モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.06 5月4日 オランダ
RACE DATA
■大会名称:2014年第6戦オランダGP
■カテゴリ:MXGP/MX2
■開催日:2014年5月4日
REPORT
MXGP:ファン・フォルベークがサンドコースで快走、5戦連続ポディウムフィニッシュ
第6戦オランダ・グランプリの舞台となるファルケンスワルトの典型的なラフでバンピーなサンドコースは、FIMモトクロス世界選手権を戦うライダーに特別なスキルを要求する。ここでYamaha Factory RacingのJ・ファン・フォルベークが見事な対応を見せて2位入賞を果たし、5戦連続のポディウムフィニッシュを決めた。
アイントホーフェンの南からわずかの距離にあり、ベルギー国境にも近いこの日のグランプリ会場は穏やかな陽気と晴天に恵まれ、27,000人の観客がつめかけた。ファン・フォルベークは、メイデーの休日となった木曜日に開催されたベルギー選手権で転倒。打撲をかばいつつ、サーキット入りしていたが、タイムドプラクティスで最速ラップタイムをマークするという好調ぶり。チームもYZ450FMのサンドコース向けセッティングの詰めとスタートの速さを高めるための作業を行い土曜日の予選ヒートでは力走して2位に入った。
第1ヒート、ファン・フォルベークはA・カイローリ(KTM)とG・ポラン(カワサキ)に続く3番手で周回を重ね、カイローリのフロントホイールにトラブルが発生したところでこれをかわして2位に上がり、そのままゴール。第2ヒートではカイローリに続く2位を走行中、背後からK・ストライボス(スズキ)の追撃を受け、若干のミスを冒したことからストライボスの先行を許したが、3位を獲得、総合成績では2位とし、これまでに参加した12レース中8回目のトップ3フィニッシュを決めた。
この結果、ファン・フォルベークはシーズンの3分の1を終えたMXGP選手権ランキングで3位C・ドゥサルと6ポイント、1位のカイローリとは31ポイント差の2位につけている。
DP19 Yamaha racingのD・フィリッパーツは総合14位。元世界チャンピオンのフィリッパーツはウエットコンディションとなったブルガリア・グランプリの後、インフルエンザに感染して週の半分をベッドから起きられない状態が続いたこともあり慎重にライディング。両ヒートをそれぞれ14位でフィニッシュした。
Bike it Yamaha CosworthのR・ゴンサルビスはサンドコースでの適切なフィーリングを得るためのサスペンション・セッティングに手こずり、総合20位となった。第1ヒートは、序盤で軽いアクシデントに見舞われて一時最後尾まで後退したが21位。第2ヒートではサスペンションに進歩が見られ13位でフィニッシュした。
タラベラ・デ・ラ・レイナで開催される次回のスペイン・グランプリは全17戦で争われる2014年の選手権第7戦。当初は8月半ばにウクライナ・グランプリが予定されていたが、スケジュールから外された。タラベラは2011年以来となるスペインでのFIMモトクロス世界選手権開催の地となる。
MX2:アンスティが第1ヒートで6位
MX2クラスでは、M・アンスティが速さを示した。アンスティは、ヤマハ勢で最高のパフォーマンスを示し、第1ヒートでは5人のライダーによるトップ争いに加わり、第3戦ブラジル・グランプリ以来の入賞圏内となる6位でフィニッシュした。アスティは第2ヒートでは転倒を喫してクラッチを痛め、リタイアを余儀なくされた。
2週間前に母国で開催されたグランプリで感動的なパフォーマンスを見せたKemea Yamaha Racing のP・ペトロフが、YZ250Fに乗って素晴らしいラップタイムを記録した。しかし両ヒートともに不運に見舞われ、さらに疲労にも襲われる。第1ヒートは、第2コーナーでの多重事故に巻き込まれて転倒を喫して大きく後退。再走して追い上げ、15位。第2ヒートでも第4ターンで同様のアクシデントに遭遇したペトロフは、再び後方からの追い上げを強いられ、14位でフィニッシュした。
L・スタイクはFIMモトクロス世界選手権の前半戦終了を間近にしてサンドコースで行われるグランプリを初めて戦った。スタイクは第1ヒートでの17位がベストで、総合19位となった。
来週、タラベラ・デ・ラ・レイナで開催されるスペイン・グランプリでは、第2戦タイGPで骨折した脚が治り、GP復帰に向けてトレーニングを積んできたYamaha Factory RacingのC・シャルリエが復帰する予定。
MXGP RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | G・ポラン | Kawasaki | FRA | 34'53.781 |
2 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0'09.759 |
3 | A・カイローリ | KTM | ITA | 0'18.371 |
4 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 0'30.792 |
5 | E・ボブリシェブ | Honda | RUS | 0'32.695 |
6 | K・ストライボス | Suzuki | BEL | 0'46.964 |
7 | T・ラットレイ | Husqvarna | RSA | 0'48.846 |
8 | J・ローランツ | Honda | BEL | 0'50.977 |
9 | M・ド・ルーバー | Honda | NED | 1'16.555 |
10 | S・フロサード | Kawasaki | FRA | 1'17.789 |
11 | T・レオク | TM | EST | 1'22.248 |
12 | D・グァルネリ | TM | ITA | 1'22.312 |
13 | P・ロシェンカー | KTM | AUT | 1'41.425 |
14 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | 1'43.133 |
15 | F・ベンツォン | KTM | SWE | 1'44.125 |
19 | M・ポティゼク | Yamaha | FRA | -1 Lap |
21 | R・ゴンサルビス | Yamaha | POR | -1 Lap |
MXGP RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | ITA | 35'21.488 |
2 | K・ストライボス | Suzuki | BEL | 0'10.683 |
3 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0'20.504 |
4 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 0'29.708 |
5 | J・ローランツ | Honda | BEL | 0'39.061 |
6 | S・フロサード | Kawasaki | FRA | 0'40.778 |
7 | T・ラットレイ | Husqvarna | RSA | 0'43.793 |
8 | S・シンプソン | KTM | GBR | 0'48.536 |
9 | X・ブー | Honda | FRA | 1'13.651 |
10 | M・カロ | KTM | LVA | 1'16.979 |
11 | T・レオク | TM | EST | 1'18.984 |
12 | F・ベンツォン | KTM | SWE | 1'37.256 |
13 | R・ゴンサルビス | Yamaha | POR | 1'38.508 |
14 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | 1'47.571 |
15 | P・ロシェンカー | KTM | AUT | 1'50.426 |
25 | M・ポティゼク | Yamaha | FRA | -5 Lap |
MXGP RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | 267 |
2 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | 236 |
3 | C・ドゥサル | Suzuki | 230 |
4 | G・ポラン | Kawasaki | 205 |
5 | K・ストライボス | Suzuki | 182 |
6 | M・ナグル | Honda | 166 |
13 | R・ゴンサルビス | Yamaha | 92 |
15 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 82 |
26 | M・ポティゼク | Yamaha | 11 |
34 | A・サベティファー | Yamaha | 2 |
MXGP CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 267 |
2 | Suzuki | 240 |
3 | Yamaha | 236 |
4 | Kawasaki | 233 |
5 | Honda | 202 |
6 | Husqvarna | 145 |
7 | TM | 108 |
MX2 RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ハーリングス | KTM | NED | 34'15.867 |
2 | J・ティクシエ | KTM | FRA | 1'07.713 |
3 | R・フェーブル | Husqvarna | FRA | 1'09.289 |
4 | V・ギヨ | KTM | CHE | 1'22.228 |
5 | A・トンコフ | Husqvarna | RUS | 1'29.254 |
6 | M・アンスティ | Yamaha | GBR | 1'30.486 |
7 | J・リーバー | Suzuki | BEL | 1'39.265 |
8 | D・フェランディス | Kawasaki | FRA | 1'43.269 |
9 | T・ガイセル | Honda | SVN | 1'46.792 |
10 | J・A・ブートロン | KTM | ESP | 1'48.963 |
11 | J・シーワー | Suzuki | CHE | 1'49.444 |
12 | A・トーニュス | Kawasaki | SUI | 1'52.499 |
13 | B・ボガース | KTM | NED | -1 Lap |
14 | H・クラス | KTM | NED | -1 Lap |
15 | P・ペトロフ | Yamaha | BGR | -1 Lap |
17 | L・スタイク | Yamaha | AUS | -1 Lap |
26 | V・ベリヤコフ | Yamaha | RUS | -2 Lap |
27 | M・クリングシェイム | Yamaha | NOR | -2 Lap |
MX2 RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ハーリングス | KTM | NED | 34'41.469 |
2 | A・トーニュス | Kawasaki | SUI | 0'45.837 |
3 | R・フェーブル | Husqvarna | FRA | 0'46.825 |
4 | D・フェランディス | Kawasaki | FRA | 0'47.909 |
5 | J・ティクシエ | KTM | FRA | 1'08.651 |
6 | J・A・ブートロン | KTM | ESP | 1'12.233 |
7 | V・ギヨ | KTM | CHE | 1'12.785 |
8 | A・トンコフ | Husqvarna | RUS | 1'15.787 |
9 | T・ガイセル | Honda | SVN | 1'22.671 |
10 | J・リーバー | Suzuki | BEL | 1'28.894 |
11 | T・コビントン | Kawasaki | USA | 1'30.516 |
12 | G・グロウラス | KTM | BEL | 1'49.701 |
13 | M・モンティチェッリ | KTM | ITA | 1'54.447 |
14 | P・ペトロフ | Yamaha | BGR | 2'01.696 |
15 | F・ファン・デル・ブリスト | KTM | NED | -1 Lap |
18 | L・スタイク | Yamaha | AUS | -1 Lap |
21 | V・ベリヤコフ | Yamaha | RUS | -1 Lap |
26 | M・クリングシェイム | Yamaha | NOR | -2 Laps |
30 | M・アンスティ | Yamaha | GBR | -10 Laps |
MX2 RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J・ハーリングス | KTM | 244 |
2 | A・トーニュス | Kawasaki | 229 |
3 | R・フェーブル | Husqvarna | 198 |
4 | D・フェランディス | Kawasaki | 185 |
5 | J・ティクシエ | KTM | 185 |
6 | G・コルデンホフ | Suzuki | 176 |
11 | M・アンスティ | Yamaha | 113 |
13 | P・ペトロフ | Yamaha | 83 |
18 | L・スタイク | Yamaha | 45 |
22 | C・シャリエ | Yamaha | 32 |
26 | M・クリングシェイム | Yamaha | 15 |
29 | A・ルンドグレン | Yamaha | 5 |
MX2 CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 274 |
2 | Kawasaki | 251 |
3 | Suzuki | 204 |
4 | Husqvarna | 204 |
5 | Yamaha | 163 |
6 | Honda | 155 |
7 | TM | 6 |
COMMENT
MXGP:J・ファン・フォルベーク選手談(2位/3位:総合2位)
「木曜日にベルギー選手権で転倒したため、この週末も若干痛みが残り、フィーリングは100%ではなかった。それでも全体としてはいい一日だったし、再び表彰台に立つことができてうれしく思っている。今日はスタートも改善したので、それもよろこんでいる。今日は、自分自身のペースでレースを進めた。第2ヒートはかなりいいフィーリングだったけど、もっと速く走ろうとしてミスが多過ぎた。ケビン(ストライボス)に抜かれても2位は変わらないとわかっていたので行かせたんだ。チームにすごく感謝している。5戦連続表彰台に燃えているよ」
MXGP:D・フィリッパーツ選手談(14位/14位:総合14位)
「きついレースだった。ブルガリアの後に病気になって熱が40度近くも出てしまい、4日間ベッドの中だったのでこの週末は体調が十分ではなかった。前回のグランプリ以来、バイクには乗っていなかったので、サンドコースへの準備も万全ではなかった。できるかぎりプッシュしたけど、第2ヒートでこれ以上は無理だと感じた。結果は良くないけど、次のレースを見据えている。このあと僕にとって良いコースがあるので、できるかぎり多くポイントをとりたい。選手権を戦う上でこれは重要なことだからね」
M・アンスティ選手談(6位/DNF:総合11位)
「この週末を通してずっとセッティングに手こずっていた。それでも第1ヒートでは6位に入ったが、第2ヒートではスタートが悪く、さらに転倒してクラッチレバーを壊してリタイアした。ここ数週間のことを思うと満足できないけど、僕らは皆、100%の力を注いているし、今それがうまく機能していないだけなんだ。今週、ばんばってスペインに向けていいフィーリングにしたいね」
P・ペトロフ選手談(15位/14位:総合13位)
「この週末はすごくがっかりしている。今回は地元GPのようなもので、コースも好きだし、トップ5に向けて争いたいと思っていた。でもこの週末を通して体調がよくなかった。何が問題なのかわからないけど、1周した後に疲労を感じて、エネルギーが残っていなかったんだ。ゲート位置が悪いと好スタートを決めるためにも、自身にとってもすごく不利になる。第2ヒートでは僕の前で転倒したライダーがいて、避けることができなかった。挽回するために全力を尽くしたんだけどね」