モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 5月6日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:モトクロス世界選手権第4戦イタリアGP
■カテゴリ:MX1クラス
■開催日:2007年5月6日(日)
■開催地:イタリア/マントヴァ
■周回数:第1ヒート=19周、第2ヒート=19周
■天候:晴れ ■気温:26度
■観客数:29,000人
REPORT
コピンズが両ヒートを制して今季3度目の総合優勝
ヤマハ・モトクロス・チームのJ・コピンズが今季3勝目を挙げた。コースレイアウトは2月のシーズン開幕からやや変更。ラフなサンドの路面とジャンプの多いこのマントヴァは、多くのライダーからチャレンジングなコースとして人気がある。独特な四角形の「スタジアム」形式の施設は、コースのほとんどを見渡せる。
第1ヒートは波瀾の展開。M・ドルーバーが素晴らしいスタートを決め、レース序盤2番手まで順位を上げる。勢いに乗るドルーバーは、トップのD・フィリッパーツ(KTM)に襲いかかるが、2台は左タイトコーナーで接触しともに順位を落とす。代わってK・デディッカー(ホンダ)が先頭集団のトップに浮上。しかしすぐにコピンズがアタックを開始し、両者順位を入れ替えながらのバトルが数ラップに渡って展開する。
その後次第にデディッカーが遅れ出し、ラスト3周となった時点でT・レオク(カワサキ)がコピンズの背後に迫る。しかしコピンズは最後までこれを抑えきり今季7ヒート中5度目となるヒート優勝を飾った。ドルーバーは再スタートしてチェッカーを受けたが、23位となりポイント獲得には至らなかった。
第2ヒートもコピンズとデディッカーの争いが展開される。コピンズは元チームメイトの後ろにつけてチャンスをうかがい、序盤でデディッカーを捕らえトップに立つと、その後はトップを譲ることなく優勝。母国グランプリとなるチームに総合勝利をもたらした。また、ドルーバーも健闘しヤマハ加入してから2度目の3位フィニッシュとなった。
総合成績は、2位にレオク、3位にS・プーセル(カワサキ)が入った。ランキングでは、コピンズに続く2位のK・ストライボス(スズキ)がこのレースで総合4位となったため、両者の差は36ポイントに拡大した。ドルーバーはランキング10位につけている。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | 39'18.003 |
2 | T・レオク | EST | Kawasaki | 0'10.494 |
3 | K・ストライボス | BEL | Suzuki | 0'16.085 |
4 | S・プーセル | FRA | Kawasaki | 0'29.880 |
5 | J・ノーブル | GBR | Honda | 0'34.911 |
6 | B・マッケンジー | GBR | Kawasaki | 0'38.195 |
7 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 0'42.294 |
8 | G・クロカード | IRL | Honda | 0'46.664 |
9 | D・フィリッパーツ | ITA | KTM | 0'49.336 |
10 | K・ネメス | HUN | Suzuki | 0'55.145 |
11 | C・デザーレ | BEL | Suzuki | 1'10.513 |
12 | M・プリエム | BEL | TM | 1'15.256 |
13 | A・レオク | EST | Yamaha | 1'28.505 |
14 | M・ブラウン | USA | Honda | 1'31.926 |
15 | J・ビル | CHE | Kawasaki | 1'32.921 |
16 | A・サルビーニ | ITA | Yamaha | 1'34.455 |
17 | C・ベッジ | ITA | Honda | 1'43.475 |
18 | A・ピローネン | FIN | Kawasaki | 1'48.314 |
19 | M・コバライネン | FIN | Honda | 1'52.786 |
20 | C・ステバニーニ | ITA | Yamaha | 1'56.134 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・コピンズ | NZL | Yamaha | 40'56.507 |
2 | K・デディッカー | BEL | Honda | 0'5.757 |
3 | M・ドルーバー | NED | Yamaha | 0'10.669 |
4 | S・プーセル | FRA | Kawasaki | 0'13.407 |
5 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 0'15.793 |
6 | T・レオク | EST | Kawasaki | 0'19.242 |
7 | J・ノーブル | GBR | Honda | 0'28.599 |
8 | K・ストライボス | BEL | Suzuki | 0'39.096 |
9 | M・ブラウン | USA | Honda | 0'49.588 |
10 | J・バラガン | ESP | KTM | 0'59.306 |
11 | M・バン・ダエル | BEL | Honda | 1'3.127 |
12 | G・クロカード | IRL | Honda | 1'6.985 |
13 | A・レオク | EST | Yamaha | 1'21.234 |
14 | P・A・ルネ | FRA | Honda | 1'25.998 |
15 | A・ピローネン | FIN | Kawasaki | 1'43.079 |
16 | M・コバライネン | FIN | Honda | 1'45.801 |
17 | T・アリエ | FRA | Kawasaki | 1'57.507 |
18 | C・ベッジ | ITA | Honda | 2'28.389 |
19 | J・ビル | CHE | Kawasaki | -1 Laps |
20 | S・コランブ | NZL | Suzuki | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J・コピンズ | Yamaha | 194 |
2 | K・ストライボス | Suzuki | 158 |
3 | S・ラモン | Suzuki | 116 |
4 | K・デディッカー | Honda | 106 |
5 | S・プーセル | Kawasaki | 103 |
6 | J・バラガン | KTM | 100 |
10 | M・ドルーバー | Yamaha | 80 |
16 | A・レオク | Yamaha | 45 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 194 |
2 | Suzuki | 165 |
3 | KTM | 140 |
4 | Honda | 129 |
5 | Kawasaki | 127 |
6 | TM | 70 |
7 | Aprilia | 2 |
COMMENT
J・コピンズ選手談(優勝/優勝:総合優勝)
「とてもうれしい。実はこのコースはあまり好きではないけれど、チームスタッフの努力でマシンは大きく改善され決勝に臨めた。第1ヒートは大勢の選手が絡むバトルで始まり、最初の10分間は大変だった。でも僕は彼らをうまくパスできた。ドルーバーが転倒したとき、僕は巻き込まれそうになったが、それ以後は何事もなくうまく走れた。第2ヒートでは、先行するデディッカーはいくつかのコーナーで良いラインをとっていたので、彼に先行してもらったんだ。それで彼のペースが落ちるのを待ってからアタックした。今回は予想よりずっと良い走りができた。過去最高の勝利といえるだろう」
M・ドルーバー選手談(23位/3位:総合9位)
「最初の予選セッションからとても良いフィーリングで、これならいけると思っていた。第1ヒートはすぐに5番手とし、さらに2番手まで上がれた。その後はフィリッパーツと絡んで転倒。抜こうとして頑張り過ぎたんだ。あれは自分のミスではなく、レースでのアクシデント。本当にがっかりだった。第2ヒートはスタートが良く、コピンズについていこうと思った。僕たち二人がブラウンを向いた後、デディッカーが追い上げてきた。終盤、僕は彼を捕らえることができると思っていた。でもミスをおかしてしまったので安全策をとってポジションをキープすることにした。3位というのはそれほど悪くないし、再び結果とポイントを上げることができて良かったよ」
C・リナルディ、ヤマハ・モトクロス・チーム監督談
「すごく良い母国でのGPだったし、この週末はスタートが良くなかっただけにとても満足している。コピンズはもともとこのコースが好きではなく、土曜日もうまく走れずに苦労した。それだけに、こんなに良い結果になるとは思ってもみなかった。彼は積極的な走りで強さを示した。良いスタートを決め、アタックすべき時を待つ忍耐を持っていた。そして両ヒートとも制した。ドルーバーにも満足している。体力的に良くなっているし速さもある。ただ第1ヒートで転倒したのは残念だ。彼は勝つ力があるところを示したのだが...。しかし第2ヒートでは着実なレースをして3位。これは非常に良かった」