モトクロス世界選手権 MX2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMX1クラスに関する情報をお届けします。
Rd.12 8月5日 ベルギー
RACE DATA
■大会名称:モトクロス世界選手権第12戦ベルギーGP
■カテゴリ:MX2クラス
■開催日:2007年8月5日(日)
■開催地:ベルギー/ナムール
■周回数:第1ヒート=15周、第2ヒート=14周
■天候:晴れ ■気温:32度
■観客数:31,000人
REPORT
グァルネリが初優勝!
ヤマハ・チーム・リッチ連続優勝
D・グァルネリがナムールで行われたベルギーGPで自身初のグランプリ優勝を達成した。2007年の第12戦は、ヤマハ・チーム・リッチにとって忘れられない一戦となった。両ヒートでそれぞれ4位と3位に入ったグァルネリの優勝は、N・オバンのチェコGPでの優勝から1週間後に達成されたことになった。ランキングトップを走るA・カイローリは総合8位。第1ヒートのスタートで転倒し、今シーズン初めて表彰台を逃した。
グァルネリはこの週末初めから好調を維持し、予選ではC・プーセル(カワサキ)に次いで2位に入った。第1ヒート、グァルネリは35分+2周で見事なライディングを見せる。18番手から追い上げ、第1コーナーで起きたクラッシュに巻き込まれた14人の選手をパス。その後3位争いに加わるも4位でゴールした。第2ヒートは、パフォーマンスがさらにレベルアップ。ゲートからの飛び出しが良くなり、C・プーセル(カワサキ)とカイローリというトップライダー二人を破る、今シーズン数少ないライダーの一人となった。レースをリードしたのはわずか1周だったが、3位を獲得し総合優勝に輝いた。
2004年にここで初めてGP優勝を飾っているカイローリは第1ヒート、ゲートを飛び出したところでプーセルに追突される。さらに、第1コーナーで転倒したプーセルと再び衝突してしまう。カイローリはバイクを降りて、リアホイールに挟まったフェンスを引き剥がさねばならず、再走する頃には他ライダーはコースの半分を走りきっていた。追い上げを続けるも16番手まで上がったところでチェッカーフラッグを受け5ポイントを獲得。優勝はT・シアーレ(KTM)だった。第2ヒートではプーセルが非常に速く、グァルネリも強敵となったが、カイローリはいつもの走りを見せる。一時的に3番手に後退したのち、プーセルとのトップ争いを繰り広げるが及ばず、2位フィニッシュとなった。
チェコGPの優勝者、ヤマハ・チーム・リッチのN・オバンにはタフな1日となる。両ヒートのスタートでミスをおかし、第1ヒートではゲートに挟まってしまい、11位まで追い上げるのがやっとだった。第2ヒートではマシンから滑り落ち、尻にアザを作ってしまう。この痛みからレース続行は果たせずリタイヤとなった。
ヤマハ・チーム・リッチのK・グンダーセンはマシントラブルにより、土曜日のラストチャンスから決勝へと進んだ。第1ヒートの前半でグァルネリ、M・シファー(KTM)と3位争いを展開するが、最終的には5位でゴール。第2ヒートは、7日前のロケットで痛めた肩をさらにひどくしてしまったためリタイヤとなった。
今では3人のヤマハライダーがYZ250Fを使用し、今シーズンの今までのGP12戦中10勝を上げている。全24ヒート中、YZ以外が勝ったのはわずかに6戦のみ。
2007年シーズンも残すところ150ポイントとなりランキング争いも大詰めを迎えている。カイローリは124ポイントのリードがあり、2度目の世界チャンピオンまであと一歩。オバンは7位、グンダーセンが9位、グァルネリは左足首のけがからシーズン最初の2カ月を棒に振っているが、着実ポイントを重ね11位まで上がってきている。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・シアーレ | GBR | KTM | 43'33.506 |
2 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | 0'3.427 |
3 | M・シファー | GER | KTM | 0'3.894 |
4 | D・グァルネリ | ITA | Yamaha | 0'14.095 |
5 | K・グンダーセン | NOR | Yamaha | 0'14.747 |
6 | M・セイストーラ | FIN | Honda | 0'15.741 |
7 | X・ブー | FRA | Yamaha | 0'20.412 |
8 | J・バン・ホーベック | BEL | KTM | 0'21.323 |
9 | M・モンニ | ITA | Yamaha | 0'24.348 |
10 | M・ボニーニ | ITA | Yamaha | 0'29.244 |
11 | N・オバン | FRA | Yamaha | 0'32.737 |
12 | J・ルラン | BEL | KTM | 0'34.176 |
13 | J・タルー | FRA | KTM | 0'36.505 |
14 | S・ハンブリン | USA | Suzuki | 0'49.924 |
15 | G・スワニプール | RSA | Kawasaki | 0'51.827 |
16 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 1'3.988 |
17 | A・ボアシエール | FRA | Kawasaki | 1'5.847 |
18 | M・バー | GBR | Yamaha | +1'21.051 |
19 | M・ワルクナー | AUT | KTM | +1'32.840 |
20 | R・ロウソン | GBR | Kawasaki | +2'25.809 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・プーセル | FRA | Kawasaki | 40'50.164 |
2 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 0'0.719 |
3 | D・グァルネリ | ITA | Yamaha | 0'18.907 |
4 | J・バン・ホーベック | BEL | KTM | 0'23.480 |
5 | M・セイストーラ | FIN | Honda | 0'26.256 |
6 | G・スワニプール | RSA | Kawasaki | 0'28.349 |
7 | X・ブー | FRA | Yamaha | 0'30.785 |
8 | M・シファー | GER | KTM | 0'31.092 |
9 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | 0'35.102 |
10 | T・シアーレ | GBR | KTM | 0'43.326 |
11 | M・ボニーニ | ITA | Yamaha | 0'46.246 |
12 | G・ポラン | FRA | Honda | 1'3.841 |
13 | M・モンニ | ITA | Yamaha | 1'11.134 |
14 | J・タルー | FRA | KTM | 1'19.488 |
15 | T・チャーチ | GBR | Kawasaki | 1'20.902 |
16 | S・ハンブリン | USA | Suzuki | 1'22.331 |
17 | M・ワルクナー | AUT | KTM | 1'23.067 |
18 | C・ナン | GBR | Yamaha | 1'31.295 |
19 | A・ボアシエール | FRA | Kawasaki | 1'35.891 |
20 | J・ドゥーガン | GBR | Suzuki | 2'4.975 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | Yamaha | 560 |
2 | C・プーセル | Kawasaki | 436 |
3 | T・シアーレ | KTM | 387 |
4 | T・ラットレイ | KTM | 371 |
5 | P・ルレ | Honda | 320 |
6 | G・スワニプール | Kawasaki | 286 |
7 | N・オバン | Yamaha | 272 |
9 | K・グンダーセン | Yamaha | 213 |
11 | D・グァルネリ | Yamaha | 192 |
13 | X・ブー | Yamaha | 163 |
15 | C・ナン | Yamaha | 146 |
18 | M・ボニーニ | Yamaha | 100 |
19 | M・モンニ | Yamaha | 93 |
23 | D・バーブルゲン | Yamaha | 77 |
29 | M・バー | Yamaha | 40 |
37 | C・カンパーノ | Yamaha | 6 |
41 | X・ヘルナンデス | Yamaha | 4 |
42 | T・ソデルストロム | Yamaha | 3 |
43 | 釘村 忠 | Yamaha | 3 |
44 | 尾崎 友哉 | Yamaha | 2 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 576 |
2 | KTM | 487 |
3 | Kawasaki | 466 |
4 | Honda | 372 |
5 | Suzuki | 191 |
COMMENT
D・グァルネリ選手談(4位/3位:総合優勝)
「ロケットでスピードが充分なことが分かり、近いうちに表彰台に上がるのは可能だと思っていたんだ。だけど本音を言えば勝てるなんて思わなかったよ! コースはとても難しくてバンピーだった。あんなに悪いスタートと転倒から4位になれるなんて上出来だよね。第2ヒートではカイローリとプーセル相手にできる限り戦って、1周だけリードすることができた。でも僕には彼らのペースが速すぎて疲労を感じ始めたんだ。シーズン初めは足首と膝に少し問題があったからこのレベルに戻れたのがうれしいよ。僕自身とチームに満足している。チーム2度目の勝利だからね」
A・カイローリ選手談(16位/2位:総合8位)
「本当に難しいレースだった。このコースは好きじゃないんだよ。きのう1回、それに今朝と2回大きな転倒をした。だから用心深くなってたんだ。第1ヒート、プーセルが僕の前で転倒してしまって、彼のマシンの上を走ったんだ。でもフェンスがリアホイールに挟まってしまった。これを取り除くために少なくとも1分はかかってしまい、かなり遅れて再スタートしたんだ。16位まで上がったのと、プーセルがフィニッシュできなかったので、ほんの少しだけマシな結果になったよ。
第2ヒートは長い間僕がリードしたけど、ジャンプの着地でけがしていた指を伸ばしてしまった。すごく痛くて、少なくとも500mはまともにハンドルを握れなかった。次の周でそのジャンプを飛べず、プーセルとグァルネリに迫られた。優勝したかったから最後にもう一度ペースを上げたんだけど、プーセルはすごく速かくかなわなかった。残念だ」
K・グンダーセン選手談(5位/リタイヤ:総合13位)
「今週末はとっても良かった。金曜日はまだ自分がこんな肩で乗れるのか分からなかったけど、ほとんどのセッションで速かった。ただ、予選では少し運が良くなかった。どこかのコーナーでバナーの角を引っ掛けて、キャブレターを壊してしまったんだ。それで今日はスタート位置が悪かった。第1ヒートでは上位に戻れて良かった。いつもみたいな強さはなかったけどね。第2ヒートではスタートが悪かったけど14番手まで上がったんだ。でもその後に転倒し、さらに肩を悪化さてしまい走り続けることができなかったんだ。一方、チームの2連勝とグァルネリの初勝利は喜ばしいこと、次は僕の番だといいな!」
N・オバン選手談(11位/リタイヤ:総合16位)
「今日は2回ともスタートでミスをしてしまった。第1ヒートでは早く出すぎてゲートに引っかかった。僕は最後のスタートになったけど、11位まで上がった。そんな状況だったからとてもうれしかったよ。第2ヒートでもまた失敗して、6周したところで転倒してしまった。それでお尻を強打したんだ。スピードを維持できなくてリタイヤした。残念な週末になってしまったけど、今回も自分が速いと感じたし、今後もまたトップ争いができると思うよ」