モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.03 3月30日 ブラジル
RACE DATA
■大会名称:2014年第3戦ブラジル・グランプリ
■カテゴリ:MXGP
■開催日:2014年3月30日
■開催地:ベト・カレロ
■周回数:第1ヒート=16周、第2ヒート=16周
REPORT
MXGP:ファン・フォルベークがブラジルで3位表彰台を獲得
全18戦で争われるFIMモトクロス世界選手権。その第3戦ブラジル・グランプリがベト・カルロで開催された。このレースで、Yamaha Factory RacingのJ・ファン・フォルベークがYZ450FMを駆って3週間前のタイに続き再び3位表彰台に立った。
ブラジルに移動したMXGPは、フロリアーノポリスの北に位置するテーマパークで3年連続での開催。ベト・カルロのコースはいつもの通り、コンパクトでジャンプが多く、ハードパックのレイアウトだが、雨などによりバンピーで、コーナーにはわだちが多いコースへと変えた。これによりテクニカルなレベルは上がり、ラップタイムは2分を超えることとなった。テクニカルなコースとムッとする気温(約30度)、そして湿気により、ライダーたちにとっては体力的にタフなグランプリとなった。
ファン・フォルベークは土曜日のフリープラクティスで3番手のタイムを記録すると、続くタイムドプラクティスではトップタイムをマーク。ところが予選ヒートではプッシュを続けるも4位でフィニッシュするにとどまった。それでもグリッドは充分に良い位置を確保し決勝へと臨んだ。
湿り気と粘りがあり、わだちの多いコースで、ファン・フォルベークは輝きを放ち、第1ヒート前半をリードする。その後、世界チャンピオン、T・カイローリ(KTM)に首位を明け渡したものの2位でゴール。3連続となるトップ3フィニッシュを果たした。そして第2ヒートで4位に入ったファン・フォルベークは今季2度目となる3位表彰台を獲得した。なお、ファン・フォルベークは、これまでの全6ヒートすべてでトップ5フィニッシュを果たしている。
Bike it Yamaha CosworthのR・ゴンサルビスは総合6位でグランプリを終えた。この日、優れていたのは第2ヒート。レース序盤の10位からポジションを3つ上げて7位でチェッカーフラッグを受けた。これにより、ヤマハ移籍後わずか3度目のグランプリながら、連続トップ10フィニッシュを決めた。
DP19 Racing YamahaのD・フィリッパーツは、土曜日の予選ヒート、第1コーナーで転倒を喫してしまう。やや不利な状況の中、追い上げを試みる元世界チャンピオンは、リアブレーキの破損でリタイアを余儀なくされ、決勝は厳しいグリッドからのスタートになってしまう。しかし、第1ヒートを今季最上位の9位でフィニッシュ。第2ヒートは14位でフィニッシュして総合成績では11位となり、今後の活躍に期待が持てる結果となった。
MX2:アンスティが2戦連続表彰台
Bike it Yamaha CosworthのM・アンスティが第3戦ブラジル・グランプリのMX2クラスでYZ250Fに乗り、3位表彰台に立った。特徴的な赤いハードパックの路面とコンパクトでジャンプの多いベト・カレロのコースは、英国の若手ライダー、アンスティにとって得意とするところで、その鋭いライディングで今季3戦中2度目のポディウムフィニッシュを果たした。
開幕2戦の舞台、カタール、タイからブラジルへと移動したヤマハだったが、C・シャリエの姿はなかった。シャリエは右脚の軽い手術からの回復に努めている。一方、3週間前にタイで今季初の表彰台を獲得し、その実力を見せたアンスティは、土曜日の予選ヒートで2位として決勝を迎えた。
短いものの強く降った日曜日の雨が、ベト・カレロのコーナーに多くのわだちと、難しいバンプを作ったが、アンスティはものともしない。第1ヒート、スタートで出遅れたものの、その後、6名のライダーによる2位争いに加わり、4位まで順位を上げてチェッカー。第2ヒートは混戦とはならなかったものの、アンスティは再び4位に入り、総合成績では3位を獲得し、MX2のランキングで4位と20ポイント差の7位につけている。
Kemea Yamaha RacingのP・ペトロフは、第1ヒートではスタートで大きく出遅れながら追い上げて8位に入ったが、第2ヒートはマシンのトラブルによりリタイアで、総合16位。一方、L・スタイクは、MX2初シーズンのベストリザルトとなる13位を獲得した。
開幕3戦を海外2大陸で終えたFIMモトクロス世界選手権はこの後、ヨーロッパに戻る。トレンティーノ・グランプリは2週間後にイタリアで開催される。
MXGP RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | ITA | 35'20.774 |
2 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0'15.869 |
3 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 0'20.205 |
4 | M・ナグル | Honda | GER | 0'23.385 |
5 | E・ボブリシェブ | Honda | RUS | 0'38.482 |
6 | G・ポラン | Kawasaki | FRA | 0'40.168 |
7 | T・ウォータース | Husqvarna | AUS | 0'40.489 |
8 | J・ローランツ | Honda | BEL | 0'42.346 |
9 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | 0'48.790 |
10 | R・ゴンサルビス | Yamaha | POR | 0'50.241 |
11 | J・ニコルス | KTM | GBR | 0'54.997 |
12 | X・ブー | Honda | FRA | 1'01.630 |
13 | K・ストライボス | Suzuki | BEL | 1'05.309 |
14 | S・フロサード | Kawasaki | FRA | 1'07.050 |
15 | S・シンプソン | KTM | GBR | 1'14.937 |
MXGP RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | ITA | 35'51.801 |
2 | G・ポラン | Kawasaki | FRA | 0'05.250 |
3 | C・ドゥサル | Suzuki | BEL | 0'08.899 |
4 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | BEL | 0'12.086 |
5 | M・ナグル | Honda | GER | 0'17.009 |
6 | K・ストライボス | Suzuki | BEL | 0'20.798 |
7 | R・ゴンサルビス | Yamaha | POR | 0'47.380 |
8 | M・カロ | KTM | LVA | 0'50.317 |
9 | S・フロサード | Kawasaki | FRA | 0'52.792 |
10 | T・ウォータース | Husqvarna | AUS | 0'55.113 |
11 | J・ローランツ | Honda | BEL | 1'01.671 |
12 | X・ブー | Honda | FRA | 1'13.104 |
13 | S・シンプソン | KTM | GBR | 1'13.768 |
14 | D・フィリッパーツ | Yamaha | ITA | 1'34.720 |
15 | J・ニコルス | KTM | GBR | 1'36.317 |
MXGP RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | 142 |
2 | J・ファン・フォルベーク | Yamaha | 112 |
3 | G・ポラン | Kawasaki | 112 |
4 | C・ドゥサル | Suzuki | 111 |
5 | M・ナグル | Honda | 110 |
6 | K・ストライボス | Suzuki | 73 |
11 | R・ゴンサルビス | Yamaha | 53 |
15 | D・フィリッパーツ | Yamaha | 36 |
26 | A・サベティファー | Yamaha | 2 |
MXGP CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 142 |
2 | Suzuki | 113 |
3 | Yamaha | 112 |
4 | Kawasaki | 112 |
5 | Honda | 110 |
6 | Husqvarna | 68 |
7 | TM | 52 |
MX2 RESULT Race.1
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・トーニュス | Kawasaki | CHE | 35'30.500 |
2 | D・フェランディス | Kawasaki | FRA | 0'13.621 |
3 | R・フェーブル | Husqvarna | FRA | 0'15.684 |
4 | M・アンスティ | Yamaha | GBR | 0'16.672 |
5 | G・コルデンホフ | Suzuki | NED | 0'26.901 |
6 | A・トンコフ | Husqvarna | RUS | 0'29.197 |
7 | V・ギヨ | KTM | CHE | 0'30.725 |
8 | P・ペトロフ | Yamaha | BGR | 0'33.119 |
9 | J・A・ブートロン | KTM | ESP | 0'35.951 |
10 | J・シーワー | Suzuki | CHE | 0'37.658 |
11 | T・ガイセル | Honda | SVN | 0'41.745 |
12 | J・ティクシエ | KTM | FRA | 0'51.388 |
13 | J・リーバー | Suzuki | BEL | 0'55.546 |
14 | L・スタイク | Yamaha | AUS | 1'40.143 |
15 | M・ポコック | KTM | GBR | 1'51.760 |
20 | M・クリングシェイム | Yamaha | NOR | -1Laps |
MX2 RESULT Race.2
順位 | ライダー | マシン | 国籍 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | G・コルデンホフ | Suzuki | NED | 36'33.018 |
2 | A・トーニュス | Kawasaki | CHE | 0'07.947 |
3 | T・ガイセル | Honda | SVN | 0'14.954 |
4 | M・アンスティ | Yamaha | GBR | 0'19.783 |
5 | V・ギヨ | KTM | CHE | 0'21.869 |
6 | J・シーワー | Suzuki | CHE | 0'35.115 |
7 | A・トンコフ | Husqvarna | RUS | 0'40.215 |
8 | A・ルピノ | Kawasaki | ITA | 0'41.676 |
9 | J・A・ブートロン | KTM | ESP | 0'42.322 |
10 | D・フェランディス | Kawasaki | FRA | 0'44.807 |
11 | R・フェーブル | Husqvarna | FRA | 0'57.573 |
12 | J・ティクシエ | KTM | FRA | 1'23.469 |
13 | M・ポコック | KTM | GBR | 1'43.976 |
14 | L・スタイク | Yamaha | AUS | 1'52.262 |
15 | J・リーバー | Suzuki | BEL | 2'00.691 |
18 | M・クリングシェイム | Yamaha | NOR | -1 Laps |
MX2 RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・トーニュス | Kawasaki | 112 |
2 | G・コルデンホフ | Suzuki | 110 |
3 | D・フェランディス | Kawasaki | 107 |
4 | J・ハーリングス | KTM | 97 |
5 | R・フェーブル | Husqvarna | 96 |
6 | A・トンコフ | Husqvarna | 87 |
7 | M・アンスティ | Yamaha | 77 |
16 | C・シャリエ | Yamaha | 32 |
18 | P・ペトロフ | Yamaha | 31 |
21 | M・クリングシェイム | Yamaha | 15 |
22 | L・スタイク | Yamaha | 14 |
24 | A・ルンドグレン | Yamaha | 5 |
MX2 CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Kawasaki | 130 |
2 | KTM | 127 |
3 | Suzuki | 110 |
4 | Husqvarna | 102 |
5 | Yamaha | 94 |
6 | Honda | 73 |
7 | TM | 6 |
COMMENT
MXGP:J・ファン・フォルベーク選手談(2位/4位:総合3位)
「このコースでのフィーリングが良く、週末はとてもうまくいった。チームは再びハードワークをしてくれて、バイクも素晴らしかった。第1ヒートでは好スタートを決めてレースをリードすることができ、楽な展開だった。何周かリードしていると、トニー(カイローリ)が後ろに来たが、フロントの動きが少しナーバスになっていたため、彼を先に行かせた。トップを走るのはまだ慣れていないけど、いずれ慣れるよ! それに慣れた時にはトップをキープすることができると確信している。第2ヒートはスタートで出遅れたので、攻めてなければならなかったが、11位あたりから4位まで挽回した。クレマン(ドゥサル)に追いついたけど、それから彼はさらにプッシュしたんだ。タフガイだよ。いずれにしても、また表彰台に立つことができた。今年はできる限りトップ5フィニッシュをしたいと思っていたけど、今はもう少し上を目指す必要があると考えている。地に足をつけてハードワークを続けたい。今年GPで1勝したいんだ」
MXGP:R・ゴンサルビス選手談(10位/7位:総合6位)
「今日はかなり良いスタートを決めて、力走したし、トップ10より少し上を走ることができてうれしいよ。第1ヒートではゴールまで残り2周となったところでゴーグルを捨てなければならなくなった。それで9位と8位から離れてしまい10位。第2ヒートのスタートはOKだったし、終盤に7位まで上がった。もちろんうれしいよ。カタールから良くなっているし、それを目指してきたからね。2014年に向けたスタートは遅れたけど、急速に追いついているし、これには期待が持てる。チームにはいくら感謝してもしきれない。すごい仕事をしてくれて、僕を100%サポートしてくれている」
MXGP:D・フィリッパーツ選手談(9位/14位:総合11位)
「疲れたけれど、第1ヒートには満足で、ライディングも良かった。第2ヒートはコーナーで少しタイムをロスしていて、トップ10前後のスピードで走っていた。少し疲労を感じていたし、手には水ぶくれができていた。バイクに乗り続け、速く走り続けるのはキツかった。完走することが重要だったんだ。バイクはすごく良く走ったし、これには満足している。かなりの作業をしたし、この2週間は約7時間のライディングをした。これで少し疲労がたまったのかもしれない。これからも僕らは目標に向かって集中しなければならない。どのレースでもトップ10フィニッシュをすることは間違いなく可能だということはわかっている」
MX2:M・アンスティ選手談(4位/4位:総合3位)
「スタートでホイールスピンさせてしまって第2ヒートは最後尾から追い上げなければならなかった。これでレースが厳しいものになったが、ここから懸命に走り続けて良いフィーリングを探っていった。タイから戻って、テストする機会があったけど、セットアップに関して、ここに来るまで、大きな進歩を感じている。スーパークロスでも、サンドコースでも、ハードパックでも、ロメル、あるいはイタリアでも、速く走れるだろう。これこそ僕がやりたいことだし、これから僕らがやろうとしていることなんだ」
MX2:L・スタイク選手談(14位/14位:総合13位)
「自分自身のコンディションはどんどん良くなっているし、初ポイントを獲得することができた。進歩の途上にあるのを感じており、まだまだ道のりは長いけど、近づいてはいるようだ」