モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.14 8月26日 イギリス
RACE DATA
■大会名称:モトクロス世界選手権第14戦イギリスGP
■カテゴリ:MX1クラス
■開催日:2007年8月26日(日)
■会場:イギリス/ドニントンパーク
■周回数:第1ヒート=18周、第2ヒート=18周
■天候:晴れ
■観客数:28,000人
REPORT
カイローリがMX1にデビュー、総合優勝を飾る!
4週間前のレースで肩を骨折したヤマハ・モトクロス・チームのJ・コピンズが復帰を果たした。しかし、これまで守ってきたシーズンランキング首位の座をライバルのS・ラモン(スズキ)に譲ることとなった。一方、MX2ですでに世界チャンピオンを決定しているデ・カルリ・ヤマハのA・カイローリがMX1にデビュー。YZ450Fを駆り見事なライディングを披露。MX1デビューレースにして総合優勝を獲得した。
二つのGPを欠場したコピンズが今大会ついに復帰。しかし痛みと戦いながらのライディングで、ジャンプが多くラフな轍のこのコースはコピンズに厳しい戦いを強いた。第1ヒートはコピンズが完璧なスタートを見せてホールショット。しかし、トップグループのペースについていくことができず1周目から後退。その後も懸命なライディングを続けたコピンズだったが順位を落とし14位でゴールとなった。
ランキングポイントで2位との差が12ポイントから4ポイントへとなり迎えた第2ヒート。コピンズは再び奮闘を試みたが上腕に力が入らず、バイクを的確にコントロールすることができなかったため1周しただけでリタイヤ。これで総合18位という順位に終わったコピンズは、今年初めてランキング1位から離れ、その座をラモンに譲った。チームメートのM・ドルーバーは第1ヒートでリタイヤ。第2ヒートには出場しなかった。
今年のMX2クラス世界チャンピオンのカイローリがMX1に出場。コピンズのサポートやヤマハのコンストラクターズタイトル獲得に向けて活躍した。YZ250Fを駆って今年9勝を挙げているカイローリは、2008年型のYZ450Fを駆り、初めてMX1のレースに出場。しかしカイローリはいつもと変わらず鮮やかなライディングを披露。K・ストライボス(スズキ)やK・デディッカー(ホンダ)を尻目に、第1ヒート2位、第2ヒート1位の成績を収めて総合1位を獲得した。
シーズンは来週リーロップで開催されるオランダGPで幕を閉じる。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | K・ストライボス | BEL | Suzuki | 39'51.315 |
2 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 0'9.194 |
3 | K・デディッカー | BEL | Honda | 0'16.306 |
4 | M・ブラウン | USA | Honda | 0'18.954 |
5 | T・レオク | EST | Kawasaki | 0'33.673 |
6 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 0'37.393 |
7 | S・プーセル | FRA | Kawasaki | 0'46.607 |
8 | B・マッケンジー | GBR | Kawasaki | 0'48.012 |
9 | J・ビル | CHE | Honda | 0'48.911 |
10 | J・バラガン | ESP | KTM | 0'55.727 |
11 | K・ネメス | HUN | Suzuki | 0'58.685 |
12 | J・ノーブル | GBR | Honda | 1'3.197 |
13 | P・A・ルネ | FRA | Honda | 1'5.746 |
14 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | 1'8.264 |
15 | A・サルビーニ | ITA | Yamaha | 1'9.522 |
16 | M・バン・ダエル | BEL | Honda | 1'10.555 |
17 | T・アリアー | FRA | Kawasaki | 1'32.866 |
18 | D・フィリッパーツ | ITA | KTM | 1'41.843 |
19 | B・アンダーソン | GBR | Yamaha | 1'43.453 |
20 | W・スミス | RSA | Honda | 1'47.202 |
24 | A・レオク | EST | Yamaha | -1 Laps |
28 | M・ドルーバー | NED | Yamaha | -6 Laps |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | ITA | Yamaha | 40'10.950 |
2 | K・ストライボス | BEL | Suzuki | 0'2.484 |
3 | K・デディッカー | BEL | Honda | 0'23.197 |
4 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 0'26.293 |
5 | T・レオク | EST | Kawasaki | 0'29.593 |
6 | M・ブラウン | USA | Honda | 0'32.917 |
7 | D・フィリッパーツ | ITA | KTM | 0'39.324 |
8 | S・プーセル | FRA | Kawasaki | 0'43.471 |
9 | J・バラガン | ESP | KTM | 0'45.977 |
10 | J・ビル | CHE | Honda | 0'47.839 |
11 | M・バン・ダエル | BEL | Honda | 1'11.605 |
12 | J・ノーブル | GBR | Honda | 1'17.846 |
13 | K・ネメス | HUN | Suzuki | 1'25.348 |
14 | B・アンダーソン | GBR | Yamaha | 1'35.993 |
15 | P・A・ルネ | FRA | Honda | 1'41.245 |
16 | B・マッケンジー | GBR | Kawasaki | 1'55.596 |
17 | A・サルビーニ | ITA | Yamaha | 1'59.866 |
18 | A・キオディ | ITA | Aprilia | 2'0.814 |
19 | C・ディザーレ | BEL | Suzuki | 2'7.932 |
20 | L・フレイバーグス | LVA | Yamaha | 2'8.426 |
29 | A・レオク | EST | Yamaha | -16 Laps |
30 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | -17 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | S・ラモン | Suzuki | 466 |
2 | J・コピンズ | Yamaha | 452 |
3 | K・ストライボス | Suzuki | 428 |
4 | S・プーセル | Kawasaki | 427 |
5 | D・フィリッパーツ | KTM | 406 |
6 | K・デディッカー | Honda | 385 |
16 | M・ドルーバー | Yamaha | 156 |
21 | A・レオク | Yamaha | 100 |
22 | A・サルビーニ | Yamaha | 69 |
24 | A・カイローリ | Yamaha | 47 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Suzuki | 571 |
2 | Yamaha | 542 |
3 | Kawasaki | 525 |
4 | KTM | 514 |
5 | Honda | 503 |
6 | TM | 174 |
7 | Aprilia | 38 |
8 | WRM | 15 |
COMMENT
A・カイローリ選手談(2位/優勝:総合優勝)
「良い一日だった。きのうの予選では良いタイムを記録するだけの速さがなかったけど、レースはまた別だということはわかっていた。第1ヒートのスタートは良くて、マッケンジーの後ろで少し待っていたが、腕が上がってしまった。450のパワーにはあまり慣れていないからね。僕がリードしている時、ケビン(ストライボス)がやって来た。彼は速かったよ。それから、汗がレンズに落ち続けたためゴーグルにちょっと問題をかかえていたんだ。
自分の体調が良いことはわかっていたし、第2ヒートでも前に出て、いつもMX2でやっているような展開になった。レース前半では体力を無駄に使うことなくライディングして、勝つために必要な時にプッシュした。450の最大の違いはパワーだ。1レースだけならいいけど、フルシーズンとなるとハードだろう。いきなり450に乗ったけど僕は今のところ250の方がいい。エンジョイできているし、すごく楽しいからね」
J・コピンズ選手談(14位/リタイヤ:総合18位)
「肩の痛みに耐えられなかった。ドクターには痛み止めをもっとくれるように頼み続けたがこれ以上は無理だった。集中するのが大変で、ハンドルバーをつかむために、あるいはゴーグルをとるために腕を上げることさえできないことがあったんだ。第2ヒートのサイティングラップの後、もう無理だとわかったけど、レースでは何か違うかもしれないとスタートしてみたんだ。第1ヒートには満足している。ひどいラインを走ったけどね。ライディングよりも痛みの方に注意がいっていた。完走してポイントを獲得したことで自尊心はある程度満足させることができたけど、同時にがっかりもしている。今はただ、リーロップで自分のレースがしたいと思っているよ」
M・ドルーバー選手談(リタイヤ/欠場:総合31位)
「何が起こったのかわからない。混乱してバイクに楽に乗ることができず速く走れなかった。コースは良かったが、最後尾周辺を走るのではポイント獲得が見えないので第2ヒートは走らなかったんだ」
C・リナルディ、ヤマハ・モトクロス・チーム監督談
「期待外れの一日だったが、まだ終わってはいない。コピンズが今週どう回復するかにかかっている。我々が望むように進むなら、選手権はまだ終わりではない。この週末のレースによってさらにダメージが大きくなっていたり回復が遅くなっていたり、悪影響がないこと望んでいる」
L・K・コーカンプ談、ヤマハ・モーター・ヨーロッパ レーシグマネージャー
「カイローリがまた信じられない才能を見せてくれたね。彼が良い結果を残すことと、コピンズを助けるためにスティーブの前でゴールすることを期待していたが、まさかGPに勝つとは思ってもいなかったよ。表彰台に立つだけでも素晴らしい結果なのに。どう説明していいのか言葉が見つからない。今日はカイローリが信じられないことをやってくれた半面、コピンズが不調だったので気持ちは非常に複雑だ。第1ヒートに彼がやってのけたことは非常に勇敢だったが相当な苦痛があったはずだ。今日はいろいろ考えさせられたよ。あきらめてはいないし、来週中にコピンズの肩の骨が癒されることを望んでいる」