モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.07 6月15日 フランス
RACE DATA
■2008モトクロス世界選手権第7戦フランスGP
■カテゴリ:MX1クラス
■開催日:2008年6月15日(日)
■会場:サンジャンダンジェリ
■周回数:ヒート1=21周、ヒート2=21周
■天候:曇り ■気温:19度
■観客数:30,000人
REPORT
コピンズが総合2位に入る!
ヤマハ・モンスター・モトクロス・チームのJ・コピンズがYZ450FMを駆り総合2位で表彰台を獲得した。チームメイトでランキングトップのD・フ ィリッパエルツは第2ヒートで完走できず、総合18位となりアンラッキーな1日となった。
西海岸のラロシェル近くに位置するこのサンジャンダンジェリは固い土でタフなバンプがあるため難しいコースだ。また石が多く滑りやすいコースのため、土曜日のプラクティスから何人ものライダーが普段とは異なるサスペンションとタイヤのコンビネーションを試していた。
決勝の第1ヒート、コピンズとフィリッパエルツは2人とも素晴らしいスタートを決めて、序盤でそれぞれトップのS・ラモン(スズキ)に続く2番手と3番手につける。好調に見えたフィリッパエルツだがジャンプの着地に失敗してクラッシュしてしまう。左手を痛め、さらには頭部を打ちながらも走行を続け13位でフィニッシュした。2番手のコピンズはトップのラモンが急勾配の下り坂でミスをしてフェンスに激突した隙に今季初めてトップの座につく。しかしコピンズがターンの際、プラスチックのフェンスがリアホイールに絡まってしまう。すぐに走り出すがリアブレーキが利かなくなり、後ろからはS・プーセル(カワサキ)が迫ってきた。残り3周となったところでコピンズはかわされてそのまま2位でフィニッシュ。今季最高の順位でのゴールとなった。
コピンズは第2ヒートでも好調で2周目には3番手に上がり、17周をかけて徐々に2番手のラモンに迫っていく。そしてラモンをかわして2位フィニッシュを決めた。
第2ヒートでは痛み止めを摂取して挑んだフィリッパエルツにとって、タイトルを争うラモンが第1レースでクラッシュを喫して11位でフィニッシュしたことが少しは励みになったかもしれない。フィリッパエルツは序盤、リズムを掴めずトップグループには入り込めないが、やがて14番手から7番手にまで順位を上げる見事な走りを見せる。その後C・ドゥサル(スズキ)に接触されるが彼をかわして6番手に浮上。しかし、接触の衝撃で右のフットペグが破損する。フィリッパエルツは走行を続けようとするが3周を残してリタイヤを余儀なくされた。フィリッパエルツが表彰台を逃したのは第1戦以来となった。
チームはイタリアに戻り第8戦ドイツGPに備える。コピンズは来週行われるベルギー選手権への参戦を予定している。フィピッパエルツは怪我の状況を調べるため月曜日にスキャンを行う予定だ。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | S・プーセル | FRA | Kawasaki | 40'09.573 |
2 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | +0'01.852 |
3 | J・バラガン | ESP | KTM | +0'12.558 |
4 | T・レオク | EST | Kawasaki | +0'24.687 |
5 | M・ナグル | GER | KTM | +0'30.167 |
6 | K・デ・ディッカー | BEL | Suzuki | +0'36.921 |
7 | C・ドゥサル | BEL | Suzuki | +0'38.867 |
8 | K・ネメス | HUN | KTM | +0'41.501 |
9 | M・プリエム | BEL | Kawasaki | +0'42.356 |
10 | J・ビル | CHE | Honda | +0'42.965 |
11 | S・ラモン | BEL | Suzuki | +1'00.740 |
12 | M・ブラウン | USA | Honda | +1'06.258 |
13 | D・フィリッパエルツ | ITA | Yamaha | +1'20.482 |
14 | J・バンニ | FRA | KTM | +1'23.776 |
15 | S・ボニフェイス | FRA | Yamaha | +1'24.158 |
16 | J・ノーブル | GBR | KTM | +1'26.123 |
17 | T・チャーチ | GBR | Kawasaki | +1'36.120 |
18 | S・コラム | NZL | Suzuki | +1'42.789 |
19 | C・コーロン | FRA | Honda | -1 Laps |
20 | A・キオディ | ITA | TM | -1 Laps |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | S・プーセル | FRA | Kawasaki | 40'04.650 |
2 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | +0'01.808 |
3 | S・ラモン | BEL | Suzuki | +0'03.113 |
4 | M・ド・ルーバー | NED | Honda | +0'05.073 |
5 | S・ボニフェイス | FRA | Yamaha | +0'25.684 |
6 | J・バラガン | ESP | KTM | +0'32.074 |
7 | J・ビル | CHE | Honda | +0'36.325 |
8 | M・ナグル | GER | KTM | +0'39.053 |
9 | J・ノーブル | GBR | KTM | +0'41.808 |
10 | M・ブラウン | USA | Honda | +0'50.236 |
11 | K・デ・ディッカー | BEL | Suzuki | +1'00.086 |
12 | M・プリエム | BEL | Kawasaki | +1'05.810 |
13 | C・コーロ | FRA | Honda | 1'20.009 |
14 | B・アンダーソン | GBR | Suzuki | +1'23.458 |
15 | C・ドゥサル | BEL | Suzuki | +1'26.651 |
16 | T・チャーチ | GBR | Kawasaki | +1'38.760 |
17 | T・レオク | EST | Kawasaki | +1'46.188 |
18 | A・キオディ | ITA | TM | +1'49.421 |
19 | K・ネメス | HUN | KTM | -1 Laps |
20 | S・コラム | NZL | Suzuki | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | D・フィリッパエルツ | Yamaha | 231 |
2 | S・ラモン | Suzuki | 225 |
3 | J・コピンズ | Yamaha | 212 |
4 | S・プーセル | Kawasaki | 201 |
5 | K・デ・ディッカー | Suzuki | 200 |
6 | J・バラガン | KTM | 185 |
18 | A・レオク | Yamaha | 60 |
23 | S・ボニフェイス | Yamaha | 22 |
25 | L・フレイバーグス | Yamaha | 18 |
27 | C・カンパーノ | Yamaha | 15 |
33 | L・レオンス | Yamaha | 6 |
35 | W・スミス | Yamaha | 5 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 269 |
2 | Kawasaki | 257 |
3 | Suzuki | 256 |
4 | KTM | 241 |
5 | Honda | 217 |
6 | TM | 31 |
7 | Aprilia | 1 |
COMMENT
J・コピンズ選手談(2位/2位:総合2位)
「レースウイークの前にイタリアに行ってテストとトレーニングを行ったのが良かった。僕はメカニックやチームと密接に関わることが好きなんだ。今日のこの結果で多くのことを得たよ。第1ヒートではフェンスに絡まなければ勝ってただろうし、第2ヒートではセバスチャンが少し早かったね。マロリーパークみたいに悪い結果から一気に表彰台を獲得することが必要だったんだ。タイトル争いに参加できる位置に戻ったことが大きな自信になってるよ」
D・フィリッパエルツ選手談(13位/リタイヤ:総合18位)
「15ものレースで常に良い結果を残したり運に恵まれたりすることはないだろう。今日は残念だったけど、現実的にならなければいけない。第1ヒートでは何が起きたのか分からないんだ。いつも同じラインでアプローチしたんだけどね。恐らくやわらか過ぎるタイヤを選択したのかもしれないね。手を打って痛みは酷かったよ。そのクラッシュのあとの10分間は頭を打った影響で目が点になってたんだよ。13位は理想的ではないけどあの状況でなんとか完走したかった。それと、第2ヒートで6番手のドゥサルをコーナーでかわしたんだけど、彼は不可解な事をしたんだ。前に出た僕の後ろに突っ込んできたんだ。大きな衝撃だったよ。右のフットレストをそれで失って、走行を続けたんだけど、何度か足が地面に触れてリスキーだと思った。先を考えつつ毎戦いいレースをするようにしたいからね。マシンはとてもいいから嬉しいよ。今はドイツGPにベストコンディションで挑むために怪我を調べる必要があるね。トイチェンタルは好きだから、僕はそこで凄く速くなるかもしれないよ」
レーシングマネージャー、M・ラスパンティ談
「奇妙なGPだったけどジョシュにはともて満足している。先週のイタリアでの彼の走行から、ペースが戻ってると感じたしポディウムに戻ってくれることを期待していたんだ。第1ヒートではフェンスに絡まなければもちろん勝ってただろう。デビッドにとっては良くない日だったね。第1ヒートでのクラッシュは不運で痛みも残ってるけど、幸いにしてラモンもいい結果を残せなかった。痛みの影響で第2ヒートのスタートは少し遅かったけど、ドゥサルとの接触までは調子が良くて見てて安心したよ。フットペグを失って走行が困難になったね。YZ450FMは2台とも素晴らしい走りを見せたから、次のドイツに向けて準備するだけだよ」