モトクロス世界選手権 MXGP

RACE DATA

■2008モトクロス世界選手権第12戦チェコGP
■カテゴリ：MX1クラス
■開催日：2008年8月10日（日）
■会場：ロケット(1周1.630km)
■周回数：ヒート1＝21周、ヒート2＝21周
■天候：晴　■気温：28度
■観客数：28,000人

REPORT

フィリッパエルツ、ランキング首位に再浮上！

ヤマハ・モンスター・モトクロス・チームのD・フィリッパエルツが今季2勝目の総合優勝を飾り、ランキング首位に再浮上した。チームメイトのJ・コピンズは不運に見舞われ、総合9位だった。シリーズ戦は残り3戦。

先週のベルギーGPでの深いサンドコースとは対照的に、今回はハードで滑りやすい高速コース。複雑なレイアウトではないが、高低差を活かした変化に富むコースでの競技に、28,000人の観客が歓声を送った。

ヤマハ・モンスター・モトクロス・チームでは、YZ450FMに幾つかの変更を施し今大会に臨んだ。エンジン関連の新パーツは低速域でのパワーに貢献し、特にコピンズがこれに満足。予選では3番手をキープして周回、最終的に4番手となったが今年の予選結果としては最高成績で決勝に駒を進めた。フィリッパエルツは、最初のフリー走行では最速タイムを記録したが、予選ではクリアラップがとれず11位に終わっていた。

曇り空、ドライで迎えた決勝第1ヒート、フィリッパエルツは今季最高と言えるパフォーマンスを披露。オープニングラップでT・レオク（カワサキ）と絡んで転倒して20位以下に後退するが、マシンを起こして再スタート。大きくラインを取った走りで果敢な追い上げを開始し、見る見るうちに順位を挽回。5周目にはファステストラップを記録すると、コピンズ、そしてタイトル争いでのライバルS・ラモン（スズキ）をも抜き去り3番手まで挽回してゴールした。第2ヒート、1周目にリードを奪ったフィリッパエルツは、そのまま2位S・プーセル（カワサキ）以下にアドバンテージを築き、独走して最初にチェッカーを受ける。これで今季2度目の総合優勝を手にした。

第1ヒートの序盤3番手争いに食い込んでいたコピンズは、2周目に小石がゴーグルに当たり、その後はゴーグルなしでの走行を余儀なくされたが、ライバル達と同じペースでラップ。7位でゴールした。第2ヒートでは、ジャンプ時に誤ってギアをニュートラルに入れてしまい後退し10位でゴールした。

COMMENT

D・フィリッパエルツ選手談（3位/優勝：総合優勝）

「僕にとって素晴らしい勝利。第1ヒートではミスで転倒。それからはハードに追い上げて多くのライダーを抜いた。とても難しいコースだが、良いラインを選んで走った。チームでは、マシンを完璧に仕上げてくれていたので、追い上げることが出来た。僕の目標は、少なくともラモンに追いつくことだったが、良いペースで乗れることが出来て3位に入れた。第2ヒートでは、1・2度危ないところがあったが、リードしてからはリズムよくラップタイムを刻むことができていいレースだった。シリーズ戦は残り3戦となったが、可能な限り最高の結果で終われるように、毎回頑張っていきたい」

J・コピンズ選手談（7位/10位：総合9位）

「正直、大きな怪我をせずに済んだのでよかった。第2ヒートのあの転倒は、僕にとっては大きな転倒、負傷しなかったのは本当にラッキー。このコースはあまり相性がよくないのかも？全体として期待はずれの1日だった。第1ヒートでは石が飛んで来てゴーグルに命中したんだ。第2ヒートも苦戦。路面のギャップがよく見えなかったし前方が曇って見えて危険な場面もあった。ジャンプ時に誤ってニュートラルに入れて、僕の身体はハンドルを飛び越え、このヒートは殆ど終わった。パンツが引き裂かれバックルを壊してしまい、ベルトは何処かへ行ってしまった。切り傷と打撲があって、今かなり痛みを感じている。シリーズ戦はまだ残っており、次の大会までモチベーションをキープして頑張りたい」