モトクロス世界選手権 MXGP

RACE DATA

■大会名称：2014年第17戦メキシコGP
■カテゴリ：MXGP／MX2
■開催日：2014年9月14日
■開催地：レオン
■天候：曇り

REPORT

MXGP：ファン・フォルベーク、最終戦5位

Yamaha Factory RacingのJ・ファン・フォルベークが、メキシコで行われたレオン・グランプリで果敢なバトルを展開し、5位に入った。ファン・フォルベークはワークスYZ450FMを駆って戦ったFIMモトクロス世界選手権最初のシーズンを、ポジティブな成績で終えた。

南アメリカで行われたこのMXGP最終戦に、ファン・フォルベークは右足首靭帯の負傷を押して参加した。負傷したブラジルのゴイアスで見事完走してポイントを挙げ、2014年のモトクロス最上級クラスで準優勝という成績を決めたわずか1週間のことである。チェコ・グランプリで優勝を果たしているファン・フォルベークは、激しい着地となる大きなジャンプが怪我にとって問題となるものの、この新しく、フラットでハードレイアウトのコースを楽しむことができた。

ファン・フォルベークは第1ヒートで胃痙攣に悩まされたものの、速さを示し、S・フロサード（カワサキ）とS・シンプソン（KTM）を抑えて見事5位でフィニッシュした。ファン・フォルベークは第2ヒートでも同じ順位を獲得した。モトクロス・オブ・ネイションズでのチームメイト、K・ストライボス（スズキ）と4位を争い、その速さに抗することはできなかったものの、5位でフィニッシュラインを通過した。

ファン・フォルベークは、最上級MXGPクラスで2シーズン（ヤマハでは初シーズン）目に、11連続を含む12回のポディウムフィニッシュと7月のロケトでのMXGP初勝利などで2014年のシーズンを2位で終える結果を得た。

DP19 Yamaha RacingのD・フィリッパーツはここレオンで、YZ450Fとともに自身のチームから参加する初シーズンのMXGPでランキング10位を決めた。フィリッパーツは胃の不調に悩まされながら今大会を戦い、総合12位となった。第1ヒート、フィリッパーツはトップ10スタートを決めると、ほぼレース全体に渡ってM・ポティゼク（ヤマハ）に迫った。このバトルに敗れたフィリッパーツは13位でゴール。フィリッパーツは第2ヒートでもポティゼクと争い、ここでは12位でフィニッシュした。

Bike it Yamaha CosworthのR・ゴンサルビスは、YZ450Fを駆ってトップ10フィニッシュを再び決めた。29歳のゴンサルビスも胃の不調に見舞われていたが、両ヒートをそれぞれ11位と9位で終え、総合成績では9位となった。

Yamaha 2Bのポティゼクは、第2ヒートを自己ベストとなる11位でフィニッシュし、総合成績でも11位となった。ポティゼクもまた、体調は万全ではなかった。

MXGPを走るすべてのヤマハ・ライダーにとって、休暇を計画する時間の余裕はまだない。ファン・フォルベークはベルギー選手権や9月28日にラトビアで開催されるモトクロス・オブ・ネイションズに参加。ここでディフェンディング世界チャンピオン・ナンバーを着用する。フィリッパーツもイタリアのためにライディング。モトクロスにおいては最大にして最も重要なイベントと見られているこの大会での2年連続表彰台を狙う。 ゴンサルビスはポルトガル代表としてチームのリーダー的な役割を担う。

MX2：シャリエ、トップ10で2014年を終える

メキシコでのFIMモトクロス世界選手権開催は2度目となる最終戦の舞台、レオンには30,000人のファンが詰めかけた。Yamaha Factory RacingのC・シャリエは選手権12位、Bike it Yamaha CosworthのM・アンスティは病を押しての参戦ながら1ポイントを獲得した。

2014年選手権第17戦（最終戦）は曇り空のもとで開催された。バンピーで固いわだちの新たに造られたレオンのコースで、MX2クラスのタイトル争いが展開された。 そして土曜日のセッション開始早々から、高度が問題となった。メキシコの北部に位置する標高1,800mのこの地では、パフォーマンスを最大限に引き出すためにはエンジンの調整が必要となったのだ。

アンスティは土曜日の予選ヒートレースでトラブルに見舞われる。ジャンプからの激しい着地でリアショックにダメージを受け、リタイアを余儀なくされたのだ。シャリエはアグレッシブな走りで、日曜日のレースのゲート位置で11番手を決めた。 第1ヒート、シャリエはメカニカルトラブルでストップを余儀なくされる。一方、胃の不調に苦しむアンスティはスタートの遅れを挽回してトップ10付近で周回していたが、結局リタイアした。

第2ヒートでシャリエは積極的な走りを見せ、ヒートの大半でディフェンディング・チャンピオン、J・ハーリングス（KTM）を追撃する。シャリエは8位まで上がったところでYZ250FMでの最後のレースを終えた。

アンスティは最後にレース参加を決め、医療措置を受けて20位でレースを終えた。スウェーデン人チームメイトのA・ルンドグレンは（MX2初シーズンの）グランプリで自己ベストリザルトとなる総合13位に入った。

アンスティはポディウムフィニッシュ3回を記録してランキング12位で2014年シーズンのMX2選手権を終えた。シャリエは負傷により6ラウンドを欠場したが、15位でシーズンを終えた。Kemea Yamahaのデュオ、P・ペトロフとL・スタイクも身体的問題で不運に見舞われ、それぞれ14位と22位で選手権を終了した。

3大陸15か国で6か月に渡って展開された選手権がレオンで終了した。2014年のYZ250Fは米国、オーストラリアの選手権で栄冠を勝ち取り、世界的スケールでの成功を見せ、FIMシリーズでもキアラ・フォンタネジがウーマンズ世界選手権で3年連続チャンピオンに輝いた。また、アンスティは8月のロンメルでこのマシンのグランプリ初勝利を挙げた。

COMMENT

MXGP： J・ファン・フォルベーク選手談（5位／5位：総合5位）

「今日したことにすごく興奮しているよ。2日前には未だレースを走るかどうか迷っていたんだ。チームが集まって、僕は言ったんだ。“乗りたいけど、一番大事なことは再び足首を痛めないことだ”ってね。これがなぜ今日5位にとどまったかの理由だ。両ヒートともレース後半にはアクセルを緩めていたんだ。スムーズに走りたかったし、リスクを冒したくなかった。そういうことなんだよ。選手権2位のメダルがあるので、今日についてあまりこだわっていなかった。全体に素晴らしいシーズンだった。僕は未だ若いし、ミスも冒した。世界チャンピオンになりたいと思ったら、それらをなくし、来年取り組むことだね。チームとこの2位を得るために僕を支えてくれたすべての人に心からお礼を言いたい」

MXGP： D・フィリッパーツ選手談（13位／12位：総合12位）

「今日はとても腹を立てている。胃が痛くて何度もトイレに行かなければならなかった。コースは好きではないし、思ったように走ることができなかった。僕にとってはひどいグランプリだった。選手権で10位となったことには満足しているけど、今年は問題があったし、足首を痛めなければ最高で8位に入れていたはずだ。このことにもちょっとがっかりしている。いずれにしても今年初めにこの大きなプロジェクトをスタートさせて、すべてをもっと良くするために進んで行くよ」

MXGP： R・ゴンサルビス選手談（11位／9位：総合9位）

「タフなウイークエンドだった。ブラジルからずっと体調不良で、熱のために今週はずっと薬を服用しなければならなかった。食べたものに何かあったのだと思う。いずれにしてもエネルギー不足でここに来たけど、良いポイントを挙げるために走りたかったし、それがやったことのすべてだ。今日は自分のスタートができなかった。自分のせいなのか、ここの高地ゆえにエンジンが良く回らなかったのかわからない。これは皆にとって同じだけどね。第1ヒートのスタート直後は良いラップができたし、順位を上げることができたけど、タイヤ選択の関係で終盤はペースを少し落とさざるを得なかった。第2ヒートは良い選択をして、ほぼ全体に渡ってフロサードについていた。でも追い抜くために充分なほど近づくことはできなかった。今日は全部出し切った。2014年は自分のキャリアで最高のシーズンというわけではないけど、多くのことを学んだ。僕のメカニック、チームと一緒にハードワークをした。いつも後ろにいてくれたチームにはどれだけお礼を言っても足りないよ。次はネイションズだ。ここで良いポイントを挙げたいね」

MX2：M・アンスティ選手談（21位／20位：総合22位）

「フリープラクティスでは速かったし、バイクを大きく進歩させた。ショックのためにヒートレースを完走できなかったのは不名誉なことだ。今朝、走って違和感を覚えた。第1ヒートでプッシュしようとしたけど、10分もすると文字通り座ることができなくなった。体調が悪くなるか、その逆になるか。走り続けようとしたけど、3周でストップせざるを得なくなり、体調はひどい状態になった。食べ物のせいなのか別な理由なのかわからない。医務室に行くとかなり悪いと言われた。治そうとしてくれて、抗生物質を投与してくれた。第2ヒート開始の10分前、やってみることにして、もう1回走ることにした。一日を終えて、今日はできることができなくて、自分がどうなるのかわからなかった。自分が望んでいたシーズンの終わり方ではないけど、バイクについては大きな進歩を記したと感じているし、来年に向けて評価する時間はある」

MX2：C・シャリエ選手談（17位／8位：総合12位）

「難しいレースだった。コースは部分的にすごくソフトで、自分の体重では、軽いライダー達に対して不利を感じたよ。プッシュにプッシュを重ねたけど、すごく難しいレースだった。良い状態でここを離れられることに満足している。僕にとってこれがMX2クラスでは最後のグランプリで、今はもう次の準備ができていると思う。大きなバイクに乗るのがうれしいし、来年はもっと良くなることを期待している」