モトクロス世界選手権 MX2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMX1クラスに関する情報をお届けします。
Rd.11 7月29日 チェコ
RACE DATA
■大会名称:モトクロス世界選手権第11戦チェコGP
■カテゴリ:MX2クラス
■開催日:2007年7月29日
■開催地:チェコ/ロケット
■周回数:第1ヒート=21周、第2ヒート=21周
■天候:にわか雨 ■気温:18度
■観客数:24,000人
REPORT
YZ250Fのオバン、チェコGPで初優勝!
曇り時々雨のロケットサーキットで行われたチェコGP。N・オバンが各ヒートを2位/1位として総合優勝。フランスのティーンエイジャー、オバンにとって自身初のGP勝利となった。
ハイスピードながら滑りやすく荒れた路面は、選手にとって集中力が求められるところ。A・カイローリは、前回のベルギーでの練習中にフェンスに衝突して人差し指を強打しており、その影響が残っていたが土曜の予選で、今季10度目のトップタイムを記録。ちなみに予選トップを取れなかったのは第2戦のスペインだけである。
第1ヒート、そのカイローリは指のけがでクラッチ操作に痛みが残るなか序盤からハイスピードコースを果敢に攻め、約5秒差で続くオバン以外には大差をつけ、今年に入って17回目のヒート優勝を飾った。オバンも今季最高位となる2位とした。
第2ヒートではオバンがリズムを掴み35分間+2周のレースのほとんどをリード。終盤に入り雨が降り出すと、カイローリが追い上げ二人のギャップが縮まっていく。この一騎討ちに観客の興奮は最高潮に達し、オバンのチームメイト、D・グァルネリとT・シアーレ(KTM)の激しい3番手争いも影が薄れてしまうほど。カイローリはゴール直前までオバンを懸命に追い上げる。一方オバンは、周回遅れを巧みにかわし、またゴーグルが外れていたにもかかわらずミスなく走りきりトップでゴール。オバンにとってこの総合優勝は、GP初勝利となるだけでなく、初のヒート優勝。またヤマハ・チーム・リッチにとっても2005年のイギリスGP以来の優勝となった。
グァルネリは第1ヒート、メカニカルトラブルで2周目にリタイヤ。第2ヒートは積極的に攻めて今季最上位となる4位でゴールした。K・グンダーセンは土曜日の予選で転倒。ラストチャンスで決勝進出を果たしたが、日曜日のウォームアップでは右肩の負傷でタイムが上がらず、結局出場を見合わせた。なお、C・ナンは、前の週のランニング中に足首の骨を痛め、今大会に参加できなった。ナンは次週から活動を再開予定だ。
ランキングは、カイローリが総合2位という結果に対し、ライバルのC・プーセル(カワサキ)が総合5位にとどまったため、その差を拡大し122ポイントとした。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 40'16.160 |
2 | N・オバン | FRA | Yamaha | 0'3.498 |
3 | T・シアーレ | GBR | KTM | 0'17.203 |
4 | C・プーセル | FRA | Kawasaki | 0'19.076 |
5 | P・ルレ | FRA | Honda | 0'27.740 |
6 | G・スワニプール | RSA | Kawasaki | 0'29.796 |
7 | X・ブー | FRA | Yamaha | 0'43.051 |
8 | T・ラットレイ | RSA | KTM | 0'43.844 |
9 | J・タルー | FRA | Yamaha | 1'4.777 |
10 | S・ソード | GBR | Kawasaki | 1'7.097 |
11 | M・モンニ | ITA | Yamaha | 1'7.873 |
12 | M・ボニーニ | ITA | Yamaha | 1'10.105 |
13 | M・シファー | GER | KTM | 1'19.407 |
14 | M・バー | GBR | Yamaha | 1'20.474 |
15 | G・ポラン | FRA | Honda | 1'20.982 |
16 | D・バーブルゲン | BEL | Yamaha | 1'21.605 |
17 | A・ボアシエール | FRA | Kawasaki | 1'23.292 |
18 | M・セイストーラ | FIN | Honda | 1'28.447 |
19 | C・カンパーノ | ESP | Yamaha | 1'32.685 |
20 | M・ムスカン | FRA | Kawasaki | 1'33.401 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | N・オバン | FRA | Yamaha | 39'51.021 |
2 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 0'0.408 |
3 | T・シアーレ | GBR | KTM | 0'54.319 |
4 | D・グァルネリ | ITA | Yamaha | 1'0.623 |
5 | S・ソード | GBR | Kawasaki | 1'11.715 |
6 | M・セイストーラ | FIN | Honda | 1'13.914 |
7 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | 1'23.342 |
8 | J・タルー | FRA | Yamaha | 1'25.306 |
9 | G・ポラン | FRA | Honda | 1'25.920 |
10 | M・シファー | GER | KTM | 1'28.635 |
11 | M・ボニーニ | ITA | Yamaha | 1'35.000 |
12 | C・プーセル | FRA | Kawasaki | 1'37.223 |
13 | M・モンニ | ITA | Yamaha | 1'38.470 |
14 | J・ドゥーガン | GBR | Suzuki | 1'41.487 |
15 | A・ボアシエール | FRA | Kawasaki | 1'41.635 |
16 | G・スワニプール | RSA | Kawasaki | 1'42.412 |
17 | X・ブー | FRA | Yamaha | 1'46.939 |
18 | D・バーブルゲン | BEL | Yamaha | -1 Laps |
19 | C・カンパーノ | ESP | Yamaha | -1 Laps |
20 | S・テレブランシェ | RSA | KTM | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | Yamaha | 533 |
2 | C・プーセル | Kawasaki | 411 |
3 | T・ラットレイ | KTM | 371 |
4 | T・シアーレ | KTM | 351 |
5 | P・ルレ | Honda | 320 |
6 | G・スワニプール | Kawasaki | 265 |
7 | N・オバン | Yamaha | 262 |
9 | K・グンダーセン | Yamaha | 197 |
12 | D・グァルネリ | Yamaha | 154 |
13 | C・ナン | Yamaha | 143 |
14 | X・ブー | Yamaha | 135 |
18 | M・ボニーニ | Yamaha | 79 |
19 | J・タルー | Yamaha | 77 |
20 | D・バーブルゲン | Yamaha | 77 |
22 | M・モンニ | Yamaha | 73 |
28 | M・バー | Yamaha | 37 |
36 | C・カンパーノ | Yamaha | 6 |
39 | X・ヘルナンデス | Yamaha | 4 |
40 | T・ソデルストロム | Yamaha | 3 |
41 | 釘村 忠 | Yamaha | 3 |
42 | 尾崎 友哉 | Yamaha | 2 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 536 |
2 | KTM | 444 |
3 | Kawasaki | 435 |
4 | Honda | 341 |
5 | Suzuki | 179 |
COMMENT
N・オバン選手談(2位/優勝:総合優勝)
「GPで勝てたことは本当に大きい。ミカエル・ピション、ヤマハ・モーター・フランス、チーム、両親、それに今年僕を支えてくれている人達みんなにお礼を言いたい。第1ヒートはカイローリを追い上げるのは難しかった。彼はすごく速かった。終盤、自分の2位が確実だと思ってペースを落とした。でも第2ヒートは楽しみだった。スタートはまずまず。トップに立ってからは、差がないのがわかってリードを広げようと頑張った。とくに最終ラップは難しかった。カイローリがすぐ後に迫っていて、プレッシャーを感じたよ。ゴーグルを捨てて走って幸い勝つことができた。今日はすべてがうまくいった。シーズン後半、ワクワクするね」
A・カイローリ選手談(優勝/2位:総合2位)
「オバンにおめでとうを言いたい。彼はとてもいいレースをした。第2ヒートでは、彼に追いつこうと僕も頑張ったけど、最終ラップの彼は本当に速かった。勝てなかったとはいえ、シリーズ戦の中では、今日はいいGPだったと思う。次のナムールは好きなコースなんだ。去年勝っているから、今度もそうしたいね」
D・グァルネリ選手談(リタイヤ/4位:総合10位)
「第1ヒート、スタートが悪かったけど、すぐに9番手に上がった。僕はこのコースでは速いからね! トップ4か5に届くと思ったけど、マシンに問題が発生してリタイヤとなってしまった。第2ヒートはスタートでの僕の反応は良かったけど、最初のコーナーで詰まってしまって、10番手前後だった。そこからは気を取り直してかなりのライダーを抜いた。シアールの背後についてからは3位に上がるためにかなりのリスクをおかしたよ。でも最後まで抜くことができなかった。それでも4位はOKだし、今後はもっと良くなるよう努力し続けるよ、でも第1ヒートは残念だった。」
K・グンダーセン選手談(決勝出場せず)
「土曜日の転倒はかなりひどかったから、胴の右側全体と肩が痛かった。ラストチャンスに参加して最速ラップを出したけど、今日のウォームアップでのスピードが十分じゃなかったから、レースでは何もできないだろうと思って決勝出場を取りやめたんだ。でもベルギーでは大丈夫なことを期待するよ」