モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.18 9月20日 アメリカ
RACE DATA
■大会名称:2015年第18戦アメリカGP
■カテゴリ:MXGP
■開催日:2015年9月20日
■開催地:グレン・ヘレン・レースウェイ(コース長:1,705m)
REPORT
フェーブル、米国でシーズン8勝目を獲得
ウェブは2位/3位で総合3位
2015年FIMモトクロス世界選手権第18戦(最終戦)Monster Energy MXGP of USAが、猛暑のグレンヘレンで開催され、Yamaha Factory Racing Yamalubeのロマン・フェーブルが、1位と2位で終え、13連続ポディウムフィニッシュを飾るとともに、今シーズン8度目となる総合優勝を獲得した。チームメイトのジェレミー・ファン・フォルベークは総合8位、スポット参戦した地元アメリカのクーパー・ウェブは、2/3位で総合3位となった。
MXGP最終戦の舞台は、カリフォルニアの険しい丘に位置し、強い日差しが降り注ぐグレンヘレン。曲がりくねったレイアウトで高低差が激しく、軟らかい路面によりラフなギャップが多数つくられるが、走行ラインが高速であるため、ラップタイムに際立った差が生じにくいサーキット。
土曜日の予選では、世界選手権とMXGPクラスへのデビューレースとなったYamalube Star Yamaha Racing Team のウェブとフェーブルが上位を争い、ウェブが2位、3位にフェーブルという順位で、決勝を迎えた。
クリスタルブルーの海のような青空のもと22,000人の観客(大会延べ人数)が集まる中、第1ヒートがスタート。先行したのはウェブ、フェーブルも上位を確保するとすぐにJ・グラント(カワサキ)をかわしてウェブの追撃を開始する。その後も2人は白熱したバトルを展開するが、フィニッシュまで残り2周、フェーブルが長く急な下り坂で見事なオーバーテイクを見せてトップへ立つとそのまま、1位フェーブル、2位ウェブの順でフィニッシュ。追撃からバトルへ持ち込み、かわして勝利するという、今年、フェーブルが見せた最高のパフォーマンスのひとつに数えられるレースとなった。
ファン・フォルベークは不運にも、S・シンプソン(KTM)の転倒か発生したマルチクラッシュに巻き込まれてしまう。最後尾から再走したファン・フォルベークだったが、最後まで諦めることなく追い上げて12位でチェッカーフラッグを受けた。
第2ヒートも、フェーブルは追い上げのレースとなる。ウェブも集団の中にあり、レースをリードしたのはグラントだった。しかしフェーブルは着実に追い上げ、残り3周となったところでグラントの背後に迫る。ウェブは3位を単独走行し、グラント追撃はフェーブルに任された。ところがフェーブルは登り坂の頂上で転倒。これによりグラントとの差が開き、2位でフィニッシュ。それでも両ヒートで1、2位という結果により、フェーブルは今季8度目となる総合優勝を獲得した。一方、ウェブは3位を獲得して総合3位。ファン・フォルベークは、中団グループで順位を上げて7位でフィニッシュした。
フェーブルにとって最高峰クラスで初のシリーズは、13連続ポディウムフィニッシュ、8度の総合優勝、ランキングでは2位のゴティエ・ポラン(ホンダ)に143ポイントの差をつけて終了した。ファン・フォルベークは怪我に泣かされたが、表彰台に2度立ち、マックス・ナグル(ハスクバーナ)を抜いてランキング5位で終えた。DP19 Racing Yamahaのダビッド・フィリッパーツは腕の負傷により選手権最後の3戦を欠場したが、MXGPディビジョン9シーズン目のベテランは、選手権を15位で終えた。
来週にはフランス、ル・マン市の西に位置するエルネで、第69回「Monster Energy FIM Motocross of Nations」が開催される。2005年の開催時には大きな盛り上がりを見せ、素晴らしい大会となったことから、今回もその再現が期待されている。フェーブルは初参加し、ファン・フォルベークはベルギーの代表としてYZ450FMを駆る。ウェブも米国代表としてデビューを果たす。
MXGP RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | R・フェーブル | Yamaha | FRA | 35'54.457 |
2 | C・ウェブ | Yamaha | USA | 0'00.724 |
3 | J・グラント | Kawasaki | USA | 0'23.369 |
4 | J・アンダーソン | Husqvarna | USA | 0'34.642 |
5 | A・カイローリ | KTM | ITA | 0'38.012 |
6 | G・コルデンホフ | Suzuki | NLD | 0'39.495 |
7 | D・ウィルソン | KTM | USA | 0'41.977 |
8 | G・ポラン | Honda | FRA | 0'48.001 |
9 | E・ボブリシェブ | Honda | RUS | 0'55.692 |
10 | M・ムスキャン | KTM | FRA | 0'58.982 |
11 | B・タウンリー | Honda | NZL | 1'10.156 |
12 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 1'13.182 |
13 | T・サール | KTM | GBR | 1'21.065 |
14 | G・ガルネリ | TM | ITA | 1'26.549 |
15 | J・ブートロン | KTM | ESP | 1'30.412 |
MXGP RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・グラント | Kawasaki | USA | 36'17.374 |
2 | R・フェーブル | Yamaha | FRA | 0'12.621 |
3 | C・ウェブ | Yamaha | USA | 0'17.132 |
4 | D・ウィルソン | KTM | USA | 0'18.260 |
5 | E・ボブリシェブ | Honda | RUS | 0'45.661 |
6 | G・コルデンホフ | Suzuki | NLD | 0'51.367 |
7 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0'57.887 |
8 | G・ポラン | Honda | FRA | 1'03.920 |
9 | T・サール | KTM | GBR | 1'07.744 |
10 | D・ミルサップ | KTM | USA | 1'11.790 |
11 | J・ブートロン | KTM | ESP | 1'26.141 |
12 | T・ラットレイ | Kawasaki | ZAF | 1'32.261 |
13 | T・ウォータース | Husqvarna | AUS | 1'38.613 |
14 | D・フェリス | Husqvarna | AUS | 1'47.535 |
15 | G・ガルネリ | TM | ITA | 2'10.022 |
MXGP RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | R・フェーブル | Yamaha | 735 |
2 | G・ポラン | Honda | 592 |
3 | E・ボブリシェブ | Honda | 567 |
4 | S・シンプソン | KTM | 481 |
5 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | 449 |
6 | M・ナグル | Husqvarna | 442 |
15 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 185 |
28 | C・ウェブ | Yamaha | 42 |
36 | J・デウルフ | Yamaha | 21 |
42 | C・スーベイラ | Yamaha | 15 |
44 | M・イルト | Yamaha | 13 |
48 | P・ベルトゥッツオ | Yamaha | 12 |
55 | E・アンドラジ | Yamaha | 9 |
56 | M・ファンデルシュトレーテン | Yamaha | 9 |
59 | P・コーツ | Yamaha | 7 |
74 | A・スミス | Yamaha | 1 |
MXGP CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 743 |
2 | KTM | 706 |
3 | Suzuki | 678 |
4 | Honda | 678 |
5 | Husqvarna | 630 |
6 | Kawasaki | 439 |
7 | TM | 139 |
COMMENT
R・フェーブル選手談(優勝/2位:総合優勝)
「すごいシーズンだった。それを証明するのが13連続での表彰台獲得だ。ただこの最終戦は、走り始めた時から大変だと思ったんだ。というのもコース幅が広くて高速なので、マシンを合わせなければならなかったからだ。このタイプのコースでは走っていないからね。それに本当に暑かった! 第1ヒートのスタートはあまり良くなかったけど、クーパーを残り2周でパスした。勝ててすごく良かったし、すごくうれしい。第2ヒートもスタートから追い上げのレースで、しかもクラッシュしてしまった。ジョシュ・グラントは本当に速かった。どうにか2位に入れたけど、総合成績では優勝できた。優勝が、特にこの伝説的なコースで勝つことが自分の目標だった」
J・ファン・フォルベーク選手談(12位/7位:総合8位)
「今日はそんなに悪くなかった。ひとつポジティブなのは、このコンディション(暑さ)の中で走れたこと。普通ならあまりうまくやれないところだけど、今日はいつもほど苦労することはなかった。これについては満足している。第1ヒートではシンプソンが僕の前でクラッシュして、彼のマシンに当たってしまい、順位を落とした。最後尾から追い上げて12位まで挽回した。これはかなり良かったけど、体力をすごく消耗してしまったよ。第2ヒートでもスタートが悪くて、何人かのライダーを抜いて7位でフィニッシュした。これは臨んだ結果ではないけど、今日のコンディションを考えると悪くない。シーズンが終わって満足だ。よいシーズンではなかったけどね。それでも2度、表彰台に立ったし、それは自分がやれることを意味している。この冬の間にやるべき課題があるし、僕はそのために多くの時間を割くつもりだ。自分のミスから学んだし、これは来シーズンに向けて重要なことだ」
C・ウェブ選手談(2位/3位:総合3位)
「全体にすごく満足です。初めての世界選手権、新しいマシンで、自分にとってまったく新しい経験だった。それにMotocross of Nationsに向けてよい準備ができたとも思う。他のライダーがどういうレースをするのか見ることができ、良い情報をたくさん得ることができたからね。今は来週のレースを楽しみにしている」