スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.05 4月29日 オランダ
RACE DATA
■大会名称:2007スーパーバイク世界選手権第5戦オランダ大会
■開催日:2007年4月29日(日)
■開催地:アッセン(1周4,555km)
■天候:晴れ
■気温:19度
■周回数:22周(102,210km)×2
■PP:J・トースランド(ホンダ/1分38秒603)
■FL:T・ベイリス(ドゥカティ/1分39秒906)
REPORT
芳賀紀行が第1レースで2位!
ヤマハ・モーター・イタリア・WSB・チームの芳賀紀行は第1レースで2位を獲得。チームメイトのT・コルサーも第2レースで4位を獲得する健闘を見せた。
芳賀は土曜に行われたスーパーポールでミスをおかして順位を下げ、予選グリッド15位からのスタート。しかし決勝では好スタートから順調に順位を上げ、1周目終了時点で7番手に浮上。それからさらに攻め続けて一時トップまで上がる素晴らしい勢いを見せたあと、4番手に落ち着いた。そして残り2周となった15周目、芳賀はもう一度勝負をかけ、T・ベイリス(ドゥカティ)をパスして2番手に浮上。さらにトップを目指したが及ばなかった。
一方のコルサーも、終始芳賀に続く5番手につけて順調に走行。そして終盤、芳賀が前へ出て行ったあと、コルサーもベイリスとR・チャウス(ドゥカティ)を抜いて3位に浮上。ところがラジエターホースのクリップが破損して冷却液がリアタイヤに飛び散り、これが原因で高速セクションでハイサイドの転倒を喫しリタイヤとなった。
続く第2レース。芳賀、コルサーともに好スタートを切り、コルサーが4番手、芳賀が5番手で1周目を終了。芳賀はいつもの激しいスライド走法でL・ランジー(ドゥカティ)とベイリスをパス。そしてそのままの勢いでさらにトーズランドを追っていき、9周目にはついにトップに浮上した。ところが11周目、芳賀はエンジンの電気系トラブルに見舞われ、そのままリタイヤを余儀なくされた。一方のコルサーはレースのほとんどでランジーと5位争いを展開したが、最終的にはランジーが転倒して決着。コルサーは4位でチェッカーを受けた。
チーム・YZF・ヤマハの中冨伸一は両レースでポイントを獲得する健闘。ウイークを通じて懸命にセッティング変更を試み、最終的にはそれが好成績につながって貴重な7ポイントを獲得してアッセンを後にすることができた。シリーズポイントでは芳賀が、2位のビアッジから20ポイント差のランキング3位。コルサーは5位につけている。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・トーズランド | GBR | Honda | 37'2.097 |
2 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 0'0.663 |
3 | R・チャウス | ESP | Ducati | 0'3.698 |
4 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 0'7.134 |
5 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'9.312 |
6 | M・ビアッジ | ITA | Suzuki | 0'9.534 |
7 | 加賀山就臣 | JPN | Suzuki | 0'18.286 |
8 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 0'18.403 |
9 | R・ロルフォ | ITA | Honda | 0'19.873 |
10 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'22.914 |
11 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'29.602 |
12 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'40.961 |
13 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | 0'41.008 |
14 | D・エリソン | GBR | Ducati | 1'12.714 |
15 | M・スボダ | CZE | Yamaha | -2 Laps |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 36'54.133 |
2 | J・トーズランド | GBR | Honda | 0'0.009 |
3 | M・ビアッジ | ITA | Suzuki | 0'7.439 |
4 | T・コルサー | AUS | Yamaha | 0'12.379 |
5 | R・ロルフォ | ITA | Honda | 0'23.052 |
6 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'23.158 |
7 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'23.311 |
8 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 0'24.147 |
9 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'29.660 |
10 | R・ラコーニ | FRA | Kawasaki | 0'32.301 |
11 | 加賀山就臣 | JPN | Suzuki | 0'32.389 |
12 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | 0'39.091 |
13 | J・ブルックス | AUS | Honda | 0'39.128 |
14 | L・モレリ | ITA | Ducati | -1 Laps |
15 | M・ソボダ | CZE | Yamaha | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J・トーズランド | Honda | 196 |
2 | M・ビアッジ | Suzuki | 164 |
3 | 芳賀紀行 | Yamaha | 144 |
4 | T・ベイリス | Ducati | 128 |
5 | T・コルサー | Yamaha | 114 |
6 | R・チャウス | Ducati | 99 |
16 | 中冨伸一 | Yamaha | 19 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 205 |
2 | Ducati | 173 |
3 | Yamaha | 167 |
4 | Suzuki | 164 |
5 | Kawasaki | 69 |
COMMENT
芳賀紀行選手談(2位/リタイヤ)
「第1レースは、スタートポジションを考えれば十分に良い結果が出せたと思う。グリッド4列目からのスタートで表彰台を獲得できたのだから悪くないよね! マシンのフィーリングもよくて、サスペンションのセッティングも上手くいっていた。第2レースも好スタートを切って、もう一度好成績を狙っていたが、マシントラブルでリタイヤしなければならなくなったのは不運。いいことと悪いことがミックスした一日になった。次のモンツァは必ず良くなると確信している」
T・コルサー選手談(リタイヤ/4位)
「第1レースのアクシデントは本当に残念だった。あんなことが起こるなんて、あんなに小さなところから、これほど大きな転倒につながってしまうなんて信じられないよ。あってはならないことだ。しかもそのおかげで、第2レースもトップ争いに絡んでいかれなくなってしまったんだ。腰の左側がとても痛いのでレントゲンをとってもらったが、骨折はないとのこと。でもあまりにも痛いので、明日はもう少し詳しい検査をしにいく予定だ。それ以外のことはすべてうまくいっているよ。状況を見守るだけ」
M・メレガリ、ヤマハ・モーター・イタリア・WSB・チーム監督談
「第1レースはすべてが順調に運んでいた。ところがトロイのマシンにマイナートラブルが起き、表彰台を逃したばかりでなく怪我までしてしまうことになった。芳賀のほうはグリッド15番手から2位を獲得したのだから素晴らしいと思う。チームとしては良いことと悪いことが入混じった結果になった。第2レースで芳賀は、第1レースとほぼ同じような展開を見せた。しかし、トロイとはまた別のトラブルが発生してリタイヤ。貴重なポイントを失ったのは本当に残念だ。一方コルサーは、厳しい状況のなかでとてもよく頑張ってくれた。痛み止めを打っていたが、痛みは完全には消えていなかったようだ。それでもあそこまで懸命に走りきり4位を得た。今日は彼の強い意志を見せてもらった」
中冨伸一選手談(13位/12位)
「第1レースはスタートがうまくいって、いくつか順位を上げることができた。でもコースの裏のセクションであやうくハイサイドを起こしそうになってしまったんだ。第2レースではフロントタイヤのコンパウンドを変更したらフィーリングが向上した。今は次のレースに向けていくつかのモディファイに取り組んでいる。きっとうまくいくと確信している」
M・ガルシア、チーム・YZF・ヤマハ監督談
「第1レースには満足している。これまでのハードワークがようやく実を結ぼうとしているのだ。フロントタイヤのチョイスをミスしてしまったにもかかわらず、決勝中に2番目に速いトップスピードを記録することができたのだ。マシンが好調なので中冨も自信を持って走れるようになっている。第2レースではいくつか変更を行いこれもうまくいった。中冨は今、フレームもエンジンも確かに信頼ながら走ることができている」