モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.10 7月20日 南アフリカ
RACE DATA
■2008モトクロス世界選手権第10戦南アフリカGP
■カテゴリ:MX1クラス
■開催日:2008年7月20日(日)
■会場:ネルスプライ
■周回数/ヒート1=20周、ヒート2=20周
■天候:晴れ ■観客数:20,000人
REPORT
フィリッパエルツ、南アフリカGPで4位に
ネルスプライ・サーキットに20,000人の観客を集めて開催された南アフリカ・グランプリで、ヤマハ・モンスター・モトクロス・チームのD・フィリッパエルツが4位でフィニッシュ、選手権ポイントランキングで首位を守った。同じくYZ450FMを駆ったJ・コピンズは6位に入りランキング3位をキープした。
全15戦で争われるこの世界選手権が南半球を訪れるのは2006年以来。ネルスプライ・サーキットは世界選手権のために特別に準備されたコース。ナローでツイスティなレイアウトで、数多くの鋭角ターンにジャンプなどのテクニカルな部分が組み合わされている。深い赤色のダートはソフトとラフの間で変化があり、ハードで滑りやすい路面を形成している。ライダーにとって最大の障害は午後の低い太陽から照りつける陽射しで、コース上に多くの影をつくり、これが路面のわだちやジャンプの踏み切り地点を隠している。まぶしい光もジャンプには障害となる。
肋骨の負傷から多少なりとも回復しているフィリッパエルツは、両ヒートともまずまずのスタートでトップ5前後につける。第1ヒート、4位から見事なライディングで追い上げるフィリッパエルツは、終盤にはトップを行くS・ラモン(スズキ)に迫る。しかし、パスするまでには至らずフィリッパエルツは2位でゴールした。
第2ヒートでは時にコピンズと並び、6位以内につけて走行。照りつける陽射しと周回遅れのライダーに手こずるラモンを抜いたフィリッパエルツは6位でフィニッシュした。惜しくも1ポイント差で今季7度目のトロフィーを逃した。
ヤマハとの契約を更新し、2009年もチームで走ることになったばかりのコピンズだったが、またしても第1コーナーで不運に見舞われる。S・プーセル(カワサキ)と絡んだコピンズは、ほぼ最後尾まで順位を落としてしまう。その後、ラインどりを慎重に見ながら追い上げるコピンズは9位まで順位を上げたところでフィニッシュした。第2ヒートでは3位に入ったプーセルを常に追い、これに続く4位でゴール。厳しいコンディションで臨んだコピンズは最速ラップも記録。高いパフォーマンスを見せた。ヤマハ・モンスター・モトクロス・チームのライダーが表彰台に上がらないのは今季2度目となった。
フィリッパエルツは選手権ポイントランキングで2位のラモンに11ポイント、3位のコピンズに23ポイントのアドバンテージを築いている。4位のK・デ・ディッカー(スズキ)とは43ポイント差だ。また、10戦を終えて、ヤマハは2位に16ポイントの差をつけてマニュファクチャラー部門をリードしている。第11戦はサンドコースのロンメル・サーキットで開催されるベルギーGP。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 40'20.469 |
2 | D・フィリッパエルツ | ITA | Yamaha | +0'02.441 |
3 | J・バラガン | ESP | KTM | +0'05.874 |
4 | M・ナグル | GER | KTM | +0'09.979 |
5 | K・デ・ディッカー | BEL | Suzuki | +0'18.428 |
6 | T・レオク | EST | Kawasaki | +0'19.584 |
7 | B・マッケンジー | GBR | Honda | +0'21.389 |
8 | S・プーセル | FRA | Kawasaki | +0'51.965 |
9 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | +0'57.055 |
10 | M・プリエム | BEL | Kawasaki | +0'57.055 |
11 | J・ビル | CHE | Honda | +1'13.389 |
12 | M・シファー | GER | KTM | +1'44.019 |
13 | S・ボニフェイス | FRA | Honda | +1'52.455 |
14 | J・ノーブル | GBR | KTM | +1'55.312 |
15 | C・カンパーノ | ESP | Yamaha | +2'15.088 |
16 | T・チャーチ | GBR | Kawasaki | -1 Laps |
17 | R・ヴァン・デー・ウエストウイゼン | RSA | Suzuki | -1 Laps |
18 | A・レイナード | RSA | Yamaha | -2 Laps |
19 | B・ウイーラー | RSA | Suzuki | -2 Laps |
20 | K・ブラウン | RSA | KTM | -2 Laps |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・バラガン | ESP | KTM | 40'35.152 |
2 | M・ナグル | GER | KTM | +0'03.151 |
3 | S・プーセル | FRA | Kawasaki | +0'06.255 |
4 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | +0'07.594 |
5 | B・マッケンジー | GBR | Honda | +0'12.794 |
6 | D・フィリッパエルツ | ITA | Yamaha | +0'18.663 |
7 | K・デ・ディッカー | BEL | Suzuki | +0'35.635 |
8 | S・ラモン | BEL | Suzuki | +0'36.797 |
9 | M・プリエム | BEL | Kawasaki | +1'18.244 |
10 | C・ドゥサル | BEL | Suzuki | +1'23.337 |
11 | T・レオク | EST | Kawasaki | +1'28.326 |
12 | M・シファー | GER | KTM | +1'37.322 |
13 | S・ボニフェイス | FRA | Honda | +1'42.692 |
14 | J・ノーブル | GBR | KTM | +-1 Laps |
15 | T・チャーチ | GBR | Kawasaki | -1 Laps |
16 | C・カンパーノ | ESP | Yamaha | -1 Laps |
17 | R・ヴァン・デー・ウエストウイゼン | RSA | Suzuki | -1 Laps |
18 | B・ウイーラー | RSA | Suzuki | -2 Laps |
19 | J・デ・ブルーイン | RSA | Yamaha | -2 Laps |
20 | A・レイナード | RSA | Yamaha | -2 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | D・フィリッパエルツ | Yamaha | 339 |
2 | S・ラモン | Suzuki | 328 |
3 | J・コピンズ | Yamaha | 316 |
4 | K・デ・ディッカー | Suzuki | 296 |
5 | J・バラガン | KTM | 284 |
6 | S・プーセル | Kawasaki | 274 |
16 | A・レオク | Yamaha | 97 |
21 | C・カンパーノ | Yamaha | 42 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 395 |
2 | Suzuki | 379 |
3 | KTM | 364 |
4 | Kawasaki | 350 |
5 | Honda | 314 |
6 | TM | 31 |
7 | Aprilia | 5 |
COMMENT
D・フィリッパエルツ選手談(2位/4位:総合4位)
「1ポイント差で表彰台を逃したが第1ヒートはいいレースをしたし、軽い負傷をいくつかした後で、身体的なコンディションが良くなっていることが証明できた。第2ヒートでは早い段階でやや疲れてしまい、陽射しの影響でラインを見つけるのが難しかった。20分程経過したところで、フィーリングがやや良くなり、プッシュしてマッケンジーを抜いたが、周回遅れのライダーがたくさんいたので大変だった。転倒したくなかったし、既にラモンをパスしていた。次のロンメルでは強力に走れると思う。選手権のためには今はすべてのグランプリが重要なので、良い位置を見つけて、ラモンよりも可能な限り前でフィニッシュしたい」
J・コピンズ選手談(9位/4位:総合6位)
「3ヒート連続してほとんど最後尾からスタートするはめになった。自分に速さがあることはわかっているけど、この3ヒートでかなりのポイントをロスしてしまった。今日の第2ヒートでは、少し注意してスタートし、自分のコーナリングをして、自分のレースをすることにしたんだ。トップ10内につけて、それから追い抜きを開始した。これは必ずしも自分が望んだレースの仕方ではない。気に入る部分もあるし、気に入らない部分もある。第2ヒートは良かった。スタートがうまくできればタイトルに向けて再びプッシュすることができると思う」
レーシングマネージャー、M・ラスパンティ談
「決して楽なグランプリではなかったが、デビッドが良いスタートを決めて両ヒートとも6位以内でゴールしたのには満足している。第1ヒートでマッケンジーを抜くのに時間がかかり過ぎ、多くのエネルギーを消耗した。速さはあったし、ラモンに非常に接近していたので、もっと早く前に出ていれば勝てただろう。第2ヒートでも良いライディングをしていたが、少々疲労してしまった。ミスはしなかったので選手権を考えると結果は良かった。ジョシュはまたしてもスタート直後に転倒してしまった。その後追い上げなければならなくなり、厳しい展開になった。第2ヒートは良くなった。スタートでリスクを冒さないようにしたが、すぐに速さを取り戻した。実際に最速ラップを記録している。体力的に強いことをこれが示している。この週末は良く組織できていたし準備も良かった。全体的には満足できる」