モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.09 6月1日 フランス
RACE DATA
■大会名称:2014年第9戦フランスGP
■カテゴリ:MXGP/MX2
■開催日:2014年6月1日
■開催地:サン・ジャン・ダンジェリー(コース長:1,750m)
■天候:ドライ
REPORT
MXGP:ファン・フォルベークが8連続表彰台獲得
全17戦で争われる2014年FIMモトクロス世界選手権第9戦がハードパックのレーストラック、サン・ジャン・ダンジェリーで開催さ、晴天に恵まれたかつてのモトクロス・オブ・ネイションズの会場には32,000人ものファンが詰めかけた。Yamaha Factory RacingのJ・ファン・フォルベークは、MXGPクラスをリードする上位陣の一画を常に占めており、難しいこのフランスの舞台でも速さと堅実さを示して総合2位に入り、今シーズン8度目の表彰台に立った。
ファン・フォルベークは予選ヒートから力を示して3位を獲得し、第1コーナーまでが長くドラッグレースのようなスタートに向け好位置を確保した。しかし第1ヒートはそのスタートが悪く、C・ドゥサル(スズキ)、T・カイローリ(KTM)に先行され、3位を単独で走行することとなりそのままゴール。続く第2ヒートでファン・フォルベークは、トップ争いの一画を占め、後方からS・フロサード(カワサキ)の追撃を受けながら、前方のドゥサルに迫る激しいレースを展開。その後、トップのカイローリが残り2周で転倒、その際、ファン・フォルベークはトップを狙える位置にいたがドゥサルには届かず、2位でチェッカーフラッグを受けた。これによりファン・フォルベークは総合2位を獲得、ランキングでは2位のドゥサルとは15ポイント、トップのカイローリとは35ポイント差の3位をキープした。
Bike it Yamaha CosworthのR・ゴンサルビスは先週、イギリスでねんざした足首は問題なかったが第1ヒートで転倒し、トップ8から順位を落とし12位でレースを終えた。しかし第2ヒートは、今シーズンの自己ベストタイとなる7位でゴール。ベテランライダー、ゴンサルビスは総合成績で8位となった。
元世界チャンピオンのD・フィリッパーツにとって、このコースは約10年前にGP初優勝遂げた場所だが、2014年は幸運とはならなかった。第1ヒートはスタートで出遅れて中団グループに埋もれ、苦しい戦いとなり15位でフィニッシュ。第2ヒートでは新セクションで転倒を喫し、スロットルを破損するとともに、右手の小指を脱臼。リタイアを余儀なくされた。
MX2:ペトロフが総合9位、アンスティは第1ヒート7位で総合10位
Bike it Yamaha Cosworthのアンスティは劇的な週末を過ごした。土曜日にマイナートラブルに見舞われ、決勝は、最終グリッドからスタートすることとなった。そして第1ヒート、アンスティは見事なスタートを見せ好一でレースを展開。しかし、ハイペースを維持するトップ3に徐々に離され、7位でチェッカーとなった。残念ながら第2ヒートでは好スタートを再現できず、アンスティは13位でゴール。総合成績は10位となった。
Kemea YamahaのP・ペトロフは失意のイギリス・グランプリから立ち直り、第1ヒートで10位、第2ヒートでは今年の自己ベストタイとなる8位でフィニッシュ、両ヒートともにトップ10でゴールし、ヤマハでは最上位の総合9位を獲得した。チームメイトのL・スタイクは土曜日に胸骨を骨折し、決勝を欠場。次の2週間を利用して治癒に努めるが、イタリア・グランプリへの参加は難しい状況。
なお、Yamaha Factory RacingのC・シャルリエは左ひざの半月板の問題から欠場。第10戦での復帰を目指して月曜日に手術を受ける。
MXGP RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 33'48.880 |
2 | A・カイローリ | KTM | ITA | 0'00.602 |
3 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0'34.663 |
4 | K・ストライボス | Suzuki | BEL | 0'37.158 |
5 | E・ボブリシェブ | Honda | RUS | 0'41.290 |
6 | S・フロサード | Kawasaki | FRA | 0'45.568 |
7 | X・ブー | Honda | FRA | 1'01.240 |
8 | S・シンプソン | KTM | GBR | 1'06.237 |
9 | D・ウルリッヒ | KTM | GER | 1'08.293 |
10 | D・グァルネリ | TM | ITA | 1'15.518 |
11 | M・カロ | KTM | LVA | 1'24.124 |
12 | R・ゴンサルビス | Yamaha | POR | 1'25.281 |
13 | V・テイエ | Kawasaki | FRA | 1'26.311 |
14 | M・ポティゼク | Yamaha | FRA | 1'28.196 |
15 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | 1'32.005 |
MXGP RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 33'47.790 |
2 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0'01.575 |
3 | A・カイローリ | KTM | ITA | 0'01.774 |
4 | S・フロサード | Kawasaki | FRA | 0'06.786 |
5 | E・ボブリシェブ | Honda | RUS | 0'42.302 |
6 | T・サール | Kawasaki | GBR | 0'53.826 |
7 | R・ゴンサルビス | Yamaha | POR | 0'55.634 |
8 | M・カロ | KTM | LVA | 1'09.383 |
9 | D・グァルネリ | TM | ITA | 1'13.164 |
10 | S・シンプソン | KTM | GBR | 1'13.164 |
11 | V・テイエ | Kawasaki | FRA | 1'25.761 |
12 | D・ウルリッヒ | KTM | GER | 1'32.454 |
13 | K・ストライボス | Suzuki | BEL | 1'38.394 |
14 | T・レオク | TM | EST | 1'39.594 |
15 | C・スーベヴラ | Honda | FRA | 2'03.502 |
21 | M・ポティゼク | Yamaha | FRA | -16 Laps |
MXGP RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | 393 |
2 | C・ドゥサル | Suzuki | 373 |
3 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | 358 |
4 | K・ストライボス | Suzuki | 276 |
5 | G・ポラン | Kawasaki | 205 |
6 | S・フロサード | Kawasaki | 197 |
12 | R・ゴンサルビス | Yamaha | 142 |
14 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 132 |
22 | M・ポティゼク | Yamaha | 31 |
40 | A・サベティファー | Yamaha | 2 |
43 | R・アルバレス | Yamaha | 1 |
MXGP CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 393 |
2 | Suzuki | 383 |
3 | Yamaha | 358 |
4 | Kawasaki | 340 |
5 | Honda | 282 |
6 | Husqvarna | 200 |
7 | TM | 167 |
MX2 RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ハーリングス | KTM | NED | 34'07.083 |
2 | A・トーニュス | Kawasaki | CHE | 0'19.178 |
3 | V・ギヨ | KTM | CHE | 0'20.249 |
4 | J・ティクシエ | KTM | FRA | 0'30.491 |
5 | R・フェーブル | Husqvarna | FRA | 0'41.655 |
6 | D・フェランディス | Kawasaki | FRA | 0'56.313 |
7 | M・アンスティ | Yamaha | GBR | 1'01.818 |
8 | A・トンコフ | Husqvarna | RUS | 1'09.508 |
9 | J・シーワー | Suzuki | CHE | 1'13.405 |
10 | P・ペトロフ | Yamaha | BGR | 1'15.163 |
11 | T・ガイセル | Honda | SVN | 1'16.297 |
12 | T・コヴィントン | Kawasaki | USA | 1'18.866 |
13 | J・リーバー | Suzuki | BEL | 1'37.749 |
14 | D・グロウラス | KTM | BEL | 1'44.653 |
15 | M・ポコック | KTM | GBR | 1'48.672 |
16 | V・ブリリヤコフ | Honda | RUS | 1'50.890 |
17 | J.A・ブートロン | KTM | ESP | 1'55.761 |
18 | 山本鯨 | Honda | JPN | 2'06.838 |
19 | S・マレ | Honda | FRA | -1 Laps |
20 | E・ヒジュルティマルカー | KTM | SWE | -1 Laps |
MX2 RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ハーリングス | KTM | NED | 35'38.863 |
2 | A・トーニュス | Kawasaki | CHE | 0'08.844 |
3 | J・ティクシエ | KTM | FRA | 0'42.104 |
4 | R・フェーブル | Husqvarna | FRA | 0'48.795 |
5 | T・ガイセル | Honda | SVN | 0'55.255 |
6 | D・フェランディス | Kawasaki | FRA | 1'24.411 |
7 | J・シーワー | Suzuki | CHE | 1'25.905 |
8 | P・ペトロフ | Yamaha | BGR | 1'26.927 |
9 | V・ギヨ | KTM | CHE | 1'27.220 |
10 | J.A・ブートロン | KTM | ESP | 1'41.044 |
11 | T・コヴィントン | Kawasaki | USA | 1'42.490 |
12 | M・ポコック | KTM | GBR | -1 Laps |
13 | M・アンスティ | Yamaha | GBR | -1 Laps |
14 | R・ジュスツ | Husqvarna | LVA | -1 Laps |
15 | A・トンコフ | Husqvarna | RUS | -1 Laps |
16 | M・デプレイ | Honda | FRA | -1 Laps |
17 | 山本鯨 | Honda | JPN | -1 Laps |
18 | B・ボガース | KTM | NED | -1 Laps |
19 | V・ブリリヤコフ | Honda | RUS | -1 Laps |
20 | S・マレ | Honda | FRA | -1 Laps |
22 | A・オバン | Yamaha | FRA | -1 Laps |
24 | M・クリングシェイム | Yamaha | NOR | -2 Laps |
MX2 RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J・ハーリングス | KTM | 394 |
2 | A・トーニュス | Kawasaki | 349 |
3 | R・フェーブル | Husqvarna | 297 |
4 | J・ティクシエ | KTM | 291 |
5 | D・フェランディス | Kawasaki | 278 |
6 | T・ガイセル | Honda | 235 |
12 | M・アンスティ | Yamaha | 156 |
13 | P・ペトロフ | Yamaha | 140 |
18 | L・スタイク | Yamaha | 68 |
22 | C・シャリエ | Yamaha | 55 |
26 | M・クリングシェイム | Yamaha | 19 |
32 | A・ルンドグレン | Yamaha | 5 |
MX2 CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 424 |
2 | Kawasaki | 375 |
3 | Husqvarna | 303 |
4 | Suzuki | 275 |
5 | Honda | 245 |
6 | Yamaha | 242 |
7 | TM | 6 |
COMMENT
MXGP:J・ファン・フォルベーク選手談(3位/2位:総合2位)
「第1ヒートではスタートが悪く、トニー(カイローリ)とクレマン(ドゥサル)に先行されたため、3位をキープして次のレースのためにエネルギーを温存した。第2ヒートはスタートが決まり、彼らと一緒に走り出した。ここはラインが1本しかないし、以前のサン・ジャンと同じで追い抜くのが難しいため、“走り続けろ”と自分に言い聞かせたよ。プレッシャーをかけることでライバルたちのミスを誘いたかったんだ。優勝はできなかったが、難しいコースですごくいい感じだったし、MXGPクラスではこれがベストレースのひとつになると思う」
MX2:P・ペトロフ選手談(10位/8位:総合9位)
「この週末には満足している。両ヒートともにトップ10内でフィニッシュできたし、これは自信を取り戻すために必要なことだったんだ。どちらのヒートとも、うまくスタートできたけど、僕の体重には第1コーナーまでのストレートは長すぎて集団に飲み込まれてしまった。それでも第1ヒートでは17位から10位まで、第2ヒートでは13位から8位まで追い上げた。追い抜きが難しいコースだったので悪くない結果だ。先週の厳しいレースの後に、自分に速さがあることがわかったのは良かった。今度の週末はオフなので、負傷を癒したり、次のグランプリに向けて準備を進めたい。シーズン後半に向けてモチベーションは上がっているし、この成績で再び前に進み始めることができる」
MX2:M・アンスティ選手談(7位/12位:総合10位)
「土曜日は5周程しか走れず、決勝を迎えなければならなかった。もっともアウト側のグリッドからホールショットなみのスタートができたときには信じられなかったよ。でも走りに余裕がなくてたくさんミスをしてしまったんだ。第2ヒートでは序盤、誰かがぴったりついて離れなかった。それから、ストールしていたライダーに衝突してしまった。混乱していた。土曜日にロスしてそれが不利に働いたけどそれでも走りきったし、やり続けることが必要だ。次のグランプリまでは2週間あるのでいい走りといい仕事ができようにしっかり準備するよ」