モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.03 3月29日 アルゼンチン
RACE DATA
■大会名称:2015年第3戦アルゼンチンGP
■カテゴリ:MXGP
■開催日:2015年3月29日
■開催地:パタゴニア
REPORT
ファン・フォルベークがアルゼンチンGPで好感触
全18戦で争われるFIMモトクロス世界選手権の第3戦アルゼンチン・グランプリで、Yamaha Factory Racing Yamalubeのジェレミー・ファン・フォルベークが激しいバトルの末、総合6位となり、好感触を得た。
パタゴニアの奥深く、アルゼンチン・ネウケン州に新設されたサーキットは、ビージャ・ラ・アンゴス・トゥーラに近く、湖と山々の周囲の牧歌的な中にある。ワイドでバンピー、高速コースで、火山性の土は黒く、きめ細かく砂のような感触をもたらしている。 アルゼンチンでのMXGPは今世紀初開催となり、近隣のチリからも多くのファンがやってきて、今回30,000人の観客が集まった。
ファン・フォルベークは、3週間前に開催されたタイ・グランプリで転倒し、頭部を打ち、両ヒートともリタイアに終わったが、その失意からの見事な復活をアピールした。アルゼンチン入りに先立ち、ファン・フォルベークはドイツ国内シリーズ開幕戦とベルギーの地方選手権を制して今大会への弾みをつけていた。
ファン・フォルベークは第1ヒート、トップ5以内につけて周回するが、“ウエーブ”セクションでリアエンドのトラクションを失い、転倒する。再走を果たしたファン・フォルベークは、フロントブレーキレバーの破損と左手の痛みを押して9位まで順位を挽回したところでフィニッシュした。第2ヒートではコンスタントなライディングで好走。18周のレースを通して5位を堅持した。チームメイトのロマン・フェーブルがプッシュし続けていたため、決して楽な展開ではなかったが、前を行くR・ビロポート(カワサキ)に狙いを定める。ファン・フォルベークは結局、2015年これまでのベストリザルトとなる5位でゴール。ポディウムフィニッシュも近いことを見せつけた。
フェーブルにとって今回は慌ただしいグランプリとなった。土曜日に同じくヤマハライダーのヴァランタン・ギヨとともに公式GoProプレビューラップを行い、さらにMXGPスタジオTVショーへのゲスト出演もこなしていたからだ。実際の走りでは予選で6位とまずまずの仕上がりを見せる。 日曜日、気温が低い中でのレースで、好スタートを決めてビロポートに続いてトップ5につけ、さらに4位をキープするフェーブルだったがミスを冒し、3つポジションを落としてしまう。フェーブルはその後、最後の3ラップで再びミスを冒して2つ順位を落とし、8位でフィニッシュした。2014年のMX2ゴイアス州グランプリで優勝しているフェーブルは、第2ヒートではさらにプッシュする。トップ5をめぐり、一時ファン・フォルベークとバトルを展開。2選手は順位を入れ替えながら周回を重ねるが、結局ファン・フォルベーク、フェーブルの順にチェッカーフラッグを受け、それぞれグランプリ総合順位で6位、7位となった。
DP19 Yamaha RacingのD・フィリッパーツは両ヒートをそれぞれ20位、15位で終え、総合順位で17位となった。フィリッパーツは土曜日、ヨーロッパと違う路面でのハンドリングに苦慮。ベテラン、フィリッパーツはグリップを向上させるべく、異なるタイヤ選択とセッティングを試みた。第1ヒートのスタートで転倒し、最後尾近くまで後退するが、第2ヒートでは速さを増すものの、元世界チャンピオンの望むラップタイムと順位には届かなかった。
フェーブルはMXGPのポイントランキングで6位、ファン・フォルベークは9位、そしてフィリッパーツは15位に位置している。カタール、タイ、そしてアルゼンチンでのグランプリを終えて、ヤマハのMXGPクルーはヨーロッパに戻る。次戦はイタリアのトレンティーノで、4月19日に開催される。
MXGP RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 34’34.509 |
2 | A・カイローリ | KTM | ITA | 0’10.650 |
3 | M・ナグル | Husqvarna | GER | 0’11.673 |
4 | R・ビロポート | Kawasaki | USA | 0’20.097 |
5 | E・ボブリシェブ | Honda | RUS | 0’35.002 |
6 | G・ポラン | Honda | FRA | 0’42.023 |
7 | C・シャリエ | Honda | FRA | 0’43.303 |
8 | R・フェーブル | Yamaha | FRA | 0’47.287 |
9 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0’51.740 |
10 | D・グァルネリ | TM | ITA | 0’53.389 |
11 | T・ウォータース | Husqvarna | AUS | 0’57.392 |
12 | K・デ・ディッカー | KTM | BEL | 1’00.316 |
13 | S・フロサード | KTM | FRA | 1’01.595 |
14 | G・コルデンホフ | Suzuki | NLD | 1’03.871 |
15 | S・シンプソン | KTM | GBR | 1’04.669 |
16 | N・ワトソン | Husqvarna | GBR | 1’05.660 |
17 | T・ラットレイ | Kawasaki | ZAF | 1’26.607 |
18 | F・ベンツォン | Honda | SWE | 1’28.597 |
19 | J・A・ブートロン | KTM | ESP | 1’29.719 |
20 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | 1’50.656 |
MXGP RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ナグル | Husqvarna | GER | 35’07.730 |
2 | A・カイローリ | KTM | ITA | 0’02.273 |
3 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 0’03.673 |
4 | R・ビロポート | Kawasaki | USA | 0’04.865 |
5 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0’08.700 |
6 | R・フェーブル | Yamaha | FRA | 0’10.013 |
7 | G・ポラン | Honda | FRA | 0’32.106 |
8 | G・コルデンホフ | Suzuki | NLD | 0’39.482 |
9 | T・ウォータース | Husqvarna | AUS | 0’41.387 |
10 | E・ボブリシェブ | Honda | RUS | 0’42.020 |
11 | K・デ・ディッカー | KTM | BEL | 0’57.635 |
12 | D・グァルネリ | TM | ITA | 0’59.931 |
13 | S・フロサード | KTM | FRA | 1’00.409 |
14 | N・ワトソン | Husqvarna | GBR | 1’05.838 |
15 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | 1’10.899 |
16 | C・シャリエ | Honda | FRA | 1’11.967 |
17 | D・フェリス | Husqvarna | AUS | 1’12.910 |
18 | S・シンプソン | KTM | GBR | 1’13.256 |
19 | J・A・ブートロン | KTM | ESP | 1’16.325 |
20 | T・ラットレイ | Kawasaki | ZAF | 1’49.751 |
MXGP RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | C・ドゥサル | Suzuki | 133 |
2 | M・ナグル | Husqvarna | 123 |
3 | A・カイローリ | KTM | 123 |
4 | R・ビロポート | Kawasaki | 106 |
5 | G・ポラン | Honda | 96 |
6 | R・フェーブル | Yamaha | 95 |
9 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | 60 |
15 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 38 |
23 | P・コーツ | Yamaha | 7 |
MXGP CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Suzuki | 133 |
2 | Husqvarna | 127 |
3 | KTM | 123 |
4 | Kawasaki | 106 |
5 | Yamaha | 99 |
6 | Honda | 97 |
7 | TM | 48 |
COMMENT
J・ファン・フォルベーク選手談(9位/5位:総合6位)
「今日はそれほど悪くなかったけど、第1ヒートで上位に進んでいたときにまた大きな転倒を喫してしまった。良い感じだったし、スピードが出ていたので、あの時何が起こったのかわからなかった。大きな転倒で、親指を捻ってしまった。すごく痛いけど、少し休めば大丈夫だと思う。フロントブレーキ無しでライディングしていて、すごく難しかったけど、自分自身を合わせたし、結果はそう悪くない。第2ヒートは良かった。すごく痛みがあったし、親指に力が入らなかったからね。トニー(カイローリ)とナグルはちょっと速すぎた。今年はレベルがすごく高い。今日については満足してはいないが、自分のスピードにはよろこんでいるよ」
R・フェーブル選手談(8位/6位:総合7位)
「第1ヒートのスタートはあまり良くなかったけど、最初の数ラップが速かったので、ビロポートに続く4位に上がった。ビロポートに近づいたけど、ミスを冒し、フロントホイールのコントロールを失って転倒してしまった。ほとんどヒート全体を通してボブリシェブの後ろ、6位につけていたけど、それから残り3周となったところでまたミスした。かなりタイムをロスしてしまった。第2ヒートではスタートは良くなっていたけど、ライディングが良くなかった。チームメイトと順位を入れ替えながら挽回して、それから一緒にビロポートを追い始めた。全体に自分の速さは良かったけど、第1ヒートにはがっかりだ。少しアグレッシブ過ぎたのかもしれない。馬鹿なミスだったからね」