モトクロス世界選手権 MXGP

RACE DATA

■2008モトクロス世界選手権第6戦イギリスGP
■カテゴリ：MX1クラス
■開催日：2008年6月1日（日）
■会場：マロリーパーク
■周回数：ヒート1＝19周、ヒート2＝19周
■天候：曇り　■気温：18度
■観客数：41,000人

REPORT

フィリッパエルツ、イギリスGPで3位

今シーズン最多となる41,000人もの観客動員数を記録したイギリスGPで、ヤマハ・モンスター・モトクロス・チームのD・フィリッパエルツがYZ450FMを駆って3位入賞を果たし、5戦連続の表彰台に立った。

舞台となったフォックスヒルの新しいコースは、前日までの雨でやわらかく、非常にラフで、オーバーテイクが難しいコースとなった。

世界選手権ランキングをリードするフィリッパエルツは、第1ヒート、オープニングラップの第3コーナーで他の選手にヒットされて転倒。先月開催されたイタリアGPのスタート時にフィリッパエルツが巻き込まれた事故と同じ状況となった。サイレンサーにダメージは受けたものの、フィリッパエルツは再走。19番手から果敢に追い上げ、タイトル争いを展開しているライバル、S・ラモン（スズキ）に続く2位まで順位を上げた。K・デ・ディッカー（スズキ）も僅差の3位につけ、レース終盤、一団となって走る3台だったが、フィリッパエルツは路面のぬかるんだ部分でトラクションを失い転倒。その後5位まで挽回してゴールした。

第2ヒート、フィリッパエルツのスタート位置は、土曜日の予選で速いラップが記録できなかったため今シーズン最悪の14位。肋骨の痛みに耐えながらの走行となったが、M・ド・ルーバー（ホンダ）とJ・ビル（ホンダ）の転倒にも助けられ、一時2位まで上がった。優勝はJ・バラガン（KTM）で、2位は第1ヒートでは1周もできなかったS・プーセル（カワサキ）が入った。フィリッパエルツは3位でゴール。総合結果も3位となった。

Ｊ・コピンズは異なるフロントフォークを試み、今週イギリス内でテストしたサスペンション・セッティングを採用し、予選を10位で通過。両ヒートとも序盤に転倒するという不運に見舞われる。第1ヒートはスタートで出遅れ、第1コーナーで転倒し、その後2度に渡って転倒。それでも懸命に追い上げたコピンズは11位でフィニッシュした。第2ヒートは第2コーナーで転倒したL・フレイバーグス（ヤマハ）に行く手を阻まれ、再び転倒。12位でゴールした。総合結果は11位となった。

Yamaha Van Beers RacingのA・レオクはYZ450Fを駆ってコピンズに続く12位。第1ヒートではこれまでのベストリザルトタイとなる8位に入った。第2ヒートは15位だった。

フィリッパエルツはランキングでのアドバンテージを1ポイント広げ、2位と28ポイント差とした。コピンズは1位フィリッパエルツと55ポイント差の4位に就けている。マニュファクチャラー部門でもヤマハは2位に4ポイント差で首位に就けている。

COMMENT

D・フィリッパエルツ選手談（5位/3位：総合3位）

「冬の間の自分の目標は各GPを5位以内で完走することだった。ファルケンスワードの第1戦以来、毎回表彰台に上っているので満足している。タイムドプラクティスでは14位だったが、ウォームアップでバイクのセッティングを若干変更した。これがレースではすごく良かった。僕にとってはちょっとマントヴァのようだった。第1コーナーで転倒して、それからハードにプッシュして追い上げた。つまらない転倒で3位以内に入るチャンスを、恐らく勝つチャンスも逸してしまったが、あそこまで後退しながらトップ5以内でゴールできたことには満足している。ジャンプの後、水にリアホイールをとられてしまい、バイクから落ちてしまった。ライディングには満足している。コースは自分にとっては今日よりも土曜日の方が難しかった。ピットサインで自分のタイムが速いことを確認していた。第2ヒートでは胸郭が痛んだが、楽に進んだ。マッケンジーとラモンという2人のライダーしかパスしていないが、毎ラップ速かった。次のフランスGPのコースは、グランプリ初勝利を挙げたところだし大好き。引き続き好結果が残せることを望んでいる」

J・コピンズ選手談（11位/12位：総合11位）

「運のない一日だった。第1ヒートでひどいジャンプをしてしまい、カワサキのバイクに乗った誰かが少々ワイドにはみ出して来て押し出されてしまった。15位辺りに就けていてときに転倒した。最後尾からスタートして、誤ってニュートラルに入れてしまい、再び後退してしまった。そこから11位まで追い上げた。第2ヒートのスタートはOKだったが、第2コーナーの小さなジャンプでフレイバーグスが転倒した。僕は既にジャンプする体制に入っていたので彼のうしろからジャンプした。最後尾から14位まで行った。もっと良いスタートを決めるためには予選でもっと上位に入らなければならないが、不運だった。がんばり続けるしかない」

レーシングマネージャー、M・ラスパンティ談

「てんてこ舞いの一日だった。ダビッドは第1ヒートでは良いレースをした。ほとんど最後尾まで落ちながら、うまいライディングで他のライダーより速く走った。最後の2周で、ラモンをパスしようとプッシュしたが、ラインを変えたために転倒してしまった。第2ヒートではプーセルより速くはなかったが、ランキングに関しては良い結果だった。ジョシュは不運だったし、転倒の後に時間を要した。結果は良くはなかったが、あれ以上できることはなかった」