スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.02 3月4日 オーストラリア
RACE DATA
■大会名称:2007スーパーバイク世界選手権第2戦オーストラリア大会
■開催日:2007年3月4日(日)
■開催地:オーストラリア/フィリップアイランド(1周4.448km)
■観客:63,250人
■周回数:22周(97.856km)×2
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度
■PP:T・ベイリス(ドゥカティ/1分32秒145)
■FL:T・コルサー(ヤマハ/1分31秒826)
REPORT
芳賀&YZF-R1が今季初の表彰台獲得
オーストラリアはフィリップアイランドで開催された第2戦で、ヤマハモーター・イタリア・WSB・チームの芳賀紀行が今季初の表彰台を獲得した。
芳賀とチームメイトのT・コルサーは揃ってフロントロウを獲得。決勝もともに好スタートを切って上位グループに加わった。第1レースはまずコルサーがラップレコードを更新するペースで、J・トーズランド(ホンダ)とT・ベイリス(ドゥカティ)を追う展開。レース前半はハイペースをキープしながらトップ争いを繰り広げたが、後半に入ってタイヤを消耗するとラップタイムが2秒ほど落ちて徐々に離されていく。そして20周目にはM・ビアッジ(スズキ)に、さらに最終ラップには芳賀にもパスされてコルサーは5位。芳賀はひとつ前の4位でゴールした。
続いて行われた第2レースでは、タイヤの消耗を防ぐために序盤は全体的にスローペース。これが功を奏し、ふたりは終盤まで5台のトップ争いに加わっていた。その後トーズランドがペースを上げてトップでチェッカー、ベイリスが続いて2位に入り、芳賀はライバルたちの追撃を振り切り3位でゴールした。コルサーはゴール目前、ビアッジにスリップストリームをつかれて5位に後退した。
チーム・YZF・ヤマハの中冨伸一は、走るたびに調子を上げており、決勝では両レース13位で合計6ポイントを獲得した。
2戦終了時点でランキングトップはトーズランド。16ポイント差でビアッジが2位。芳賀は50ポイントで4位、コルサーがさらに5ポイント差で5位につけている。
次戦は約1ヶ月後の4月1日、チャンピオンシップの20周年記念大会となるドニントンパーク。ドニントンパークは1988年4月3日、初めてのスーパーバイクレースを開催。そして今年、2001年以来初めて世界選手権スーパーバイクのカレンダーに復帰することになった。ヤマハ・イタリアWSBチームはその前にスペインのバレンシア・サーキットでテストを行う予定で、YZF-R1のセッティングやニューパーツを試すことにしている。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 34'11.276 |
2 | J・トーズランド | GBR | Honda | 0'2.096 |
3 | M・ビアッジ | ITA | Suzuki | 0'10.143 |
4 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 0'18.923 |
5 | T・コルサー | AUS | Yamaha | 0'19.742 |
6 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'24.765 |
7 | R・チャウス | ESP | Ducati | 0'27.404 |
8 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'34.614 |
9 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 0'35.339 |
10 | S・マーティン | AUS | Honda | 0'36.238 |
11 | R・ロルフォ | ITA | Honda | 0'38.067 |
12 | J・ブルックス | AUS | Honda | 0'47.078 |
13 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | 0'58.571 |
14 | J・シュムルツ | CZE | Ducati | 1'8.000 |
15 | A・ポリタ | ITA | Suzuki | 1'22.584 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・トーズランド | GBR | Honda | 34'16.990 |
2 | T・ベイリス | AUS | Ducati | 0'0.274 |
3 | 芳賀紀行 | JPN | Yamaha | 0'6.916 |
4 | M・ビアッジ | ITA | Suzuki | 0'7.013 |
5 | T・コルサー | AUS | Yamaha | 0'7.052 |
6 | R・チャウス | ESP | Ducati | 0'23.176 |
7 | L・ランジー | ITA | Ducati | 0'26.471 |
8 | M・ファブリツィオ | ITA | Honda | 0'26.486 |
9 | M・ネオキルシュナー | GER | Suzuki | 0'26.486 |
10 | R・ロルフォ | ITA | Honda | 0'37.936 |
11 | J・シュムルツ | CZE | Ducati | 0'41.308 |
12 | J・ブルックス | AUS | Honda | 0'48.672 |
13 | 中冨伸一 | JPN | Yamaha | 0'48.717 |
14 | F・ニエト | ESP | Kawasaki | 1'13.095 |
15 | A・ポリタ | ITA | Suzuki | 1'13.882 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J・トーズランド | Honda | 90 |
2 | M・ビアッジ | Suzuki | 74 |
3 | T・ベイリス | Ducati | 64 |
4 | 芳賀紀行 | Yamaha | 50 |
5 | T・コルサー | Yamaha | 45 |
6 | L・ランジー | Ducati | 44 |
15 | 中冨伸一 | Yamaha | 10 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 90 |
2 | Suzuki | 74 |
3 | Ducati | 70 |
4 | Yamaha | 53 |
5 | Kawasaki | 20 |
COMMENT
芳賀紀行選手談(4位/3位)
「この間から風邪をひいてしまって、プラクティスの間中あまり調子がよくなかったんだ。第2レースは気温が上がったのでつらかったけれど、それでもいいレースができて楽しめた。スタート直後から5台でバトルを展開することになったが、僕は最後の数ラップのためにリアタイヤをできる限り温存したかった。グリップは第1レースに比べてずっと良かったので、最後に勝負できると考えていた。ところが終盤になってトップがペースを上げると、ついて行けないことがわかったので、3位獲得に目標を切り替えて走りきった。チームの皆が今日も一生懸命に頑張ってくれた。次回は新しいパーツなどの投入を期待している」
T・コルサー選手談(5位/5位)
「とても残念な結果。なぜならフィリップアイランドに入った時点で、少なくとも両レースで表彰台獲得を目指していたからだ。しかも十分にその可能性があった。でもこれがレースというもの。第2レースでは少しセッティングを変えてみたら上手くいって、タイヤのフィーリングが良くなった。それでもタイヤへの負担はよくわかっているので、やはりいつもどおりの走りというわけにはいかなかったんだ。最終的には我々のペースはあまり速くなかった。それに比べてライバルたちは非常に好調だったんだけれど、我々もストレートであとほんの少し足りないだけなんだ。このあとはスペインのバレンシアへ行って、もう少しテストをしてからドニントンパークへと向かう。好きなコースのひとつなので、期待している」
中冨伸一選手談(13位/13位)
「今日の走りにはかなり満足している。第1レースではグループのなかでバトルをしていたが、ミスをして離されてしまった。でもそのあとはまたラップタイムを更新することができたし、第2レースではさらに合計タイムで10秒も短縮できたので嬉しい。J・ブルックスとのバトルでは最終ラップで勝負を挑んでみた。結局うまくいかなかったが、良い経験になった。マシンのフィーリングが日に日に良くなっている。チームの皆も僕のために頑張ってくれている」
M・メレガリ、ヤマハモーター・イタリア・WSB・チーム監督談
「第1レースと第2レースの間で変更を加え、大幅な改善ができた。また気温が上がったことも大きく影響した。この数年はこのサーキットではあまり良いところがない。だから今日の表彰台獲得は嬉しい結果だ。まだ改善しなければならないところがあるし、ライバルたちとのギャップもある。しかし今のこの調子を維持していけば、近いうちに埋められると確信している」