スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.06 5月13日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第6戦イタリア大会
■開催日:2007年5月13日(日)
■開催地:モンツァ(1周5.792km)
■観客数:108,000人
■天候:晴れ
■気温:26度
■周回数:18周(104.256km)×2
■PP:芳賀紀行(ヤマハ/1分44秒941)
■FL:M・ビアッジ(スズキ/1分46秒172)
REPORT
芳賀がダブルウイン!
ヤマハ・モーター・イタリア・WSB・チームの芳賀紀行が、同チームのホーム・ラウンド、モンツァ・サーキットでダブルウインの快挙を達成した。第1レースでは、スタートで6番手に後退したものの、すぐにペースを上げて3ラップにわたりファステストラップを記録。見る見るうちにポジションを挽回して、5周目には早くもJ・トーズランド(ホンダ)とトップ争いを展開していた。そしてまもなくそのバトルに決着をつけトップの座を確実にすると、その後はセオリーどおりの完璧な走りでゴールを目指しチェッカーを受けた。
チームメイトのT・コルサーは、レスモ・コーナーで2周続けてはらむなどでなかなかペースが上がらない。6番手につけてレース中盤を迎えたところで前方のT・ベイリス(ドゥカティ)とM・ビアッジ(スズキ)がミスをおかしたため、その差が一気に縮まり、またレース終盤でR・ロルフォ(ホンダ)がリタイヤしたことからコルサーが順位をひとつ上げて5位でゴールした。
続く第2レース。芳賀はまたもスタートで出遅れたが、今度は3ラップまでに2番手まで挽回。さらにトップのトーズランドを追っていき2台でトップ争いを展開し、7ラップ目にはこれをパスしてトップに立った。トップに立ってからはただ安全に最後まで走りきるだけ。危なげなく走りきりふたつめの優勝を飾った。芳賀は今回、スーパーポール獲得、両レース優勝、第1レースでファステストラップ記録と、終始絶好調だった。
コルサーは好スタートから4番手につけ、その後は4ラップにわたってビアッジ、ロルフォと互いに何度も順位を入れ替えながらバトルを展開。しかしレースが進むにつれてそのペースをキープすることができなくなり、6番手に後退してチェッカーを受けた。シリーズポイントではトーズランドが依然としてトップだが、芳賀はその差を35ポイントまで詰めて2位。コルサーは5位につけている。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 32'4.428 |
2 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 0'8.403 |
3 | M・ビアッジ | ITA | Suzuki | 0'9.703 |
4 | J・トーズランド | GBR | Honda | 0'13.587 |
5 | T・コルサー | AUS | Yamaha | 0'14.898 |
6 | 加賀山就臣 | JPN | Suzuki | 0'14.954 |
7 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'19.517 |
8 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'24.120 |
9 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 0'24.682 |
10 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'29.197 |
11 | J・ブルックス | AUS | Honda | 0'32.654 |
12 | R・チャウス | ESP | Ducati | 0'34.054 |
13 | M・ボルチアーニ | ITA | Ducati | 0'37.386 |
14 | A・ポリータ | ITA | Suzuki | 0'37.704 |
15 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'41.377 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 32'5.318 |
2 | J・トーズランド | GBR | Honda | 0'2.691 |
3 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 0'2.841 |
4 | R・ロルフォ | ITA | Honda | 0'3.188 |
5 | M・ビアッジ | ITA | Suzuki | 0'3.551 |
6 | T・コルサー | AUS | Yamaha | 0'13.034 |
7 | 加賀山就臣 | JPN | Suzuki | 0'17.246 |
8 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 0'18.410 |
9 | K・ムゲリッチ | AUS | Honda | 0'29.017 |
10 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'29.686 |
11 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'30.371 |
12 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'31.982 |
13 | R・チャウス | ESP | Ducati | 0'32.165 |
14 | R・ピエトリ | VEN | Yamaha | 1'32.292 |
15 | D・エリソン | GBR | Ducati | 1'41.840 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J・トーズランド | Honda | 229 |
2 | 芳賀紀行 | Yamaha | 194 |
3 | M・ビアッジ | Suzuki | 191 |
4 | T・ベイリス | Ducati | 164 |
5 | T・コルサー | Yamaha | 135 |
6 | L・ランジー | Ducati | 107 |
17 | 中冨伸一 | Yamaha | 19 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 238 |
2 | Yamaha | 217 |
3 | Ducati | 209 |
4 | Suzuki | 191 |
5 | Kawasaki | 77 |
COMMENT
芳賀紀行選手談(優勝/優勝)
「今日はパーフェクトだったよ。ウイークを通じてパーフェクト、そして最終的な結果もパーフェクトだった。スーパーポールを獲得し、レースでふたつ勝ち、ファステストラップも記録した。マシンはとてもフィーリグが良かったので、いつもになく、大きな変更を行わずに済んだ。ここは高速コースなのでエンジンのほうに集中し、その結果がこういうことになったというわけだ。チーム、ヤマハ、サンタンダーをはじめとするすべてのスポンサー、そしてこの勝利を実現させてくれた多くの人に感謝している。チームのホーム・ラウンドでダブルウインを実現することができてとても嬉しい。今までここでは勝ったことがなかったから余計にね」
T・コルサー選手談(5位/6位)
「ウイークを通じて厳しい戦いだった。何ひとつとして計画どおりに進まなかったんだ。芳賀とはマシンが同じだというのに、同じスピードを出すことができない。レスモ・コーナー立ち上がりでは何度も危ない場面があり、リアが滑り出て行ってまた戻って来るような現象があった。金曜日にも同じようなことがあって、それは問題を解決したつもりだったが、今日の決勝でまた出てしまったんだ。来週はミザノでテストを行なう予定になっているので、この原因をつきとめ、次のシルバーストーンまでに解決したいと思っている」
M・メレガリ、ヤマハ・モーター・イタリア・WSB・チーム監督談
「我々のホーム・ラウンドでダブルウイン達成という本当に素晴らしい一日になった。今日はチームとして800人ものゲストを招待していたんだ。今は芳賀もヤマハもチャンピオンシップで2位につけているのだ。芳賀の走りは見事だった。ノーミスで、終始ハードにプッシュし続けた。ホーム・ラウンドということでファンも大勢詰めかけてくれていたので、雰囲気は最高。ダブルウインで彼らに恩返しができたと思う。その一方でトロイは本当に残念だった。彼の能力と努力をもってすれば、本来ならもっと上の成績が出たはずだ。来週はミザノで2日間にわたってマシンテストを行なう予定で、そこで全力を注いで問題解決に取り組みたい。最後に、今日の素晴らしい成績に貢献してくれたすべての人に、お礼を言いたい。彼らの懸命の仕事がこうして実を結んだのだ」