モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.08 5月25日 イギリス
RACE DATA
■大会名称:2014年第8戦イギリスGP
■カテゴリ:MXGP/MX2
■開催日:2014年5月25日
■開催地:タラベラ・デ・ラ・レイナ
■天候:ドライ
REPORT
MXGP:ファン・フォルベークが7連続ポディウムフィニッシュを記録
マッテレイ・バジンで開催されたイギリス・グランプリで、J・ファン・フォルベークがMXGPクラスで総合3位に入り、再び表彰台に立った。ファン・フォルベークにとってトップ3フィニッシュはこれで7戦連続となる。
Yamaha Factory RacingのYZ450FMを駆ったベルギー人ライダーのファン・フォルベークはイングランド南方にある粘着性がある路面のコースで両ヒートともに3位でフィニッシュした。
雨と日差しが交互に訪れる変わりやすい天候の中、25,000人のファンが観戦した。金曜日と土曜日に降った雨により、マッテレイ・バジンのダートはテクニカルでわだちのあるコースへと姿を変えた。1周のラップタイムは遅くなり、そのレイアウト(MXGPの英国ラウンド開催は2011年以来)は、コースの周囲をとりまくフェンス沿いに陣取った観客に、これまでに例のない光景を提供した。
ファン・フォルベークのレースウイークエンドの滑り出しは良好ではなかった。土曜日の予選ヒートで、フロントフォーク・ガードのスタートクリップの問題からブレーキホースが破損。4位から2位を狙っていたファン・フォルベークはピットイン。20分と2周で争われるヒートの後半をフロントの制動力なしでの走行を余儀なくされたが、それでも15位でゴールした。
青空の広がるコンディションとなった決勝当日の日曜日、ファン・フォルベークは再び上位グループの中で存在感を示した。2014年イタリア・チャンピオンのファン・フォルベークは両ヒートとも3位に入った。第2ヒートではT・カイローリ(KTM)を抑えて2位に就けていたが、カイローリの攻めに抗し切ることはできなかった。ファン・フォルベークはその比類のない堅実な走りで、現在選手権ランキングでも3位につけている。
DP19 Yamaha racingのD・フィリッパーツは総合10位とまずまずの成績を収めた。第1ヒートのスタートはあまり良くなく、11位でフィニッシュ。続く第2ヒートではスタートでトップ6以内に就けるが、序盤に順位を落としてしまい、トップ10にあと一歩の11位でレースを終えた。 R・ゴンサリビスは、ねんざした足首の痛みに耐えながらBike it Yamaha CosworthのYZ450Fに乗り、総合17位でグランプリを完走した。第2ヒートでは13位を記録した。
2014年MXGPもシーズンのほぼ半分を終えて、ファン・フォルベークはこれまでのレースの大半でトップ3フィニッシュを記録。選手権では1位と35ポイント差の3位に就けている。一方、フィリッパーツは12位、ゴンサルビスは13位に位置している。
アンスティが第1ヒートで3位を獲得
FIMモトクロス世界選手権第8戦イギリス・グランプリで、MX2クラスにおけるヤマハのトップパフォーマー、M・アンスティが2014年YZ250Fを駆って第1ヒートで3位に入る健闘を示した。
Bike it Yamaha Coswortのアンスティは土曜日に行われた予選ヒートで、最終ラップにD・フェランディス(カワサキ)の先行を許したものの、その大半で2位を走行。2014年仕様のYZ250F開発に関するチームの進歩が的確なペースで進んでいることを示した。
決勝の第1ヒート、アンスティはトップグループにつけJ・ティクシエ(KTM)を追撃し、3月に行われたタイ・グランプリ以来となるトップ3内で走行する。ところがアンスティの左手を石が強打。痛みを伴うダメージを負ってしまったが、それでも第1ヒートは3位で完走したものの、第2ヒートは3周しかできず、リタイアを余儀なくされた。
Yamaha Factory RacingのC・シャリエも不運に見舞われ、第1ヒートは20位、第2ヒートは1周目に転倒してリタイアとなった。この転倒でシャリエは背中を負傷して病院に行くことになった。
Kemea Yamaha RacingのP・ペトロフとL・スタイクは苦戦。それぞれ総合17位と16位でグランプリを終えた。ペトロフは的確なペースをつかむことができず、一方、スタイクは両ヒートともスタートの遅れを挽回することができなかった。
次週開催される選手権第9戦フランス・グランプリはFIMモトクロス世界選手権では例年開催地となっているサン・ジャン・ダンジェリーを舞台に行われる。
MXGP RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | ITA | 35'06.163 |
2 | S・フロサード | Kawasaki | FRA | 0'03.859 |
3 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0'13.248 |
4 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 0'19.366 |
5 | K・ストライボス | Suzuki | BEL | 0'27.520 |
6 | T・サール | Kawasaki | GBR | 0'40.699 |
7 | J・ニコルス | KTM | GBR | 0'42.154 |
8 | T・ラットレイ | Husqvarna | RSA | 0'53.366 |
9 | S・シンプソン | KTM | GBR | 1'12.119 |
10 | T・レオク | TM | EST | 1'12.857 |
11 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | 1'23.706 |
12 | X・ブー | Honda | FRA | 1'27.199 |
13 | J・ローランツ | Honda | BEL | 1'29.891 |
14 | D・グァルネリ | TM | ITA | 1'33.264 |
15 | D・ウルリッヒ | KTM | GER | 1'36.692 |
21 | R・ホートン | Yamaha | GBR | -1 Laps |
24 | R・ゴンサルビス | Yamaha | POR | -2 Laps |
MXGP RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 35'00.023 |
2 | A・カイローリ | KTM | ITA | 0'17.717 |
3 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0'31.838 |
4 | T・ラットレイ | Husqvarna | RSA | 0'35.822 |
5 | T・サール | Kawasaki | GBR | 0'42.005 |
6 | S・シンプソン | KTM | GBR | 0'43.077 |
7 | K・ストライボス | Suzuki | BEL | 0'54.148 |
8 | M・カロ | KTM | LVA | 0'59.449 |
9 | J・ニコルス | KTM | GBR | 1'01.224 |
10 | J・ローランツ | Honda | BEL | 1'03.625 |
11 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | 1'07.511 |
12 | D・グァルネリ | TM | ITA | 1'09.256 |
13 | R・ゴンサルビス | Yamaha | POR | 1'10.846 |
14 | D・ウルリッヒ | KTM | GER | 1'25.537 |
15 | K・デ・ディッカー | KTM | BEL | 1'34.363 |
22 | R・ホートン | Yamaha | GBR | -1 Laps |
MXGP RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | 351 |
2 | C・ドゥサル | Suzuki | 323 |
3 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | 316 |
4 | K・ストライボス | Suzuki | 250 |
5 | G・ポラン | Kawasaki | 205 |
6 | M・ナグル | Honda | 166 |
12 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 126 |
13 | R・ゴンサルビス | Yamaha | 119 |
23 | M・ポティゼク | Yamaha | 24 |
40 | A・サベティファー | Yamaha | 2 |
41 | R・アルバレス | Yamaha | 1 |
MXGP CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 351 |
2 | Suzuki | 333 |
3 | Yamaha | 316 |
4 | Kawasaki | 307 |
5 | Honda | 250 |
6 | Husqvarna | 200 |
7 | TM | 144 |
MX2 RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ハーリングス | KTM | NED | 34'59.916 |
2 | J・ティクシエ | KTM | FRA | 0'21.339 |
3 | M・アンスティ | Yamaha | GBR | 0'24.047 |
4 | T・ガイセル | Honda | SVN | 0'25.259 |
5 | A・トーニュス | Kawasaki | CHE | 0'29.250 |
6 | V・ギヨ | KTM | CHE | 0'38.942 |
7 | D・フェランディス | Kawasaki | FRA | 0'56.260 |
8 | R・フェーブル | Husqvarna | FRA | 0'59.972 |
9 | A・トンコフ | Husqvarna | RUS | 1'06.233 |
10 | J.A・ブートロン | KTM | ESP | 1'10.803 |
11 | D・グロウラス | KTM | BEL | 1'14.695 |
12 | I・モンティチェッリ | KTM | ITA | 1'18.137 |
13 | J・シーワー | Suzuki | CHE | 1'18.577 |
14 | M・ポコック | KTM | GBR | 1'21.569 |
15 | L・スタイク | Yamaha | AUS | 1'22.575 |
16 | J・リーバー | Suzuki | BEL | 1'24.003 |
17 | T・コヴィントン | Kawasaki | USA | 1'36.407 |
18 | P・ペトロフ | Yamaha | BGR | 1'40.082 |
19 | S・ルノワール | Husqvarna | FRA | 1'44.657 |
20 | C・シャリエ | Yamaha | FRA | 1'46.308 |
MX2 RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ハーリングス | KTM | NED | 35'08.239 |
2 | A・トーニュス | Kawasaki | CHE | 0'16.689 |
3 | T・ガイセル | Honda | SVN | 0'41.286 |
4 | R・フェーブル | Husqvarna | FRA | 0'42.239 |
5 | J・ティクシエ | KTM | FRA | 0'59.739 |
6 | A・トンコフ | Husqvarna | RUS | 1'02.273 |
7 | J.A・ブートロン | KTM | ESP | 1'05.939 |
8 | D・グロウラス | KTM | BEL | 1'10.042 |
9 | J・シーワー | Suzuki | CHE | 1'12.980 |
10 | I・モンティチェッリ | KTM | ITA | 1'16.153 |
11 | T・コヴィントン | Kawasaki | USA | 1'16.165 |
12 | D・フェランディス | Kawasaki | FRA | 1'24.461 |
13 | J・リーバー | Suzuki | BEL | 1'25.373 |
14 | P・ペトロフ | Yamaha | BGR | 1'36.176 |
15 | L・スタイク | Yamaha | AUS | 1'37.400 |
16 | V・ギヨ | KTM | CHE | 2'01.371 |
17 | R・ジュスツ | Husqvarna | LVA | 2'01.816 |
18 | M・デプレイ | Honda | FRA | -1 Laps |
19 | 山本鯨 | Honda | JPN | -1 Laps |
20 | M・クリングシェイム | Yamaha | NOR | -1 Laps |
23 | M・アンスティ | Yamaha | GBR | -14 Laps |
MX2 RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J・ハーリングス | KTM | 344 |
2 | A・トーニュス | Kawasaki | 305 |
3 | R・フェーブル | Husqvarna | 263 |
4 | J・ティクシエ | KTM | 253 |
5 | D・フェランディス | Kawasaki | 248 |
6 | T・ガイセル | Honda | 209 |
12 | M・アンスティ | Yamaha | 141 |
13 | P・ペトロフ | Yamaha | 116 |
17 | L・スタイク | Yamaha | 67 |
21 | C・シャリエ | Yamaha | 55 |
25 | M・クリングシェイム | Yamaha | 19 |
31 | A・ルンドグレン | Yamaha | 5 |
MX2 CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 374 |
2 | Kawasaki | 331 |
3 | Husqvarna | 269 |
4 | Suzuki | 249 |
5 | Honda | 219 |
6 | Yamaha | 215 |
7 | TM | 6 |
COMMENT
MXGP:J・ファン・フォルベーク選手談(3位/3位:総合3位)
「ここは僕が好きなコースのひとつだが、今回のGPは思ったようにはいかなかった。苦闘の連続だったし、自分にとって最良の日ではなかったと思う。それでも再び表彰台に上がれたのだから、かなり良かったとは思う。今はフランスに行くのを楽しみにしている。今までのすべてのポディウムフィニッシュは自分とチームにとって素晴らしい。この進み方がすごくいい感じだ。今日だけはあまり良くなかったけど、それでも転倒してポイントを獲得できないより3位フィニッシュ2回のほうがいい」
MXGP:D・フィリッパーツ選手談(11位/11位:総合10位)
「ひどいレース。でも良いところもあった。ポイントを獲得したし、トップ10に近いところにいたからね。僕らはシーズン全体を見なければならないので、これは重要なんだ。第1ヒートはスタートが悪かったため、レース序盤にすごくプッシュして最後は11位でフィニッシュ。第2ヒートも1周目はプッシュし、6位までいったんだ。でもその後の10分間が遅すぎたよ。終わりまでにはかなり良いタイムを記録したけど、手遅れだった。いずれにしても僕らはトップ10に焦点を合わせているし、トレーニングは順調で、自分のライディングも良くなってきている。バイクも良く走る。すべては的確だけど、今必要なのはレース序盤に先頭と近いところにいることだと思っている」
MX2:M・アンスティ選手談(3位/DNF:総合13位)
「今日の第1ヒートは間違いなくすごく良かった。バイクはすごく良く走り、すぐに順位を上げることができたし、大きなジャンプもうまくいっていた。僕らは全員ハードワークをしてきたんだ。シーズン序盤戦のようなレースができたことはポジティブだし、ここからさらに調子を上げていけるように期待している。第1ヒートで石が当たったのは不運だった。指は走っているときはそれほどひどくなかったけど、第2ヒートでは固まってしまい、ジャンプで痛みがひどくなった。検査を受ける必要があるけど、少なくとも今わかっているのは、費やした時間の成果は上がっているということだ」