワサキ/1分50秒681)
■FL:芳賀紀行(ヤマハ/1分39秒033)
REPORT
2レースとも表彰台獲得!
昨日までの雨が止み、好天に恵まれた決勝。ヤマハ・モーター・イタリア・WSB・チームの芳賀紀行とT・コルサーは両レースで合計3つの表彰台を獲得した。芳賀は第1レース優勝、第2レース2位の大活躍。コルサーも第1レース3位、第2レース5位と健闘した。
スタートから好調ぶりを見せた芳賀は、最初の2、3周で8番手の位置から2番手まで挽回。トップのT・ベイリス(ドゥカティ)はすでにリードを築いていたが、芳賀は果敢な追い上げでラップごとにその差を詰め、14周目にはタイヤ・トゥ・タイヤの状態まで接近した。そして次のラップには早くも勝負を賭けると、得意のぎりぎりのパスを成功させてトップに浮上。そのままの勢いで最後まで走りきり、後続を11秒も離す圧倒的な強さを見せてゴール。今季4度目の優勝を成し遂げた。
一方のコルサーはスタートで出遅れ、第2コーナーでは危うくハイサイドを起すところ。これで一時は9番手まで後退してしまったが、すぐに追い上げを開始すると8ラップの時点で4番手まで挽回。さらに6.2秒前方にいたM・ビアッジ(スズキ)を追っていき、18ラップでついにこれをパスして3番手に浮上した。その後はタイヤの消耗もあり、これ以上順位を上げることはできなかった。
第2レースはスタートでコルサーが6番手に後退、一方の芳賀は5番手に浮上する展開。芳賀は第1レース同様、初めから迷うことなくポジションを上げていき、トップのベイリスに照準を合わせていく。コルサーはまずR・チャウス(ドゥカティ)との5位争いを制し、さらに4番手のJ・トーズランド(ホンダ)を追っていった。
9ラップ目、芳賀とベイリスは互いに激しくぶつかり合う好バトル。そして14周目にはベイリスがミスをおかし、その間に芳賀がトップに躍り出た。ところが残り4周となったところでベイリスが再びトップを奪ってそのままゴール。芳賀は2位でチェッカーを受けた。
チーム・YZF・ヤマハの中冨伸一は第1レース11位、第2レース15位と健闘。とくに第1レースでは素晴らしい走りを見せて注目された。
シリーズポイントでは、1位/2位の大活躍をおさめた芳賀がトップとの差を41ポイントまで縮めている。残りは2戦。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 40'2.923 |
2 | M・ビアッジ | ITA | Suzuki | 0'11.007 |
3 | T・コルサー | AUS | Yamaha | 0'11.628 |
4 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 0'22.156 |
5 | R・ロルフォ | ITA | Honda | 0'26.082 |
6 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 0'26.381 |
7 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 0'36.870 |
8 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'43.465 |
9 | J・トーズランド | GBR | Honda | 0'44.258 |
10 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 0'45.233 |
11 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | 0'52.553 |
12 | R・チャウス | ESP | Ducati | 1'1.959 |
13 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 1'17.989 |
14 | S・マーティン | AUS | Yamaha | 1'19.224 |
15 | Y. ティべリオ | FRA | Honda | 1'36.627 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 39'49.291 |
2 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 0'1.353 |
3 | M・ビアッジ | ITA | Suzuki | 0'13.001 |
4 | J・トーズランド | GBR | Honda | 0'14.641 |
5 | T・コルサー | AUS | Yamaha | 0'15.210 |
6 | R・チャウス | ESP | Ducati | 0'25.830 |
7 | R・ロルフォ | ITA | Honda | 0'29.752 |
8 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 0'29.947 |
9 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'30.552 |
10 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 0'33.815 |
11 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 0'39.323 |
12 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'42.592 |
13 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'50.755 |
14 | S・マーティン | AUS | Yamaha | 0'53.598 |
15 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | 0'56.284 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J・トーズランド | Honda | 375 |
2 | 芳賀紀行 | Yamaha | 334 |
3 | M・ビアッジ | Suzuki | 322 |
4 | T・ベイリス | Ducati | 296 |
5 | T・コルサー | Yamaha | 254 |
6 | R・チャウス | Ducati | 177 |
15 | 中冨伸一 | Yamaha | 47 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 393 |
2 | Yamaha | 388 |
3 | Ducati | 363 |
4 | Suzuki | 341 |
5 | Kawasaki | 148 |
6 | MVAgusta | 1 |
COMMENT
芳賀紀行選手談(1位/2位)
「今日は両レースとも大満足。とくに第1レースはパーフェクトの出来だったと思う。タイヤがちょっと消耗してきたけれど、それでもペースを保って走りきることができた。第2レースの前にサスペンションのセッティングを少し変更した。でもスタートでちょっとしたミスをしてしまって、思いどおりに飛び出すことができなかったんだ。そのせいでレースではベイリスを追っていかなければならなくなり、リアタイヤを余計に消耗することになってしまった。終盤になるとかなりスライドしていて、ついて行くことができなかった。
今日のこの成績でポイント差を縮めることができた。これでチャンピオンを獲得できる可能性がより高くなったわけなので、今まで以上に集中力が高まっている。タイトル獲得を目指して最後まで攻め続けるつもりだ。素晴らしいマシンを用意してくれたチームのみんなとオーリンスに心から感謝している」
T・コルサー選手談 (3位/5位)
「第1レースはスタートでちょっと出遅れてしまって、そのあとは一生懸命に挽回していかなければならなかったが、結果的にはとてもうまくいったと思う。ただ最後にマックスを捉えることができなかったのが残念だった。第2レースはセッティングをいろいろ変えて臨み、とくにハンドリングが向上したのでコーナーのたびにトーズランドに詰め寄ることができたんだ。最終リザルトは、もう少し上を期待していたので少し残念。マシンは好調なので、次のバレルンガは自信を持って臨む」
M・メレガリ、ヤマハ・モーター・イタリア・WSB・チーム監督談
「昨日の時点で、もしも誰かが“24時間後には3つの表彰台を獲得しているだろう”などと言ったとしたら、私は決して信じなかっただろう。トースランドを25ポイントも上回るなんて簡単なことではない。今日は本当に良くできた。今回の成功によって、以前にも増して強いファイティングスピリットを持って残り2戦に臨めそうだ。ノリは本当に素晴らしい。トロイのほうも第1レースでは何台もパスしたあとに好成績をもぎ取った。この成功のために懸命の作業をしてくれたチームに感謝したい」
中冨伸一選手談 (11位/15位)
「結果にはとても満足している。とくに第1レースは良かったと思う。マシンのフィーリングは好調で、しかもレースのたびに向上している。バレルンガでの成績が今からとても楽しみだ」
M・ガルシア、チーム・YZF・ヤマハ監督談
「第1レースでの11位獲得は、我々のマシンの進化を証明している。トップスピードでは第3位を記録しているのだ。第2レースは運がなかったが、そうしたなかでもマシンとライダーがレースのたびに良くなっていっているので満足だ」