モトクロス世界選手権 MX2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMX1クラスに関する情報をお届けします。
Rd.16 9月4日 オランダ
RACE DATA
■大会名称:モトクロス世界選手権第16戦オランダGP
■カテゴリ:MX2クラス
■開催日:2005年9月4日(日)
■開催地:オランダ/リーロップ
■周回数:第1ヒート=18周、第2ヒート=18周
■天候:晴れ ■気温:28度
■観客数:30,000人
REPORT
カイローリがMX2世界チャンピオンを獲得!
足首と手首の負傷にもかかわらず、ヤマハYZ250Fを駆るA・カイローリが総合5位を獲得し、初の世界タイトルを獲得した。ヤマハにとって旧GP125、現MX2での世界タイトル獲得は、1997年のA・キオディ以来。また、ヤマハはMX2でのメーカータイトルも同時に獲得した。
レースはM・ドルーバー(KTM)とT・ラットレイ(KTM)が両ヒートでバトルを繰り広げたが、MX2タイトル争いは、カイローリとA・マクファーレンのヤマハ選手同士の争いに絞られていた。
マクファーレンに40ポイントの差をつけてオランダGPを迎えたカイローリ。第1ヒートでは7位となるが、第2ヒートではマクファーレンが負傷によりリタイヤしたためカイローリにとって楽な展開となる。それでもオープニングラップで、P・カプス(ホンダ)がカイローリの目前で転倒したため、避けきれずカイローリも転倒。これで21番手からの追い上げることになる。ポイントのことを考えず、ライディングに集中したというカイローリは、5周目にマクファーレンを抜き、結局第2ヒートは8位でフィニッシュ。タイトルを決定した。
カイローリは1999年のA・バルトリーニとA・キオディ以来のイタリア人ライダーによる世界タイトル獲得を果たすとともに、イタリア人としては最年少、そして5人目のモトクロス世界チャンピオンとなった(他の2名はM・リナルディとA・プザール)。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ドルーバー | NED | KTM | 40'40.549 |
2 | T・ラットレイ | RSA | KTM | 24.604 |
3 | B・マッケンジー | GBR | Yamaha | 1'4.485 |
4 | P・カプス | BEL | Honda | 1'15.293 |
5 | D・フィリッパーツ | ITA | KTM | 1'23.800 |
6 | A・キオディ | ITA | Yamaha | 1'29.270 |
7 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 1'35.718 |
8 | R・ゴンカルブス | POR | Yamaha | 1'43.209 |
9 | A・マクファーレン | AUS | Yamaha | 1'46.692 |
10 | C・プーセル | FRA | Kawasaki | 1'48.941 |
11 | M・シファー | GER | KTM | 1'49.041 |
12 | S・プーセル | FRA | Kawasaki | 1'53.294 |
13 | G・スワニプール | RSA | Kawasaki | 1'55.010 |
14 | M・ナール | GER | KTM | 1'56.456 |
15 | D・グァルネリ | ITA | Yamaha | 2'5.826 |
16 | P・ロース | NED | KTM | 2'9.694 |
17 | R・ヴァン・フィファイケン | NED | Yamaha | 2'13.163 |
18 | M・セイストーラ | FIN | Honda | 2'13.717 |
19 | J・ウィング | SWE | Yamaha | -1 Laps |
20 | W・エイビス | RSA | Honda | -1 Laps |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | T・ラットレイ | RSA | KTM | 42'31.654 |
2 | M・ドルーバー | NED | KTM | 17.079 |
3 | D・フィリッパーツ | ITA | KTM | 24.870 |
4 | B・マッケンジー | GBR | Yamaha | 31.794 |
5 | S・プーセル | FRA | Kawasaki | 43.488 |
6 | C・プーセル | FRA | Kawasaki | 53.133 |
7 | C・ナン | GBR | KTM | 59.212 |
8 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 1'3.682 |
9 | R・ゴンカルブス | POR | Yamaha | 1'8.582 |
10 | A・キオディ | ITA | Yamaha | 1'9.511 |
11 | A・ボアシエール | FRA | Yamaha | 1'25.415 |
12 | M・ナール | GER | KTM | 1'39.871 |
13 | P・A・ルネ | FRA | Yamaha | 1'43.979 |
14 | M・シファー | GER | KTM | 2'0.074 |
15 | N・オバン | FRA | Yamaha | 2'18.009 |
16 | P・ロース | NED | KTM | 2'22.217 |
17 | M.・セイストラ | FIN | Honda | -1 Laps |
18 | J・ウィング | SWE | Yamaha | -1 Laps |
19 | R・ヴァン・フィファイケン | NED | Yamaha | -1 Laps |
20 | E・クースク | EST | Kawasaki | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | Yamaha | 549 |
2 | A・マクファーレン | Yamaha | 494 |
3 | A・キオディ | Yamaha | 479 |
4 | D・フィリッパーツ | KTM | 450 |
5 | C・プーセル | Kawasaki | 359 |
6 | C・メロッテ | Yamaha | 352 |
7 | B・マッケンジー | Yamaha | 332 |
10 | R・ゴンカルブス | Yamaha | 288 |
11 | D・グァルネリ | Yamaha | 282 |
12 | M・マスキオ | Yamaha | 277 |
14 | A・ボアシエール | Yamaha | 236 |
CONSTRUCTOR RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 379 |
2 | KTM | 308 |
3 | Kawasaki | 282 |
4 | Honda | 186 |
5 | Suzuki | 20 |
COMMENT
A・カイローリ選手談(7位/8位:総合5位)
「どのレースでタイトルを決めたかったかと言えば、それはまさしくここだった! 僕はサンドで乗るのが大好きだし、それにここから遠くないベルギー住んでいる。ここは僕の第2の母国になっているしね。きのうは左手首を痛めたし、以前からの足首のけがのせいで、深い砂の中でプッシュするのが本当に大変だった。でも、ここでタイトルを決めるためにがんばったし、やれると信じていた。第1ヒートでは良いスタートができたんだけど、トップグループのペースについていけなかった。でも、レース終盤が大変になることは分かっていたので、エネルギーを温存しておくことにした。ゴールの2周前に、チームから僕がすでにタイトルを獲ったことを伝えられた。それは、もう本当に今までに感じたことのない驚きの気分だった。ここでタイトルが決められて、本当に最高だ。僕にはあと一つ残されている大きな目標がある。それは、フランスでのモトクロス・オブ・ネイションズでイタリアチームとともに良い成績を残すことだ」
B・マッケンジー選手談(3位/4位:総合3位)
「この週末の自分のリズムの一貫性には満足している。両ヒートでしっかりした成績を残せたのは良い変化だった。大変なコンディションで力を無駄に使わないように気をつけなければならなかった。ランキングでは二人を抜いて7位になった。これも今回の大きな成果だ」
A・キオディ選手談(6位/10位:総合7位)
「リーロップはいつも独特のレースになる。今年これまでのGPで、こんなに深い砂の中で走ったことはないよ。今日はコース上ではとても気分良く走れたし、第1ヒートでの6位という順位には満足している。第2ヒートでの10位には満足してないが、スタートが良くなかったし、エネルギー不足だった。ランキング2位になる可能性はまだあるからね、最終戦ではベストを尽くすよ」
A・マクファーレン選手談(9位/リタイヤ:総合14位)
「第1ヒートの序盤、僕は5番手を走っていたんだが、良いペースをつかむのに苦労した。10周を終えて、非常に激しく転倒してしまい、背中を痛めた。痛みは尋常ではなく、第2ヒートを走るのは無理だった」
C・デ・カルリ、チーム・ヤマハ・デカルリ監督談
「私にとってこれはプロとしてだけではなく個人的にも大満足のタイトル。アントニオが怪我から復帰した後、我々は彼に決めたのだが、彼の力を信じた人はそんなに多くはなかった。トニーは特別だ。今年は彼が良い成績を残すためのスピード、そして精神的な強さの両方を兼ね備えていることを証明してくれた。シーズン序盤、彼は足首に問題を抱えていて、それからフランスGPを欠場した。そして、今週になって右足首を捻挫、その上週末には手首をけがした。だが、なにが起ころうともアントニオは決して取り乱さなかったし、いつだって最高の状態を作り出した。タフなレース展開になると、いつもならライダーを激励する立場のチームマネージャーの私を、今回に関しては、アントニオの方が"うまくやってのけるから見ていろ!"って励ましてくれたよ」
L・K・コールカンプ談(YMENVレーシングデビジョン)
「過去ヤマハはMX1では成果を挙げてきた。今シーズン、我々はMX2でそれを実現させたいと望んでいた。この目標に到達できたのは素晴らしいことだ。トップ3はブルーにカラーリングされたヤマハのバイクに乗ったライダーが占めたし、ヤマハはMX2コンストラクターズタイトルも獲得した。C・デ・カルリがバイクのチューニングとチームのマネージメントに関して素晴らしい仕事をした。彼が才能を見抜く目を持っていること、ライダーを成長させるためには彼らをどのように導くべきなのかを知っている」