スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.09 7月22日 チェコ
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第9戦チェコ大会
■開催日:2007年7月22日(日)
■開催地:ブルノ(1周5.403km)
■天候:晴れ
■観客:25,000人
■気温:25度
■周回数:第1レース20周(108.060km)、第2レース19周(102.657km)
■PP:芳賀紀行(ヤマハ/1分59秒603)
■FL:芳賀紀行(ヤマハ/2分01秒543)
REPORT
芳賀は両レースで4位
第9戦は、ヤマハ・モーター・イタリア・WSB・チームにとって厳しい展開となった。そのなかでも芳賀紀行は両レース4位、合計26ポイントを獲得したが、チームメイトのT・コルサーは第1レースで7位を獲得したあと、第2レースではリタイヤとなった。
第1レース。芳賀は終始、J・トーズランド(ホンダ)、M・ビアッジ(スズキ)、加賀山就臣(スズキ)と4台でトップグループを形成。4台で毎周のように互いに順位を入れ替える接近戦を展開していたが、タイヤを消耗してしまった芳賀は、転倒のリスクを避けて最終的には4位でチェッカーを受けた。一方のコルサーはスタート直後からタイヤのグリップに悩まされ、ペースをつかめないまま7位でレースを終えた。
第2レースはウォームアップ走行時に雨が降り出したため、ウエット宣言の下、予定よりも少し遅れてスタート。レース周回数も1周減らされた。コルサーが好スタートを切ってそのままトップに立ったが、まもなく3位に後退。一方の芳賀は出遅れて6番手まで順位を下げてしまったものの、2周目には早くもトップに浮上。コルサーがそのすぐ後ろにつけた。コルサーはベストラップを2回にわたって更新し、2分を切るタイムを記録する好調ぶり。ところが6周目、エンジンボルトの破損によりオイルが漏れるアクシデントが発生し、リタイヤを余儀なくされた。
コルサーが戦列を離れたあとは、芳賀がトーズランドとビアッジをリードする展開。13ラップまではバトルが続いていたが、芳賀はフロントタイヤを消耗してしまい、後続のアタックを抑えることができなかった。そしてグリップの効かない難しい状況のなかで最後まで走りきり4位を獲得した。
チーム・YZF・ヤマハの中冨伸一はコースとの相性も良く、第1レース10位、第2レース9位と今季最高の成績。次回は2週間後のイギリス大会、ブランズハッチ。第9戦終了現在、トータル260ポイントでランキング3位につけている芳賀は、トップとの45ポイント差を縮めるために全力で臨む。2位ビアッジとの差はわずかに2ポイントとなっている。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・トーズランド | GBR | Honda | 41'2.730 |
2 | M・ビアッジ | ITA | Suzuki | 0'0.237 |
3 | 加賀山就臣 | JPN | Suzuki | 0'1.185 |
4 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 0'2.403 |
5 | R・ロルフォ | ITA | Honda | 0'3.472 |
6 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'3.758 |
7 | T・コルサー | AUS | Yamaha | 0'18.235 |
8 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'19.653 |
9 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'22.230 |
10 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | 0'31.662 |
11 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 0'32.796 |
12 | R・チャウス | ESP | Ducati | 0'47.360 |
13 | V・イアヌッツォ | ITA | Kawasaki | 1'1.983 |
14 | J・ドラザック | CZE | Yamaha | 1'2.052 |
15 | S・クルチアーニ | ITA | Suzuki | 1'48.872 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ビアッジ | ITA | Suzuki | 38'53.022 |
2 | J・トーズランド | GBR | Honda | 0'1.510 |
3 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'5.419 |
4 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 0'6.765 |
5 | R・ロルフォ | ITA | Honda | 0'7.910 |
6 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 0'9.241 |
7 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'19.424 |
8 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 0'24.191 |
9 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | 0'26.680 |
10 | R・チャウス | ESP | Ducati | 0'28.095 |
11 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 0'33.256 |
12 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'33.352 |
13 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'33.495 |
14 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 0'40.453 |
15 | V・イアヌッツォ | ITA | Kawasaki | 0'57.284 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J・トーズランド | Honda | 305 |
2 | M・ビアッジ | Suzuki | 262 |
3 | 芳賀紀行 | Yamaha | 260 |
4 | T・ベイリス | Ducati | 249 |
5 | T・コルサー | Yamaha | 191 |
6 | L・ランジー | Ducati | 150 |
16 | 中冨伸一 | Yamaha | 37 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 319 |
2 | Yamaha | 303 |
3 | Ducati | 302 |
4 | Suzuki | 278 |
5 | Kawasaki | 115 |
6 | MV Agusta | 1 |
COMMENT
芳賀紀行選手談(4位/4位)
「第1レースはすべてが順調で気分良く走ることができた。でもスタートはちょっとミスをしてしまい、序盤は少しだけ遅れてしまった。今日の最大の課題はタイヤの耐久性で、とくに第2レースでは難しい展開を強いられた。昨日もおとといもロングランを行なって耐久性をテストしていたが、そのときには特に問題は出ていなかった。ところが今日は、わずか10ラップくらいでフロントタイヤがだめになってしまったんだ。タイヤを守るために何ができるのか、それを知るためにはマシンのジオメトリーをチェックする必要がありそうだ」
T・コルサー選手談(7位/リタイヤ)
「今回はまったくうまくいかなかった。優勝を狙ってここに来たのに、結果は違っていた。金曜、土曜の走行でもタイヤのグリップに関しては不安なところがあったが、第1レースではこれがそのまま出てしまい、最後まで自分のペースをつかむことができなかった。第2レースはマシンを換えて臨み、フィーリングがかなり良くなっていたのだが、突然にトラブルが発生してすべてが台無しになってしまった。ボルトの破損というアクシデントがなければ、表彰台に上ることができたと思う」
M・メレガリ、ヤマハ・モーター・イタリア・WSB・チーム監督談
「金曜日、土曜日とプラクティスを終えたあとは、決勝がこんな結果になるとは思ってもみなかった。今日は気温も低くなったため、それまでに作り上げてきたセッティングのほとんどを変更しなければならなくなったのだ。そうした難しいコンディションのなかでも紀行は、最終的には両レース4位という結果を残し、ランキング争いに貢献してくれた。次のブランズハッチには新たな気持ちで挑むよ。これからはまた前だけを見て進んでいかなければならない」
中冨伸一選手談(10位/9位)
「今回はセッションのたびごとに、どんどん調子が上がっていった。第1レースの結果は今季最高のものだったので大いに満足できたが、第2レースではさらにひとつ上げることができたので本当に嬉しかった。レースとレースの合間に少しセッティング変更を行ったが、それがかなり効果をあげたようだ。ラップタイムがそれを物語っている。この週末の出来にはとても満足している」
M・ガルシア、チーム・YZF・ヤマハ監督談
「今日の結果には非常に満足している。シリーズポイントの遅れもかなり取り戻すことができた。マシンはシャシー・セットアップがとてもうまくいっているし、エンジンもシーズン開幕当初に比べて格段に進歩している。開幕前のオフシーズン・テストが十分でなかったために、我々は常に遅れを取り戻すためのチャレンジを続けてきたわけだが、ここに来てようやく、その成果が表れたのだと思う」