モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.08 5月31日 フランス
RACE DATA
■大会名称:2015年第8戦フランスGP
■カテゴリ:MXGP
■開催日:2015年5月31日
■開催地:ヴィラール・ス・エコー(コース長:1,550m)
■観客数:45,000人
■天候:晴れ/曇り
REPORT
フェーブルが母国でグランプリ初優勝!
全18戦で争われるMXGPシリーズの第8戦フランスGPは、ヴィラール・ス・エコー・サーキットに45,000人のファンを集め、2015年FIMモトクロス世界選手権の中で最も活気に満ちた大会となった。ここでYamaha Factory Racing Yamalubeのロマン・フェーブルが応援に応え母国でのMXGP初優勝を果たした。ヴィラール・ス・エコー・サーキットは、現在シリーズ中最もトリッキーなコースひとつであるが、フェーブルはYZ450FMで両ヒートをそれぞれ2位と1位でフィニッシュし、自身にとってMXGP初、ヤマハにとっては昨年8月のチェコ・グランプリ以来の勝利となった。
MX2からステップアップ、ルーキーとして臨むシーズンでMXGP初のヒート優勝を果たしてから1週間、勢いに乗るフェーブルは予選ヒートでホールショットを奪ってレースを制し、初ポールポジションを獲得した。ヴィラールの狭く、きついコースでは、良いゲート位置につくことと、手堅いスタートを決めることが表彰台を巡る争いの基本条件となるが、フェーブルは両ヒートとも見事にこれを果たした。
第1ヒート、G・ポラン(ホンダ)がメカニカルトラブルで脱落すると、フェーブルはトップのA・カイローリ(KTM)を苦しめる。母国のファンから声援を受けるフェーブルは世界チャンピオンに挑み、これに迫るが、結局2位でフィニッシュ。第2ヒートまでに、一部のソフトなコーナーに長くてハードなわだちが形成され、さらにジャンプの飛び出しと着地がバンピーになり、コースはミスをおかしやすいものとなった。
第2ヒートではM・ナグル(ハスクバーナ)がホールショットを奪い、フェーブルはこの新たなターゲットを追う展開となった。20周のレースのうち12周に渡ってフェーブルはナグルの背後でレースを進め、これを抜き去りトップへ。その後すぐに2位以下とのギャップを拡大して、5秒までその差を広げる。
フェーブルはフィニッシュラインの前のいくつかのジャンプでファンの声援に応え、自身にとってもチームにとっても忘れがたい数週間を締めくくった。このレースの結果、フェーブルはポイントランキングで3位のC・ドゥサル(スズキ)と9ポイント差に迫る4位になった。ドゥサルは負傷によりフランスGPではポイントを獲得していない。
負傷による欠場の後、先週のイギリス・グランプリでカムバックを果たしたジェレミー・ファン・フォルベークは土曜日の予選ヒートで4位に入る。しかし日曜日の決勝では両ヒートとも好スタートを決めることができず、それぞれ5位と9位で総合7位となった。フランスGPへのトレーニング中にインフルエンザに苦しめられていただけに、ファン・フォルベークはこの日の走りには満足していた。
DP19 Yamaha RacingのD・フィリッパーツは腰の痛みを押してのライディングを強いられ、両ヒートを11位と19位で総合16位とし、2週間後に控える母国グランプリを前にポイント獲得に成功した。元世界チャンピオンのフィリッパーツは、第1ヒートこそ厳しいコースのなかでトップ10に迫ってフィニッシュしたが、第2ヒートでは第1コーナーで不運にもクラッシュしてしまい、最後尾からの追い上げを強いられ19位となった。
チームにとって、2週間後にマジョーラで開催されるイタリア・グランプリは多忙なホームイベントとなる。ミラノの北東に位置するこのサーキットは、2016年モトクロス・オブ・ネイションズの舞台となる他、過去2年に渡りMXGPの会場となって来た、イタリアでは人気の場所だ。
MXGP RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | ITA | KTM | 34’07.793 |
2 | R・フェーブル | FRA | Yamaha | 0’03.893 |
3 | E・ボブリシェブ | RUS | Honda | 0’25.131 |
4 | D・フェリス | AUS | Husqvarna | 0’30.105 |
5 | J・ファン・フォルベーク | BEL | Yamaha | 0’32.380 |
6 | M・ナグル | GER | Husqvarna | 0’37.604 |
7 | S・シンプソン | GBR | KTM | 0’42.512 |
8 | K・デ・ディッカー | BEL | KTM | 0’43.953 |
9 | G・コルデンホフ | NED | Suzuki | 0’52.376 |
10 | G・アランダ | FRA | Kawasaki | 0’57.131 |
11 | D・フィリッパーツ | ITA | Yamaha | 1’02.960 |
12 | T・ウォータース | AUS | Husqvarna | 1’06.689 |
13 | M・アレッシー | USA | Suzuki | 1’09.943 |
14 | A・ルピーノ | ITA | Honda | 1’10.798 |
15 | C・スーベイラ | FRA | Yamaha | 1’11.855 |
16 | S・フロサード | FRA | KTM | 1’12.689 |
17 | C・シャリエ | FRA | Honda | 1’16.589 |
18 | F・イゾワール | FRA | Honda | -1 Lap |
19 | N・オバン | FRA | Suzuki | -1 Lap |
20 | T・ラットレイ | RSA | Kawasaki | -1 Lap |
MXGP RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | R・フェーブル | FRA | Yamaha | 34’41.009 |
2 | M・ナグル | GER | Husqvarna | 0’03.574 |
3 | E・ボブリシェブ | RUS | Honda | 0’25.199 |
4 | D・フェリス | AUS | Husqvarna | 0’27.686 |
5 | G・コルデンホフ | NED | Suzuki | 0’31.461 |
6 | G・ポラン | FRA | Honda | 0’38.026 |
7 | A・カイローリ | ITA | KTM | 0’43.190 |
8 | K・デ・ディッカー | BEL | KTM | 0’47.747 |
9 | J・ファン・フォルベーク | BEL | Yamaha | 0’52.688 |
10 | T・ラットレイ | RSA | Kawasaki | 0’54.542 |
11 | S・シンプソン | GBR | KTM | 0’56.472 |
12 | C・シャリエ | FRA | Honda | 1’04.769 |
13 | T・ウォータース | AUS | Husqvarna | 1’08.736 |
14 | S・フロサード | FRA | KTM | 1’17.955 |
15 | G・アランダ | FRA | Kawasaki | 1’25.377 |
16 | C・スーベイラ | FRA | Yamaha | 1’47.180 |
17 | 山本鯨 | JPN | Honda | -1 Lap |
18 | J・デウルフ | BEL | Yamaha | -1 Lap |
19 | D・フィリッパーツ | ITA | Yamaha | -1 Lap |
20 | N・オバン | FRA | Suzuki | -1 Lap |
MXGP RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | M・ナグル | Husqvarna | 332 |
2 | A・カイローリ | KTM | 313 |
3 | C・ドゥサル | Suzuki | 291 |
4 | R・フェーブル | Yamaha | 282 |
5 | G・ポラン | Honda | 252 |
6 | E・ボブリシェブ | Honda | 247 |
12 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | 126 |
14 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 103 |
27 | C・スーベイラ | Yamaha | 15 |
32 | P・コーツ | Yamaha | 7 |
36 | J・デウルフ | Yamaha | 3 |
MXGP CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Husqvarna | 339 |
2 | KTM | 330 |
3 | Suzuki | 319 |
4 | Honda | 289 |
5 | Yamaha | 287 |
6 | Kawasaki | 229 |
7 | TM | 70 |
COMMENT
R・フェーブル選手談(2位/1位:総合1位)
「母国のグランプリで優勝できるなんて最高。この最高の瞬間を楽しむよ。先週、初のヒート優勝をした。選手権にとってもこれは良いことだ。クレマン(ドゥサル)と彼の怪我は残念だ。あまり良いことではないけど、これもレースの一部だ。僕にとっては幸いしたし、現在、選手権3位に近い位置にいる。チームの仕事にすごく感謝している。一緒にやったんだ」
J・ファン・フォルベーク選手談(5位/9位:総合7位)
「今日は良かったけど、うまくスタートできなければ、特にこのようなコースではどうしようもない。今日は2度とも第1コーナーでトップ15内にいたとは思えなくて、そこから追い上げなければならなかった。望んでいたことではないけれど、カムバック2戦目だし、今週は体調を崩していてバイクには乗っていなかった。でも、それほどひどいGPではなかった。来週ベルギー選手権が開催されるケスターに行くので、今はその準備を続けている」