スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.07 5月27日 イギリス
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第7戦イギリス大会
■開催日:2007年5月27日(日)
■開催地:シルバーストーン(1周3.619km)
■観客数:55,000人
■天候:雨■気温:10度
■周回数:28周(101.332km)×1
■PP:T・ベイリス(ドゥカティ/1分24秒558)
■FL:芳賀紀(ヤマハ/1分37秒005)
REPORT
芳賀とコルサーが2・3位獲得!
第7戦イギリス大会は雨となり、第1レースではヤマハ・モーター・イタリア・WSB・チームの芳賀紀行が2位、T・コルサーは自己110回目の表彰台となる3位を獲得した。第2レースはコース・コンディション悪化のためスタートを30分遅らせたが回復せず中止となった。この日はウォームアップが20分間行なわれ、各ライダーは初めてウエット・セッティングを経験。ここでコルサーが好調ぶりを見せて2位、芳賀も5位につけていたがセッション終盤で転倒もあった。
決勝では芳賀、コルサーともに好スタート。芳賀は予選グリッドの2番手をキープし、コルサーは4番手まで上がった。コルサーはさらに、1周目のうちに2番手まで浮上してトップのT・ベイリス(ドゥカティ)を追って行く。そして4周目にはベイリスを捉えてトップに立ったが、6周目にまた抜き返される。
大量の雨でびしょぬれの路面が状況を難しくさせたが、ベイリス、コルサー、芳賀のトップ3台は最後まで激しい接近戦を展開。芳賀が19ラップにコルサーをパス、そして最後から2周目にはファステストラップも記録してそのまま2位でチェッカーを受け、コルサーが3位で続いた。芳賀のファステストラップは、ヤマハにとって通算50回目の記録。また今日の難しいコンディションのなかで全員が完走を果たしたのはヤマハだけであった。
チーム・YZF・ヤマハの中冨伸一も健闘し、悪天候のなか、しかも足指を2本骨折していながらも果敢な走りを見せて13位を獲得、3ポイントを加算した。シリーズポイントでは、芳賀がトップから23ポイント差の2位。コルサーは5位をキープしている。
RESULT
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 46'2.875 |
2 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 0'2.035 |
3 | T・コルサー | AUS | Yamaha | 0'4.568 |
4 | R・ロルフォ | ITA | Honda | 0'50.039 |
5 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 1'9.696 |
6 | M・ビアッジ | ITA | Suzuki | 1'20.982 |
7 | L・ランジー | ITA | Ducati | 1'33.061 |
8 | J・トーズランド | GBR | Honda | -1 Laps |
9 | R・チャウス | ESP | Ducati | -1 Laps |
10 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | -1 Laps |
11 | V・イアヌッツォ | ITA | Kawasaki | -1 Laps |
12 | L・モレリ | ITA | Ducati | -1 Laps |
13 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | -2 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J・トーズランド | Honda | 237 |
2 | 芳賀紀行 | Yamaha | 214 |
3 | M・ビアッジ | Suzuki | 201 |
4 | T・ベイリス | Ducati | 189 |
5 | T・コルサー | Yamaha | 151 |
6 | L・ランジー | Ducati | 116 |
17 | 中冨伸一 | Yamaha | 22 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 251 |
2 | Yamaha | 237 |
3 | Ducati | 234 |
4 | Suzuki | 201 |
5 | Kawasaki | 88 |
COMMENT
芳賀紀行選手談(2位)
「第2レースがキャンセルになったことはちょっと残念。ポイント獲得のチャンスを失ってしまったからだ。コンディションは確かに悪かったが、僕としてはやはりレースをしたかった。それが僕の仕事だしリスクは十分にわかっている。午前中のウォームアップでハイサイドの転倒をしてしまったが、決勝には問題なかった。サスペンションのセッティングが完璧でなかったのでそこに集中。でも20分間のウォームアップも、そのなかでウエットのセッティングを煮詰めるには不十分だったようだ。そうした状況のなかで2位を獲得し、ファステストラップも記録できたことは驚き。これでランキングトップとのポイント差を縮めることができた。次のミサノを楽しみにしている」
T・コルサー選手談(3位)
「今日はウエットコンディションのなかでとても好調だったので第2レースがキャンセルされ残念だ。走っていればもうひとつ表彰台を獲得できたと思っている。第1レースはヤマハでの初めてのフルウエットだったのだから、その結果には満足。しかもしばらくはレースをリードすることもできたのだが、自分のミスもあり、そのポジションを最後までキープすることができなかった。こんな雨のなかでちょっとでもミスをすれば、その影響は大きくなる。マシンには非常に満足していて、今はウエットのセッティングもドライのセッティングも気に入っている。第2レースは本当にひどいコンディションで、サイティング・ラップでは2度もクラッシュしそうになったほどだが、それでもなお、キャンセルになったのは残念だったんだ」
M・メレガリ、ヤマハ・モーター・イタリア・WSB・チーム監督談
「コンディションを考えれば、素晴らしい成績と言えるだろう。ふたり揃って表彰台に上り、チームのこれまでのハードワークに応えてくれた。今日のこの結果でチームとしてはランキングトップとの差を12ポイント短縮しており、志気も上がっている。このあとは第2のホームレースであるミサノに全力を注ぐ。チームに携わる全員に感謝したい」
中冨伸一選手談(13位)
「怪我もあったし、こんな天気になってしまって僕にとっては厳しいレースになった。モンツァで怪我をしてからまだ間もないので怪我は治っておらず、痛みがひどくステップをしっかりと踏みしめることができないんだ。それでもセッティングがうまくいったので、雨でひどくスライドしたにもかかわらず走りきって13位を獲得できたことは嬉しい」
M・ガルシア、チーム・YZF・ヤマハ監督談
「痛みがかなりあったが、そのなかで3ポイントを獲得できたことは良かったと思う。あまりの痛さのために止まってしまいそうになったが、懸命にがんばって走りきったのだという。このあとは3週間のインターバルがあるので良い休養になるだろう。今日、完走できたことが重要な意味を持つことになるだろう。満足している」