モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.17 9月8日 オランダ
RACE DATA
■大会名称:2013モトクロス世界選手権第17戦オランダGP
■カテゴリ:MX1
■開催日:2013年9月8日(日)
■開催地:リーロップ(コース長1,875m)
■周回数:第1ヒート=16周、第2ヒート=17周
■天候:ドライ
■観客数:17,000人
REPORT
シンプソン、MX1で歴史的な勝利
オランダ、リーロップのサンドコースで開催されたFIMモトクロス世界選手権最終戦で、ストックのYZ450Fを駆ったJKレーシングのS・シンプソンが、両ヒートをそれぞれ1位と3位でフィニッシュ。自身初、また英国人ライダーとしては2007年以来となるMX1での勝利を飾った。シンプソンはスコットランド出身の25歳で、サンドコースで卓越した技術を誇る。セットアップが決まったバイクのフィーリングも良く、2014年には「MXGP」となるこのカテゴリー最後のレースで敵なしの強さを示した。
このところのレースで見事なパフォーマンスを示して注目されていたシンプソンは、土曜日の予選ヒートでる。シンプソンはわずかなミスを冒しながらもグランプリのスタートゲートのポジションとしては自己ベストとなる位置を手に入れた。 シンプソンの好調ぶりは日曜日にも変ることはなく、両ヒートともあざやかなスタートを見せるとレース序盤にトップグループに就け、自信あふれるライディングで力走する。第1ヒートではA・カイローリ(KTM)とバトルを演じる。そのカイローリはゴールまで残り2周となったところで転倒し、勝負が決まった。
MX1参戦3年目にして初のヒート優勝(MX2では2009年ファルケンスワールトで既に1勝)に歓喜し、第2ヒートのスタートライン上で爆音を上げて熱い思いをあらわにするシンプソンだったが、軽い転倒を喫し、8位まで後退してしまう。そこから追い上げを見せるゼッケン「24」、シンプソンは5人のライダーによる激しい2位争いに加わる。3位に入れば総合優勝が決まるシンプソンは確実に走り、K・デ・ディッカー(KTM)の先行を許し、そのまま3番手でフィニッシュラインを通過した。
シンプソンにより2013年初優勝がヤマハにもたらされ、45ポイントを獲得したシンプソン自身も選手権ランキングで9位まで浮上した。
モンスターエナジー・ヤマハのJ・ローランツは12位でシーズンをしめくくった。最上級カテゴリーで厳しい初年度を戦うローランツには不安もあったが、ワークスYZ450FMを駆って積極的にプッシュ。転倒を喫しながらも第1ヒートで8位。第2ヒートは何度か転倒し、リタイアに終わり、MX1ランキングは12位となった。
シンプソンはこの後、9月28~29日にドイツのトイチェンタルで開催されるモトクロス・オブ・ネイションズにイギリスを代表して参加する。41カ国が参加し、世界中からファンが詰めかけるシーズン最後に行われる伝統の一戦だ。
MXGP RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | S・シンプソン | GBR | Yamaha | 41'15.958 |
2 | K・ストライボス | BEL | Suzuki | 0'21.348 |
3 | E・ボブリシェブ | RUS | Honda | 0'41.170 |
4 | A・カイローリ | ITA | KTM | 0'58.008 |
5 | K・デ・ディッカー | BEL | KTM | 1'12.295 |
6 | J・v・ホービーク | BEL | Kawasaki | 2'00.071 |
7 | T・サール | GBR | Kawasaki | 2'10.185 |
8 | J・ローランツ | BEL | Yamaha | 2'18.160 |
9 | G・ポラン | FRA | Kawasaki | 3'12.542 |
10 | M・ド・ルーバー | NED | Honda | -1 Laps |
11 | R・サティンク | NED | Yamaha | -1 Laps |
12 | C・ドゥサル | BEL | Suzuki | -1 Laps |
13 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | -1 Laps |
14 | M・カロ | LVA | KTM | -1 Laps |
15 | A・ジャスツ | LVA | Honda | -1 Laps |
16 | M・パシンスキー | UKR | KTM | -1 Laps |
17 | D・フィリッパーツ | ITA | Honda | -1 Laps |
18 | J・バラガン | ESP | KTM | -1 Laps |
19 | L・レヒトラ | EST | KTM | -2 Laps |
20 | T・レオク | EST | TM | -2 Laps |
MXGP RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | ITA | KTM | 41'26.990 |
2 | K・ストライボス | BEL | Suzuki | 0'53.200 |
3 | S・シンプソン | GBR | Yamaha | 1'00.939 |
4 | K・デ・ディッカー | BEL | KTM | 1'12.036 |
5 | E・ボブリシェブ | RUS | Honda | 1'13.573 |
6 | C・ドゥサル | BEL | Suzuki | 1'18.145 |
7 | G・ポラン | FRA | Kawasaki | 1'30.775 |
8 | T・サール | GBR | Kawasaki | 1'41.253 |
9 | T・レオク | EST | TM | 1'55.460 |
10 | J・v・ホービーク | BEL | Kawasaki | -1 Laps |
11 | D・フィリッパーツ | ITA | Honda | -1 Laps |
12 | M・カロ | LVA | KTM | -1 Laps |
13 | R・サティンク | NED | Yamaha | -1 Laps |
14 | A・ジャスツ | LVA | Honda | -1 Laps |
15 | N・トリエスト | BEL | KTM | -2 Laps |
16 | M・パシンスキー | UKR | KTM | -2 Laps |
17 | L・レヒトラ | EST | KTM | -2 Laps |
18 | J・ローランツ | BEL | Yamaha | -8 Laps |
19 | R・ゴンカルブス | POR | KTM | -10 Laps |
20 | M・ド・ルーバー | NED | Honda | -13 Laps |
MXGP RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | 761 |
2 | C・ドゥサル | Suzuki | 671 |
3 | K・デ・ディッカー | KTM | 607 |
4 | K・ストライボス | Suzuki | 553 |
5 | G・ポラン | Kawasaki | 539 |
6 | T・サール | Kawasaki | 487 |
9 | S・シンプソン | Yamaha | 316 |
12 | J・ローランツ | Yamaha | 265 |
20 | M・ポティゼク | Yamaha | 87 |
21 | H・ブラッケ | Yamaha | 61 |
22 | S・フロサード | Yamaha | 60 |
30 | R・サティンク | Yamaha | 18 |
34 | B・マッケンジー | Yamaha | 12 |
48 | S・ダミ | Yamaha | 7 |
56 | L・レオンス | Yamaha | 4 |
62 | 伊藤正憲 | Yamaha | 2 |
MXGP CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 788 |
2 | Suzuki | 719 |
3 | Kawasaki | 649 |
4 | Honda | 538 |
5 | Yamaha | 367 |
6 | TM | 254 |
7 | Aprilia | 3 |
COMMENT
S・シンプソン選手談(1位/3位:総合1位)
「今日はこれまでの自分のキャリアの中で間違いなく最高の日だ。MX2では勝ったことがあるし、MX1で表彰台に立ったこともあるけど、最上段は一度もなかった。実際、信じられないよ。シーズン途中からバイクをヤマハに変更したけど、セットアップをどうすればよいかは昨年から正確に理解していた。WPサスペンションを使っていたけど、これはMX2時代のものをよく覚えているし、あれからエンジンが大きく進歩している。現時点でバイクは僕にとって完璧だ。特にサンドコースでそれが言える。第2ヒートにそれが現れた。1周目に転倒して8位まで落ちたけど、ドゥサルをパスして、それからケン(デ・ディッカー)が来た。エキサイティングなレースだった。フィニッシュラインを通過した時は、まだ自分がGPに勝ったのかどうかわからなかった。親父が2ラップに渡ってピットサインを出さなかったからなんだ。「予定通りにやってくれよ!」って思っていた。興奮の第2ヒートだった。今どんな感じなのか、表現できないよ」
J・ローランツ選手談(8位/18位:総合12位)
「シーズンのしめくくり方としては最高ではないね。第1ヒートの第2コーナーで転倒してしまって、ベストを尽くしたけど8位まで上がるのが精一杯だった。第2ヒートのスタートはかなり良かったけどまた転倒。その後何十回も転倒しそうになった。プッシュしようとすると、あいまいな感じがして、ちゃんと走れなかった。大きく遅れていたし、やめた方がいいと思った。今年はタフな一年だった。チームは僕にすごく誠実に対応してくれたと思う。もっとうまくやれなかったことが残念だよ」