モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.02 3月8日 タイ
RACE DATA
■大会名称:2015年第2戦タイGP
■カテゴリ:MXGP
■開催日:2015年3月8日
■開催地:ナコンチャイシー
■サーキット全長:1,700
■天候:非常に高温
REPORT
フェーブルがMXGP初ポディウムフィニッシュまであと一歩の4位
タイ・グランプリは近年のFIMモトクロス世界選手権の中でも最も高温で、最もタフなラウンドのひとつに数えられている。このライダーを消耗させるコンディションの中で、Yamaha Factory Racing YamalubeのR・フェーブルがワークスYZ450FMを駆って素晴らしい走りを披露し、初のシルバーウエアにも手がとどく総合4位でフィニッシュした。
フェーブルは、全18戦で争われる2015年シリーズの第2戦、そしてヤマハ陣営からの参戦も2戦目となるグランプリに臨み、第1ヒートでは見事トップ3に入ると、第2ヒートでも4位となって総合成績ではわずか3ポイント差で3位を逃し、4位となった。J・ファン・フォルベークは第1ヒートの転倒で視力に影響を受け、これにより両ヒートともポイント獲得はならなかった。
タイランド・サーキットは首都バンコクの西1時間以内の位置にある新しいサーキットで、コースはタイト、コンパクトでジャンピー。フラットなロードレース用のアスファルト施設とまじわるように作られている。敷地から掘り出して持ち込まれたダートと材料によって、コーナーにわだちが多く、他のところではハードパックで、トラクションとフィーリングが一貫しないサーキットとなっている。
このレースで重要なもうひとつの点は、息の詰まるような気温の高さだ。土曜日には午後の陽ざしで、気温は37度に達し、日曜日のレース本番でも同様のレベルまで上昇した。このため安全を配慮し、MXGPとMX2に予定されていたプログラムのうち第2ヒートを5分間短縮する措置が採られた。
第1ヒート(30分と2周)、フェーブルは好スタートを決め、ハードにライディング。ジャンプとコブを果敢に攻めるハードな戦いで1周目の6位から順位を上げて3位でゴールした。一方、ファン・フォルベークはスタートライン16番手から苦闘。1周目のアクシデントが尾を引き、レースの3分の2を周回し、チェッカーフラッグが振られる7周前に視力障害によりリタイアした。
午後遅く開催された第2ヒートではファン・フォルベークが鋭い走りを見せ、トップ5内につけていたが、視力の問題が再び起こってしまう。フェーブルがこれをパスして4位に上がる。2014年選手権準優勝のファン・フォルベークは結局、3周後にリタイアを余儀なくされた。フェーブルはR・ビロポート(カワサキ)に阻まれてそれ以上順位を上げることはできず、4位でフィニッシュし、3位、4位でグランプリを終えた。
DP19 Racing YamahaのD・フィリッパーツにとってタイは満足な経験となった。土曜日に力走したフィリッパーツは予選ヒートで7位の好位置につける。フィリッパーツはジャンプの連続をそれほど好きではないが、ハードでダスティなタイのカーブに楽しさを見出していた。第1ヒートの1周目、フィリッパーツはコーナーのひとつで前を行くライダーを避けるため、ハードにブレーキングし過ぎてバイクをストールさせてしまうというミスを冒してしまう。再スタートするまでに23位と、最後尾近くまで順位を落としてしまったフィリッパーツだったが、そこからYZ450Fを駆って追い上げ、見事12位でフィニッシュした。第2ヒートではトップ10内に割って入る走りを見せ、10位でゴール。グランプリ総合成績でも10位となった。
開幕2戦を終えて、MXGPクラスのポイントランキングは、C・ドゥサル(スズキ)が88ポイントでリードし、フェーブルは67ポイントを挙げて5位につけている。ファン・フォルベークは12位でフィリッパーツがこれに続く13位で追う。 2015年FIMモトクロス世界選手権第3戦は今世紀初開催となるアルゼンチン・グランプリ。3週間後にネウケンの新サーキットで行われる。
MXGP RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | R・ビロポート | Kawasaki | USA | 34'09.149 |
2 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 0'10.536 |
3 | R・フェーブル | Yamaha | FRA | 0'23.931 |
4 | M・ナグル | Husqvarna | GER | 0'28.213 |
5 | A・カイローリ | KTM | ITA | 0'34.893 |
6 | K・ストライボス | Suzuki | BEL | 0'40.874 |
7 | G・ポラン | Honda | FRA | 0'49.471 |
8 | T・ラットレイ | Kawasaki | RSA | 1'08.958 |
9 | T・ウォータース | Husqvarna | AUS | 1'20.819 |
10 | E・ボブリシェブ | Honda | RUS | 1'40.905 |
11 | S・シンプソン | KTM | GBR | 1'47.533 |
12 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | -1 Laps |
13 | J.A.ブートロン | KTM | ESP | -1 Laps |
14 | R・ゴンサルビス | Husqvarna | POR | -1 Laps |
15 | D・グァルネリ | TM | ITA | -1 Laps |
17 | P・コーツ | Yamaha | GBR | -1 Laps |
24 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | -7 Laps |
MXGP RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | ITA | 29'10.216 |
2 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 0'09.756 |
3 | R・ビロポート | Kawasaki | USA | 0'22.788 |
4 | R・フェーブル | Yamaha | FRA | 0'51.327 |
5 | K・ストライボス | Suzuki | BEL | 0'59.278 |
6 | G・ポラン | Honda | FRA | 1'03.006 |
7 | T・ウォータース | Husqvarna | AUS | 1'05.485 |
8 | T・ラットレイ | Kawasaki | RSA | 1'16.036 |
9 | D・フェリス | Husqvarna | AUS | 1'18.208 |
10 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | 1'19.321 |
11 | M・ナグル | Husqvarna | GER | 1'22.915 |
12 | E・ボブリシェブ | Honda | RUS | 1'28.771 |
13 | G・コルデンホフ | Suzuki | NED | 1'44.164 |
14 | S・シンプソン | KTM | GBR | -1 Laps |
15 | S・フロサード | KTM | FRA | -1 Laps |
18 | P・コーツ | Yamaha | GBR | -1 Laps |
24 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | -5 Laps |
MXGP RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | C・ドゥサル | Suzuki | 88 |
2 | A・カイローリ | KTM | 79 |
3 | M・ナグル | Husqvarna | 78 |
4 | R・ビロポート | Kawasaki | 70 |
5 | G・ポラン | Honda | 67 |
6 | R・フェーブル | Yamaha | 67 |
12 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | 32 |
13 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 31 |
21 | P・コーツ | Yamaha | 7 |
MXGP CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Suzuki | 88 |
2 | Husqvarna | 82 |
3 | KTM | 79 |
4 | Yamaha | 70 |
5 | Kawasaki | 70 |
6 | Honda | 67 |
7 | TM | 28 |
COMMENT
R・フェーブル選手談(3位/4位:総合4位)
「昨日はスタートに苦労したので今日に向けてバイクを改良した。あとは僕が集中するだけだった。もしレースのこの部分をうまくやれないと、トップグループから15秒遅れになってしまうことだってあり得る。第1ヒートでは前に居て、何人か抜いてレースの大部分で3位につけていた。少しストレスを感じたよ。ナグルには大きく差をつけたけど、ここで“大物“たちと450で走るのは初めてだし、自分にプレッシャーをかけすぎた。それで多くのエネルギーを消耗してしまった。チームはすごくハードワークをしてくれてバイクを表彰台まで押し上げてくれたし、僕自身も(いつも通り)ベストを尽くしたし、トップスリーに入るのは素晴らしい気分だ。第2ヒートのスタートではGP総合成績での表彰台を目指したけど、あまりうまくは行かなかった。良い動きはしたけど、ブートロンの後ろで動けなくて、それでトップグループから大きく遅れてしまった。苦闘していたジェレミー(ファン・フォルベーク)を捉えたんだけど、結果はこうなった。カイローリとほとんど同じポイントで、ほとんど表彰台にとどきかけていた。だから満足だよ。一番ハードな、すごくタフなGPだったよ。僕らは気温がマイナスのところから、30度以上のところに来たんだからね!」
J・ファン・フォルベーク選手談(24位/24位)
「ひどい週末だった。第1ヒートで頭を打ってしまい、クリアな視力が得られなくなってしまった。2度リタイアを余儀なくされた。暑さも影響した。我々が居るべきところに居ないのだから、チームにはやるべきことがある。どうなるか。この週末はこれ以上言うことがないよ」
D・フィリッパーツ選手談(12位/10位:総合10位)
「100%の一日ではない。第1ヒートではコーナーでブレーキを使いすぎてしまった。前を行くライダーと接触したくなかったからね。それでバイクが止まってしまったんだ。24位からスタートして12位でフィニッシュしたのは良かった。ラップタイムが速かったし、多くのライダーをパスしたことも重要だった。第2ヒートではトップ5でスタートしたけど、ミスをたくさん重ねて最初の3周で少なくとも10人のライダーに抜かれてしまった。最後の10分間は強力に走れて、4つ順位を上げることができた。わるくない終わり方だった。もしレースが本来の長さで行われていたら、フェリスも捉えていたはずだ。10位はOKだし、我々のやり方を続けて行くよ。このコースはハードだった。満足しているし、次のレースに集中する。昨年のタイでは0-0だったので、それより良い結果だったよ」