モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.07 5月24日 イギリス
RACE DATA
■大会名称:2015年第7戦イギリスGP
■カテゴリ:MXGP
■開催日:2015年5月24日
■開催地:マッテレイ・バジン(コース長:1,640m)
■観客数:35,000人
REPORT
フェーブルが初のヒート優勝で2戦連続表彰台を獲得
全17戦で争われる2015年MXGP第7戦イギリス・グランプリの舞台は南イングランドに位置する壮大な高速のサーキット、マッテレイ・バジン。35,000人のファンが詰めかけたこのグランプリで、Yamaha Factory Racing Yamalubeのロマン・フェーブルがMXGP初のヒート優勝を飾るとともに2戦連続となる表彰台に立った。
フェーブルはこのワイドなイギリスのコースにすぐに馴染んだ。ライン取りの自由度が高く、「盆地」のスロープを上り下りするレイアウトには長いジャンプがある。 予選ヒートではスタートで出遅れたにもかかわらず、最速ラップタイムを連続して記録する快走を見せたフェーブルは5位でフィニッシュした。
日曜日は、はじめ晴天が広がっていたものの、MXGP第2ヒート中に小雨が落ちるという天候となった。 第1ヒートはD・グァルネリ(TM)のクラッシュにより、レース半ば前に中断された。10分間の準備の後、レースがやり直しとなり、再開された。ここでフェーブルはトップグループの中でスタートすることができず、後半のほとんどをT・ウォータース(ハスクバーナ)を追い抜くために費やすことになる。ゴールまで残り2周となったところでこれを抜き、7位でフィニッシュラインを通過した。
第2ヒートは天候によりコースコンディションが一層厳しいものとなった。その中で、YZ450FMに乗るフェーブルは素晴らしい走りを披露。ひとつ、またひとつと順位を上げて行き、全17周のレースで残り7周となったところでトップに立った。フェーブルは2位のC・ドゥサル(スズキ)を引き離し、ギャップを保ったまま最初にチェッカーフラッグを受けた。両ヒートを7位と1位でフィニッシュしたフェーブルの総合順位は3位となり、2週間前に開催されたスペインGPの初表彰台に続いて表彰台に立った。
左足の骨折により5週間の療養を強いられたジェレミー・ファン・フォルベークがカムバックした。ファン・フォルベークはYZ450FMに1週間しか乗っていないが、第4戦イタリア以来となるグランプリ参加に手ごたえを感じ取っていた。 ファン・フォルベークはやり直しとなった第1ヒートで大いに痛手を受ける。15分増えたことでファン・フォルベークにとって体力面で既に苦しい状況となったのだ。スタートは悪くなかったものの、安定したペースで走り始め、両ヒートをそれぞれ10位と9位でフィニッシュし、総合9位と期待の持てる結果を残した。
DP19 Yamaha RacingのD・フィリッパーツは土曜日にはマッテレーのマッドトラックでフィーリングをつかもうと努め、バイクのセットアップを変更。日曜日の走りではトラクションとスピードを増すことに成功した。フィリッパーツはトップ10のすぐ後ろとなるスピードで走り、それぞれ12位、15位で総合13位となった。
Yamaha Factory Racing Yamalubeはこの後、イギリス海峡を渡り、フランスのヴィラール・ス・エコーに向かう。このヒルサイドのサーキットでMXGPが開催されるのは今世紀初。フランス・グランプリは5月31日に開催される。
MXGP RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | ITA | 34'01.346 |
2 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 0'03.020 |
3 | M・ナグル | Husqvarna | DE | 0'04.067 |
4 | E・ボブリシェブ | Honda | RUS | 0'13.676 |
5 | S・シンプソン | KTM | GBR | 0'16.369 |
6 | G・ポラン | Honda | FRA | 0'17.680 |
7 | R・フェーブル | Yamaha | FRA | 0'19.284 |
8 | T・ラットレイ | Kawasaki | ZAF | 0'34.863 |
9 | T・ウォータース | Husqvarna | AUS | 0'38.855 |
10 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0'41.855 |
11 | K・デ・ディッカー | KTM | BEL | 0'45.908 |
12 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | 0'48.961 |
13 | D・フェリス | Husqvarna | AUS | 0'51.892 |
14 | J・A・ブートロン | KTM | ESP | 0'52.256 |
15 | A・ルピーノ | Honda | ITA | 0'55.525 |
16 | G・コルデンホフ | Suzuki | NLD | 1'08.185 |
17 | X・ブー | Kawasaki | FRA | 1'24.303 |
18 | D・イヴァノフス | Kawasaki | LAT | 1'48.292 |
19 | G・アーウィン | Suzuki | GBR | 1'52.908 |
20 | 山本鯨 | Honda | JPN | 2'07.102 |
23 | L・グレゴリー | Yamaha | GBR | -1 Laps |
MXGP RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | R・フェーブル | Yamaha | FRA | 34'18.842 |
2 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 0'02.087 |
3 | A・カイローリ | KTM | ITA | 0'09.664 |
4 | E・ボブリシェブ | Honda | RUS | 0'13.390 |
5 | M・ナグル | Husqvarna | DE | 0'23.149 |
6 | S・シンプソン | KTM | GBR | 0'27.787 |
7 | G・ポラン | Honda | FRA | 0'30.814 |
8 | K・デ・ディッカー | KTM | BEL | 0'39.725 |
9 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0'41.970 |
10 | S・フロサード | KTM | FRA | 0'43.350 |
11 | T・ラットレイ | Kawasaki | ZAF | 0'45.823 |
12 | J・A・ブートロン | KTM | ESP | 0'49.457 |
13 | A・ルピーノ | Honda | ITA | 0'55.174 |
14 | G・コルデンホフ | Suzuki | NLD | 0'58.753 |
15 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | 1'01.969 |
16 | T・ウォータース | Husqvarna | AUS | 1'16.585 |
17 | M・アレッシー | Suzuki | USA | 1'22.968 |
18 | D・フェリス | Husqvarna | AUS | 1’29.846 |
19 | X・ブー | Kawasaki | FRA | 1’31.400 |
20 | D・ウルリッヒ | Suzuki | GER | 1’49.851 |
26 | L・グレゴリー | Yamaha | GBR | -13 Laps |
MXGP RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | M・ナグル | Husqvarna | 295 |
2 | C・ドゥサル | Suzuki | 291 |
3 | A・カイローリ | KTM | 274 |
4 | G・ポラン | Honda | 237 |
5 | R・フェーブル | Yamaha | 235 |
6 | E・ボブリシェブ | Honda | 207 |
13 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | 98 |
14 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 91 |
28 | P・コーツ | Yamaha | 7 |
33 | C・スーベイラ | Yamaha | 4 |
MXGP CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Husqvarna | 299 |
2 | KTM | 291 |
3 | Suzuki | 291 |
4 | Honda | 249 |
5 | Yamaha | 240 |
6 | Kawasaki | 207 |
7 | TM | 70 |
COMMENT
R・フェーブル選手談(7位/1位:総合3位)
「すごくうれしいし、ヒート優勝するのは最高だ。フィニッシュラインを通過したときは、再び表彰台に立てるとは思わなかったから最高の気分だよ。第1ヒートのスタートではちょっと苦戦して長い間、ウォータースの後ろに居た。パスするのはすごく大変だったけど、ゴール2周前になんとか抜くことができて、その後自己ベストタイムもマークすることができた。フリーになったからね。7位というのはあまり良くないし、もっと上を目指していた。自分のスピードはそれより良かったと思っていたし。第2ヒートは一層し、その通りになった。勝つために皆、抜いたよ。雨がコースの一部をすごく滑りやすく、不完全なものにしていた。それで最後の数ラップは少しペースを落として走ったよ。ミスを冒さないためにね」
J・ファン・フォルベーク選手談(10位/9位:総合9位)
「疲れた! レースに戻れてうれしいけど、キツかった。第1ヒートは開始15分で赤旗が提示された。怪我から復帰する場合、ライダーは通常、最初のレースでは持てるすべてのエネルギーを費やさなければならない。今日はそれほど悪くなかったし、スタートもまずまずだった。戦ってこの結果を得た。ある程度スピードもあった。5週間バイクから遠ざかっていて、乗ったのは1週間だけ。だからこそうれしい。今週末は足に痛みはなかったので、怪我は回復していると思う。できるだけ早く戻すためにがんばるけど、やったことには満足している」
D・フィリッパーツ選手談(12位/15位:総合13位)
「あまり良い週末ではなかった。もう少し速く走ろうと、バイクに解決策を求めていたけど、解決策はライダーの方にあると思うよ! 今日は皆、すごく速かったし、自分にできる最大限の速さで走った。良い結果ではないけれど、トップ10内に戻れるようにやり続けるよ」