スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.10 8月5日 イギリス
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第10戦イギリス大会
■開催日:2007年8月5日(日)
■開催地:ブランズハッチ(1周4.197km)
■観客数:120,000人
■天候:晴れ
■気温:27度
■周回数:第1レース25周(104.925km)、第2レース25周(104.925km)
■PP:T・ベイリス(ドゥカティ/1分25秒607)
■FL:芳賀紀行(ヤマハ/1分26秒590)
REPORT
芳賀がランキング2に浮上!
ヤマハ・モーター・イタリア・WSB・チームは第10戦決勝の両レースでともに表彰台を獲得。芳賀紀行はランキング2位に返り咲いた。
第1レースはT・コルサー、芳賀ともに好スタート。それぞれ2位、4位につけて、J・トーズランド(ホンダ)、T・ベイリス(ドゥカティ)と4台でトップグループを形成。芳賀は4周目にファステストラップを記録し、さらに勢いに乗ってベイリスをパスすると、トーズランドに続く2番手までポジションアップ。その一方でふたりのトロイ、コルサーとベイリスは3位争いを展開。ここでベイリスが転倒リタイヤとなりコルサーが優位に。
レース中盤を迎えてリズムが落ち着いてきた頃、芳賀はサーティースでオーバーラン。なんとか転倒は免れたものの11番手にまで順位を下げてしまう。その後、懸命の挽回で7番手までポジションを上げてチェッカーを受けた。この芳賀のアクシデントによってコルサーはひとつ順位を上げて2位を獲得。同時にヤマハにとってWSBで150回目の表彰台獲得という記録を打ち立てた。
続く第2レース。芳賀は再び好スタートを切ってレースをリード。その後トーズランドに先行されたが、芳賀はそのテールにぴったりとついて行き、互いに競り合いながら後続を引き離していく。一方、コルサーはスタートで5位とやや出遅れ、懸命の挽回を試みて14周目にようやく芳賀、トーズランドのトップ争いに追いついた。芳賀とトースランドはその後も、互いに何度も順位を入れ替える激しいバトルを展開。しかし芳賀はリードをキープすることができず、終盤になってタイヤが消耗してきたこともあり2位キープに転じた。そして最終的には芳賀が2位、コルサーが3位でチェッカーを受け、ふたりが揃って表彰台に上った。
チーム・YZF・ヤマハの中冨伸一とS・マーティンは健闘し、第1レースではマーティンが11位、プラクティス中の転倒で負傷した中冨も13位でチェッカーを受けた。第2レースはマーティンが15位、中冨はポイント圏外に留まる16位。シリーズポイントでは、芳賀がM・ビアッジ(スズキ)を抜きかえして再びランキング2位に上がった。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・トーズランド | GBR | Honda | 36'35.120 |
2 | T・コルサー | AUS | Yamaha | 0'1.554 |
3 | M・ビアッジ | ITA | Suzuki | 0'2.917 |
4 | R・チャウス | ESP | Ducati | 0'10.202 |
5 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'14.133 |
6 | R・ロルフォ | ITA | Honda | 0'14.323 |
7 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 0'19.380 |
8 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 0'22.676 |
9 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'24.259 |
10 | M・キルシュナー | GER | Suzuki | 0'24.423 |
11 | S・マーティン | AUS | Yamaha | 0'33.365 |
12 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 0'33.373 |
13 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | 0'33.548 |
14 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'48.283 |
15 | M・ナット | GBR | Yamaha | 1'4.655 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・トーズランド | GBR | Honda | 36'34.177 |
2 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 0'1.686 |
3 | T・コルサー | AUS | Yamaha | 0'1.760 |
4 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'8.456 |
5 | 加賀山就臣 | JPN | Suzuki | 0'8.988 |
6 | R・チャウス | ESP | Ducati | 0'9.470 |
7 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 0'18.313 |
8 | M・ビアッジ | ITA | Suzuki | 0'19.116 |
9 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 0'20.501 |
10 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'20.586 |
11 | R・ロルフォ | ITA | Honda | 0'21.808 |
12 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'24.883 |
13 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 0'31.988 |
14 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 0'33.253 |
15 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | 0'36.868 |
16 | S・マーティン | AUS | Yamaha | 0'37.972 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J・トーズランド | Honda | 355 |
2 | 芳賀紀行 | Yamaha | 289 |
3 | M・ビアッジ | Suzuki | 286 |
4 | T・ベイリス | Ducati | 258 |
5 | T・コルサー | Yamaha | 227 |
6 | R・チャウス | Ducati | 163 |
15 | 中冨伸一 | Yamaha | 41 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 369 |
2 | Yamaha | 343 |
3 | Ducati | 325 |
4 | Suzuki | 305 |
5 | Kawasaki | 130 |
6 | MVAgusta | 1 |
COMMENT
T・コルサー選手談(2位/3位)
「今日はふたつのレースともに同じような展開。マシンのほうは100%とは言わないまでもとても好調だった。少し動きが大きい感じがあったが、タイヤは両レースともに非常に安定していて最後までよくもってくれた。第2レースの前にはサスペンション、マッピング、フォークのセッティングなどちょっとした変更を行った。スタートを失敗してしまったので、あとはただひたすら前を目指していくだけの展開になり、ノリとジェームスが見えてきた時は嬉しかった。ノリのシリーズポイントのことはよくわかっていたので、3位キープを目指した。総合的に見て、何のトラブルもない好調な一週間だった。すべてが非常にスムースに運んだ」
芳賀紀行選手談(7位/2位)
「第1レースは絶好調だったが、クラッシュしてしまった。ジェームスをとらえようと必死になっていて、マシンとタイヤをプッシュし過ぎたようだ。マシンに何もダメージがなかったのには驚いたが、おかげで再スタートできて、最終的には貴重な9ポイントを獲得することができた。第2レースも同じタイヤをチョイスして、サスペンションを少し変更。これでフィーリングがかなり良くなった。ところが10ラップもするとスライドが始まり、マシンをあまり激しくプッシュできなくなったので2位キープの展開になった」
M・メレガリ、ヤマハ・モーター・イタリア・WSB・チーム監督談
「金曜日の時点では少し心配していたが、結果的には非常に良い展開となった。成績にもとても満足している。ノリの転倒は不運だったが、ヤマハ勢で3つの表彰台を獲得できて嬉しい。このあとはしばらく休みになるが、集中を切らすことはできない」
中冨伸一選手談(13位/15位)
「ブルノでの成功をここでもう一度再現したいと思っていた。そこまではいかなかったが、今回もふたつともいいレースができて嬉しい。マシンの調子もとても良くて、レースの度ごとに力を増している。このあとのインターバルはありがたい。この間に怪我を治したい」
S・マーティン選手談(11位/16位)
「チームがすばらしい仕事をしてくれた。僕自身もベストを尽くすことができたので満足だ。とくに第1レースの11位は良かったと思う。チームのサポートに感謝している」
M・ガルシア、チーム・YZF・ヤマハ監督談
「ふたりのライダーの仕事ぶりに非常に満足している。スティーブは今回、チームを大いに助けてくれて、我々のほうでもいろいろ考えることができた。彼の努力に感謝し、イギリス・スーパーバイクでも良いレースができるよう祈っている。中冨のほうは、ウイーク序盤でクラッシュがあったにもかかわらず、難しい状況のなかで貴重なポイントを獲得してくれた」