モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.13 7月26日 チェコ
RACE DATA
■大会名称:2015年第13戦チェコGP
■カテゴリ:MXGP
■開催日:2015年7月26日
■開催地:ロケト(コース長:1,630m)
■観客数:24,000人
REPORT
フェーブルが両ヒート優勝
Yamaha Factory Racing Yamalubeのロマン・フェーブルは、ロケトで開催されたチェコ・グランプリで両ヒートを制し、全18戦の選手権のうち13戦を終えて5回目の優勝を果たした。 また、フェーブルは最多のヒート優勝を記録。最も多くの周回数でレースをリードし、最も多く表彰台に立っている。さらにフェーブルは今日、YZ450FMを駆って今年2度目となる両ヒート優勝を果たし、選手権でのリードを拡大した。フェーブルの他、ヤマハはMX2、WMX、そしてEMX300でも勝利を挙げた。
舞台となるロケトは、新しいジャンプとコーナーセクションが加えられ、スタートゲートが元の位置に戻されてレイアウトが変更された。それでも石が多く滑りやすいコースはそのままで、トラクションとグリップに関するライダーの広範な感覚が試される。また、流れるような、そして比較的楽なコース部分のハードパックによって、テクニカル面の鋭さは増している。
土曜日の予選ヒートを制して今シーズン2度目となるポールポジションを獲得したフェーブル。24,000人の観客が見守る中、スタート直後にE・ボブリシェブ(ホンダ)に続く2位につけてチャンスを待つフェーブルは、ボブリシェブがペースをやや落とした6周目にこれを抜いてトップに立った。ここからフェーブルは2位以下との差を拡げてそのままフィニッシュ。8度目となるヒート優勝を果たした。
第2ヒートではフェーブルはC・ドゥサル(スズキ)の抵抗を受け、やや厳しい戦いを強いられる。順位を入れ替えながら激しく争う2選手だったが、7周目にフェーブルが優位に立つ。その後ボブリシェブも加わって3選手がレースをリードするが、フェーブルが最初にチェッカーフラッグを受けた。
ジェレミー・ファン・フォルベークは総合5位となった。第1ヒートでまずまずのスタートを決めると、すぐに5番手まで上がり、ドゥサルの追撃を開始する。両選手は19周で争われるレース全体を通して、その差が拡縮しつつも固まって周回を重ねる。そして、G・ポラン(ホンダ)がクラッシュした際にひとつ順位を上げたファン・フォルベークは、そのまま4位でフィニッシュした。 第2ヒート、スタートでトップ集団とともにゲートを出ることができなかったファン・フォルベークは、後方からの追い上げを強いられてしまう。12番手から順位を上げるファン・フォルベークはK・ストライボス(スズキ)に続く5番手まで挽回したところでチェッカーフラッグを受けた。
DP19 Yamaha RacingのD・フィリッパーツは第1ヒートでトップ10入りに向けて奮闘するが、ゴールまで残り3周となったところでクラッシュ。右腕に切傷を負い、6針縫うこととなってしまう。フィリッパーツは頭部も打っており、転倒による影響は大きいため第2ヒートへの参加を断念した。
世界チャンピオンのトニー・カイローリ(KTM)は、骨折した腕の固定のためにチェコ・グランプリへのエントリー、および今後の日程へのエントリーを見合わせる選択をした。このためMXGPのランキングで現在2位のG・ポランに88ポイントの差をつけて首位にいるフェーブルにとっては有利な展開となった。ファン・フォルベークも調子を上げており、現在294ポイントで8位に位置している。フィリッパーツは13位。
ロケトに続くMXGP第14戦ベルギー・グランプリは次週、難しいサンドコースのロンメルで開催される。
MXGP RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | R・フェーブル | Yamaha | FRA | 35'06.583 |
2 | E・ボブリシェブ | Honda | RUS | 0'09.363 |
3 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 0'12.260 |
4 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0'13.651 |
5 | K・ストライボス | Suzuki | BEL | 0'14.952 |
6 | S・シンプソン | KTM | GBR | 0'32.926 |
7 | G・ポラン | Honda | FRA | 0'35.421 |
8 | G・コルデンホフ | Suzuki | NLD | 0'37.532 |
9 | T・サール | KTM | GBR | 0'42.624 |
10 | N・ワトソン | Husqvarna | GBR | 0'47.118 |
11 | C・シャリエ | Honda | FRA | 1'04.135 |
12 | T・ラットレイ | Kawasaki | ZAF | 1'12.223 |
13 | D・ウルリッヒ | Suzuki | DE | 1'23.704 |
14 | J・A・ブートロン | KTM | ESP | 1'15.934 |
15 | F・ベンツォン | Honda | SWE | 1'21.920 |
16 | D・フェリス | Husqvarna | AUS | 1'23.498 |
17 | G・アランダ | Kawasaki | FRA | 1'26.507 |
18 | A・ハイデッケ | KTM | DE | 1'37.786 |
19 | J・ニコルス | KTM | GBR | 1'50.360 |
20 | D・グァルネリ | TM | ITA | 2'02.926 |
MXGP RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | R・フェーブル | Yamaha | FRA | 35'24.379 |
2 | E・ボブリシェブ | Honda | RUS | 0'05.230 |
3 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 0'07.968 |
4 | K・ストライボス | Suzuki | BEL | 0'10.308 |
5 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0'15.326 |
6 | S・シンプソン | KTM | GBR | 0'21.997 |
7 | G・ポラン | Honda | FRA | 0'31.230 |
8 | T・ラットレイ | Kawasaki | ZAF | 0'34.031 |
9 | D・グァルネリ | TM | ITA | 0'36.966 |
10 | N・ワトソン | Husqvarna | GBR | 0'44.246 |
11 | G・コルデンホフ | Suzuki | NLD | 1'03.984 |
12 | C・シャリエ | Honda | FRA | 1'06.981 |
13 | T・ウォータース | Husqvarna | AUS | 1'15.143 |
14 | J・A・ブートロン | KTM | ESP | 1'37.204 |
15 | A・ハイデッケ | KTM | DE | 1'41.488 |
16 | T・サール | KTM | GBR | 1'48.098 |
17 | D・ウルリッヒ | Suzuki | DE | 1'48.731 |
18 | J・ニコルス | KTM | GBR | -1 Lap |
19 | K・ジェルカー | Husqvarna | SVN | -1 Lap |
20 | 山本鯨 | Honda | JPN | -1 Lap |
MXGP RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | R・フェーブル | Yamaha | 507 |
2 | G・ポラン | Honda | 419 |
3 | A・カイローリ | KTM | 416 |
4 | E・ボブリシェブ | Honda | 389 |
5 | M・ナグル | Husqvarna | 360 |
6 | C・ドゥサル | Suzuki | 331 |
8 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | 294 |
13 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 185 |
31 | C・スーベイラ | Yamaha | 15 |
39 | M・イルト | Yamaha | 9 |
40 | P・コーツ | Yamaha | 7 |
41 | P・ベルトゥッツオ | Yamaha | 6 |
44 | J・デウルフ | Yamaha | 3 |
MXGP CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 515 |
2 | Suzuki | 514 |
3 | KTM | 497 |
4 | Husqvarna | 489 |
5 | Honda | 485 |
6 | Kawasaki | 311 |
7 | TM | 89 |
COMMENT
R・フェーブル選手談(1位/1位:総合1位)
「僕にとってはすごく良い週末だった。GPで勝てる速さがあることは土曜日からわかっていたので、良いスタートをすることが目標だった。第1ヒートはジェレミーとちょっとした瞬間があったけど、エブジェニー(ボブリシェブ)をすぐにパスして、第2ヒートより楽なレースだった。クレマン(ドゥサル)と好バトルを展開したけど、彼は本当に強い。エブジェニーも上がって来て、少しも気を抜くことができなかった。ヒートを通してプッシュしなければならなかった。すごくうれしいし、すごく興奮しているけど、まだ先は長いよ」
J・ファン・フォルベーク選手談(4位/5位:総合5位)
「ちょっとフラストレーションが溜まっている。この週末を通して良いスピードで走れた。昨日はかなり良いスタートができたけど、今日はそれよりちょっと落ちている。あらゆるところでクレマンを抜こうとしたけど、無理だった。第2ヒートではひどいスタートになってしまい、がんばって5位まで上がった。ある意味では良かったけど、2番手でスタートすれば、レースに勝てる速さで走るのは楽にできる。この週末はスタートを改善することを目的とした新しいセットアップを用いたけど、こうしたことをGPで試すのは決して楽なことではないし、充分な時間もない。いずれにしても、これまでよりわかって来ているし、ロンメルでは良い結果が得られることを期待している」