モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.10 6月15日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:2014年第10戦イタリアGP
■カテゴリ:MXGP/MX2
■開催日:2014年6月15日
■開催地:マジオーラ(コース長:1,700m)
■天候: 曇り
REPORT
MXGP:ファン・フォルベークが9戦連続のポディウムフィニッシュ
2014年FIMモトクロス世界選手権・第10戦イタリア・グランプリで、Yamaha Factory Racing のJ・ファン・フォルベークがYZ450FMを駆って総合2位に入り、9戦連続となるポディウムフィニッシュを飾った。一方、DP19 YamahaのD・フィリッパーツも総合5位に入り、ヤマハのライダー2人がトップ5フィニッシュを果たした。
グランプリの舞台となったマジョーラ・サーキットには35,000人の観客が集まり、イタリア人ライダーのフィリッパーツに大きな声援を送った。土曜日、ファン・フォルベークは、プラクティスから力走して各セッションで最速ラップをマークし、ポールポジションを獲得。日曜日の決勝に向けて完璧な準備を整えた。ところが、夜の間に降った雨により、柔らかくスリッピーで、わだちができやすいコンディションへと変化。決勝当日は曇り空のもとで行われ気温が上がり、ウエットからドライへとコンディションが変化する中で行われた。
第1ヒート、ファン・フォルベークはまずまずのスタートを見せたが、ミスをおかして3位から4位へと順位を落としてしまう。そこからはS・フロサード(カワサキ)をとらえるべくハードなライディングを強いられたが、これをかわし、A・カイローリ(KTM)に続く2位でフィニッシュ。
続く第2ヒートではスタートからカイローリに続く2位につけると、序盤はそのカイローリにプレッシャーをかける。しかし、地元グランプリを走る世界チャンピオン、カイローリには及ばず2位となり、総合成績でも2位となった。これによりランキングで3位につけるファン・フォルベークは、2位のC・ドゥサル(スズキ)とのポイント差を3に詰めた。
ヤマハで世界チャンピオンを獲得しているフィリッパーツは、地元の声援を受けて力走するが、第1ヒートはS・シンプソン(KTM)との長いバトルの末9位。第2ヒートでもシンプソンと5位を巡るバトルを展開したフィリッパーツは、これを制して5位でフィニッシュすると、総合成績ではシーズンベストとなる5位を獲得した。
Bike it Yamaha CosworthのR・ゴンサルビスは1週間前にポルトガルで激しく転倒しており、腰と首の痛みを押しての参加となった。これにより、第1ヒートを最後まで走り切ることはできなかったが、第2ヒートには痛み止めにより完走し11位でチェッカー。総合成績15位で今グランプリを終えた。
MX2:ペトロフがトップ10フィニッシュ
2014年FIMモトクロス世界選手権第10戦イタリア・グランプリのMX2クラスで、Kemea Yamaha RacingのP・ペトロフが各ヒートをそれぞれ9位、11位とし総合9位に入った。チームメイトのL・スタイルが2週間前のフランス・グランプリで胸部を負傷して欠場したため、ペトロフはチーム唯一のライダーとして今GPに参戦した。
第1ヒート、ペトロフはレースの大半で5位をキープしていたが、T・ガイゼル(ホンダ)のプレッシャーを受けて14周目にスリップ。9位に後退し、そのままフィニッシュした。続く第2ヒートではスタートで判断ミスをおかし最後尾からスタート。その後は着実に追い上げを披露。ラインを見つけて飛び込み、前車とのギャップを詰めて行くと、11位まで順位を上げてフィニッシュした。
Bike it Yamaha CosworthのM・アンスティは、土曜日の走行で不運に見舞われ、グリッド位置がラストとなったが、第1ヒートで8位を獲得。ところが第2ヒートではリアのショックアブソーバーにトラブルが発生、ピットインしたものの、上り坂に対応することができず、リタイア。総合結果での上位入賞のチャンスを絶たれた。
Yamaha Factory Racing のC・シャリエは、最近受けたひざの手術の後、チームのホームグランプリに向けたトレーニングが間に合わず、レース参加を断念した。ヨーロッパのプレスとファン向けに初めて行われたYZ250F2015年仕様のプレゼンテーションに姿を見せたシャリエは、この後、イタリアで集中的なトレーニングを行い、可能な場合は来週のドイツ・グランプリに向けたコースでの走行も行う。
MXGP RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | ITA | 34’47.796 |
2 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0’04.109 |
3 | S・フロサード | Kawasaki | FRA | 0’10.121 |
4 | K・ストライボス | Suzuki | BEL | 0’20.361 |
5 | E・ボブリシェブ | Kawasaki | RUS | 0’23.524 |
6 | T・サールe | Kawasaki | GBR | 0’41.674 |
7 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 0’45.162 |
8 | S・シンプソン | KTM | GBR | 0’45.566 |
9 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | 0’50.193 |
10 | D・グァルネリ | TM | ITA | 1’10.566 |
11 | D・ウルリッヒ | KTM | GER | 1’13.343 |
12 | T・ラットレイ | Husqvarna | RSA | 1’17.125 |
13 | G・アランダ | Kawasaki | FRA | 1’19.432 |
14 | T・レオク | TM | EST | 1’23.780 |
15 | M・カロ | KTM | LAT | 1’27.290 |
16 | V・テイエ | Kawasaki | FRA | 1’30.509 |
17 | P・ベルトゥッゾ | Yamaha | ITA | 1 Lap |
23 | S・ダミ | Yamaha | ITA | 1 Lap |
24 | R・ゴンサルビス | Yamaha | POR | 8 Laps |
26 | M・ポティゼク | Yamaha | FRA | 12 Laps |
MXGP RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | ITA | 34’39.495 |
2 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0’04.774 |
3 | K・ストライボス | Suzuki | BEL | 0’05.986 |
4 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 0’24.914 |
5 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | 0’31.560 |
6 | S・シンプソン | KTM | GBR | 0’34.934 |
7 | K・デ・ディッカー | KTM | BEL | 0’48.210 |
8 | D・グァルネリ | TM | ITA | 0’49.759 |
9 | T・サール | Kawasaki | GBR | 0’51.107 |
10 | G・アランダ | Kawasaki | FRA | 0’51.136 |
11 | R・ゴンサルビス | Yamaha | POR | 0’56.173 |
12 | D・ウルリッヒ | KTM | GER | 1’07.510 |
13 | T・レオク | TM | EST | 1’09.611 |
14 | M・ポティゼク | Yamaha | FRA | 1’30.439 |
15 | M・ボニーニ | Kawasaki | ITA | 1’41.740 |
16 | K・ネメス | KTM | HUN | 1 Lap |
22 | S・ダミ | Yamaha | ITA | 1 Lap |
23 | P・ベルトゥッゾ | Yamaha | ITA | 1 Lap |
MXGP RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | 443 |
2 | C・ドゥサル | Suzuki | 405 |
3 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | 402 |
4 | K・ストライボス | Suzuki | 314 |
5 | S・フロサード | Kawasaki | 217 |
6 | S・シンプソン | KTM | 211 |
11 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 160 |
14 | R・ゴンサルビス | Yamaha | 152 |
22 | M・ポティゼク | Yamaha | 38 |
41 | P・ベルトゥッゾ | Yamaha | 4 |
47 | A・サベティファー | Yamaha | 2 |
48 | R・アルバレス | Yamaha | 1 |
MXGP CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 443 |
2 | Suzuki | 421 |
3 | Yamaha | 402 |
4 | Kawasaki | 372 |
5 | Honda | 301 |
6 | Husqvarna | 209 |
7 | TM | 191 |
MX2 RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ハーリングス | KTM | NED | 34’59.483 |
2 | A・トーニュス | Kawasaki | SUI | 0’16.222 |
3 | J・ティクシエ | KTM | FRA | 0’29.958 |
4 | T・ガイセル | Honda | SLO | 0’32.756 |
5 | A・トンコフ | Husqvarna | RUS | 0’36.815 |
6 | R・フェーブル | Husqvarna | FRA | 0’37.753 |
7 | D・フェランディス | Kawasaki | FRA | 0’38.583 |
8 | M・アンスティ | Yamaha | GBR | 0’43.364 |
9 | P・ペトロフ | Yamaha | BUL | 1’06.588 |
10 | J・シーワー | Suzuki | SUI | 1’18.881 |
11 | M・デプレイ | Honda | FRA | 1’19.950 |
12 | H・クラス | KTM | FIN | 1’24.886 |
13 | J・リーバー | Suzuki | BEL | 1’29.174 |
14 | M・ポコック | KTM | GBR | 1’32.765 |
15 | V・ブリリヤコフ | Honda | RUS | 1’33.774 |
16 | J.A・ブートロン | KTM | ESP | 1’36.242 |
22 | M・クリングシェイム | Yamaha | NOR | 1 Lap |
30 | F・ムラトーリ | Yamaha | ITA | 11 Laps |
MX2 RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ハーリングス | KTM | NED | 34’18.701 |
2 | D・フェランディス | Kawasaki | FRA | 0’32.011 |
3 | J・ティクシエ | KTM | FRA | 0’35.589 |
4 | A・トーニュス | Kawasaki | SUI | 0’36.284 |
5 | T・ガイセル | Honda | SLO | 0’37.154 |
6 | R・フェーブル | Husqvarna | FRA | 0’38.568 |
7 | V・ギヨ | KTM | SUI | 0’47.649 |
8 | J・シーワー | Suzuki | SUI | 0’50.646 |
9 | J・リーバー | Suzuki | BEL | 0’57.312 |
10 | D・グロウラス | KTM | BEL | 1’00.811 |
11 | P・ペトロフ | Yamaha | BUL | 1’02.310 |
12 | J.A・ブートロン | KTM | ESP | 1’09.573 |
13 | A・トンコフ | Husqvarna | RUS | 1’22.183 |
14 | M・デプレイ | Honda | FRA | 1’24.178 |
15 | H・クラス | KTM | FIN | 1’25.173 |
16 | P・ジョナス | KTM | LAT | 1’43.272 |
22 | F・ムラトーリ | Yamaha | ITA | 1 Lap |
25 | M・クリングシェイム | Yamaha | NOR | 2 Laps |
27 | M・アンスティ | Yamaha | GBR | 13 Laps |
MX2 RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J・ハーリングス | KTM | 444 |
2 | A・トーニュス | Kawasaki | 389 |
3 | J・ティクシエ | KTM | 331 |
4 | R・フェーブル | Husqvarna | 327 |
5 | D・フェランディス | Kawasaki | 314 |
6 | T・ガイセル | Honda | 269 |
12 | M・アンスティ | Yamaha | 169 |
13 | P・ペトロフ | Yamaha | 162 |
20 | L・スタイク | Yamaha | 68 |
23 | C・シャリエ | Yamaha | 55 |
26 | M・クリングシェイム | Yamaha | 19 |
33 | A・ルンドグレン | Yamaha | 5 |
MX2 CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 474 |
2 | Kawasaki | 419 |
3 | Husqvarna | 334 |
4 | Suzuki | 229 |
5 | Honda | 279 |
6 | Yamaha | 265 |
7 | TM | 6 |
COMMENT
MXGP:J・ファン・フォルベーク選手談(2位/2位:総合2位)
「この週末を通してすごく調子が良かったので、今日は勝ちにいったが、決して楽なレースではなかった。いい走りをしたけど、第2ヒートではトニーの方がもっと良かった。彼から離されてしまってからはスムーズで安全に走ることに徹した。またポディウムに立てたことをすごく喜んでいるし、着実に前進できている。チームマネージャーであり僕のボスであるミケーレ・リナルディに大いに感謝している。すごく良いサポートで、なんらプレッシャーを受けなかった」
MXGP:D・フィリッパーツ選手談(9位/5位:総合5位)
「すごくうれしい結果だ。昨年はここで大きな転倒をしているし、難しいコースだということを知っているから、土曜日は落ち着いて過ごした。でもチームにスポンサーとファンの人たちがたくさん来てくれたので、忙しい一日だった。日曜日はもっとリラックスできて、両ヒートともスタートはすごく良く、4位と5位につけた。第1ヒートは9位をキープした。ラップタイムが良かったので、満足している。第2ヒートではさらに前を走ることができた。5位を争っていたシンプソンが激しくプッシュしてきたけど、今日は僕の方が彼よりも強かった。去年はこのレースを完走できなかったので、大きな進歩だし、チームにとって素晴らしい一日となった」
MXGP:R・ゴンサルビス選手談(DNF/11位:総合15位)
「タフな週末だった。先週、ポルトガル選手権で激しく転倒してしまい、出場できるだけでもうれしいよ。週の半ばまでベッドの中だったけど、GPを欠場したくなかった。第1ヒートは痛み止めが効かなかったし、タイトなライディングで、危険を感じリタイアを選んだ。第2ヒートでは違う痛み止めを試し、それが良かった。ここまで状況が良くなるたびにアクシデントが来る印象だけど、厳しいときにずっとバックアップしてくれたチームのためにも、ドイツGPではもっと良い結果を目指すよ」
MX2:P・ペトロフ選手談(9位/11位:総合9位)
「今日は、自分のライディグにはとても満足しているけど、結果には満足していない。第1ヒートではうまく飛び出して、1周目を終えて6位とし、すごく良い感触だった。5位に上がってからは、フェーブルとティクシエよりも速かった。もっと前に行けるはずだったけど5位にとどまってしまったのが、最初のミスだった。その後のガイセルとバトルで、ペースを乱したしミスをおかしてしまったんだ。だた、すぐに再走して9位でフィニッシュできたのは幸運だった。第2ヒートではゲートにヒットしてしまった。あんなことが起こるなんて… その後は可能なかぎりハードに攻めて11位でフィニッシュした。ライディングのフィーリングは良かったし、再び良い方向に向かっていると感じていた。自信を取り戻すことができたし、来週のドイツが楽しみだよ」