モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.08 6月29日 ドイツ
RACE DATA
■2008モトクロス世界選手権第8戦ドイツGP
■カテゴリ:MX1クラス
■開催日:2008年6月29日(日)
■会場:トイチェンタル
■周回数:ヒート1=18周、ヒート2=18周
■天候:晴れ ■観客数:34,000人
REPORT
コピンズが今季初優勝!ヤマハがランキング1・2位で選手権をリード
第8戦ドイツGPでヤマハ・モンスター・モトクロス・チームのJ・コピンズが両ヒートを制し、今季初勝利を挙げた。コピンズのGP勝利は2007年ブルガリアGP以来、また両ヒート優勝は14ヵ月前のマントヴァ以来。D・フィリッパエルツは4位に入りランキング1位を守った。この結果YZ450FMを駆るライダーがランキング1、2位を占め、マニュファクチャー部門でも2位に19ポイント差でヤマハが1位となっている。
コースは高低差があり、そり返るようなターンが続くレイアウト。路面はハードなダートで滑りやすく、石がごろごろしている。好天に恵まれる中、34,000人のファンが詰め掛けた。
フィリッパエルツとコピンズはともにプラクティスから好調で、選手権ランキングで首位を行くフィリッパエルツはフリー走行第2セッションで最速タイムをマークした。タイムドプラクティスでも2台のYZ450FMは常に上位に位置し、コピンズは4位、フィリッパエルツはポールポジションからコンマ5秒遅れの7位に入った。
コピンズは両ヒートとも好スタートを決め、レース序盤トップ3以内につける。前戦のフランスGPを2位で終えているコピンズは、両ヒートともうまく走りをコントロールし、アドバンテージを維持した。地元のM・ナグル(KTM)は第2ヒートではコピンズに2秒以内の僅差で続くが、コピンズはトップでゴールした。
フィリッパエルツは第1ヒート、平凡なスタートでトップ10の後半からの追い上げを強いられる。フィリッパエルツの速いラップタイムに、何人かのライダーがミスしたことも手伝い、3位まで浮上し、ラスト2周では2位を行くS・ラモン(スズキ)に追いつき、プレッシャーをかけた。
第2ヒートでもスタートで出遅れたフィリッパエルツ。2週間前のフランスで転倒した際に痛めた肋骨の状態が悪化し、呼吸も苦しいという状況となっていた。6位でゴールしたフィリッパエルツは総合成績で上位3位までに入ることを逃したが、ランキングトップを維持した。
S・ラモン(スズキ)は転倒し、18位でゴールしたが、依然タイトル争いに残っている。
Yamaha Van BeersのA・レオクは両ヒートをそれぞれ9位と8位で終え、総合成績では今季最高となる7位に入った。
UTag Yamaha.comのK・グンダーセンは4月の開幕戦で負傷した膝の手術から回復し、サイクリングと軽いトレーニングを開始した。シーズン終了前のレース復帰もあり得るだろう。
ランキングではフェリッパエルツが2位のコピンズに4ポイント、3位のラモンに16ポイントの差でリードしている。次は来週開催される第9戦スウェーデンGPだ。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | 39'32.337 |
2 | S・ラモン | BEL | Suzuki | +0'03.070 |
3 | D・フィリッパエルツ | ITA | Yamaha | +0'06.896 |
4 | K・デ・ディッカー | BEL | Suzuki | +0'11.101 |
5 | J・ビル | CHE | Honda | +0'14.773 |
6 | T・レオク | EST | Kawasaki | +0'25.707 |
7 | S・プーセル | FRA | Kawasaki | +0'41.215 |
8 | M・プリエム | BEL | Kawasaki | +0'43.714 |
9 | A・レオク | EST | Yamaha | +0'47.859 |
10 | C・ドゥサル | BEL | Suzuki | +0'53.196 |
11 | K・ネメス | HUN | KTM | +0'55.972 |
12 | A・サルビーニ | ITA | Suzuki | +0'59.697 |
13 | L・コレイラ | POR | Yamaha | +1'01.435 |
14 | J・バラガン | ESP | KTM | +1'10.148 |
15 | B・マッケンジー | GBR | Honda | +1'11.334 |
16 | C・カンパーノ | ESP | Yamaha | +1'18.406 |
17 | C・メロット | BEL | Aprilia | +1'22.257 |
18 | B・アンダーソン | GBR | Suzuki | +1'24.362 |
19 | L・レオンス | FRA | Yamaha | +1'38.600 |
20 | T・チャーチ | GBR | Kawasaki | +1'52.977 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | 40'27.188 |
2 | K・デ・ディッカー | BEL | Suzuki | +0'07.806 |
3 | T・レオク | EST | Kawasaki | +0'10.916 |
4 | M・ナグル | GER | KTM | +0'18.247 |
5 | S・プーセル | FRA | Kawasaki | +0'28.423 |
6 | D・フィリッパエルツ | ITA | Yamaha | +0'31.971 |
7 | J・ビル | CHE | Honda | +0'37.039 |
8 | A・レオク | EST | Yamaha | +0'44.990 |
9 | M・プリエム | BEL | Kawasaki | +0'51.781 |
10 | B・マッケンジー | GBR | Honda | +1'01.592 |
11 | C・カンパーノ | ESP | Yamaha | +1'10.237 |
12 | A・サルビーニ | ITA | Suzuki | +1'16.744 |
13 | C・ドゥサル | BEL | Suzuki | +1'21.679 |
14 | B・アンダーソン | GBR | Suzuki | +1'26.075 |
15 | M・シファー | GER | KTM | +1'35.770 |
16 | S・コロンブ | NZL | Suzuki | +1'39.564 |
17 | L・フレイバーグス | LVA | Yamaha | +1'42.011 |
18 | S・ラモン | BEL | Suzuki | +1'46.550 |
19 | T・チャーチ | GBR | Kawasaki | +1'56.662 |
20 | K・ネメス | HUN | KTM | +1'59.599 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | D・フィリッパエルツ | Yamaha | 266 |
2 | J・コピンズ | Yamaha | 262 |
3 | S・ラモン | Suzuki | 250 |
4 | K・デ・ディッカー | Suzuki | 240 |
5 | S・プーセル | Kawasaki | 231 |
6 | J・バラガン | KTM | 192 |
16 | A・レオク | Yamaha | 85 |
23 | C・カンパーノ | Yamaha | 30 |
26 | L・フレイバーグス | Yamaha | 22 |
27 | S・ボニフェイス | Yamaha | 22 |
33 | L・レオンス | Yamaha | 8 |
34 | L・コレイラ | Yamaha | 8 |
36 | W・スミス | Yamaha | 5 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 319 |
2 | Suzuki | 300 |
3 | Kawasaki | 292 |
4 | KTM | 269 |
5 | Honda | 247 |
6 | TM | 31 |
7 | Aprilia | 5 |
COMMENT
J・コピンズ選手談(優勝/優勝:総合優勝)
「この勝利にはたくさんの思いがあるし、今日はすごくハッピーだ。支えてくれた人たち全員にお礼を言いたい。結果は僕ら全員が予想していたものではなく、厳しい時もあったが、がんばって来たし、結果はついてくると思っていた。実際にチームにそう約束もしていた。最後にダブルウインを記したのは2007年のマントヴァだが、正直言って最後に勝ったことさえずいぶん前のことのように思える。この感じを取り戻せたのは良かったし、これからのトレーニングがずっとやりやすくなる。わずか2レース前までたしか54ポイントの差をつけられていたというのに、選手権はずいぶん違った様相を呈して来た。
自分が記した大きなステップは、トレーニングとアプローチだ。つまり、メカニックと緊密に作業をし、適切なコースで適切なトレーニングを行うこと。今日について言えば、コースにかなり水がまかれて、すごく滑りやすかったし、危険でさえあった。マッケンジーがリードしたが、負傷後の彼があのペースでずっと走り続けることはできないことはわかっていた。セバスチャン(プーセル)もいたが、やれると思っていた。一番の気がかりはマックス(ナグル)で、彼は第1ヒートをやっていなかったし、観客も彼の応援をしていたから。でも僕は自分自身のレースを考えていたし、うまく行っていた。このレースに新しいエキゾーストパイプを導入したが、これによってパワーが少しアップしたので、良かった」
D・フィリッパエルツ選手談(3位/6位:総合4位)
「コースは、特に追い越しが難しかったし、すごく暑かったので、この結果にはかなり満足している。第1ヒートのスタートは遅すぎたが、ライディングは良かった。ラモンを捉えようとハードにプッシュしたけど、抜くには彼は速すぎた。第2ヒートのスタートも同様だったが、2、3ラップして肋骨の痛みがひどくなった。恐らくフランスでの転倒で骨折したかヒビが入ったのだと思う。このGPまでも辛かったが、レース中にそれが悪化したのだと思う。処置が必要か様子を見なければならないだろう。プーセルはちょっと速すぎたし、自分のペースを上げられないことはわかっていたので、ポイントを考えて走ることにした。ジョシュ(コピンズ)は選手権で2位に上がって来たし、フィーリングは100%だ。今、すごくコンペティティブだが、まだ多くのレースが残っているし、ポイントも同様だ。ヤマハにとってもチームにとっても僕らがこの位置に居ることは素晴らしいことだ。バイクはすごく気に入っているし、ライディングしやすく速い。最高の1台であることは間違いない。ヤマハはすごく助けてくれているし、今の状況をとてもうれしく思っている」
レーシングマネージャー、M・ラスパンティ談
「ジョシュにとってすごい勝利だし、ランキングで1、2位を占めていることは、もちろんチームにとって素晴らしいことだ。ジョシュとデビッドの順位がどうであろうと我々は気にしないが、この位置につけていることに満足している。ジョシュはフランスから進歩を続けているし、とてもハードワークをしているので、我々はとても満足している。デビッドは序盤、他のライダーを抜くのに手間取った。これは容易ではないからね。だが、彼はその後ベストタイムをマークして3位でゴールしたのは良かった。第2ヒートでもベストスタートとは行かなかったし、彼はやや疲労を感じて、肋骨に痛みを覚えた。結果は悪くなく、ランキング1位を守った。このレースで、我々はパワーを上げる新しいエキゾーストパイプを試し、ライダーからの反応は良い」