モトクロス世界選手権 MX2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMX1クラスに関する情報をお届けします。
Rd.15 9月2日 オランダ
RACE DATA
■大会名称:モトクロス世界選手権第15戦オランダGP
■カテゴリ:MX2クラス
■開催日:2007年9月2日(日)
■開催地:オランダ/リーロップ
■周回数:第1ヒート=17周、第2ヒート=17周
■天候:曇り
■観客数:36,000人
REPORT
カイローリ、MX2にカムバック!
今季10回目の総合優勝でシーズンを終了
MX2チャンピオンのA・カイローリは、ドニントンパークで開催されたイギリスGPに2008年モデルのYZ450Fを駆ってMX1に初参戦して初優勝するという快挙を成し遂げたばかり。それから7日、MX2でのヤマハのコンストラクターズタイトル獲得に再び貢献したカイローリは、YZ250Fとともにリーロップに戻ってきた。アイントホーフェンに程近い灰色に沈む曇りがちなサンドコースで行われたオランダGP。カイローリは今シーズン8回目の両ヒート優勝を飾り、シーズンを締めくくった。
日曜の夜にロンメルの街で行われる優勝記念パーティーを心待ちにしているカイローリは、10回目のGP優勝、20回および21回目のヒート優勝、そして、参加したMX2全14戦中13回目の表彰台獲得のために走った。
第1ヒートではスタートで出遅れ、ハードなレースを強いられたが、集まった36,000人の観衆の前で、砂の間を切り進み、列をなすライダー達をかわしていく素晴らしいライディングでG・スワニプール(カワサキ)に追いつきプレッシャーをかける。カイローリは最後までファンを魅了し続け、最終ラップに入ってからスワニプールを抜き去り1位でフィニッシュした。
第2ヒートはカイローリにとってやや楽な展開となる。R・ゴンカルブス(KTM)を追い上げて抜き去るのに前半を費やしたものの、その後E・エゲンス(スズキ)を5秒差で退けて勝利した。
N・オバンは総合5位に入った。第1ヒート、スタートで遅れたものの、そこから立て直して8位でフィニッシュ。第2ヒートではトップ集団について走り、一時はスワニプールと4位争いを展開する。結局この争いからは脱落してしまうが5位を獲得。ブレイクスルーの年ともなった2007年をエンジョイしたオバン。今シーズン最も印象的な才能を見せた一人となった。ランキングは6位、5位との差はわずか6ポイントだった。
第1ヒートを一時リードしたヤマハ・チーム・リッチのK・グンダーセンは、35分+2周のレースが終わったところで3位。第2ヒートはスタートで大きく遅れたものの、総合成績での表彰台を目指して追い上げた。しかし、転倒のため規定周回数をクリアできず残念ながら完走はならなかった。ランキングでは、3回の3位入賞を果たすなどの活躍で10位とし、今シーズンを終えた。
同じくヤマハ・チーム・リッチのD・グァルネリは先週のイギリスGPへの参加を不可能にした鼠径部の負傷は部分的に回復したが、第1ヒートのみをフィニッシュし(13位)、総合19位で波乱に満ちたシーズンを終えた。シーズン序盤は足首骨折で欠場したが、その後シーズン追うごとに調子を上げ、第12戦ベルギーGPでの総合優勝など活躍。ラインキングは12位でシーズンを終了した。
MX2の最終成績では、トップ10内に3人、トップ15には6人のヤマハライダーが入った。カイローリ、グァルネリ、それにオバンは3週間後の米国バズクリークで開催されるモトクロス・デ・ナシオンにそれぞれの国を代表して参加する。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 39'35.785 |
2 | G・スワニプール | RSA | Kawasaki | 0'4.990 |
3 | K・グンダーセン | NOR | Yamaha | 0'41.299 |
4 | T・シアーレ | GBR | KTM | 0'41.832 |
5 | M・セイストーラ | FIN | Honda | 1'6.116 |
6 | M・シファー | GER | KTM | 1'10.838 |
7 | X・ブー | FRA | Yamaha | 1'11.968 |
8 | N・オバン | FRA | Yamaha | 1'12.825 |
9 | W・アビス | RSA | KTM | 1'24.430 |
10 | J・バン・ホーベック | BEL | KTM | 1'25.923 |
11 | R・バン・ビフェイケン | NED | KTM | 1'27.467 |
12 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | 1'29.651 |
13 | D・グァルネリ | ITA | Yamaha | 1'38.336 |
14 | S・ハンブリン | USA | Suzuki | 1'40.971 |
15 | C・ナン | GBR | Yamaha | 1'42.041 |
16 | T・チャーチ | GBR | Kawasaki | 1'42.834 |
17 | M・モンニ | ITA | Yamaha | 1'56.280 |
18 | A・ボアシエール | FRA | Kawasaki | 2'4.213 |
19 | R・バン・デ・ベン | NED | KTM | 2'5.621 |
20 | S・シンプソン | GBR | Kawasaki | 2'6.338 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 42'13.317 |
2 | E・エゲンス | NED | Suzuki | 0'5.024 |
3 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | 0'7.934 |
4 | G・スワニプール | RSA | Kawasaki | 0'8.714 |
5 | N・オバン | FRA | Yamaha | 0'29.402 |
6 | X・ブー | FRA | Yamaha | 1'10.620 |
7 | T・シアーレ | GBR | KTM | 1'16.746 |
8 | J・バン・ホーベック | BEL | KTM | 1'23.908 |
9 | A・ボアシエール | FRA | Kawasaki | 1'36.526 |
10 | C・ナン | GBR | Yamaha | 1'42.445 |
11 | M・シファー | GER | KTM | 2'1.393 |
12 | M・ボンニ | ITA | Yamaha | 2'6.920 |
13 | R・バン・ビフェイケン | NED | KTM | 2'17.371 |
14 | T・チャーチ | GBR | Kawasaki | -1 Laps |
15 | M・モンニ | ITA | Yamaha | -1 Laps |
16 | G・クレスティノブ | EST | KTM | -1 Laps |
17 | S・シンプソン | GBR | Kawasaki | -1 Laps |
18 | R・バン・デ・ベン | NED | KTM | -1 Laps |
19 | M・クラス | NED | Suzuki | -1 Laps |
20 | J・タルー | FRA | KTM | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | Yamaha | 660 |
2 | T・シアーレ | KTM | 510 |
3 | C・プーセル | Kawasaki | 436 |
4 | T・ラットレイ | KTM | 371 |
5 | G・スワニプール | Kawasaki | 364 |
6 | N・オバン | Yamaha | 358 |
10 | K・グンダーセン | Yamaha | 244 |
12 | D・グァルネリ | Yamaha | 226 |
13 | X・ブー | Yamaha | 219 |
14 | C・ナン | Yamaha | 198 |
18 | M・ボニーニ | Yamaha | 157 |
19 | M・モンニ | Yamaha | 144 |
22 | D・バーブルゲン | Yamaha | 105 |
27 | M・バー | Yamaha | 67 |
31 | C・カンパーノ | Yamaha | 30 |
47 | X・ヘルナンデス | Yamaha | 4 |
48 | 釘村 忠 | Yamaha | 3 |
49 | T・ソデストロム | Yamaha | 3 |
50 | 尾崎 友哉 | Yamaha | 2 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 721 |
2 | KTM | 616 |
3 | Kawasaki | 546 |
4 | Honda | 435 |
5 | Suzuki | 259 |
COMMENT
A・カイローリ選手談(優勝/優勝:総合優勝)
「今日は本当にハッピーだ。今日は自信があったし、調子も良く、シーズンは素晴らしい形で終わった。今までリーロップでは勝ったことがなかったけど、両ヒートで勝てたのはすごいことだよ。みんなに今シーズンありがとうと言いたいよ」
N・オバン選手談(8位/5位:総合5位)
「あまりハッピーじゃないね。第1ヒートはスタートがひどかったし、それに腕が上がってしまった。それでも8位まで挽回したよ。これは悪くないけどとても難しかったね。第2ヒートはいいスタートを決めて5位となりサンドコースでも自信がついた。今年6位で終了したのは悪いってことではないけど、本当はトップ5に入りたかった。だから来年はチームとトレーナーと一緒により上を目指せるよう一生懸命頑張るよ」
K・グンダーセン選手談(3位/リタイヤ:総合10位)
「またやってしまった。恥ずかしいよ。第1ヒートはすごく良かったのに、第2ヒートはスタートを失敗してフィニッシュできなかった。次のGPが始まるまで6カ月あるから、家に帰って少し休んで、またトレーニングを始めるよ。2年間、素晴らしいチームと戦うことができた。出すべき結果を出せなくて申し訳ないと思っている。リッチチームと素晴らしい2シーズンを過ごして、彼らが将来成功するよう望んでいる。来年、MX1で走ることにするなら、それは僕にとっては良くなると思う。もっとパワフルなマシンだからね」
D・グァルネリ選手談(13位/リタイヤ:総合19位)
「コースはバンピーで難しかった。天気が良くなかったのと鼠径部に問題があったせことで、ナムールの後はあまり練習ができなかった。第1ヒートは悪くなかったから、初めの15分はリラックスしていた。中盤でプッシュしたけど、終盤は疲れてしまって13位でゴールした。サンドコースとしてはそんなに悪くないよね。第2ヒートでは順位が下の方でスタートして、その後15分で転倒してしまった。マシンを拾って、再スタートするのにあと15分必要だったね! すっかり遅れてしまってリタイヤした。シーズン前のイタリア選手権では自信があったのに、足首を骨折して元の状態と速さを取り戻すのに4レースかかってしまった。スウェーデン、ロケットとナムールでも僕はすごく速かった。でもこの問題のせいで、かなりポイントを失ったよ」