モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.03 4月27日 ポルトガル
RACE DATA
■2008モトクロス世界選手権第3戦ポルトガルGP
■カテゴリ:MX1クラス
■開催日:2008年4月27日(日)
■会場:アジェンダ
■周回数:ヒート1=21周、ヒート2=21周
■天候:晴れ ■観客数:18,000人
REPORT
フィリッパエルツ、総合2位でランキング単独首位に浮上
激しい雨中のレースなった先週のスペインとはうってかわって、好天に恵まれた第3戦ポルトガル。ヤマハ・モンスター・モトクロス・チームのD・フィリッパエルツは第1ヒートで優勝、第2ヒートも2位となり総合2位、チームメイトのJ・コピンズも5位、3位で総合3位を獲得した。フィリッパエルツは、これでランキング首位に浮上。イタリア人選手が本シリーズ戦の首位を走るのは2004年にMX1GPが始まって以来初めて。
フィリッパエルツは土曜日の予選で転倒、背中を痛め、また一時両腕の感覚もない症状に。日曜日朝にも痛みは残ったが、それをおして健闘した。第1ヒートでは、B・マッケンジー(ホンダ)を抜いて7周目にトップに立つと、その後はハイペースを守り主導権を握り、そのままトップでフィニッシュ。本人にとっては昨年8月のベルギーGP以来のヒート優勝となった。
第2ヒートのフィリッパエルツは1周目で出遅れ5位からの追い上げ。マッケンジーの後退やJ・バラガン(KTM)の転倒もあり、フィリッパエルツは2位まで順位を上げそのままゴール。この日のポイントはS・プーセル(カワサキ)と同得点となったが、第2ヒートを制したプーセルが総合優勝となりフィリッパエルツは2戦連続の総合2位となった。
コピンズは土曜日にリアサスペンションの新しいセットアップをトライ。さらにピレリの種類の異なるタイヤとのマッチングも確認して決勝に臨んだ。コピンズは両ヒートとも、スタートはトップ5位以内で飛び出すが序盤後退。それでも終盤にはリズムを取り戻して果敢な走りを披露。第1ヒートではマッケンジーを激しく追い上げ5位。第2ヒートではラスト2周でラモンを追い上げる。約4秒遅れでラモンを追っていたコピンズは、最終ラップの最終コーナーでタイトなラインをとり、コンマ4秒差でラモンを抑え3位をもぎ取った。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・フィリッパエルツ | ITA | Yamaha | 38'56.063 |
2 | S・プーセル | FRA | Kawasaki | + 0'4.287 |
3 | J・バラガン | ESP | KTM | + 0'12.368 |
4 | B・マッケンジー | GBR | Honda | + 0'16.139 |
5 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | +0'17.169 |
6 | S・ラモン | BEL | Suzuki | + 0'34.548 |
7 | M・ド・ルーバー | NED | Honda | + 0'40.307 |
8 | T・レオク | EST | Kawasaki | + 0'41.921 |
9 | M・ブラウン | USA | Honda | + 0'44.229 |
10 | C・ドゥサル | BEL | Suzuki | + 0'46.637 |
11 | J・ビル | CHE | Honda | + 1'3.842 |
12 | M・ナグル | GER | KTM | + 1'6.481 |
13 | M・シファー | GER | KTM | + 1'9.133 |
14 | K・デディッカー | BEL | Suzuki | + 1'11.582 |
15 | J・ノーブル | GBR | KTM | + 1'12.339 |
16 | A・サルビーニ | ITA | Suzuki | + 1'13.578 |
17 | M・プリエム | BEL | Kawasaki | + 1'16.105 |
18 | K・ネメス | HUN | KTM | + 1'18.885 |
19 | A・キオディ | ITA | TM | + 1'26.162 |
20 | P・ルネ | FRA | Suzuki | + 1'28.134 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国 籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | S・プーセル | FRA | Kawasaki | 39'42.975 |
2 | D・フィリッパエルツ | ITA | Yamaha | + 0'8.473 |
3 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | + 0'11.360 |
4 | S・ラモン | BEL | Suzuki | +0'11.774 |
5 | M・ブラウン | USA | Honda | +0'16.237 |
6 | B・マッケンジー | GBR | Honda | + 0'22.697 |
7 | J・バラガン | ESP | KTM | + 0'29.193 |
8 | M・ド・ルーバー | NED | Honda | + 0'35.176 |
9 | K・ネメス | HUN | KTM | + 0 '39.940 |
10 | T・レオク | EST | Kawasaki | + 0'48.334 |
11 | C・ドゥサル | BEL | Suzuki | + 0'50.370 |
12 | M・ナグル | GER | KTM | + 0'52.219 |
13 | C・カンパーノ | ESP | Yamaha | +1'2.410 |
14 | J・ノーブル | GBR | KTM | + 1'14.846 |
15 | P・ルネ | FRA | Suzuki | + 1'22.129 |
16 | M・シファー | GER | KTM | + 1'31.529 |
17 | P・ゴンカルブス | POR | Honda | +1'38.142 |
18 | A・サルビーニ | ITA | Suzuki | + 1'44.695 |
19 | M・ヴァン・ダエル | BEL | Suzuki | + 1'48.894 |
20 | M・プリエム | BEL | Kawasaki | + 1'51.571 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | D・フィリッパエルツ | Yamaha | 102 |
2 | S・ラモン | Suzuki | 96 |
3 | J・コピンズ | Yamaha | 83 |
4 | B・マッケンジー | Honda | 79 |
5 | K・デディッカー | Suzuki | 77 |
6 | M・ナグル | KTM | 58 |
19 | A・レオク | Yamaha | 20 |
21 | L・フレイバーグス | Yamaha | 16 |
28 | C・カンパーノ | Yamaha | 8 |
30 | L・レオンス | Yamaha | 1 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Suzuki | 108 |
2 | Yamaha | 102 |
3 | Kawasaki | 92 |
4 | KTM | 85 |
5 | Honda | 82 |
6 | TM | 13 |
COMMENT
D・フィリッパエルツ選手談(1位/2位:総合2位)
「ランキングの首位は初めてなので凄く嬉しい。第1ヒートは信じられないほどだった。スタートはまずまずだったが、マッケンジーとバラガンを抜くなかで良いラインが見つかった。終盤プーセルが迫ってきたとき、彼を引き離そうと思い、最後までレースをリードできた。第2ヒートのスタートはうまくいったが、第2コーナーでタイムロスし、プーセルとマッケンジーに先行された。終盤になれば他選手のペースが落ちることはわかっていたので、レース全般を通じて力強い走りをキープしたかった。今後の目標は、各GPで確実に5位以内に入ることだ。そうすればランキング争いでも良い結果につながるはずだ」
J・コピンズ選手談(5位/3位:総合3位)
「第2ヒートは、予想もしていなかったエキサイティグな終わり方だったね。ラモンのペースが落ちているのがわかっていた。もちろん、いつも彼をパスしたいと思っていたので、頑張った。ラモンは、最終コーナーでアウト側にふくらんでしまったんだ。僕はそれをしっかり確認して、それから彼をパスしたんだ。実は土曜日に新しいリアショックを試してみたんだが、これが比較的ソフトで僕にはあっていた。それにコンパウンドの異なるムースタイヤもテストし、ラバーにカットを施したものも試した。かなりいいセットアップができたと思う。さらにセットアップを行い、マシンはさらに良い状態になっていた。今回は好天に恵まれ本格的なレースができて良かったが、普段のフィットネスとスキルレベルが試されるGPだった。今季のこれまでのレースは、自分にとってはタフな戦いだった。まだ速さが充分ではないし、とくにスタート時が課題。成績も6位、4位、3位と少しずつ上昇しているのが、さらに上を狙いたい」
ヤマハ・モンスター・モトクロス・チーム、レーシングマネージャー、M・ラスパンティ談
「素晴らしいGPだった。2人のライダーがともに表彰台に立つというのは凄い。彼らはハードワークを続けているし、良いパフォーマンスを示した。フィリッパエルツのヒート優勝は価値があるし、コピンズもとても喜んでいる。コピンズは特にショックを変更した後に喜んでいたようだ。我々はブルガリアとその後のモントーバを目指して、さらにマシンを煮詰め仕上げる作業を進めて行く」